医療用医薬品 : 塩化カルシウム

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医薬品情報


総称名 塩化カルシウム
一般名 塩化カルシウム水和物
欧文一般名 Calcium Chloride Hydrate
薬効分類名 カルシウム剤
薬効分類番号 3215
ATCコード A12AA07 B05XA07
KEGG DRUG
D02256 塩化カルシウム水和物
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2023年10月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
塩化カルシウム「ヤマゼン」 山善製薬 3215001X1040 1.71円/g

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
2.1 高カルシウム血症の患者[高カルシウム血症を悪化させるおそれがある。][8.19.1.1参照]
2.2 腎結石のある患者[腎結石を助長するおそれがある。]
2.3 重篤な腎不全のある患者[9.2.1参照]

4. 効能または効果

低カルシウム血症に起因する下記症候の改善
テタニー、テタニー関連症状

6. 用法及び用量

塩化カルシウム水和物として、通常成人1回1〜2gを約5%水溶液にして1日3回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

8. 重要な基本的注意

8.1 長期投与により血中及び尿中カルシウムが高値になることがあるので、長期投与する場合には定期的に血中又は尿中カルシウムを検査することが望ましい。[2.19.1.110.2参照]
8.2 本品は局所刺激作用を有し、胃腸粘膜を刺激するので、牛乳などの保護剤と共に投与すること。
また、経管投与は行わないこと。[10.2参照]

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴
9.1.1 高カルシウム血症があらわれやすい病態の患者2.18.110.2参照]
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重篤な腎不全のある患者
投与しないこと。組織への石灰沈着を助長するおそれがある。[2.3参照]
9.2.2 腎不全を有する低カルシウム血症の患者
アシドーシスを促進する。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験を実施していない。
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

10. 相互作用

10.2 併用注意
活性型ビタミンD製剤[8.19.1.1参照]
アルファカルシドール
カルシトリオール
ファレカルシトリオール等
高カルシウム血症があらわれやすい。相加作用
テトラサイクリン系抗生物質
ミノサイクリン
ドキシサイクリン
テトラサイクリン等
ニューキノロン系抗菌剤
シプロフロキサシン
ノルフロキサシン
トスフロキサシン等
リン酸エストラムスチンナトリウム
エストラサイト
ビアセチル
プロエスタ
骨代謝改善剤
エチドロン酸二ナトリウム
アレンドロン酸ナトリウム水和物
リセドロン酸ナトリウム水和物
これらの薬剤の効果が減弱するおそれがあるので、投与間隔をできるだけあけるなど注意すること。カルシウムがこれらの薬剤と難溶性のキレートを形成し、これらの薬剤の吸収を阻害すると考えられる。
多量の牛乳
8.2参照]
牛乳アルカリ症があらわれることがあるので多量の牛乳との併用は避けること。腸管からのカルシウム吸収が増大する。
強心配糖体
メチルジゴキシン
ジゴキシン
ジギトキシン等
強心配糖体の作用を増強し、徐脈、心室性期外収縮、房室ブロックなどの中毒症状を誘発するおそれがあるカルシウムは強心配糖体の心筋収縮力増強作用を強める。
ポリカルボフィルカルシウム(1)高カルシウム血症があらわれるおそれがある。
(2)この薬剤の作用が減弱するおそれがある。
(1)この薬剤はカルシウムを含有(ポリカルボフィルカルシウム1.0g中にカルシウムとして約200mg含有)するため、併用するとカルシウムの過剰摂取となる。
(2)この薬剤はカルシウムが脱離して薬効を発揮するが、カルシウムとの共存下では再結合により薬効が減弱する。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 頻度不明
長期投与高カルシウム血症、結石症
代謝異常アシドーシス
消化器食欲不振、便秘等

14. 適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 配合変化
本剤の水溶液は、炭酸、クエン酸、シュウ酸、リン酸、酒石酸などの塩類と反応して沈殿を生じることがあるので、混合を避ける。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
カルシウムは生命諸現象の維持に重要な役割を持つ無機物質で、大部分骨及び歯牙の構成成分として存在し、その他血漿などの細胞外液に含まれる。カルシウムイオンは血液凝固因子としてトロンボキナーゼの活性化に作用すると共に、生体膜の透過性保持に役割を演じ、その減少は透過性を増大させ、特に末梢血管での出血をきたす。また骨の形成、維持、修復などに必須の役割を果たしているほか、神経及び筋の興奮性の調節など多くの複雑な生理学的過程に関与している。カルシウムイオンは神経や骨格筋の興奮を鎮め、低カルシウム血症によって起こるテタニーを改善する1)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. 塩化カルシウム水和物

一般的名称 塩化カルシウム水和物
一般的名称(欧名) Calcium Chloride Hydrate
分子式 CaCl2・2H2O
分子量 147.01
物理化学的性状 本品は白色の粒又は塊で、においはない。水に極めて溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けやすく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。本品は潮解性である。
KEGG DRUG D02256

20. 取扱い上の注意

本剤は潮解性であるので、吸湿に注意して取扱い、使用後は速やかに容器の閉栓をすること。

22. 包装

69.6g×48

23. 主要文献

  1. 第18改正日本薬局方解説書, C-1142-C-1145, (2021), (廣川書店)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
山善製薬株式会社 学術室
〒541-0045 大阪市中央区道修町2丁目2番4号
電話:06-6231-1821
FAX:06-6231-1824
製品情報問い合わせ先
山善製薬株式会社 学術室
〒541-0045 大阪市中央区道修町2丁目2番4号
電話:06-6231-1821
FAX:06-6231-1824

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
山善製薬株式会社
大阪市中央区道修町2丁目2番4号
26.2 発売元
ニプロ株式会社
大阪府摂津市千里丘新町3番26号

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/07/23 版