医療用医薬品 : モルヒネ塩酸塩

List   Top

医薬品情報


総称名 モルヒネ塩酸塩
一般名 モルヒネ塩酸塩水和物
欧文一般名 Morphine Hydrochloride Hydrate
製剤名 モルヒネ塩酸塩注射液
薬効分類番号 8114
ATCコード N02AA01
KEGG DRUG D02271 モルヒネ塩酸塩水和物
商品一覧 相互作用情報
KEGG DGROUP DG00810 モルヒネ
商品一覧
JAPIC 添付文書(PDF)

添付文書情報 2020年9月 改訂(販売名変更による改訂) (第6版)


禁忌 原則禁忌 効能・効果及び用法・用量 使用上の注意 薬効薬理 理化学的知見 取扱い上の注意 包装 操作方法

商品情報 組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
モルヒネ塩酸塩注100mgシリンジ「テルモ」 (後発品) Morphine Hydrochloride Injection 100mg テルモ 8114402G1047 2576円/筒 劇薬 , 麻薬 , 処方箋医薬品

禁忌

次の患者には投与しないこと

重篤な呼吸抑制のある患者[呼吸抑制を増強する.]

気管支喘息発作中の患者[気道分泌を妨げる.]

重篤な肝障害のある患者[昏睡に陥ることがある.]

慢性肺疾患に続発する心不全の患者[呼吸抑制や循環不全を増強する.]

痙攣状態(てんかん重積症,破傷風,ストリキニーネ中毒)にある患者[脊髄の刺激効果があらわれる.]

急性アルコール中毒の患者[呼吸抑制を増強する.]

アヘンアルカロイドに対し過敏症の患者

出血性大腸炎の患者[腸管出血性大腸菌(O157等)や赤痢菌等の重篤な細菌性下痢のある患者では,症状の悪化,治療期間の延長をきたすおそれがある.]

ナルメフェン塩酸塩水和物を投与中又は投与中止後1週間以内の患者[「3.相互作用」の項参照]

原則禁忌

次の患者には投与しないことを原則とするが、特に必要とする場合には慎重に投与すること

細菌性下痢のある患者[治療期間の延長をきたすおそれがある.]

効能・効果及び用法・用量

効能効果

中等度から高度の疼痛を伴う各種癌における鎮痛

用法用量

通常,成人には,モルヒネ塩酸塩水和物として,1回50〜200mgを持続点滴静注又は持続皮下注により投与する.
なお,年齢,症状により適宜増減する.

用法用量に関連する使用上の注意

本剤は,皮下又は静脈内注射にのみ使用すること.(硬膜外及びくも膜下投与には使用しないこと.)

使用上の注意

慎重投与

心機能障害のある患者[循環不全を増強するおそれがある.]

呼吸機能障害のある患者[呼吸抑制を増強するおそれがある.]

肝・腎機能障害のある患者[代謝・排泄が遅延し副作用があらわれるおそれがある.]

脳に器質的障害のある患者[呼吸抑制や頭蓋内圧の上昇を起こすおそれがある.]

ショック状態にある患者[循環不全や呼吸抑制を増強するおそれがある.]

代謝性アシドーシスのある患者[呼吸抑制を起こすおそれがある.]

甲状腺機能低下症(粘液水腫等)の患者[呼吸抑制や昏睡を起こすおそれがある.]

副腎皮質機能低下症(アジソン病等)の患者[呼吸抑制作用に対し,感受性が高くなっている.]

薬物依存の既往歴のある患者[依存性を生じやすい.]

高齢者[「5.高齢者への投与」の項参照]

新生児,乳児[「7.小児等への投与」の項参照]

衰弱者[呼吸抑制作用に対し,感受性が高くなっている.]

前立腺肥大による排尿障害,尿道狭窄,尿路手術術後の患者[排尿障害を増強することがある.]

器質的幽門狭窄,麻痺性イレウス又は最近消化管手術を行った患者[消化管運動を抑制する.]

痙攣の既往歴のある患者[痙攣を誘発するおそれがある.]

胆のう障害及び胆石のある患者[胆道痙攣を起こすことがある.]

