2.1 食道狭窄又はアカラシア(食道弛緩不能症)等の食道通過を遅延させる障害のある患者[本剤の食道通過が遅延することにより、食道局所における副作用発現の危険性が高くなる。]
2.2 30分以上上体を起こしていることや立っていることのできない患者[
7.2参照]
2.3 本剤の成分あるいは他のビスホスホネート系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者
本剤の適用にあたっては、日本骨代謝学会の診断基準等を参考に、骨粗鬆症との診断が確定している患者を対象とすること。
通常、成人にはアレンドロン酸として5mgを1日1回、毎朝起床時に水約180mLとともに経口投与する。
なお、服用後少なくとも30分は横にならず、飲食(水を除く)並びに他の薬剤の経口摂取も避けること。
7.1 本剤は水のみで服用すること。水以外の飲み物(Ca、Mg等の含量の特に高いミネラルウォーターを含む)、食物及び他の薬剤と一緒に服用すると、吸収を抑制するおそれがある。
7.2 食道及び局所への副作用の可能性を低下させるため、速やかに胃内へと到達させることが重要である。服用に際しては、以下の事項に注意すること。[
2.2、
8.1参照]
・起床してすぐにコップ1杯の水(約180mL)とともに服用すること。
・口腔咽頭部に潰瘍を生じる可能性があるため、本剤を噛んだり又は口中で溶かしたりしないこと。
・本剤を服用後、少なくとも30分経ってからその日の最初の食事を摂り、食事を終えるまで横にならないこと。
・就寝時又は起床前に服用しないこと。
8.1 本剤は咽喉頭、食道等の粘膜に対し局所刺激症状を引き起こすおそれがある。特に適切に服用しない患者では、食道、口腔内に重度の副作用が発現する可能性があるので、服用法について患者を十分指導し、理解させること。[
7.2、
11.1.1参照]
8.2 本剤の投与により、上部消化管に関する副作用が報告されているので、観察を十分に行い、副作用の徴候又は症状(嚥下困難、嚥下痛又は胸骨下痛の発現又は胸やけの発現・悪化等)に注意し、患者に対して、これらの症状があらわれた場合は、本剤の服用を中止して診察を受けるよう指導すること。[
11.1.1、
11.1.2参照]
8.3 患者には、食事等から十分なカルシウムを摂取させること。[
11.1.4参照]
8.4 低カルシウム血症がある場合には、本剤投与前に低カルシウム血症を治療すること。また、ビタミンD欠乏症又はビタミンD代謝異常のようなミネラル代謝障害がある場合には、あらかじめ治療を行うこと。[
2.4、
11.1.4参照]
8.5 ビスホスホネート系薬剤による治療を受けている患者において、顎骨壊死・顎骨骨髄炎があらわれることがある。報告された症例の多くが抜歯等の顎骨に対する侵襲的な歯科処置や局所感染に関連して発現している。リスク因子としては、悪性腫瘍、化学療法、血管新生阻害薬、コルチコステロイド治療、放射線療法、口腔の不衛生、歯科処置の既往等が知られている。
本剤の投与開始前は口腔内の管理状態を確認し、必要に応じて、患者に対し適切な歯科検査を受け、侵襲的な歯科処置をできる限り済ませておくよう指導すること。本剤投与中に侵襲的な歯科処置が必要になった場合には本剤の休薬等を考慮すること。
また、口腔内を清潔に保つこと、定期的な歯科検査を受けること、歯科受診時に本剤の使用を歯科医師に告知して侵襲的な歯科処置はできる限り避けることなどを患者に十分説明し、異常が認められた場合には、直ちに歯科・口腔外科を受診するように指導すること。[
11.1.6参照]
8.6 ビスホスホネート系薬剤を使用している患者において、外耳道骨壊死が発現したとの報告がある。これらの報告では、耳の感染や外傷に関連して発現した症例も認められることから、外耳炎、耳漏、耳痛等の症状が続く場合には、耳鼻咽喉科を受診するよう指導すること。[
11.1.7参照]
8.7 ビスホスホネート系薬剤を長期使用している患者において、非外傷性又は軽微な外力による大腿骨転子下、近位大腿骨骨幹部、近位尺骨骨幹部等の非定型骨折が発現したとの報告がある。これらの報告では、完全骨折が起こる数週間から数ヵ月前に大腿部、鼠径部、前腕部等において前駆痛が認められている報告もあることから、このような症状が認められた場合には、X線検査等を行い、適切な処置を行うこと。また、両側性の骨折が生じる可能性があることから、片側で非定型骨折が起きた場合には、反対側の部位の症状等を確認し、X線検査を行うなど、慎重に観察すること。X線検査時には骨皮質の肥厚等、特徴的な画像所見がみられており、そのような場合には適切な処置を行うこと。[
11.1.8参照]
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 嚥下困難、食道炎、胃炎、十二指腸炎、又は潰瘍等の上部消化管障害がある患者
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重篤な腎機能障害のある患者
