医療用医薬品 : ミチーガ

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医薬品情報


総称名 ミチーガ
一般名 ネモリズマブ(遺伝子組換え)
欧文一般名 Nemolizumab(Genetical Recombination)
製剤名 ネモリズマブ(遺伝子組換え)注射剤
薬効分類名 ヒト化抗ヒトIL-31受容体Aモノクローナル抗体
薬効分類番号 4490
ATCコード D11AH12
KEGG DRUG
D11080 ネモリズマブ
KEGG DGROUP
DG02019 インターロイキン阻害薬
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2024年3月 改訂(第3版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ミチーガ皮下注用60mgシリンジ Mitchga Syringes マルホ 4490408G1028 116426円/筒 生物由来製品, 劇薬, 処方箋医薬品注)

1. 警告

本剤についての十分な知識と適応疾患の治療の知識・経験をもつ医師が使用すること。

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

4. 効能または効果

アトピー性皮膚炎に伴うそう痒(既存治療で効果不十分な場合に限る)

5. 効能または効果に関連する注意

5.1 ステロイド外用剤やタクロリムス外用剤等の抗炎症外用剤及び抗ヒスタミン剤等の抗アレルギー剤による適切な治療を一定期間施行しても、そう痒を十分にコントロールできない患者に投与すること。[17.1.1参照]
5.2 本剤はそう痒を治療する薬剤であり、そう痒が改善した場合も含め、本剤投与中はアトピー性皮膚炎に対して必要な治療を継続すること。[8.1参照]
5.3 原則として、本剤投与時にはアトピー性皮膚炎の病変部位の状態に応じて抗炎症外用剤を併用すること。[8.1参照]
5.4 本剤投与時も保湿外用剤を継続使用すること。[8.1参照]

6. 用法及び用量

通常、成人及び13歳以上の小児にはネモリズマブ(遺伝子組換え)として1回60mgを4週間の間隔で皮下投与する。

7. 用法及び用量に関連する注意

7.1 本剤投与後に浮腫性紅斑、湿疹等の発現を含む、皮膚症状の悪化が認められているので、皮膚症状が悪化した場合には、本剤の継続の可否について慎重に検討すること。
7.2 本剤とミチーガ皮下注用30mgバイアルの生物学的同等性は示されていないことから、互換使用を行わないこと。

8. 重要な基本的注意

8.1 以下の点について患者に説明し、理解したことを確認したうえで投与すること。[5.2-5.4参照]
・本剤はそう痒を治療する薬剤であることから、アトピー性皮膚炎に対する治療を継続すること。
・そう痒が改善した場合もアトピー性皮膚炎に対する治療を怠らないこと。
8.2 本剤投与中の患者に生ワクチンを接種する場合は、患者の状態を慎重に確認し、十分な注意を払うこと。
8.3 本剤の投与開始にあたっては、医療施設において、必ず医師によるか、医師の直接の監督の下投与を行うこと。
自己投与の適用については、医師がその妥当性を慎重に検討し、十分な教育訓練を実施した後、本剤投与による危険性と対処法について患者が理解し、患者自ら確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導の下実施すること。
自己投与の適用後、本剤による副作用が疑われる場合や自己投与の継続が困難な状況となる可能性がある場合には、直ちに自己投与を中止させ、医師の管理の下慎重に観察するなど適切な処置を行うこと。また、本剤投与後に副作用の発現が疑われる場合は、医療施設へ連絡するよう患者に指導を行うこと。
使用済みの注射器を再使用しないように患者に注意を促し、すべての器具の安全な廃棄方法に関する指導を行うと同時に、使用済みの注射器を廃棄する容器を提供すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 長期ステロイド内服療法を受けている患者
本剤投与開始後に経口ステロイド剤を急に中止しないこと。経口ステロイド剤の減量が必要な場合には、医師の管理の下徐々に行うこと。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(カニクイザル)において本剤の胎盤通過性を示唆する報告がある。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(カニクイザル)において本剤の乳汁移行がわずかに認められている。
9.7 小児等
13歳未満の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 重篤な感染症(3.4%)
ウイルス、細菌、真菌等による重篤な感染症があらわれることがある。
11.1.2 重篤な過敏症(0.3%)
アナフィラキシー(血圧低下、呼吸困難、蕁麻疹等)などの重篤な過敏症があらわれることがある。
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 5%以上5%未満頻度不明
皮膚アトピー性皮膚炎(18.5%)脱毛症、紅斑、蕁麻疹、中毒疹、ざ瘡、湿疹、尋常性疣贅、自家感作性皮膚炎、落屑貨幣状湿疹、丘疹、皮膚炎
感染症皮膚感染症(ヘルペス感染、蜂巣炎、膿痂疹、二次感染等)(18.8%)、上気道炎胃腸炎、結膜炎 
注射部位 注射部位反応(内出血、紅斑、腫脹等) 
その他 血清TARC上昇、好酸球増加、頭痛、末梢性浮腫、アレルギー性結膜炎、咳嗽、腹痛、倦怠感、回転性めまい、血中CPK増加、高尿酸血症、発熱下痢、肝機能検査値異常

