本品の適量を1日2回、患部に塗布する。なお、ざ瘡に対しては洗顔後、患部に塗布する。
<表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症>
7.1 1週間で効果の認められない場合は使用を中止すること。
<ざ瘡(化膿性炎症を伴うもの)>
7.2 4週間で効果の認められない場合は使用を中止すること。また、炎症性皮疹が消失した場合には継続使用しないこと。
本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の適用にとどめること。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.7 小児等
低出生体重児、新生児、乳児又は幼児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
14.1 薬剤投与時の注意
皮膚のみに使用し、眼科用として角膜、結膜には使用しないこと。
18.1 作用機序
細菌のDNAジャイレースに作用し、DNA複製を阻害することにより殺菌的に作用する。
18.2 抗菌スペクトラム
ナジフロキサシンはアクネ菌及び表皮ブドウ球菌を含む、好気性グラム陽性菌、陰性菌及び嫌気性菌に対し、強い抗菌力と広い抗菌スペクトラムを有し、その作用は殺菌的である。
ナジフロキサシンはMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)に対し、MSSA(メチシリン感受性黄色ブドウ球菌)と同様の強い抗菌力を示し、また、キノロン耐性MRSAに対しても良好な抗菌力を示し、既存のニューキノロン剤との間に交叉耐性はほとんど認められなかった
12)(
in vitro)。
18.3 動物モデルにおける抗菌活性
ナジフロキサシンクリームはアクネ菌及び表皮ブドウ球菌を用いた実験的マウス皮下感染症モデルに対し、クリーム基剤よりも優れた治療効果を示した
13)。
18.4 細菌学的効果
尋常性ざ瘡〔ざ瘡(化膿性炎症を伴うもの)〕患者を対象に塗布前後の毛包内細菌、アクネ菌の菌量を測定した結果、クリーム基剤塗布群に比して有意に菌量を減少させた。また、毛包炎(表在性皮膚感染症)及び尋常性毛瘡(深在性皮膚感染症)患者を対象に塗布前後に細菌学的検査を実施し、細菌学的効果を検討した結果、塗布前に検出された黄色ブドウ球菌、CNS、アクネ菌等の細菌の陰性化率は86.4%であった。これらの試験で分離されたアクネ菌(394株)、表皮ブドウ球菌(76株)、CNS(45株)及び黄色ブドウ球菌(24株)に対するナジフロキサシンの最小発育阻止濃度(MIC)はそれぞれ0.78、0.39、0.05及び0.39μg/mL以下であり、ナジフロキサシンはアクネ菌及びブドウ球菌属に対して良好な抗菌活性を示した。また、ナジフロキサシンに対する耐性菌の出現は認められなかった
8)14)15)。
18.5 耐性
継代培養による耐性獲得試験において、既存のニューキノロン系の合成抗菌剤に比べ、耐性が獲得されにくいことが認められた。また、自然耐性菌の出現頻度は、10
−8以下と低率であった
12)(
in vitro)。
18.6 生物学的同等性
ナジフロキサシンクリーム1%「SUN」とアクアチムクリーム1%との生物学的同等性について、実験的マウス皮膚感染症モデルにおける抗菌活性(
in vivo)を指標として検討した結果、両剤の生物学的同等性が確認された
16)。