医療用医薬品 : レボカバスチン

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医薬品情報


総称名 レボカバスチン
一般名 レボカバスチン塩酸塩
欧文一般名 Levocabastine Hydrochloride
製剤名 レボカバスチン塩酸塩点眼液
薬効分類名 H1ブロッカー点眼剤
薬効分類番号 1319
ATCコード S01GX02
KEGG DRUG
D01717 レボカバスチン塩酸塩
KEGG DGROUP
DG01482 ヒスタミンH1受容体拮抗薬
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2023年9月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
レボカバスチン点眼液0.025%「ニットー」 (後発品) Levocabastine Ophthalmic Solution 0.025%「NITTO」 東亜薬品 1319746Q1142 46.3円/mL

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者[15.1参照]

4. 効能または効果

アレルギー性結膜炎

6. 用法及び用量

1回1〜2滴を1日4回(朝、昼、夕方及び就寝前)点眼する。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)で、レボカバスチン80mg/kg経口投与(臨床投与量の33000倍以上に相当)により、胎児死亡及び催奇形性(多指、水頭、過剰中足骨及び無眼球)が報告されている1)
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中へ移行することが報告されている。[16.5.2参照]
9.7 小児等
低出生体重児、新生児、乳児、幼児を対象とした臨床試験は実施していない。

10. 相互作用

10.2 併用注意
オキシメタゾリン本剤の吸収が低下する可能性がある。機序不明

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(頻度不明)
呼吸困難、顔面浮腫等があらわれることがある。
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 0.5%以上0.5%未満頻度不明
眼刺激眼瞼炎、眼脂、眼球乾燥感、羞明、そう痒感角膜上皮障害(角膜びらん、点状表層角膜炎等)、結膜充血、霧視(感)、結膜炎、眼瞼浮腫、眼痛、流涙
免疫系  血管神経性浮腫
皮膚  接触皮膚炎、蕁麻疹
循環器  動悸
精神神経系 頭痛、眠気 

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
患者に対し以下の点に注意するよう指導すること。
・本剤はベンザルコニウム塩化物を含有するため、含水性ソフトコンタクトレンズ装用時の点眼は避けること。
・本剤は懸濁液のため、使用の際にはその都度容器をよく振盪すること。
・点眼したときに液が眼瞼皮膚等についた場合は、すぐにふき取ること。
・薬液汚染防止のため、点眼のとき、容器の先端が直接目に触れないように注意すること。
・点眼に際しては、原則として仰臥位をとり、患眼を開瞼して結膜のう内に点眼し、1〜5分間閉瞼して涙のう部を圧迫させた後、開瞼すること。
・他の点眼剤を併用する場合には、少なくとも5分以上間隔をあけてから点眼すること。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報
本剤の保存剤であるベンザルコニウム塩化物による過敏症が知られている。[2.参照]