12. 臨床検査結果に及ぼす影響

本剤の投与により、アトピー性皮膚炎の炎症症状とは一致しない一過性の血清TARC値の上昇が認められている。本剤投与開始から一定期間は血清TARC値をアトピー性皮膚炎の短期病勢マーカーとして使用できないことに留意すること。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 デュアルチャンバーシリンジの使用にあたっては、巻末の【操作方法】を熟読すること。シリンジに損傷がみられた場合には使用しないこと。
14.1.2 溶解後の薬液が均質になるように、注射針側を上に向けて60秒以上左右に振とうし、溶解させること。薬剤の溶け残りがある場合は、再度左右に振とうし、溶解させること。
14.1.3 溶解後、直ちに投与すること。直ちに投与できない場合は、室温で保存し、4時間以内に投与すること。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 溶解液で調製後の薬液は無色〜微黄色の液となる。変色や不溶物を認めた場合には使用しないこと。
14.2.2 注射針は22〜27ゲージを使用すること。
14.2.3 投与部位は腹部、大腿部又は上腕部とすること。同一箇所へ繰り返し注射することは避けること。
14.2.4 正常な皮膚の部位に注射すること。皮膚が敏感な部位、皮膚に損傷、打撲や傷のある部位、アトピー性皮膚炎の強い炎症のある部位には注射しないこと。
14.2.5 本剤の使用は1回限りとし、使用後は廃棄すること。
14.3 薬剤交付時の注意
患者が家庭で保管する場合は、光曝露を避けるため外箱に入れたまま保存するよう指導すること。[20.参照]

