医療用医薬品 : オロパタジン

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医薬品情報


総称名 オロパタジン
一般名 オロパタジン塩酸塩
欧文一般名 Olopatadine Hydrochloride
製剤名 オロパタジン塩酸塩点眼液
薬効分類名 抗アレルギー点眼剤
薬効分類番号 1319
ATCコード S01GX09
KEGG DRUG
D01192 オロパタジン塩酸塩
KEGG DGROUP
DG01482 ヒスタミンH1受容体拮抗薬
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2024年1月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
オロパタジン点眼液0.1%「わかもと」 (後発品) OLOPATADINE OPHTHALMIC SOLUTION 「WAKAMOTO」 シー・エイチ・オー新薬 1319752Q1148 34.9円/mL

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
2.1 本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者

4. 効能または効果

アレルギー性結膜炎

6. 用法及び用量

通常、1回1〜2滴、1日4回(朝、昼、夕方及び就寝前)点眼する。

8. 重要な基本的注意

8.1 本剤の使用により効果が認められない場合には、漫然と長期にわたり投与しないよう注意すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット、経口)で乳汁中への移行及び出生児の体重増加抑制が報告されている。
9.7 小児等
低出生体重児、新生児、乳児を対象とした臨床試験は実施していない。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 0.5〜5%未満0.5%未満頻度不明
眼痛角膜炎、そう痒症、眼刺激、眼瞼浮腫、眼の異常感、充血、眼瞼炎、眼脂、結膜濾胞、結膜出血、眼瞼湿疹、眼瞼紅斑、流涙増加、眼の異物感、眼部不快感、眼瞼障害眼乾燥、眼瞼縁痂皮、霧視、眼瞼痛
精神神経系 頭痛味覚異常、めまい
肝臓 ALT上昇、AST上昇 
その他 ヘマトクリット減少、尿中ブドウ糖陽性接触性皮膚炎、口内乾燥、悪心、過敏症、咽喉乾燥

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
患者に対し以下の点に注意するよう指導すること。
・薬液汚染防止のため、点眼のとき、容器の先端が直接目に触れないように注意すること。
・患眼を開瞼して結膜のう内に点眼し、1〜5分間閉瞼して涙のう部を圧迫させた後、開瞼すること。
・他の点眼剤を併用する場合には、少なくとも5分以上間隔をあけてから点眼すること。
・本剤に含まれているベンザルコニウム塩化物は、ソフトコンタクトレンズに吸着されることがあるので、点眼時はコンタクトレンズをはずし、10分以上経過後装用すること1)2)

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 反復投与
アレルギー患者(12例)に0.1%オロパタジン点眼液を、両眼に1回2滴、6時間ごとに(1日4回点眼)4日間反復点眼したときのオロパタジン(未変化体)の薬物動態パラメータは下記のとおりであった3)
オロパタジン(未変化体)の薬物動態パラメータ
(平均値±標準偏差 n=12)
点眼日Cmax(ng/mL)Tmax(hr)AUC0-6(ng・hr/mL)消失半減期(hr)
3日目0.610±0.5181.21±0.622.07±1.46算出できず
4日目0.520±0.4161.23±0.621.90±1.16※23.1±1.3
検定※1
(Paired t test)
p=0.0814検定せずp=0.1249検定せず
16.8 その他
16.8.1 生物学的同等性試験
オロパタジン点眼液0.1%「わかもと」は、パタノール点眼液0.1%の分析結果に基づき添加剤の種類及び含量(濃度)がパタノール点眼液0.1%と同一となるよう処方設計を行ったものであり、pH、粘度、浸透圧などの物理化学的性質が近似することから、生物学的に同等とみなされた。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 海外後期第II相試験(抗原誘発試験)
無症状期の日本人アレルギー性結膜炎患者(147例)を対象に海外で実施した後期第II相試験において、片眼にオロパタジン点眼液(0.01%群38例、0.05%群38例、0.1%群35例、0.15%群36例)、対眼にプラセボをそれぞれ1回1滴点眼し、点眼4時間後に抗原誘発を行った。抗原誘発5分後におけるそう痒感の平均スコアの0.1%オロパタジン点眼液群とプラセボ群との差と95%信頼区間は、-1.19、[-1.52,-0.85]であり、抗原誘発20分後における総合充血の平均スコアの0.1%オロパタジン点眼液群とプラセボ群との差と95%信頼区間は、-0.93、[-1.49,-0.37]であった。
0.1%オロパタジン点眼液投与群35例(安全評価対象例)で副作用は認められなかった4)
17.1.2 国内第III相比較試験(ケトチフェンフマル酸塩点眼液を対照薬とした二重盲検並行群間比較試験)
アレルギー性結膜炎患者(247例)を対象に、0.1%オロパタジン点眼液又は0.05%ケトチフェンフマル酸塩点眼液を両眼に1回2滴、1日4回(朝、昼、夕、就寝前)28日間点眼投与したところ、そう痒感及び充血の重症度点数において、0.1%オロパタジン点眼液は0.05%ケトチフェンフマル酸塩点眼液に劣らない有効性を示した。
そう痒感
充血の合計
副作用発現頻度は、0.1%オロパタジン点眼液投与群で4.8%(6/124例)であった。副作用は眼痛2.4%(3/124例)、角膜炎NOS0.8%(1/124例)、アラニン・アミノトランスフェラーゼ増加1.6%(2/124例)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加0.8%(1/124例)であった5)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
オロパタジン塩酸塩は、選択的ヒスタミンH1受容体拮抗作用を主作用とし、更に肥満細胞からの化学伝達物質の遊離・産生抑制作用を有する6)
18.2 抗ヒスタミン作用(in vitro)
受容体結合実験において、ヒスタミンH1受容体に強い拮抗作用(Ki値:41〜59nmol/L)を有し、その作用は選択的である。
ヒスタミン刺激によるヒト結膜上皮細胞からのインターロイキン-6(IC50値:5.5nmol/L)及びインターロイキン-8(IC50値:1.7nmol/L)の遊離・産生を抑制した7)8)9)
18.3 抗アレルギー作用(in vitro)
抗ヒトIgE抗体刺激によるヒト結膜肥満細胞からのヒスタミン(IC50値:314〜859μmol/L)、トリプターゼ(IC50値:1.21mmol/L)、プロスタグランジンD2(IC50値:736μmol/L)及びTNFα(IC50値:13.1μmol/L)の遊離・産生を抑制した10)11)12)
18.4 動物結膜炎モデルにおける作用
ヒスタミン誘発によるモルモット結膜における血管透過性亢進を抑制(ED50値:0.002%)した。感作モルモットの抗原誘発による眼瞼と眼球結膜の充血及び膨疹を抑制(ED50値:0.017%)した13)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. オロパタジン塩酸塩

