医療用医薬品 : ケトチフェン

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医薬品情報


総称名 ケトチフェン
一般名 ケトチフェンフマル酸塩
欧文一般名 Ketotifen Fumarate
製剤名 ケトチフェンフマル酸塩点眼液
薬効分類名 抗アレルギー点眼剤
薬効分類番号 1319
ATCコード R06AX17 S01GX08
KEGG DRUG
D01332 ケトチフェンフマル酸塩
KEGG DGROUP
DG01482 ヒスタミンH1受容体拮抗薬
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2023年11月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ケトチフェン点眼液0.05%「ツルハラ」 (後発品) Ketotifen Ophthalmic Solution 0.05%「TSURUHARA」 鶴原製薬 1319730Q1400 129.5円/瓶

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

4. 効能または効果

アレルギー性結膜炎

6. 用法及び用量

通常1回1〜2滴を1日4回(朝、昼、夕方及び就寝前)点眼する。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 0.1%〜5%未満0.1%未満頻度不明
過敏症眼瞼炎、眼瞼皮膚炎、そう痒感発疹、眼部腫脹、眼瞼浮腫、顔面浮腫
結膜充血、刺激感角膜びらん眼痛、霧視、眼乾燥、結膜炎、羞明
その他眠気頭痛、口渇

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
患者に対し以下の点に注意するよう指導すること。
・薬液汚染防止のため、点眼のとき、容器の先端が直接目に触れないように注意すること。
・患眼を開瞼して結膜のう内に点眼し、1〜5分間閉瞼して涙のう部を圧迫させた後、開瞼すること。
・他の点眼剤を併用する場合には、少なくとも5分以上間隔をあけてから点眼すること。
・ベンザルコニウム塩化物によりソフトコンタクトレンズを変色させることがあるので、ソフトコンタクトレンズを装用している場合は、点眼前にレンズを外し、点眼15分以上経過後に再装用すること1)

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
14C-ケトチフェンフマル酸塩の点眼液(9.67mg/0.195mCi/ml)50μlをウサギに1回投与したとき、血中への移行がみられたが低値であった。頻回投与した場合の定常状態における血漿中ケトチフェンフマル酸塩濃度は、結膜中の濃度の1/70程度と予測された2)
16.3 分布
14C-ケトチフェンフマル酸塩の点眼液(9.67mg/0.195mCi/ml)50μlをウサギに1回投与し、眼組織への移行性を検討した。
眼組織における14C-ケトチフェンフマル酸塩の濃度は投与後15分に最高値を示した。最も高い濃度を示したのは角膜(上皮)で、次いで結膜、角膜(内皮及び実質)、虹彩、強膜(前部)、毛様体、外眼筋、前房水の順であった。
他の眼組織中の平均滞留時間が3時間以下であるのに比べ、結膜では平均滞留時間が5.7時間と長い値を示した2)

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第III相試験
アレルギー性結膜炎患者(262例)を対象にケトチフェンフマル酸塩点眼液(128例)又はクロモグリク酸ナトリウム点眼液(134例)を1回1〜2滴、1日4回(朝、昼、夕方及び就寝前)、4週間点眼した二重盲検比較試験において、全般改善度はケトチフェンフマル酸塩点眼液群66%、クロモグリク酸ナトリウム点眼液群63%で両群間に有意差は認められなかった。またケトチフェンフマル酸塩点眼液投与群に副作用は認められなかった3)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
ケトチフェンフマル酸塩は、肥満細胞からのメディエーター遊離を抑制し、ヒスタミンH1受容体への結合を遮断することで抗アレルギー作用及び抗ヒスタミン作用を示す。
18.2 抗アレルギー作用
ケトチフェンはPCA(受動的皮膚アナフィラキシー)反応を抑制する(ラット)4)
ヒスタミン、SRS-A等のケミカルメディエーターの遊離を抑制する(ラット腹腔肥満細胞、ヒト白血球中好塩基球・好中球in vitro4)5)6)
また、抗原及びPAF(血小板活性化因子)による好酸球の活性化を抑制する(モルモット7)、ヒヒ8))。
18.3 抗ヒスタミン作用
ケトチフェンはヒスタミンによる気管支収縮(モルモット)、血管透過性亢進、皮膚反応(ラット)等を抑制する4)
18.4 動物結膜炎モデルにおける作用
動物結膜炎モデルにおいてケトチフェンはIgE結膜炎(ラット、モルモット、点眼)及びCompound48/80誘発結膜炎を抑制する(ラット、点眼)9)
抗原誘発により結膜炎症状とともに好酸球、好中球の結膜浸潤がみられるが、ケトチフェンはこれを抑制する(モルモット、点眼)10)
18.5 生物学的同等性試験
ケトチフェン点眼液0.05%「ツルハラ」およびザジテン点眼液0.05%は、抗血清の点眼により受動感作したラットあるいはモルモットに抗原及びエバンスブルーの静脈内投与により惹起した IgE 結膜炎モデルにおいて、結膜内への色素漏出を有意に抑制し、両剤の抑制率に有意な差はみられなかった。この結果より、ケトチフェン点眼液0.05%「ツルハラ」およびザジテン点眼液0.05%は生物学的に同等であることが確認された11)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. ケトチフェンフマル酸塩

一般的名称 ケトチフェンフマル酸塩
一般的名称(欧名) Ketotifen Fumarate
化学名 4-(1-Methylpiperidin-4-ylidene)-4H-benzo[4,5]cyclohepta[1,2-b]thiophen-10(9H)-one monofumarate
分子式 C19H19NOS・C4H4O4
分子量 425.50
融点 約190℃(分解)
物理化学的性状 白色〜淡黄白色の結晶性の粉末である。メタノール又は酢酸(100)にやや溶けにくく、水、エタノール(99.5)又は無水酢酸に溶けにくい。
KEGG DRUG D01332

22. 包装

5mL×10本[プラスチック製容器入]

23. 主要文献

  1. Christensen, MT. et al., CLAO J., 24 (4), 227-231, (1998) »PubMed
  2. 太田真一ほか, 臨床医薬, 4 (11), 2183-2191, (1988)
  3. 三国郁夫ほか, 臨床評価, 17 (2), 275-297, (1989)
  4. Martin, U. et al., Arzneim. -Forsch., 28 (5), 770-782, (1978)
  5. 熊谷朗ほか, メディカルサンド, 8 (2), 87-93, (1980)
  6. 岸本真知子ほか, アレルギーの臨床, 4 (2), 149-151, (1984)
  7. Morley, J. et al., Agents. Actions. Suppl., 23, 187- 194, (1988) »PubMed
  8. Arnoux, B. et al., Am. Rev. Respir. Dis., 137 (4), 855-860, (1988) »PubMed
  9. 山口武ほか, 医薬品研究, 20 (1), 48-56, (1989)
  10. 石崎道治, アレルギー, 35 (12), 1149-1157, (1986) »DOI
  11. 社内資料:生物学的同等性試験

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
鶴原製薬株式会社 医薬情報部
〒563-0036 大阪府池田市豊島北1丁目16番1号
電話:072-761-1456(代表)
FAX:072-760-5252
製品情報問い合わせ先
鶴原製薬株式会社 医薬情報部
〒563-0036 大阪府池田市豊島北1丁目16番1号
電話:072-761-1456(代表)
FAX:072-760-5252

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
鶴原製薬株式会社
大阪府池田市豊島北1丁目16番1号

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/05/21 版