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人男性を対象にネモリズマブを0.003〜3mg/kg(各群6例)単回皮下投与したとき注)の血清中ネモリズマブ濃度推移は次のとおりであった。なお、0.003及び0.01mg/kg群はすべて定量下限値未満(<0.1μg/mL)であった1)
図 単回投与時の血清中濃度推移
また、0.03〜3mg/kgを単回皮下投与したときの薬物動態パラメータは次のとおりであった1)
表 単回投与時の薬物動態パラメータ
投与量(mg/kg)Cmax(μg/mL)AUCinf(μg・day/mL)tmax(day)CL/F(mL/day)Vz/F(mL)t1/2(day)
0.030.315
(0.0352)
7.01
(1.20)
6.50
(4.00-11.0)
274
(35.1)
4960
(1150)
12.7
(3.38)
0.10.782
(0.143)
19.7
(5.16)
7.00
(6.00-10.0)
331
(122)
6510
(1620)
14.5
(4.22)
0.32.33
(0.486)
75.7
(12.0)
10.0
(4.00-10.0)
264
(37.3)
5690
(697)
15.1
(1.71)
18.82
(1.23)
226
(24.5)
4.00
(4.00-7.00)
269
(47.7)
5840
(842)
15.2
(1.81)
323.9
(3.40)
634
(199)
5.00
(4.00-6.00)
319
(75.9)
7250
(1200)
16.4
(3.92)
16.1.2 反復投与
既存治療を実施したにもかかわらず中等度以上のそう痒を有するアトピー性皮膚炎患者143例にネモリズマブ60mgを4週間隔で反復皮下投与したときの初回投与後の薬物動態パラメータは次のとおりであった。
表 初回投与後の薬物動態パラメータ
Cmax(μg/mL)tmax(day)AUClast(μg・day/mL)
5.74
(1.79)
7.0
(5-28)
103.57
(31.48)
血清中ネモリズマブ濃度の平均は、投与7日後に最高値に達し、その後は4週後まで緩やかに低下した。血清中トラフ濃度の平均は、16週後及び32週後で、3.65μg/mL及び3.77μg/mLであり、投与16週後には定常状態に到達した2)
16.3 分布
16.3.1 分布容積
母集団薬物動態解析の結果、見かけの分布容積の母集団平均は8.44Lであった。
16.3.2 組織移行性
雄性カニクイザルに[125I]ネモリズマブを1mg/kgの用量で単回皮下投与し、全身オートラジオルミノグラフィーにより評価した。放射能濃度は甲状腺を除くと血液で最も高く、血液以外では血液が豊富な組織(肺、肝臓、腎臓など)で比較的高かった3)
注)本剤の承認された用法・用量は、「通常、成人及び13歳以上の小児にはネモリズマブ(遺伝子組換え)として1回60mgを4週間の間隔で皮下投与する。」である。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第III相試験
既存治療を実施したにもかかわらず中等度以上のそう痒を有する注1)13歳以上のアトピー性皮膚炎患者215例を対象としたプラセボ対照ランダム化二重盲検比較試験及び非対照長期投与試験を実施した2)。既存外用療法注2)との併用下で、本剤60mg又はプラセボを4週間隔で16週間皮下投与した後、本剤60mgを52週間皮下投与した。
主要有効性評価項目とした投与開始16週後のそう痒VAS変化率は次のとおりであり、本剤群とプラセボ群の間で統計的に有意な改善効果を示した。
表 そう痒VASの成績
 本剤群(143例)プラセボ群(72例)
ベースラインa)74.92
(10.48)
75.30
(10.46)
投与16週後a)39.91
(21.24)
56.76
(21.42)
投与16週後のそう痒VAS変化率b)−42.84%
(2.57%)
−21.39%
(3.61%)
群間差
[95%信頼区間]
p値c)
−21.45%
[−30.19%,−12.71%]
p<0.0001
副次評価項目とした投与開始16週後のEASI注3)変化率(平均)は本剤群で−45.85%、プラセボ群で−33.24%であった。
投与開始68週後の本剤群及びプラセボから本剤に移行した群のそう痒VAS変化率(平均)はそれぞれ−65.87%及び−69.46%、EASI変化率(平均)はそれぞれ−78.22%及び−73.79%であった。
副作用は58.1%(122/210例)で認められ、主な副作用はアトピー性皮膚炎16.2%(34/210例)、サイトカイン異常5.2%(11/210例)、好酸球数増加及び上咽頭炎各3.8%(8/210例)、蜂巣炎及び蕁麻疹各3.3%(7/210例)であった。[5.1参照]
注1)そう痒VAS(0〜100)が50以上、かゆみスコアが3(中等度)以上。
注2)初回投与日の28日以上前からストロングクラスのステロイド外用剤又はタクロリムス外用剤を固定の用法で継続した。生物製剤、免疫抑制剤、経口ステロイド剤等の全身療法及び光線療法の併用は禁止した。
注3)EASI(スコア0〜72):Eczema area and severity index。ベースラインの平均は本剤群で27.55、プラセボ群で25.67であった。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
ネモリズマブは、ヒト化抗ヒトIL-31受容体A(IL-31RA)モノクローナル抗体であり、IL-31と競合的にIL-31RAに結合することにより、IL-31の受容体への結合及びそれに続く細胞内へのシグナル伝達を阻害する4)
18.2 IL-31結合阻害作用
ネモリズマブは、可溶型IL-31RAに高い親和性で結合し、IL-31RAを発現させた組換え細胞へのIL-31の結合を濃度依存的に阻害した4)in vitro)。
18.3 そう痒抑制作用
カニクイザルIL-31で全身性のそう痒を誘発させたカニクイザルモデルにおいて、ネモリズマブはそう痒抑制効果を示した4)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. ネモリズマブ(遺伝子組換え)