重篤な炎症性腸疾患のある患者[連用した場合,巨大結腸症を起こすおそれがある.]

ジドブジン(アジドチミジン)を投与中の患者[「3.相互作用」の項参照]

重要な基本的注意

連用により薬物依存を生じることがあるので,観察を十分に行い,慎重に投与すること.[「4.(1)重大な副作用」の項参照]

眠気,眩暈が起こることがあるので,本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること.

相互作用

併用禁忌

ナルメフェン塩酸塩水和物
セリンクロ
本剤の離脱症状があらわれるおそれがある.また,本剤の効果が減弱するおそれがある.緊急の手術等によりやむを得ず本剤を投与する場合,患者毎に用量を漸増し,呼吸抑制等の中枢神経抑制症状を注意深く観察すること.また,手術等において本剤を投与することが事前にわかる場合には,少なくとも1週間前にナルメフェン塩酸塩水和物の投与を中断すること.μオピオイド受容体拮抗作用により,本剤の作用が競合的に阻害される.本剤の離脱症状があらわれるおそれがある.また,本剤の効果が減弱するおそれがある.緊急の手術等によりやむを得ず本剤を投与する場合,患者毎に用量を漸増し,呼吸抑制等の中枢神経抑制症状を注意深く観察すること.また,手術等において本剤を投与することが事前にわかる場合には,少なくとも1週間前にナルメフェン塩酸塩水和物の投与を中断すること.μオピオイド受容体拮抗作用により,本剤の作用が競合的に阻害される.

併用注意

中枢神経抑制剤
フェノチアジン系薬剤
バルビツール酸系薬剤等
吸入麻酔剤
モノアミン酸化酵素阻害剤
三環系抗うつ剤
β-遮断剤
アルコール
相加的抑制作用により,呼吸抑制,低血圧及び顕著な鎮静又は昏睡が起こることがある.相加的抑制作用により,呼吸抑制,低血圧及び顕著な鎮静又は昏睡が起こることがある.
クマリン系抗凝血剤クマリン系抗凝血剤の作用が増強することがある.クマリン系抗凝血剤の作用が増強することがある.
抗コリン作動性薬剤麻痺性イレウスに至る重篤な便秘又は尿貯留が起こるおそれがある.モルヒネには腸管神経叢でのアセチルコリン遊離抑制作用,尿路平滑筋収縮作用があり,抗コリン作動性薬剤には消化管緊張,自動運動の抑制作用並びに膀胱括約筋を収縮させる傾向がある.麻痺性イレウスに至る重篤な便秘又は尿貯留が起こるおそれがある.モルヒネには腸管神経叢でのアセチルコリン遊離抑制作用,尿路平滑筋収縮作用があり,抗コリン作動性薬剤には消化管緊張,自動運動の抑制作用並びに膀胱括約筋を収縮させる傾向がある.
ジドブジン
(アジドチミジン)
肝臓でのグルクロン酸抱合における競合的阻害により,ジドブジンのクリアランスが低下する.肝臓でのグルクロン酸抱合における競合的阻害により,ジドブジンのクリアランスが低下する.
ブプレノルフィンブプレノルフィンの高用量(8mg連続皮下投与)において,本剤の作用に拮抗するとの報告がある.オピオイド受容体に対する競合的阻害による.ブプレノルフィンの高用量(8mg連続皮下投与)において,本剤の作用に拮抗するとの報告がある.オピオイド受容体に対する競合的阻害による.

副作用

副作用発現状況の概要

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない.

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

(いずれも頻度不明)

薬物依存,退薬症候

連用により薬物依存を生じることがあるので,観察を十分に行い,慎重に投与すること.また,連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により,あくび,くしゃみ,流涙,発汗,悪心,嘔吐,下痢,腹痛,散瞳,頭痛,不眠,不安,せん妄,振戦,全身の筋肉・関節痛,呼吸促迫等の退薬症候があらわれることがあるので,投与を中止する場合には,1日用量を徐々に減量するなど,患者の状態を観察しながら行うこと.