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 反復投与
健康成人に0.05%レボカバスチン塩酸塩点眼液を両眼に1滴ずつ(レボカバスチン塩酸塩として30μg)6時間間隔で1日3回注)、11日間反復投与したとき、血漿中未変化体濃度は投与5日目には定常状態に達し、蓄積性は認められなかった。最終投与後のCmaxは0.94ng/mL、消失半減期は約41時間であった2)
16.4 代謝
健康成人に3H-レボカバスチン塩酸塩(レボカバスチンとして1mg)を単回経口投与注)したとき、尿中放射活性の大部分は未変化体であり、主代謝物はレボカバスチンのグルクロン酸抱合体であった3)。(外国人データ)
16.5 排泄
16.5.1 健康成人に0.05%レボカバスチン塩酸塩点眼液を両眼に1滴ずつ(レボカバスチン塩酸塩として30μg)6時間間隔で1日3回注)、11日間反復投与したとき、最終投与後96時間までに総点眼量の約16%が未変化体として尿中へ排泄された2)
16.5.2 授乳婦に単回経口投与(レボカバスチンとして0.5mg)注)したとき、母乳中への微量の移行がみられ、唾液中濃度と乳汁中濃度はほぼ等しかった4)。(外国人データ)[9.6参照]
注)本剤の濃度は0.025%であり、本剤の承認された用法及び用量は、「1回1〜2滴を1日4回(朝、昼、夕方及び就寝前)点眼する。」である。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
ヒスタミンH1受容体に特異的に働き、強力かつ持続的な拮抗作用を有し、アレルギー性結膜炎におけるそう痒感、充血などの諸症状を改善する5)
18.2 抗ヒスタミン作用
18.2.1 モルモットでのヒスタミン誘発による回腸及び気管の収縮を抑制する(in vitro6)7)
18.2.2 モルモットでのヒスタミン静注致死及びヒスタミン吸入呼吸困難を抑制する(in vivo8)
18.2.3 ラットでのcompound48/80誘発致死を抑制する(in vivo9)
18.3 実験的アレルギー性結膜炎モデルに対する作用
モルモット及びラットのアレルギー性結膜炎モデルにおいて、ヒスタミン及び抗原誘発による結膜炎症状(充血及び浮腫)、結膜の血管透過性亢進を抑制する10)11)12)13)
18.4 好中球及び好酸球の遊走抑制作用(点眼投与)
ヒスタミン誘発によるモルモット結膜への好中球及び好酸球の遊走を抑制する(in vivo14)
18.5 生物学的同等性試験
18.5.1 ラット抗原誘発アレルギー性結膜炎モデルに対する効果
ラット抗原誘発アレルギー性結膜炎モデルに対して、レボカバスチン点眼液0.025%「ニットー」及びリボスチン点眼液0.025%の結膜炎及び結膜浮腫抑制作用をそれぞれ比較した。両剤及び対照(生理食塩液)を初回感作翌日より両眼に25μLずつ1日2回(午前、午後)、7日間、計14回点眼投与した。最終日は抗原惹起20分前に投与し、その後の抗原惹起による結膜充血及び腫脹の状態を各測定時点で観察し、結膜炎スコアを付け、そのスコアを指標として結膜炎抑制作用を評価した。また、抗原惹起5分前にエバンスブルー含有生理食塩液を尾静脈内投与し、その後の抗原惹起による結膜からの漏出色素量を指標として結膜浮腫抑制作用を評価した。その結果、両剤ともに対照に対し、結膜炎スコア及び結膜1g当たりの漏出色素量に有意な差が認められ、両剤間では有意な差は認められず、両剤の生物学的同等性が確認された15)
ラット抗原誘発アレルギー性結膜炎モデルに対する結膜炎抑制作用
ラット抗原誘発アレルギー性結膜炎モデルに対する結膜浮腫抑制作用
18.5.2 モルモット抗原誘発アレルギー性結膜炎モデルに対する効果
モルモット抗原誘発アレルギー性結膜炎モデルに対して、レボカバスチン点眼液0.025%「ニットー」及びリボスチン点眼液0.025%の結膜炎及び結膜浮腫抑制作用をそれぞれ比較した。両剤及び対照(生理食塩液)を感作2週間後、両眼に25μLずつ抗原惹起15分前に単回点眼投与した。その後の抗原惹起による結膜充血及び腫脹の状態を各測定時点で観察し、結膜炎スコアを付け、そのスコアを指標として結膜炎抑制作用を評価した。また、抗原惹起5分前にエバンスブルー含有生理食塩液を下肢末梢静脈内投与し、その後の抗原惹起による結膜からの漏出色素量を指標として結膜浮腫抑制作用を評価した。その結果、両剤ともに対照に対し、結膜炎スコア及び結膜1g当たりの漏出色素量に有意な差が認められ、両剤間では有意な差は認められず、両剤の生物学的同等性が確認された15)
モルモット抗原誘発アレルギー性結膜炎モデルに対する結膜炎抑制作用
モルモット抗原誘発アレルギー性結膜炎モデルに対する結膜浮腫抑制作用