一般的名称 ネモリズマブ(遺伝子組換え)
一般的名称(欧名) Nemolizumab(Genetical Recombination)
分子量 約147,000
理化学知見その他 ネモリズマブは、445個のアミノ酸残基からなるH鎖(γ2鎖)2本及び214個のアミノ酸残基からなるL鎖(κ鎖)2本で構成される糖タンパク質である。
KEGG DRUG D11080

20. 取扱い上の注意

外箱開封後は遮光して保存すること。[14.3参照]

21. 承認条件

医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。

22. 包装

シリンジ
60mg×1

23. 主要文献

  1. 社内資料:単回投与試験(2022年3月28日承認、CTD2.7.2.2.2.1)
  2. 社内資料:アトピー性皮膚炎患者を対象とした第III相比較/長期継続投与試験(2022年3月28日承認、CTD2.7.6.3)
  3. 社内資料:組織分布試験(カニクイザル)(2022年3月28日承認、CTD2.6.4.4.1)
  4. Oyama S.,et al., Exp.Dermatol., 27 (1), 14-21, (2018) »PubMed

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
マルホ株式会社 製品情報センター
〒531-0071 大阪市北区中津1-11-1
電話:0120-12-2834
製品情報問い合わせ先
マルホ株式会社 製品情報センター
〒531-0071 大阪市北区中津1-11-1
電話:0120-12-2834

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売
マルホ株式会社
大阪市北区中津1-5-22
26.2 提携
中外製薬株式会社
東京都中央区日本橋室町2-1-1