呼吸抑制

呼吸抑制があらわれることがあるので,息切れ,呼吸緩慢,不規則な呼吸,呼吸異常等があらわれた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと.なお,本剤による呼吸抑制には,麻薬拮抗剤(ナロキソン,レバロルファン等)が拮抗する.

錯乱,せん妄

錯乱,せん妄があらわれることがあるので,このような場合には,減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと.

無気肺,気管支痙攣,喉頭浮腫

無気肺,気管支痙攣,喉頭浮腫があらわれるとの報告がある.

麻痺性イレウス,中毒性巨大結腸

炎症性腸疾患の患者に投与した場合,麻痺性イレウス,中毒性巨大結腸があらわれるとの報告がある.

その他の副作用

 頻度不明
循環器不整脈,血圧変動,顔面潮紅
精神神経系眠気,眩暈,不安,不穏,興奮,視調節障害,発汗
消化器悪心,嘔吐,便秘,口渇
過敏症注)発疹,そう痒感
投与部位発赤,腫脹,硬結,疼痛
その他排尿障害,尿閉,頭蓋内圧の亢進,脱力
注)このような場合には投与を中止すること.

高齢者への投与

高齢者では低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら,慎重に投与すること.[一般に高齢者では生理機能が低下しており,特に呼吸抑制の感受性が高い.]

妊婦,産婦,授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には,治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること.[動物試験(マウス,ラット)で催奇形作用が報告されている.]

分娩前に投与した場合,出産後新生児に退薬症候(多動,神経過敏,不眠,振戦等)があらわれることがある.

分娩時の投与により,新生児に呼吸抑制があらわれることがある.

授乳中の婦人には,本剤投与中は授乳を避けさせること.[ヒト母乳中へ移行することがある.]

小児等への投与

新生児,乳児では,低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら,慎重に投与すること.[新生児,乳児では呼吸抑制の感受性が高い.]

過量投与

徴候,症状

呼吸抑制,意識不明,痙攣,錯乱,血圧低下,重篤な脱力感,重篤なめまい,嗜眠,心拍数の減少,神経過敏,不安,縮瞳,皮膚冷感等を起こすことがある.

処置

過量投与時には以下の治療を行うことが望ましい.

投与を中止し,気道確保,補助呼吸及び呼吸調節により適切な呼吸管理を行う.

麻薬拮抗剤(ナロキソン,レバロルファン等)投与を行い,患者に退薬症候又は麻薬拮抗剤の副作用が発現しないよう慎重に投与する.なお,麻薬拮抗剤の作用持続時間はモルヒネのそれより短いので,患者のモニタリングを行うか又は患者の反応に応じて初回投与後は注入速度を調節しながら持続静注する.

必要に応じて補液,昇圧剤等の投与又は他の補助療法を行う.

適用上の注意

使用時

ブリスター包装開封後は速やかに使用すること.

投与経路

モルヒネ製剤の癌疼痛における臨床使用方法としては経口投与又は直腸内投与が不可能なとき,はじめて注射を用いる.

投与方法

輸液剤に配合して投与するか,シリンジポンプ又は携帯型ディスポーザブル注入ポンプを用いて投与すること(針をつけて直接投与しないこと).

シリンジポンプを用いて投与する場合は,必ず適合するポンプを使用すること.

携帯型ディスポーザブル注入ポンプを用いて投与する場合は,必ず注入口が適合することを確認して使用すること.

投与速度

静注する場合には緩徐に行うことが望ましい.[急速静注により,アナフィラキシー,重篤な呼吸抑制,低血圧,末梢循環虚脱,心停止が起こるおそれがある.]

患者等に対する指導

本剤が不要となった場合には,病院又は薬局へ返却する等の処置について適切に指導すること.

薬効薬理

中枢神経系

運動中枢,意識,知覚に影響しない量で痛覚の感受性を減じ,鎮痛の目的に用いられる.また,呼吸・咳嗽中枢を抑制し,呼吸鎮静作用,鎮咳作用をあらわす.

消化器系

胃腸管の運動を低下させ,止瀉作用をあらわす.また,膵液や腸液等消化液の分泌を減少させる.

循環器系

薬用量では心拍数,血圧に殆ど影響がないか,あっても軽度である.大量では血圧下降があらわれる.

