17.1.1 第III相比較試験及び継続長期試験(QBA4-1試験)10)
中等症〜重症
注1)の16歳以上のアトピー性皮膚炎患者158例を対象に,本剤0.5%又はプラセボを1日2回,1回最大5gを4週間反復塗布した。その後,継続可能な症例では本剤0.5%を1日2回,1回最大5gを24週間反復塗布した
注2)。
主要評価項目である塗布4週時(最終評価時)のmodified Eczema Area and Severity Index(mEASI)スコア
注3)変化率は,表1のとおりであった。
注1)mEASIスコア10以上,Investigator's Global Assessment(IGA)スコア3(中等症)又は4(重症),炎症を伴う皮疹の%BSA(全身の総面積に対する炎症を伴う皮疹面積の割合)10%以上30%未満
注2)経口ステロイド製剤,タクロリムス水和物軟膏,経口シクロスポリン製剤,ヒト型抗ヒトIL-4/13受容体モノクローナル抗体製剤,光線療法は併用禁止とした(4週以降,ステロイド外用剤は,必要な場合に限り使用可能とした)。密封法及び重層法は用いられていなかった。
注3)EASIスコアから頭頸部のスコアを除いたもの
表1 第III相比較試験におけるmEASIスコア変化率
| mEASIスコア | mEASIスコア変化率 [95%信頼区間] | 群間差 [95%信頼区間] p値a) |
塗布開始時 | 塗布4週時 |
本剤群(106例) | 14.2±3.5 | 8.1±6.5 | −44.3% [−51.8%,−36.8%] | −46.0% [−59.1%,−32.9%] <0.0001 |
プラセボ群(52例) | 14.5±3.8 | 15.3±7.8 | 1.7% [−9.0%,12.5%] |
本剤0.5%を使用した患者における副作用発現頻度は,5.8%(9/154例)であった。主な副作用は,カポジ水痘様発疹1.9%(3/154例)であった。
17.1.2 第III相長期試験(QBA4-2試験)11)
軽症〜重症注4)の16歳以上のアトピー性皮膚炎患者352例を対象に,本剤0.5%を1日2回,1回最大5gを52週間反復塗布した注5)。
mEASIスコア(平均値±標準偏差)は,塗布開始時8.8±4.9,塗布4週時6.3±5.1,塗布28週時5.9±5.9,塗布52週時5.8±6.5であった。
副作用発現頻度は,19.6%(69/352例)であった。主な副作用は,適用部位毛包炎3.1%(11/352例),適用部位ざ瘡2.8%(10/352例),適用部位刺激感2.6%(9/352例),適用部位紅斑2.0%(7/352例)であった。
注4)IGAスコア2(軽症)以上4(重症)以下,炎症を伴う皮疹の%BSA 5%以上30%未満
注5)経口ステロイド製剤,タクロリムス水和物軟膏,経口シクロスポリン製剤,ヒト型抗ヒトIL-4/13受容体モノクローナル抗体製剤,光線療法は併用禁止とした。ステロイド外用剤は,必要な場合に限り使用可能とした。密封法及び重層法は用いられていなかった。
17.1.3 第III相比較試験及び継続長期試験(QBB4-1試験)6)
軽症〜重症
注6)の2歳以上16歳未満のアトピー性皮膚炎患者137例を対象に,本剤0.25%又はプラセボを1日2回,1回最大5gを4週間反復塗布した。主要評価項目である塗布4週時(最終評価時)のmEASIスコア変化率は,表2のとおりであった。その後,継続可能な症例では本剤0.25%又は0.5%を1日2回,1回最大5gを52週間反復塗布した
注7)注8)。本剤0.5%を一度でも使用した被験者は,本剤開始群(比較試験で本剤0.25%を塗布した群)で76.1%,プラセボ開始群(比較試験でプラセボを塗布した群)で85.1%であった。本剤開始群では本剤0.25%又は0.5%の長期塗布期間中,mEASIスコアの改善効果は持続した。加えて,プラセボ開始群では本剤0.25%開始例及び0.5%開始例ともに,本剤の塗布開始後にmEASIスコアの改善が認められ,長期塗布期間中もその効果が持続した。
注6)mEASIスコア5以上,IGAスコア2(軽症)以上4(重症)以下,炎症を伴う皮疹の%BSA 5%以上30%未満
注7)経口ステロイド製剤,タクロリムス水和物軟膏,経口シクロスポリン製剤,ヒト型抗ヒトIL-4/13受容体モノクローナル抗体製剤,光線療法は併用禁止とした(4週以降,ステロイド外用剤及びタクロリムス水和物軟膏は,必要な場合に限り使用可能とした)。密封法及び重層法は用いられていなかった。
注8)本剤0.25%で継続塗布を開始した。ただし,mEASIスコアが10以上の場合は本剤0.5%で継続塗布を開始した。本剤0.25%の使用時に,IGAスコアが2(軽症)以上かつ本剤0.25%の効果が不十分と治験担当医師が判断した場合,本剤0.5%への変更を可能とした。本剤0.5%の使用時に,症状及び安全性等を考慮の上,治験担当医師の判断で本剤0.25%への変更を可能とした。
表2 第III相比較試験(小児)におけるmEASIスコア変化率
| mEASIスコア | mEASIスコア変化率 [95%信頼区間] | 群間差 [95%信頼区間] p値b) |
塗布開始時 | 塗布4週時 |
本剤群(69例) | 10.7±4.3 | 5.9±5.3 | −39.3% [−139.5%,60.8%] | −50.2% [−68.3%,−32.2%] <0.0001 |
プラセボ群(68例) | 10.6±4.2 | 10.7±6.4 | 10.9% [−86.9%,108.7%] |
本剤0.25%又は0.5%を使用した患者における副作用発現頻度は,9.6%(13/136例)であった。主な副作用は,適用部位毛包炎2.9%(4/136例)であった。
17.1.4 第III相長期試験(QBB4-2試験)7)
軽症〜重症注9)の6ヵ月以上2歳未満のアトピー性皮膚炎患者22例を対象に,本剤0.25%又は0.5%を1日2回,1回最大2.5gを52週間反復塗布した注10)注11)。
mEASIスコア(平均値±標準偏差)は,塗布開始時10.1±5.4,塗布4週時2.6±3.0,塗布28週時1.7±2.3,塗布52週時1.7±2.0であった。
副作用は認められなかった。
注9)mEASIスコア5以上,IGAスコア2(軽症)以上4(重症)以下,炎症を伴う皮疹の%BSA 5%以上30%未満
注10)経口ステロイド製剤,タクロリムス水和物軟膏,経口シクロスポリン製剤,ヒト型抗ヒトIL-4/13受容体モノクローナル抗体製剤,光線療法は併用禁止とした(ステロイド外用剤は,必要な場合に限り使用可能とした)。密封法及び重層法は用いられていなかった。
注11)本剤0.25%で塗布を開始した。ただし,mEASIスコアが10以上の場合は本剤0.5%で塗布を開始した。本剤0.25%の使用時に,IGAスコアが2(軽症)以上かつ本剤0.25%の効果が不十分と治験担当医師が判断した場合,本剤0.5%への変更を可能とした。本剤0.5%の使用時に,症状及び安全性等を考慮の上,治験担当医師の判断で本剤0.25%への変更を可能とした。