その他の説明

デュアルチャンバーシリンジ(DCS)操作方法
ミチーガ皮下注用60mgシリンジ
各部の名称
1 清潔な手で容器からデュアルチャンバーシリンジ(DCS)を取り出し、DCSに異常がないか確認ください
容器に入っているもの
容器に入っていないもの(ご準備ください)
●注射針:22〜27ゲージ、1/2インチ(13mm)
●アルコール綿
●脱脂綿
DCSについて、下記の項目を確認し、異常が認められた場合は使用せず、新しいDCSをご使用ください。
使用期限内である
薬剤が白色である
溶解液が透明で異物が混入していない
損傷がない
液漏れがない
白色の保護キャップがついている
※シリンジバレル内壁に無色〜白色の薬剤のスポットを認めることがありますが、異常ではありません。
2 DCSの2つのキャップを取り外してください
[1]シリンジ先端を上に向けて持ち、片方の手で保護キャップ(白色)を、もう片方の手でテクスチャリング部分を持って、保護キャップ(白色)をひねって外します。
[2]ゴムキャップ(灰色)を外します。
3 先端部を上向きに持ち、注射針を取り付けてください
シリンジ先端部を上にして持ち、注射針末端部をシリンジ先端部に、図の矢印の方向にねじ込みながら、回らなくなるまでしっかりと装着します。
注射針のキャップは、投与直前に外してください。
薬剤がこぼれる可能性があるのでDCSは上向きに持ってください。
4 薬剤を溶かしてください
[1]注射針側を上に向けてDCSを持ちます。
[2]プランジャーをプランジャー・ロックAで止まるまで押し込み、溶解液を薬剤の部分へ流し込みます。
プランジャーは押し込んだままにしておいてください。
針先から薬液が漏れる可能性がありますので、DCSは上向きに持ってください。
プランジャー側に残った溶解液が手元に流れる場合がありますが、問題ありません。
[3]そのまま注射針側を上に向けた状態で、DCSを60秒以上左右に振とうして、薬剤を溶かしてください。薬液が泡立っても問題ありません。
針先から薬液が漏れる可能性がありますので、水平よりも下向きにして振らないでください。
5 DCSを平らな場所に5分ほど置き、泡が減り、薬剤が完全に溶けるのを待ちます
溶かした直後
泡で全体が白っぽく見えます
5分ほど経った後
泡がおさまり、薬液が透きとおります(5分ほど置いた後に、図に示す程度の一定量の泡が残っていても問題ありません)
5分ほど待っても、薬剤が完全に溶けていない場合は、DCSを60秒以上左右に振とうしてから、さらに5分ほど時間をおいてください。それでも溶けていない場合は、もう1度振とうし、5分ほど置くことを繰り返してください。
次のような場合、使用しないでください。
薬剤を溶かした際に、薬液が変色している(正常な色は無色〜微黄色です)
振とうと5分ほど置くことを、3回以上繰り返しても、薬液に不溶物が認められる
※ゴム栓部へ巻き込まれた薬剤の溶け残りは問題ありません。
薬剤を溶かした後は直ちに使用してください。直ちに使用できない場合は30℃以下の室温で保存し、4時間以内に投与してください。
6 空気(気泡)を先端部に移動させてください
[1]注射針のキャップを外し、注射針を上に向けた状態で、シリンジバレルを指先で軽くたたき、気泡をシリンジバレルの先端に移動させます。
針先から薬液が漏れる可能性がありますので、DCSは上向きに持ってください。
[2]片手でシリンジバレルを持ったまま、プランジャーを図の矢印の方向に90度回転させます。
[3]プランジャーをプランジャー・ロックBで止まるまで押し込みます。
押し込んだ後にシリンジバレル内に少量の空気が残りますが、問題ありません。
プランジャーを押し込んだときに、針先から薬液が漏れたり、プランジャー側に残った溶解液が手元に流れることがありますが、問題ありません。
7 投与の前に、ロックを解除してください
注射針を上に向けた状態で、プランジャーを図の矢印の方向に90度回転させてください。
こうすることでプランジャーのロックが解除されます。
ロックを解除した後、薬液を投与するとき(注射するとき)にプランジャーを押してください。
8 注射する部位を選んでください
●腹部(へそから5cm以上離れた部位)
●大腿部
●上腕部外側
正常な皮膚の部位に注射してください。
次のような部位への注射は避けてください。
皮膚が敏感な部位
皮膚に損傷、打撲や傷のある部位
アトピー性皮膚炎の強い炎症を伴う部位
毎回、部位を変えて注射してください。
9 注射針を皮膚に刺してください
[1]注射する部位を、アルコール綿でふいて消毒します。
[2]注射の直前に、シリンジバレル内の空気を抜きます。このとき、小さな気泡が残っていても問題ありません。
[3]片方の手でシリンジの指かけの近くを持ち、もう片方の手で注射する部位の皮膚を優しくつまみ、そこに注射針を刺します。
注射針を刺した後は、同じ角度で刺したままにしておいてください。
10 薬液を注入してください
[1]注射針を刺した後、図のように、DCSを人差し指と中指で挟むような形で指かけに両指をかけ、プランジャーを親指でゆっくり押し下げます。
[2]薬液が全て注入されるまでプランジャーをゆっくりと押し下げてください。
注射針を刺した後は、同じ角度で刺したままにしておいてください。
[3]注射後は、注射針を挿入時と同じ角度を保ちながら、人差し指と中指で指かけを引っ張るようにして抜いていきます。
投与部位はもまないでください。
出血した場合は、脱脂綿で軽く押さえてください。
11 使用済みの注射針つきDCSとキャップは各市区町村の廃棄ルールなどに従い廃棄してください
DCSや注射針の使用は1回限りとし、再使用しないでください。

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/05/21 版