その他

体温調節中枢の抑制作用,瞳孔縮小作用,汗腺を除く外分泌腺の分泌抑制作用等を示す.

有効成分に関する理化学的知見

一般名モルヒネ塩酸塩水和物
一般名(欧名)Morphine Hydrochloride Hydrate
化学名(5R,6S)-4,5-Epoxy-17-methyl-7,8-didehydromorphinan-3,6-diol monohydrochloride trihydrate
分子式C17H19NO3・HCl・3H2O
分子量375.84
性状白色の結晶又は結晶性の粉末である.ギ酸に溶けやすく,水にやや溶けやすく,メタノールにやや溶けにくく,エタノール(95)に溶けにくい.光によって徐々に黄褐色を帯びる.
KEGG DRUGD02271

取扱い上の注意

包装フィルム表面に減圧によるへこみがない場合は,使用しないこと.

ブリスター包装は使用時まで開封しないこと.

ブリスター包装は開封口から静かに開けること.

ブリスター包装は包装フィルムを十分開封し,シリンジの外筒部分を持って取り出すこと.押子を持って無理に引き出すと,ガスケットが変形し,薬液が漏出するおそれがある.

シリンジが破損するおそれがあるため,強い衝撃を避けること.

シリンジに破損等の異常が認められるときは使用しないこと.

内容液が漏れている場合や,内容液に混濁や浮遊物等の異常が認められるときは使用しないこと.

開封後の使用は1回限りとし,使用後の残液及び容器は適切に廃棄すること.

シリンジポンプ又は携帯型ディスポーザブル注入ポンプを使用の際は,手でエアー抜きをして使用すること.

本品の押子とガスケットはネジ式構造により接続されているので,押子を反時計回りに回転させると接続に緩みが生じ,ガスケットと押子が外れる事象が生じることから,シリンジポンプを用いて投与する場合は,以下の事項を遵守すること.

本品の押子は回転させないこと,特にエアー抜き操作などの際に注意すること.[ガスケットから押子が外れるおそれがある.]

本品をシリンジポンプに装着する際,シリンジのガスケットと押子に緩み・ガタつきがないことを確認すること.[サイフォニング現象により急速注入のおそれがある.]

シリンジポンプと患者との落差をできるだけ小さくすること.

シリンジの再滅菌・再使用はしないこと.

注射針等は針刺しや感染防止に留意し,安全な方法で廃棄すること.

包装

10mL×5本

操作方法

〈各部の名称〉


プレフィルドシリンジ

輸液剤に配合して投与する場合

シリンジ先端のキャップを,回転させながら外す.

シリンジ先端に,注射針を回転させながら,しっかりと装着する.

プロテクターを外して注射針を輸液剤の混注口にゆっくりと,まっすぐに穿刺し,薬液を注入する.

シリンジポンプで投与する場合

シリンジ先端のキャップを,回転させながら外す.

手で十分注意してエアー抜きを行ってから,シリンジ先端に,注入ラインの接続部を回転させながら,しっかりと装着・ロックする.

シリンジポンプの取扱説明書に従って投与すること.

携帯型ディスポーザブル注入ポンプで投与する場合

シリンジ先端のキャップを,回転させながら外す.

手で十分注意してエアー抜きを行ってから,ポンプの注入口に,シリンジ先端を回転させながら,しっかりと装着・ロック※し,薬液を注入する.その後は,携帯型ディスポーザブル注入ポンプの取扱説明書に従って投与すること.

※1 ポンプによってはロックできない機種もあるため,その場合はポンプの取扱説明書に従って装着すること.

※2 装着・ロックの際,過大な力で回転させないこと.破損するおそれがある.

注意:適合するシリンジポンプを使用し,本シリンジが使用可能な設定であることを必ず確認すること.

作業情報


改訂履歴

2020年4月 改訂
2020年9月 改訂(販売名変更による改訂) (第6版)

文献請求先

テルモ株式会社
151-0072
東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目44番1号
0120-12-8195

業態及び業者名等

製造販売元
テルモ株式会社
東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目44番1号


[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2022/11/24 版