<副腎皮質機能検査の場合>
1日テトラコサクチドとして0.5〜1.0mgを1〜2回に分けて筋注する。必要があれば連続2〜3日行なう。
<上記以外の場合>
通常成人1日テトラコサクチドとして0.5〜1.0mgを1〜2回に分けて筋注する。年令・症状により適宜増減する。
8.1 副腎皮質ホルモン療法から本剤に切り替える際は離脱症状を防ぐため、副腎皮質ホルモン剤の投与を急に中断せず一定期間(最低1週間)これらを併用すること。
8.2 まれにショックを起こすことがあるので、使用に際して次の点に留意すること。[
9.1.2、
11.1.1参照]
・ショック等の反応を予測するため、十分な問診を行うこと。
・あらかじめ皮膚テストを行うことが望ましい(皮膚テストとしてはコートロシン注射用0.25mgの104倍程度の希釈液を皮内に注入し、15〜20分後の皮膚反応を観察するなどの方法がある)。
・本剤の投与に際しては、常時、直ちに救急処置のとれる準備を整えておくこと。
8.3 本剤の投与後は、患者を安静にさせ、観察を行うことが望ましい。
8.4 本剤投与中に水痘に感染すると、致命的な経過をたどることがあるので、次の注意が必要である。[
11.1.2参照]
・本剤投与前に水痘の既往や予防接種の有無を確認すること。
・水痘の既往のない患者においては、水痘への感染を極力防ぐよう常に十分な配慮と観察を行うこと。感染が疑われる場合や感染した場合には、直ちに受診するよう指導し、適切な処置を講ずること。
・水痘の既往や予防接種を受けたことがある患者であっても、本剤投与中は、水痘を発症する可能性があるので留意すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 アジソン病の患者、副腎皮質ホルモン剤長期連用患者
本剤使用中、発熱、チアノーゼ、消化器症状(腹痛、下痢)、脱力感、頭痛等の症状が発現した場合には、直ちに比較的大量の副腎皮質ホルモン剤を投与すること。急性副腎皮質不全(アジソンクリーゼ)又は離脱症状を起こすことがある。
9.1.2 アレルギー素因のある患者、本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者、気管支喘息患者、又は本剤の投与を一時中断している患者
観察を十分に行うこと。まれにショック様症状を起こすことがある。なお、皮膚テスト陰性の気管支喘息患者に投与した場合にも、重篤な気管支喘息発作を誘発することがある。[
8.2、
11.1.1参照]
9.1.3 高血圧、心疾患の患者
副腎皮質ホルモンの過剰分泌により、浮腫、高血圧、乏尿等を起こすことがある。
9.1.4 結核その他の感染症を合併している患者
感受性のある抗生物質、化学療法剤を併用すること。症状が悪化するおそれがある。[
11.1.2参照]
9.1.5 糖尿病、消化性潰瘍、精神病の患者
9.1.6 クッシング症候群の患者
9.1.7 骨粗鬆症の患者
9.2 腎機能障害患者
副腎皮質ホルモンの過剰分泌により、浮腫、高血圧、乏尿等を起こすことがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
<効能共通>
9.7.1 低用量より投与を開始し、投与中は頭部CTによる観察、心電図・心エコー図等による心精査を行い、異常が認められた場合には中止するなど適切な処置を行うこと。顔色不良、不機嫌、下痢・排便回数の増加、口唇の色調変化(黒褐色あるいは紫色)[1〜6%程度]が認められる。口唇の色調変化は投与中止により比較的早期に消失する。
9.7.2 低出生体重児、新生児に使用する場合は十分注意すること。外国において、ベンジルアルコールの静脈内大量投与(99〜234mg/kg)により、中毒症状(あえぎ呼吸、アシドーシス、痙攣等)が低出生体重児に発現したとの報告がある。本剤は添加剤としてベンジルアルコールを含有している。
<点頭てんかん>
9.7.3 CT像で可逆性の脳収縮、脳波の低振幅化、血腫、硬膜下水腫が生じるとの報告がある。また、心エコー図で心肥大(心室中隔、左室後壁の肥厚等)が生じるとの報告がある。
9.8 高齢者
副腎皮質ホルモンの過剰分泌により、浮腫、高血圧、乏尿等を起こすことがある。
11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック様症状(頻度不明)
呼吸困難、血圧低下、チアノーゼ等の過敏症状あるいは重篤な気管支喘息発作が発現した場合には、直ちに投与を中止し、気道確保、副腎皮質ホルモン剤の静注、強心薬、昇圧薬、アミノフィリン系薬剤等の投与あるいは人工呼吸等の適切な処置を行うこと。[
8.2、
9.1.2参照]
11.1.2 誘発感染症、感染症の増悪(いずれも頻度不明)[
8.4、
9.1.4参照]
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| | 1〜10%未満 | 0.1〜1%未満 | 頻度不明 |
| 精神神経系 | 不眠、傾眠 | 頭痛、不安 | 痙攣、めまい |
| 代謝 | 満月様顔貌、浮腫、低カリウム血症 | 尿量減少 | 高カルシウム尿症 |
| 循環器 | − | 血圧上昇、心悸亢進 | − |
| 消化器 | − | 食欲亢進 | 腹部膨満、食欲減退 |
| 皮膚 | ざ瘡、色素沈着 | 発疹、多毛、熱感 | 潮紅 |
| 全身症状 | − | 体重増加 | − |
| その他 | − | 注射部位の硬結・疼痛 | − |
18.1 測定法
副腎皮質機能検査の方法
4)5)<連続ACTH試験>
18.1.1 本剤を筋注する1及び2日前の24時間尿を対照サンプルとして蓄尿し、尿中コルチゾールを測定する。
18.1.2 その後の3日間、本剤を朝夕8時に1バイアル(1mL)ずつ各1回(1日量:テトラコサクチドとして1.0mg)又は朝8時のみに1バイアル(1mL)を1回(1日量:テトラコサクチドとして0.5mg)筋注する。
18.1.3 本剤の筋注最終日の翌日までの24時間尿を蓄尿し、尿中コルチゾールを毎日測定する。
18.1.4 この時、蓄尿の正確さを確認するために尿中クレアチニンも測定すると、尿中クレアチニン1gあたりの尿中ホルモン排泄量を算出できる。
18.2 作用機序
テトラコサクチド酢酸塩は天然ACTHと同じアミノ酸配列(N末端から24番目まで)の合成ペプチドで、副腎皮質刺激作用を有する。本剤はテトラコサクチド酢酸塩を亜鉛懸濁液として、その作用を持続化した合成ACTH製剤である。
18.3 副腎皮質刺激作用
持続性テトラコサクチド酢酸塩注2mL(テトラコサクチドとして1mg)の臨床における副腎皮質刺激効果は天然ACTH-Z製剤40単位に相当し
6)、その作用は24時間以上持続する
1)。
18.4 副腎外作用
テトラコサクチド酢酸塩には副腎皮質を介さない作用として、コルチゾール代謝への作用
7)(特に血中半減期の延長及び組織への追込み作用)、成長ホルモン分泌刺激作用
8)、及び弱いメラノサイト刺激作用
9)(MSH様作用)が報告されている。
18.5 副腎皮質刺激作用及び内因性ステロイドホルモン増加作用
テトラコサクチド酢酸塩により副腎皮質が刺激され、内因性ステロイドホルモンが増加する。