医療用医薬品 : ヒアルロン酸Na

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医薬品情報


総称名 ヒアルロン酸Na
一般名 精製ヒアルロン酸ナトリウム
欧文一般名 Purified Sodium Hyaluronate
薬効分類名 角結膜上皮障害治療用点眼剤
薬効分類番号 1319
ATCコード S01KA01
KEGG DRUG
D03354 精製ヒアルロン酸ナトリウム
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2023年7月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ヒアルロン酸Na点眼液0.1%「ニットー」 (後発品) Hyaluronate Na Ophthalmic Solution 0.1%「NITTO」 東亜薬品 1319720Q3213 144.1円/瓶
ヒアルロン酸Na点眼液0.3%「ニットー」 (後発品) Hyaluronate Na Ophthalmic Solution 0.3%「NITTO」 東亜薬品 1319720Y2160 197.3円/瓶

4. 効能または効果

下記疾患に伴う角結膜上皮障害
シェーグレン症候群スティーブンス・ジョンソン症候群眼球乾燥症候群ドライアイ)等の内因性疾患
○術後、薬剤性、外傷、コンタクトレンズ装用等における外因性疾患

6. 用法及び用量

1回1滴、1日5〜6回点眼し、症状により適宜増減する。
なお、通常は0.1%製剤を投与し、重症疾患等で効果不十分の場合には、0.3%製剤を投与する。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には診断又は治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
診断又は治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 1%〜5%未満1%未満頻度不明
眼のそう痒感眼刺激、眼脂、結膜充血、眼の異物感、眼瞼炎、結膜炎びまん性表層角膜炎等の角膜障害、眼痛

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
患者に対し以下の点に注意するよう指導すること。
・薬液汚染防止のため、点眼のとき、容器の先端が直接目に触れないように注意すること。
・他の点眼剤を併用する場合には、少なくとも5分以上間隔をあけてから点眼すること。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第III相試験[1]
ドライアイ等に伴う角結膜上皮障害患者115例を対象に、人工涙液を少なくとも1週間点眼後、0.1%ヒアルロン酸ナトリウム点眼液又はグルタチオン点眼液を1日5回、両眼に4週間点眼した結果、0.1%ヒアルロン酸ナトリウム点眼液群の改善率は71.4%(40/56例)であり、グルタチオン点眼液群の31.5%(17/54例)と比較し、有意な改善が認められた。
副作用は0.1%ヒアルロン酸ナトリウム点眼液群の55例中1例(1.8%)に認められ、しみる1例のみであった1)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
ヒアルロン酸ナトリウムはフィブロネクチンと結合し、その作用を介して上皮細胞の接着、伸展を促進すると考えられる2)3)。また、その分子内に多数の水分子を保持することによって優れた保水性を示す4)
18.2 角膜創傷治癒促進作用
外科的に角膜上皮下の基底膜まで剥離したウサギ角膜上皮剥離モデルに対し、0.1〜0.5%ヒアルロン酸ナトリウム注)を点眼したとき、剥離24時間後より基剤点眼群と比較し有意な創傷面積の減少が認められた5)
18.3 角膜上皮伸展促進作用
ウサギ摘出角膜片の培養系において、ヒアルロン酸ナトリウムは対照群(培養液のみ)と比較して有意に角膜上皮細胞層の伸展を促進した6)in vitro)。
18.4 保水作用
0.1%〜1.0%ヒアルロン酸ナトリウム溶液注)を寒天平板に滴下したとき、水分蒸発による寒天重量の減少は濃度依存的に抑制された4)in vitro)。
注)本剤の承認された濃度は0.1%及び0.3%である。
18.5 生物学的同等性試験
<ヒアルロン酸Na点眼液0.1%「ニットー」>
18.5.1 実験的角膜上皮障害モデルに対する治癒効果
実験的ウサギ角膜上皮創傷モデルに対して、ヒアルロン酸Na点眼液0.1%「ニットー」(旧処方)を点眼したところ、Control(基剤)に対して、角膜創傷面積が有意に減少した。
18.5.2 角膜乾燥防止効果(in vitro 保水作用)
代替角膜(ソフトコンタクトレンズ)に試験製剤[ヒアルロン酸Na点眼液0.1%「ニットー」(新処方)]あるいは標準製剤[ヒアルロン酸Na点眼液0.1%「ニットー」(旧処方)]を反復滴下して初回滴下後3時間における残存率(相対湿重量)を算出した結果、両製剤の生物学的同等性が確認された7)
<ヒアルロン酸Na点眼液0.3%「ニットー」>
18.5.3 n-ヘプタノール損傷による実験的角膜上皮障害モデルに対する治療効果
n-ヘプタノールにより角膜上皮を損傷させたウサギのモデルに対して、ヒアルロン酸Na点眼液0.3%「ニットー」(旧処方)、ヒアレイン点眼液0.3%、Control(生理食塩液)を点眼し、角膜上皮損傷面積を指標として比較検討した(n=10)。その結果、両剤ともにControlとの間に有意な差が認められ、両剤間では有意な差が認められず、両剤の生物学的同等性が確認された。
18.5.4 外科的剥離による実験的角膜上皮障害モデルに対する治療効果
角膜上皮を外科的に剥離させたウサギのモデルに対して、ヒアルロン酸Na点眼液0.3%「ニットー」(旧処方)、ヒアレイン点眼液0.3%、Control(生理食塩液)を点眼し、角膜上皮損傷面積を指標として比較検討した(n=10)。その結果、両剤ともにControlとの間に有意な差が認められ、両剤間では有意な差が認められず、両剤の生物学的同等性が確認された。
18.5.5 ドライアイモデルに対する角膜乾燥防止効果
ウサギのドライアイモデルに対して、ヒアルロン酸Na点眼液0.3%「ニットー」(旧処方)、ヒアレイン点眼液0.3%、Control(生理食塩液)を点眼し、点眼3時間後、角膜上皮障害部位をメチレンブルーで染色し、角膜からの抽出液中の色素吸光度を指標として角膜乾燥防止効果を比較検討した(n=10)。その結果、両剤ともにControlとの間に有意な差が認められ、両剤間では有意な差が認められず、両剤の生物学的同等性が確認された。
Tukey型多重比較検定
**:P<0.01(vs.Control)、N.S.:有意差なし
平均値±標準偏差、n=10
18.5.6 角膜乾燥防止効果(in vitro 保水作用)
代替角膜(ソフトコンタクトレンズ)に試験製剤[ヒアルロン酸Na点眼液0.3%「ニットー」(新処方)]あるいは標準製剤[ヒアルロン酸Na点眼液0.3%「ニットー」(旧処方)]を反復滴下して初回滴下後3時間における残存率(相対湿重量)を算出した結果、両製剤の生物学的同等性が確認された8)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. 精製ヒアルロン酸ナトリウム

