医薬品情報
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添付文書情報2022年10月 改訂(第2版)
2. 禁忌
2.1 皮膚結核、単純疱疹、水痘、帯状疱疹、種痘疹[症状を増悪させるおそれがある。]
2.2 本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者
2.3 鼓膜に穿孔のある湿疹性外耳道炎[穿孔の治癒を阻害するおそれがある。また、感染症があらわれるおそれがある。]
2.4 潰瘍(ベーチェット病は除く)、第2度深在性以上の熱傷・凍傷[上皮形成を阻害するおそれがある。また、感染症があらわれるおそれがある。]
4. 効能または効果
○湿疹・皮膚炎群(進行性指掌角皮症、女子顔面黒皮症、ビダール苔癬、放射線皮膚炎、日光皮膚炎を含む)
○皮膚そう痒症
○痒疹群(蕁麻疹様苔癬、ストロフルス、固定蕁麻疹を含む)
○虫さされ
○紅斑症(多形滲出性紅斑、結節性紅斑、ダリエ遠心性環状紅斑)
○紅皮症(悪性リンパ腫による紅皮症を含む)
○薬疹・中毒疹
○円形脱毛症(悪性を含む)
○熱傷(瘢痕、ケロイドを含む)
5. 効能または効果に関連する注意
5.1 皮膚感染を伴う湿疹・皮膚炎には使用しないことを原則とするが、やむを得ず使用する必要がある場合には、あらかじめ適切な抗菌剤(全身適用)、抗真菌剤による治療を行うか、又はこれらとの併用を考慮すること。
6. 用法及び用量
通常1日2〜3回適量を患部に塗布する。なお、症状により適宜増減する。
8. 重要な基本的注意
8.1 大量又は長期にわたる広範囲の密封法(ODT)等の使用により、副腎皮質ステロイド剤を全身投与した場合と同様な症状があらわれることがある。[
9.5、
9.7、
11.1.1参照]
8.2 本剤の使用により症状の改善がみられない場合又は症状の悪化をみる場合は使用を中止すること。
8.3 症状改善後は、できるだけ速やかに使用を中止すること。
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には大量又は長期にわたる広範囲の使用を避けること。妊娠マウスの器官形成期にトリアムシノロンアセトニドを筋肉内投与した実験で、胎児に口蓋裂が認められている。[
8.1参照]
9.7 小児等
長期・大量使用又は密封法(ODT)により発育障害を来すおそれがある。また、おむつは密封法と同様の作用があるので注意すること。[
8.1参照]
9.8 高齢者
慎重に使用すること。長期使用した場合、皮膚菲薄化等があらわれやすい。
11. 副作用
11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 後のう白内障、緑内障(頻度不明)
眼瞼皮膚への使用に際しては、眼圧亢進、緑内障を起こすことがある。大量又は長期にわたる広範囲の使用、密封法(ODT)により、後
のう白内障、緑内障等があらわれることがある。[
8.1参照]
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 頻度不明 |
皮膚の感染症注1) | 真菌性(カンジダ症・白癬等)及び細菌性(伝染性膿痂疹、毛のう炎等)感染症 |
その他の皮膚症状注2) | ステロイドざ瘡(尋常性ざ瘡に似るが、白色の面皰が多発する傾向がある。)、ステロイド酒さすなわち口囲皮膚炎(口囲、顔面全体に紅斑、丘疹、毛細血管拡張、痂皮、鱗屑を生じる。)、ステロイド皮膚(皮膚萎縮、毛細血管拡張)、魚鱗癬様皮膚変化、紫斑、多毛、色素脱失 |
過敏症 | 刺激感、発疹 |
下垂体・副腎皮質系機能注3) | 下垂体・副腎皮質系機能の抑制 |
14. 適用上の注意
14.1 使用部位
14.2 使用方法
化粧下、ひげそり後など治療以外の目的に使用しないこと。
16. 薬物動態
16.2 吸収
14C-トリアムシノロンアセトニド0.1%クリームをヒトの角質剥離皮膚に塗布したとき、24時間後においても塗布部位に約40%残存することが認められている