(1)重篤な腎機能障害のある患者を対象とした臨床試験は実施していない。
(2)国内の医療情報データベースを用いた疫学調査において、骨粗鬆症の治療にビスホスホネート系薬剤を使用した腎機能障害患者のうち、特に、高度な腎機能障害患者(eGFRが30mL/min/1.73m
2未満)で、腎機能が正常の患者と比較して低カルシウム血症(補正血清カルシウム値が8mg/dL未満)のリスクが増加したとの報告がある
1)。[
11.1.4参照]
9.4 生殖能を有する者
妊娠する可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
ビスホスホネート系薬剤は骨基質に取り込まれた後に全身循環へ徐々に放出される。全身循環への放出量はビスホスホネート系薬剤の投与量・期間に相関する。ビスホスホネート系薬剤の中止から妊娠までの期間と危険性との関連は明らかではない。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
動物実験(ラット)でアレンドロン酸が乳汁中に移行することが報告されている。
9.7 小児等
小児等の骨粗鬆症を対象とした臨床試験は実施していない。
11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
副作用の頻度は5mg製剤(5mg/日)の臨床試験及び特定使用成績調査の合計より算出した。
11.1.1 食道・口腔内障害
食道障害[食道穿孔(頻度不明)、食道狭窄(頻度不明)、食道潰瘍(0.04%)、食道炎(0.2%)、食道びらん(頻度不明)があらわれ、出血を伴う場合がある。]、口腔内潰瘍(頻度不明)があらわれることがある。徴候又は症状(吐血、下血、貧血、嚥下困難、嚥下痛、胸骨下痛、胸やけ、口腔内異和感、口内痛の発現・悪化等)に注意すること。[
8.1、
8.2、
9.1.1参照]
11.1.2 胃・十二指腸障害
(出血性)胃・十二指腸潰瘍(0.4%)、出血性胃炎(0.02%)があらわれることがある。徴候又は症状(吐血、下血、貧血、上腹部痛、心窩部痛、上腹部不快感の発現・悪化等)に注意すること。[
8.2、
9.1.1参照]
11.1.3 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
AST、ALTの上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
11.1.4 低カルシウム血症(0.2%)
痙攣、テタニー、しびれ、失見当識、QT延長等を伴う低カルシウム血症があらわれることがある。異常が認められた場合にはカルシウム剤の点滴投与等を考慮すること。[
2.4、
8.3、
8.4、
9.2.1参照]
11.1.5 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(いずれも頻度不明)
11.1.6 顎骨壊死・顎骨骨髄炎(頻度不明)[
8.5参照]
11.1.7 外耳道骨壊死(頻度不明)[
8.6参照]
11.1.8 大腿骨転子下、近位大腿骨骨幹部、近位尺骨骨幹部等の非定型骨折(頻度不明)[
8.7参照]
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
副作用の頻度は5mg製剤(5mg/日)の臨床試験及び特定使用成績調査の合計より算出した。
| 1〜5%未満 | 1%未満 | 頻度不明 |
消化器 | 嘔気、胃痛・心窩部痛、胃不快感・胃重感・腹部不快感 | 口内乾燥、腹痛、嘔吐、食欲不振、腹部膨満感、口内炎、嚥下困難、胃酸逆流、咽喉頭痛、咽喉頭不快感、おくび、便秘、下痢、胃炎、消化不良 | 鼓腸放屁、歯肉腫脹 |
皮膚・皮膚付属器 | | 発疹、かゆみ、脱毛、湿疹、蕁麻疹 | 紅斑 |
血液 | | 血小板数減少、貧血(赤血球数減少、ヘモグロビン低下等)、白血球数減少 | |
肝臓 | 肝機能異常(AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇等) | | |
腎臓 | | BUN上昇、頻尿、排尿困難 | |
中枢・末梢神経系 | | 浮動性めまい、回転性めまい、知覚減退、頭痛 | |
筋・骨格系 | | 関節痛注)、背(部)痛注)、筋肉痛注)、骨痛注)、筋痙攣 | |
精神・神経系 | | 不眠(症) | |
電解質代謝 | | 血清リン低下、血清カリウム上昇 | |
眼 | | | ぶどう膜炎、眼症状(かすみ、異和感等)、強膜炎、上強膜炎 |
その他 | | 総コレステロール値上昇、胸痛、倦怠(感)、味覚倒錯、血清アルブミン低下、末梢性浮腫、下肢痛、顔面浮腫、動悸、脱力(感)、発熱、気分不良、LDH上昇、CK上昇、血圧上昇 | 血管浮腫、ほてり(顔面紅潮、熱感等) |
13.1 症状
