アズレンスルホン酸ナトリウム水和物の抗炎症作用は、白血球遊走阻止作用及び肥満細胞からのヒスタミン遊離抑制作用等によるものである。下垂体−副腎系を介さず、また、PGE
2生合成阻害作用を示さない。このことから、アズレンスルホン酸ナトリウム水和物は炎症組織に対する直接的な局所作用を発揮すると考えられている
1)2)。
口腔内粘膜に酢酸を注入し惹起させた実験的口内炎に対し、アズレンスルホン酸ナトリウム水和物は40μg/mL以上の濃度で有意に創傷治癒促進作用を認めている(ハムスター)
3)。
アズレンスルホン酸ナトリウム水和物は、
in vitroにおいて白血球遊走阻止作用を認めるとともに、肥満細胞からのヒスタミン遊離抑制作用を示し、またカラゲニン、デキストラン等の各種起炎物質による浮腫、カラゲニン胸膜炎等、種々の実験的炎症を抑制することが知られている(ラット)
1)4)。
18.4.1 ラット口腔内毛細血管透過性亢進モデルに対する消炎作用
ラット口腔内毛細血管透過性亢進モデルに対して、アズレンうがい液4%「ニットー」又はアズノールうがい液4%の20倍希釈液を口腔内に注入後、注入した色素の口腔内毛細血管からの漏出色素量を指標として消炎作用を比較した。その結果、両剤ともControl(注射用水)に対して有意な色素量の減少が認められ、両剤間では有意な差は認められず、両剤の生物学的同等性が確認された
5)。
18.4.2 ハムスター口内炎モデルに対する治癒効果
ハムスター口内炎モデルに対して、アズレンうがい液4%「ニットー」又はアズノールうがい液4%の800倍希釈液を頬のう内に注入投与(含嗽)し、創傷部面積を指標として治癒率を比較した。その結果、両剤ともControl(無処置)に対して治癒率に有意な差が認められ、両剤間では有意な差は認められず、両剤の生物学的同等性が確認された
5)。