1)。
16.3 分布
14C-トリアムシノロンアセトニド0.1%軟膏をヒトの健常腋窩皮膚に24時間密封塗布し、オートラジオグラフ法を用いて観察したとき、7日後においても毛
のう壁、アポクリン腺に貯留が認められている
2)。
18. 薬効薬理
18.1 作用機序
糖質コルチコイド作用を主とする作用持続性のトリアムシノロン誘導体である。糖質代謝作用、抗炎症、抗アレルギー作用が強く、一方、鉱質代謝作用は弱い
3)。
18.2 毛細血管収縮作用
ヒトの健常皮膚において、酢酸ヒドロコルチゾンの100倍の毛細血管収縮作用を示している
4)。
トリアムシノロンアセトニドゲル0.1%「TK」の血管収縮反応試験での組織への透過性は、ワセリン基剤の約16倍である
5)。
トリアムシノロンアセトニドクリーム0.1%「TK」の血管収縮反応試験での組織への透過性は、ワセリン基剤の50〜250倍である
5)。
18.3 線維芽細胞増殖抑制作用
ラットの線維芽細胞での実験では、ヒドロコルチゾンの約150倍の抑制作用を示している
6)。
18.4 血清及び尿中のOHCS値に対する影響
0.1%軟膏を尋常性乾癬の患者3例に20g/日、7日間密封塗布したとき、血清11-OHCS値及び尿中17-OHCS値に対する影響は軽度であると報告されている
7)。
19. 有効成分に関する理化学的知見
19.1. トリアムシノロンアセトニド
一般的名称 |
トリアムシノロンアセトニド |
一般的名称(欧名) |
Triamcinolone Acetonide |
化学名 |
9-Fluoro-11β,21-dihydroxy-16α,17-(1-methylethylidenedioxy)pregna-1,4-diene-3,20-dione |
分子式 |
C24H31FO6 |
分子量 |
434.50 |
融点 |
約290℃(分解) |
物理化学的性状 |
白色の結晶性の粉末である。 エタノール(99.5)又はアセトンにやや溶けにくく、メタノールに溶けにくく、水にほとんど溶けない。 結晶多形が認められる。 |
旋光度 |
〔α〕25D:+110〜+120°(乾燥後、0.1g、エタノール(99.5)、10mL、100mm) |
KEGG DRUG |
|
22. 包装
<トリアムシノロンアセトニドゲル0.1%「TK」>
10本[5g(チューブ)×10]
10本[10g(チューブ)×10]
<トリアムシノロンアセトニドクリーム0.1%「TK」>
10本[5g(チューブ)×10]
10本[10g(チューブ)×10]
23. 主要文献
-
Malkinson,F.D.et al.,
Arch Dermatol., 88, 427-439, (1963)
»PubMed
-
久木田淳 他,
皮膚科の臨床, 11, 122-130, (1969)
-
第十八改正 日本薬局方解説書, C3631-3636, (2021), (廣川書店)
-
Mckenzie,A.W.,
Arch Dermatol., 86, 611-614, (1962)
-
石原勝,
薬理と治療, 6, 2451-2455, (1978)
-
Ruhmann,A.G.et al.,
J Invest Dermatol., 49, 123-130, (1967)
»PubMed
-
島雄周平 他,
西日本皮膚科, 37 (3), 410-419, (1975)
»DOI
24. 文献請求先及び問い合わせ先
文献請求先
科研製薬株式会社
医薬品情報サービス室
〒113-8650
東京都文京区本駒込二丁目28番8号
電話:フリーダイヤル 0120-519-874
製品情報問い合わせ先
科研製薬株式会社
医薬品情報サービス室
〒113-8650
東京都文京区本駒込二丁目28番8号
電話:フリーダイヤル 0120-519-874
26. 製造販売業者等
26.1 製造販売元
26.2 発売元
科研製薬株式会社
東京都文京区本駒込二丁目28番8号