低カルシウム血症、低リン酸血症、並びに上部消化管障害(胃不調、胸やけ、食道炎、胃炎、又は潰瘍等)が発現することがある。
13.2 処置
アレンドロン酸と結合させるために、ミルクあるいは制酸剤等の投与を考慮する。
食道に対する刺激の危険性があるので嘔吐を誘発してはならず、患者を立たせるか、上体を起こして座らせること。
14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。
PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜に刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
16.1 血中濃度
16.1.1 健康成人男子にアレンドロン酸として5、10、20及び40mgを含有する錠剤を、朝食の2時間前に単回経口投与したとき(各群n=5〜6)の血清中アレンドロン酸濃度は、5及び10mg投与群では全例で定量限界(11.5ng/mL)未満であった。20mgでは6例中2例(13.1、18.3ng/mL)で、40mgでは6例中4例(13.8〜79.3ng/mL)で投与2時間後にわずかに検出された
2)。
16.1.2 健康成人男子(n=6)に、アレンドロン酸として20mgを含有する錠剤を、朝食の2時間前に1日1回7日間反復経口投与したとき、血清中アレンドロン酸濃度は6例中の1例で投与4日目(27.0ng/mL)と7日目(19.0ng/mL)に、別の1例で7日目(11.7ng/mL)に、それぞれわずかに検出された他、すべて定量限界(11.5ng/mL)未満であった
2)。
16.1.3 生物学的同等性試験
アレンドロン酸錠5mg「NIG」とボナロン錠5mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ7錠[アレンドロン酸ナトリウム水和物として45.71mg(アレンドロン酸として35mg)]健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)〜log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された
3)。
薬物動態パラメータ
| 投与量(mg) | AUC0-8(ng・hr/mL) | Cmax(ng/mL) | Tmax(hr) | T1/2(hr) |
アレンドロン酸錠5mg「NIG」 | 35 | 81.6±41.4 | 32.0±18.5 | 1.6±0.9 | 2.1±0.8 |
ボナロン錠5mg | 35 | 90.7±50.4 | 32.1±17.3 | 1.3±0.6 | 1.8±0.8 |
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.2 吸収
経口投与後のアレンドロン酸は血清中濃度が低く、薬物吸収の評価ができないため、唯一の消失経路である尿中排泄を吸収の指標とした。[
16.5.1-
16.5.4参照]
生物学的利用率の幾何平均値は、非高齢者及び高齢者でそれぞれ2.49%及び2.83%であった
4)。
16.4 代謝
アレンドロン酸ナトリウム水和物投与により、動物又はヒトで代謝物は認められていない
5)6)。
16.5 排泄
16.5.1 健康成人男子にアレンドロン酸として5、10、20及び40mgを含有する錠剤を、朝食の2時間前に単回経口投与したとき(各群n=5〜6)の投与後48時間までの尿中排泄率は0.65〜1.41%(幾何平均値)であり、投与量による有意な差は認められなかった。そのほとんどは投与後6時間までに排泄された
6)。
16.5.2 非高齢女性(閉経後60歳未満、n=8)及び高齢女性(閉経後65歳以上、n=8)に2期クロスオーバー法でアレンドロン酸ナトリウム水和物を経口(アレンドロン酸として5mg)及び静脈内点滴(アレンドロン酸として0.1mg)投与し、投与後48時間までの尿中排泄量を測定したとき、下記の結果が得られている
4)。
対象 | 尿中排泄率#(%) |
静脈内投与 | 経口投与 |
非高齢者 | 44.7 | 1.11 |
高齢者 | 44.1 | 1.25 |
16.5.3 海外で行われた試験において、閉経後女性にアレンドロン酸として10mgを含有する錠剤を、単回経口投与(朝食の2、1、0.5時間前、直後及び2時間後の5期クロスオーバー法)したとき(n=49)の投与後36時間までの尿中排泄量(幾何平均値)は、朝食2、1及び0.5時間前の投与ではそれぞれ12.68μg、8.88μg及び6.78μgであり、朝食2時間前に投与した場合が最も多かった。一方、朝食直後及び2時間後の投与では多くが定量限界未満であった
7)。
