医療用医薬品 : ラポテック

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医薬品情報


総称名 ラポテック
一般名 クロルヘキシジングルコン酸塩液
欧文一般名 Chlorhexidine Gluconate Solution
製剤名 クロルヘキシジン製剤
薬効分類名 外用殺菌消毒剤
薬効分類番号 2619
ATCコード A01AB03 B05CA02 D08AC02 D09AA12 R02AA05
KEGG DRUG
D00858 クロルヘキシジングルコン酸塩
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2024年2月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
0.5%ラポテックアルコール(W)液 0.5% RAPOTEC ALCOHOL(W) SOLUTION 日興製薬 2619702Q1167 0.78円/mL

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
2.1 クロルヘキシジン製剤に対し過敏症の既往歴のある者[8.参照]
2.2 脳、脊髄、耳(内耳、中耳、外耳)には使用しないこと[聴神経及び中枢神経に対して直接使用した場合は、難聴、神経障害を来すことがある。][14.3.1参照]
2.3 腟、膀胱、口腔等の粘膜面には使用しないこと[クロルヘキシジン製剤の左記部位への使用により、ショック、アナフィラキシーの症状の発現が報告されている。][14.2.214.3.1参照]
2.4 損傷皮膚及び粘膜には使用しないこと[刺激作用を有する。]
2.5 眼には使用しないこと[角膜障害等の眼障害を来すおそれがある。][14.2.3参照]

4. 効能または効果

手術部位(手術野)の皮膚の消毒、医療機器の消毒

6. 用法及び用量

<手術部位(手術野)の皮膚の消毒>
本剤をそのまま消毒部位に用いる。
<医療機器の消毒>
本剤をそのまま用いる。

8. 重要な基本的注意

ショック、アナフィラキシー等の反応を予測するため、使用に際してはクロルヘキシジン製剤に対する過敏症の既往歴、薬物過敏体質の有無について十分な問診を行うこと。[2.19.1.111.1.1参照]

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 薬物過敏症の既往歴のある者(クロルヘキシジン製剤に対し過敏症の既往歴のある者を除く)[8.参照]
9.1.2 喘息等のアレルギー疾患の既往歴、家族歴のある者

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック(0.1%未満)、アナフィラキシー(頻度不明)
血圧低下、じん麻疹、呼吸困難等があらわれた場合は、直ちに使用を中止し、適切な処置を行うこと。[8.参照]
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。
 0.1%未満頻度不明
過敏症発疹、じん麻疹 
皮膚 刺激症状

14. 適用上の注意

14.1 薬剤使用前の注意
14.1.1 血清・膿汁等の有機性物質は殺菌作用を減弱させるので、これらが付着している場合は十分に洗い落としてから使用すること。
14.1.2 石鹸類は本剤の殺菌作用を弱めるので、石鹸分を洗い落としてから使用すること。
14.2 薬剤使用時の注意
14.2.1 本剤は希釈せず、原液のまま使用すること。
14.2.2 産婦人科用(腟・外陰部の消毒等)、泌尿器科用(膀胱・外性器の消毒等)には使用しないこと。[2.3参照]
14.2.3 眼に入らないように注意すること。眼に入った場合は直ちによく水洗すること。[2.5参照]
14.2.4 溶液の状態で長時間皮膚と接触させた場合に皮膚化学熱傷を起こしたとの報告があるので、注意すること。
14.2.5 エタノール蒸気に大量に又は繰り返しさらされた場合、粘膜への刺激、頭痛等を起こすことがあるので、広範囲又は長期間使用する場合には、蒸気の吸入に注意すること。
14.2.6 同一部位に反復使用した場合には、脱脂等による皮膚荒れを起こすことがあるので注意すること。
14.2.7 合成ゴム製品、合成樹脂製品、光学器具、鏡器具、塗装カテーテル等には、変質するものがあるので、このような器具は長時間浸漬しないこと。
14.2.8 引火性があり、爆発の危険性もあるため、火気(電気メス使用等も含む)には十分注意すること。
14.2.9 電気メス等を使用する場合には本剤を乾燥させ、アルコール蒸気の拡散を確認してから使用すること。電気メスによる発火事故が報告されている。
14.3 薬剤使用後の注意
14.3.1 注射器、カテーテル等の神経や粘膜面に接触する可能性のある器具を本剤で消毒した場合は、滅菌水でよく洗い流した後使用すること。[2.22.3参照]
14.3.2 本剤の付着したカテーテルを透析に用いると、透析液の成分により難溶性の塩を生成することがあるので、本剤で消毒したカテーテルは、滅菌水でよく洗い流した後使用すること。
14.3.3 本剤の付着した白布を次亜塩素酸ナトリウム等の塩素系漂白剤で漂白すると、褐色のシミができることがある。漂白には過炭酸ナトリウム等の酸素系漂白剤が適当である。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報
クロルヘキシジングルコン酸塩製剤の使用によりショック症状を起こした患者のうち数例について、血清中にクロルヘキシジンに特異的なIgE抗体が検出されたとの報告がある1)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
低濃度では細菌の細胞膜に障害を与え、細胞質成分の不可逆的漏出や酵素阻害を起こし、抗菌作用(殺菌作用)を示す。高濃度では細胞内のタンパク質や核酸の沈着を起こすことにより、抗菌作用を示す2)
18.2 生物学的同等性
0.5%ラポテックアルコール(W)液とマスキンW・エタノール液(0.5W/V%)の殺菌効果について、in vitroの最小発育阻止濃度(MIC)測定法、最小殺菌濃度(MBC)測定法、及び改良Kelsey-Sykes法により比較した結果、両剤の生物学的同等性が確認された3)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. クロルヘキシジングルコン酸塩液

一般的名称 クロルヘキシジングルコン酸塩液
一般的名称(欧名) Chlorhexidine Gluconate Solution
化学名 1,1'-Hexamethylenebis[5-(4-chlorophenyl)biguanide],di-D-gluconate
分子式 C22H30Cl2N10・2C6H12O7
分子量 897.76
物理化学的性状 本品は無色〜微黄色の澄明な液で、においはなく、味は苦い。
本品は水又は酢酸(100)と混和する。
本品1mLはエタノール(99.5)5mL以下又はアセトン3mL以下と混和するが、溶媒の量を増加するとき白濁する。
本品は光によって徐々に着色する。
比重 d2020:1.06〜1.07
KEGG DRUG D00858

20. 取扱い上の注意

20.1 火気を避けて保存すること。
20.2 小分け後は遮光して保存すること。

22. 包装

500mL(ポリエチレン容器)、5L(ポリエチレン容器)

23. 主要文献

  1. 大利隆行 他, アレルギー, 33 (9), 707, (1984)
  2. 第十八改正日本薬局方解説書, C-1877-1881, (2021), (廣川書店)
  3. 社内資料:日興製薬株式会社

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
日興製薬販売株式会社 製品情報窓口
〒101-0035 東京都千代田区神田紺屋町32番地
電話:03-3254-1831
製品情報問い合わせ先
日興製薬販売株式会社 製品情報窓口
〒101-0035 東京都千代田区神田紺屋町32番地
電話:03-3254-1831

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
日興製薬株式会社
岐阜県羽島市江吉良町1593
26.2 発売元
日興製薬販売株式会社
東京都千代田区神田紺屋町32番地

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/05/21 版