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. レボカバスチン塩酸塩

一般的名称 レボカバスチン塩酸塩
一般的名称(欧名) Levocabastine Hydrochloride
化学名 (−)-(3S,4R)-1-[cis-4-cyano-4-(4-fluorophenyl)cyclohexyl]-3-methyl-4-phenylpiperidine-4-carboxylic acid monohydrochloride
分子式 C26H29FN2O2・HCl
分子量 456.98
物理化学的性状 レボカバスチン塩酸塩は白色もしくはほとんど白色の粉末である。
ギ酸にやや溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、エタノール(95)に極めて溶けにくく、水、無水酢酸、2-プロパノール又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
KEGG DRUG D01717

20. 取扱い上の注意

20.1 本剤は、保管の仕方によっては振り混ぜても粒子が分散しにくくなる場合があるので、上向きに保管すること。
20.2 小児の手の届かない所に保管すること。

22. 包装

プラスチック点眼容器
5mL×5本、5mL×10本、5mL×50本

23. 主要文献

  1. wistar系ラットにおける胎児毒性及び催奇形性試験(segment ii)帝王切開及び自然分娩試験並びに次世代試験 投与経路:強制経口投与(リボスチン点眼液0.025%:2000年9月22日承認、申請資料概要ニ3.(2).1)
  2. 澤充ほか, 薬理と治療, 22 (11), 4697-4711, (1994)
  3. ヒトに単回経口投与したときのlevocabastineの吸収、排泄及び代謝(リボスチン点眼液0.025%:2000年9月22日承認、申請資料概要ヘ3.(1).2).[1])
  4. ヒト乳汁中へのlevocabastineの排泄(リボスチン点眼液0.025%:2000年9月22日承認、申請資料概要ヘ3.(1).2).[3])
  5. 作用機序(リボスチン点眼液0.025%:2000年9月22日承認、申請資料概要イ1.(2)、ホ2.)
  6. Tasaka K,et al., Arzneim.-Forsch./Drug Res., 43 (12), 1331-1337, (1993) »PubMed
  7. ヒスタミンによる気管収縮に対する作用(リボスチン点眼液0.025%:2000年9月22日承認、申請資料概要ホ5.(1))
  8. モルモットにおける塩酸レボカバスチンのin vivoでの抗ヒスタミン作用、抗セロトニン作用及び抗コリン作用:対照薬との比較(リボスチン点眼液0.025%:2000年9月22日承認、申請資料概要ホ2.(1).3))
  9. Dechant KL,et al., Drugs., 41 (2), 202-224, (1991) »PubMed
  10. Kamei C,et al., J.Pharmacobio-Dyn., 14 (8), 467-473, (1991) »PubMed
  11. 亀井千晃ほか, あたらしい眼科, 11 (4), 603-605, (1994)
  12. モルモットにおけるヒスタミン及び抗原誘発結膜炎に対するレボカバスチン局所投与の作用(リボスチン点眼液0.025%:2000年9月22日承認、申請資料概要ホ1.(2))
  13. 実験的アレルギー性結膜炎ならびに鼻炎に対する塩酸levocabastineの影響(リボスチン点眼液0.025%:2000年9月22日承認、申請資料概要ホ1.(3).2)、(4).2))
  14. モルモットにおけるhistamine誘発による好中球および好酸球の結膜への浸潤に対する塩酸levocabastine点眼薬の作用(リボスチン点眼液0.025%:2000年9月22日承認、申請資料概要ホ1.(6))
  15. 社内資料:レボカバスチン点眼液0.025%「ニットー」の生物学的同等性試験

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
日東メディック株式会社 おくすり相談窓口
〒104-0031 東京都中央区京橋1-10-7
電話:03-3523-0345
FAX:03-6264-4086
製品情報問い合わせ先
日東メディック株式会社 おくすり相談窓口
〒104-0031 東京都中央区京橋1-10-7
電話:03-3523-0345
FAX:03-6264-4086

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
東亜薬品株式会社
富山県富山市水橋開発277番10
26.2 発売元
日東メディック株式会社
富山県富山市八尾町保内1-14-1

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/05/21 版