医療用医薬品 : dl−メチルエフェドリン塩酸塩

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医薬品情報


総称名 dl−メチルエフェドリン塩酸塩
一般名 dl-メチルエフェドリン塩酸塩
欧文一般名 dl-Methylephedrine Hydrochloride
薬効分類名 鎮咳剤
薬効分類番号 2221
KEGG DRUG
D02109 dl-メチルエフェドリン塩酸塩
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2023年7月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
dl−メチルエフェドリン塩酸塩散10%「メタル」 中北薬品 2221003B2199 10円/g

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
カテコールアミン製剤(アドレナリン、イソプレナリン塩酸塩等)を投与中の患者[10.1参照]

4. 効能または効果

○下記疾患に伴う咳嗽
気管支喘息、感冒、急性気管支炎、慢性気管支炎、肺結核、上気道炎(咽喉頭炎、鼻カタル)
○蕁麻疹、湿疹

6. 用法及び用量

dl-メチルエフェドリン塩酸塩として、通常、成人1回25〜50mgを1日3回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

7. 用法及び用量に関連する注意

7.1 1回あたりの製剤量
 1回投与量
散10%0.25〜0.5g

8. 重要な基本的注意

8.1 用法・用量どおり、正しく使用しても効果が認められない場合は、本剤が適当でないと考えられるので、投与を中止すること。
なお、小児に投与する場合には、使用法を正しく指導し、経過の観察を十分に行うこと。
8.2 過度に使用を続けた場合、不整脈、場合によっては心停止を起こすおそれがあるので、使用が過度にならないように注意すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 甲状腺機能亢進症の患者
交感神経刺激作用により甲状腺機能亢進症を悪化させるおそれがある。
9.1.2 高血圧症の患者
交感神経刺激作用により高血圧症状を悪化させるおそれがある。
9.1.3 心疾患のある患者
交感神経刺激作用により心拍数が増加し、心臓に過負荷をかけることがあるため、症状を悪化させるおそれがある。
9.1.4 糖尿病の患者
交感神経刺激作用により糖代謝を促進し、血中グルコースを増加させるおそれがある。
9.1.5 低酸素血症のある患者
定期的に血清カリウム値を観察することが望ましい。低酸素血症は、血清カリウム値の低下が心リズムに及ぼす作用を増強することがある。[10.211.1.1参照]
9.5 妊婦
妊婦または妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

10. 相互作用

10.1 併用禁忌
カテコールアミン製剤
アドレナリン(ボスミン)
イソプレナリン塩酸塩(プロタノール)

[2.参照]
不整脈、場合によっては心停止を起こすおそれがあるので併用を避けること。相加的に作用(交感神経刺激作用)を増強させる。
10.2 併用注意
モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤
セレギリン塩酸塩
ラサギリンメシル酸塩
サフィナミドメシル酸塩
作用が増強されるおそれがあるので、減量をするなど慎重に投与すること。これらの薬剤のMAO-B選択性が低下した場合、交感神経刺激作用が増強されるおそれがある。
甲状腺製剤
チロキシン
リオチロニン等
作用が増強されるおそれがあるので、減量をするなど慎重に投与すること。これらの薬剤が心臓のカテコールアミンに対する感受性を増大するおそれがある。
キサンチン誘導体
テオフィリン
ステロイド剤
プレドニゾロン
利尿剤
アミノフィリン
9.1.511.1.1参照]
血清カリウム値が低下するおそれがある。
併用する場合には定期的に血清カリウム値を観察し、用量について注意すること。
相加的に作用(血清カリウム値の低下作用)を増強する。
β2刺激剤はcAMPを活性化しNa-Kポンプを刺激する。

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 重篤な血清カリウム値の低下(頻度不明)
キサンチン誘導体、ステロイド剤及び利尿剤の併用により増強することがあるので、重症喘息患者では特に注意すること。[9.1.510.2参照]
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 0.1〜5%未満頻度不明
循環器心悸亢進、顔面蒼白 
精神神経系頭痛、不眠、めまい、眠気、神経過敏、疲労熱感
消化器悪心、食欲不振、腹部膨満感 
過敏症 発疹
その他口渇 

16. 薬物動態

16.5 排泄
健康成人男子3例に27.1mgのl-メチルエフェドリンを水溶液として経口投与したとき、24時間までに投与量の63.7〜79.7%が未変化体として尿中に排泄される。N-脱メチル化代謝物であるエフェドリン及びノルエフェドリンの尿中排泄率は、それぞれ10.0〜16.9%、1.0〜1.7%である(酸性尿の場合)1)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
交感神経興奮様薬物。α及びβ受容体を刺激するが、作用の一部は交感神経終末からのノルアドレナリン遊離を介する間接的なものである2)
18.2 気管支拡張作用
ヒスタミン吸入によるモルモット実験的喘息に対する喘息防止作用(ED50)は経口投与45mg/kg、皮下投与28mg/kgである。
50mg/kg経口投与により作用は3時間持続する3)
18.3 鎮咳作用
亜硫酸ガス吸入によるモルモット実験咳に対する鎮咳作用(ED50)は皮下投与24mg/kgで、エフェドリンの0.7倍、コデインの0.6倍である。また、機械的刺激に対しては腹腔内投与35.2mg/kgで、コデインの0.4倍である4)
18.4 抗アレルギー作用
ヒスタミン皮内投与によるヒトの膨疹及び発赤に対し、1mg皮内投与によりジフェンヒドラミンと同程度に抑制する5)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. dl-メチルエフェドリン塩酸塩

一般的名称 dl-メチルエフェドリン塩酸塩
一般的名称(欧名) dl-Methylephedrine Hydrochloride
化学名 (1RS,2SR)-2-Dimethylamino-1-phenylpropan-1-ol monohydrochloride
分子式 C11H17NO・HCl
分子量 215.72
融点 207〜211℃
物理化学的性状 無色の結晶又は白色の結晶性の粉末である。
水に溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けにくく、酢酸(100)に溶けにくく、無水酢酸にほとんど溶けない。
水溶液(1→20)は旋光性を示さない。

20. 取扱い上の注意

外箱開封後は光を避けて保存すること。

22. 包装

500g(ポリエチレン袋)

23. 主要文献

  1. Wilkinson,G.R.et al., J.Pharmacol.Exp.Ther., 162 (1), 139-147, (1968) »PubMed
  2. 第十八改正日本薬局方解説書, C5661-C5665, (2021), (廣川書店)
  3. Kiyomoto,A.et al., Arzneimittelforschung., 20, 46-52, (1970) »PubMed
  4. 高木敬次郎 他, 薬学雑誌, 81 (2), 261-265, (1961) »DOI
  5. 廣川浩一 他, 臨床皮泌, 9 (4), 206-209, (1955)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
中北薬品株式会社 製薬工場事業部
〒496-0016 愛知県津島市白浜町字番場52-1
電話:0567-32-1431
FAX:0567-32-2961
製品情報問い合わせ先
中北薬品株式会社 製薬工場事業部
〒496-0016 愛知県津島市白浜町字番場52-1
電話:0567-32-1431
FAX:0567-32-2961

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
中北薬品株式会社
愛知県津島市白浜町字番場52-1
26.2 発売元
日興製薬販売株式会社
東京都千代田区神田紺屋町32番地

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2024/10/23 版