16.5.4 海外で行われた試験において、閉経後女性にアレンドロン酸として10mgを含有する錠剤を、水、コーヒー又はオレンジジュースと同時に単回経口投与(3期クロスオーバー法)したとき(n=40)の投与後24時間までの尿中排泄量(幾何平均値)は、水(19.20μg)を同時に摂取した場合と比べ、コーヒー(7.43μg)、オレンジジュース(6.77μg)では約60%減少した
8)。
注)本剤の承認された用法及び用量はアレンドロン酸として1日1回5mgである。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 骨密度試験
(1)国内第III相試験
退行期骨粗鬆症患者207例における48週間の二重盲検試験(骨密度)において、アレンドロン酸投与群(5mg/日)の腰椎骨密度の増加率(投与48週後)は6.2%であり、対照薬に比して統計的に有意(unpaired t-test)な骨密度増加効果を示した
9)。また、投与開始12週間後には3.5%の骨密度増加を示し、対照薬に比して統計的に有意(unpaired t-test)な骨密度増加効果が認められた
9)。
本試験におけるアレンドロン酸投与群(5mg/日)の副作用の発現頻度は18.6%(19/102例)で、主な副作用は胃不快感2.9%(3/102例)、胃痛2.9%(3/102例)、軟便2.0%(2/102例)、めまい2.0%(2/102例)、背部痛2.0%(2/102例)であった。臨床検査値異常変動の発現頻度は15.2%(15/99例)で、主な臨床検査値異常変動はLDH上昇(5/99例)、CK上昇(4/99例)であった
10)。
退行期骨粗鬆症患者120例における96週間の長期投与試験において、アレンドロン酸5mg/日投与群の腰椎骨密度の増加率(投与96週後)は8.7%であった
11)。
本試験におけるアレンドロン酸5mg/日投与群の副作用の発現頻度は23.0%(14/61例)で、主な副作用は嘔気(3/61例)、頭痛(2/61例)、腹部不快感(2/61例)であった。臨床検査値異常変動の発現頻度は8.6%(5/58例)で、主な臨床検査値異常変動はLDH上昇(3/58例)、CK上昇(2/58例)であった。
(2)海外第III相試験(参考)
第III相プラセボ対照二重盲検比較試験に参加した閉経後骨粗鬆症女性に対し10年間の治療効果について検討した。その結果、アレンドロン酸10mg/日投与の腰椎骨密度は、アレンドロン酸投与期間中増加し続けることが確認され、試験開始時と比較して10年終了時の腰椎骨密度は13.7%増加した。同様に、大腿骨近位部骨密度は6.7%増加した
12)。
なお、腰椎骨密度増加は、国内におけるアレンドロン酸5mg/日投与時と海外における10mg/日投与時で類似することが示されている
9)13)14)。
17.1.2 骨折試験
(1)国内第III相試験
退行期骨粗鬆症患者365例における2年間の二重盲検比較試験(骨折発生頻度)において、胸腰椎の新規骨折発生率はアレンドロン酸投与(5mg/日)で12.2%、対照薬(アルファカルシドール、1μg/日)で16.7%であり、対照薬に対するアレンドロン酸の非劣性が検証された。この試験において、投与6ヵ月以降に発生した胸腰椎の新規骨折発生率は、アレンドロン酸投与では対照薬に比して8.4%低く統計的に有意差を認めた(相対危険減少率66%)。また、2年間における胸腰椎での複数の新規骨折発生率はアレンドロン酸投与では対照薬に比して4.9%低かった(相対危険減少率67%)
15)。さらに、延長試験として実施された3年間の成績においても投与6ヵ月以降に発生した胸腰椎の新規骨折発生率は、アレンドロン酸投与(5mg/日)で7.8%、対照薬で18.8%であり、アレンドロン酸の有意な椎体骨折抑制効果が3年間にわたり確認された
16)。
本試験におけるアレンドロン酸投与(5mg/日)の副作用の発現頻度は23.2%(44/190例)で、主な副作用は胃炎5.3%(10/190例)、便秘2.6%(5/190例)、胃潰瘍2.1%(4/190例)であった。臨床検査値異常変動の発現頻度は14.5%(25/173例)で、主な臨床検査値異常変動はヘモグロビン低下(6/173例)、ヘマトクリット低下(5/173例)、γ-GTP上昇(5/173例)であった
17)。
(2)海外第III相試験(参考)
閉経後骨粗鬆症患者2,027例における3年間のプラセボ対照二重盲検比較試験において、最初の2年間は5mg/日、3年目は10mg/日投与した結果は下表のとおりである
18)。
骨折の種類 | 骨折抑制率(%) |
胸腰椎の新規骨折# | 47% |
2個以上の胸腰椎の新規骨折# | 90% |
新規大腿骨近位部骨折 | 51% |
なお、アレンドロン酸投与後の平均腰椎骨密度増加率は、海外における10mg/日投与12ヵ月後の値と国内における5mg/日投与48週後の値に類似性が認められた
9)13)14)。また、アレンドロン酸の骨密度増加効果と骨折抑制効果は相関することが確認されている
19)。
注)本剤の承認された用法及び用量はアレンドロン酸として1日1回5mgである。