一般的名称 精製ヒアルロン酸ナトリウム
一般的名称(欧名) Purified Sodium Hyaluronate
分子式 (C14H20NNaO11)n
分子量 平均分子量50万〜149万
物理化学的性状 精製ヒアルロン酸ナトリウムは白色の粉末、粒又は繊維状の塊である。
水にやや溶けにくく、エタノール(99.5)にほとんど溶けない。
吸湿性である。
KEGG DRUG D03354

22. 包装

<ヒアルロン酸Na点眼液0.1%「ニットー」>
プラスチック点眼容器 5mL×10本、5mL×50本
<ヒアルロン酸Na点眼液0.3%「ニットー」>
プラスチック点眼容器 5mL×10本、5mL×50本

23. 主要文献

  1. 北野周作ほか, 日本眼科紀要, 44 (4), 487-497, (1993)
  2. Nakamura,M.et al., J.Cellular Physiol., 159, 415-422, (1994) »PubMed
  3. Nakamura,M.et al., Current Eye Res., 13, 385-388, (1994) »PubMed
  4. Nakamura,M.et al., Cornea., 12 (5), 433-436, (1993) »PubMed
  5. 中村雅胤ほか, 日本眼科紀要, 46 (12), 1256-1260, (1995)
  6. Nakamura,M.et al., Current Eye Res., 11 (10), 981-986, (1992) »PubMed
  7. 社内資料:ヒアルロン酸Na点眼液0.1%「ニットー」の生物学的同等性試験
  8. 社内資料:ヒアルロン酸Na点眼液0.3%「ニットー」の生物学的同等性試験

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
日東メディック株式会社 おくすり相談窓口
〒104-0031 東京都中央区京橋1-10-7
電話:03-3523-0345
FAX:03-6264-4086
製品情報問い合わせ先
日東メディック株式会社 おくすり相談窓口
〒104-0031 東京都中央区京橋1-10-7
電話:03-3523-0345
FAX:03-6264-4086

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
東亜薬品株式会社
富山県富山市水橋開発277番10
26.2 発売元
日東メディック株式会社
富山県富山市八尾町保内1-14-1

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/09/17 版