一般的名称 オロパタジン塩酸塩
一般的名称(欧名) Olopatadine Hydrochloride
化学名 {11-[(1Z)-3-(Dimethylamino)propylidene]-6,11-dihydrodibenzo[b,e]oxepin-2-yl}acetic acid monohydrochloride
分子式 C21H23NO3・HCl
分子量 373.87
融点 約250℃(分解)
物理化学的性状 本品は白色の結晶又は結晶性の粉末である。
本品はギ酸に極めて溶けやすく、水にやや溶けにくく、エタノール(99.5)に極めて溶けにくい。
本品は0.01mol/L塩酸試液に溶ける。
本品1.0gを水100mLに溶かした液のpHは2.3〜3.3である。
KEGG DRUG D01192

20. 取扱い上の注意

外箱開封後は、遮光して保存すること。

22. 包装

プラスチック点眼容器 5mL×10本

23. 主要文献

  1. Momose T, et al., CLAO J., 23 (2), 96-99, (1997) »PubMed
  2. Christensen MT, et al., CLAO J., 24 (4), 227-231, (1998) »PubMed
  3. アレルギー患者における血中濃度(パタノール点眼液0.1%:2006年7月26日承認、申請資料概要ヘ-4(2))
  4. 後期第II相試験(抗原誘発試験2)(パタノール点眼液0.1%:2006年7月26日承認、申請資料概要ト-1(10))
  5. 第III相試験1-フマル酸ケトチフェン点眼液との比較-(C-06-53試験)(パタノール点眼液0.1%:2006年7月26日承認、申請資料概要ト-1(8))
  6. 第十八改正日本薬局方医薬品情報 JPDI 2021, (2021), (じほう)
  7. Sharif NA, et al., J.Ocul.Pharmacol.Ther., 12 (4), 401-407, (1996) »PubMed
  8. 作用機序(ヒスタミン受容体拮抗作用)(パタノール点眼液0.1%:2006年7月26日承認、申請資料概要ホ-3)
  9. Yanni JM, et al., Arch.Ophthalmol., 117 (5), 643-647, (1999) »PubMed
  10. 作用機序(ヒト結膜肥満細胞からの炎症性伝達物質遊離へ及ぼす影響)(パタノール点眼液0.1%:2006年7月26日承認、申請資料概要ホ-2)
  11. 渡邉雅一, 他, 日薬理誌, 130, 221-231, (2007) »PubMed
  12. Cook EB, et al., Ann.Allergy Asthma Immunol., 84 (5), 504-508, (2000) »PubMed
  13. Yanni JM, et al., J.Ocul.Pharmacol.Ther., 12 (4), 389-400, (1996) »PubMed

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
わかもと製薬株式会社 メディカルインフォメーション
〒103-8330 東京都中央区日本橋本町二丁目2番2号
電話:03-3279-0379
FAX:03-3279-1272
製品情報問い合わせ先
わかもと製薬株式会社 メディカルインフォメーション
〒103-8330 東京都中央区日本橋本町二丁目2番2号
電話:03-3279-0379
FAX:03-3279-1272

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
シー・エイチ・オー新薬株式会社
徳島市国府町府中439番地
26.2 販売元
わかもと製薬株式会社
東京都中央区日本橋本町二丁目2番2号

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/05/21 版