医療用医薬品 : クロモグリク酸Na

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医薬品情報


総称名 クロモグリク酸Na
一般名 クロモグリク酸ナトリウム
欧文一般名 Sodium Cromoglicate
製剤名 クロモグリク酸ナトリウム点眼液
薬効分類名 アレルギー性結膜炎治療剤
薬効分類番号 1319
ATCコード S01GX01
KEGG DRUG
D00526 クロモグリク酸ナトリウム
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2024年7月 改訂(第3版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
クロモグリク酸Na点眼液2%「VTRS」 (後発品) CROMOGLICATE Na Ophthalmic Solution ヴィアトリス・ヘルスケア 1319717Q1430 187.8円/瓶

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

4. 効能または効果

アレルギー性結膜炎、春季カタル

6. 用法及び用量

1回1〜2滴、1日4回(朝、昼、夕方及び就寝前)点眼

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ウサギ、マウス)で母体に毒性があらわれる大量の注射により胎児毒性(胎児吸収、体重減少等)の報告がある。

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 アナフィラキシー(0.1%未満注)
呼吸困難、血管浮腫、蕁麻疹等があらわれることがある。
注)発現頻度は製造販売後調査を含む
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 0.1〜5%未満注)0.1%未満注)
点眼時一過性の眼刺激感、結膜充血、眼瞼炎結膜炎

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
患者に対し以下の点に注意するよう指導すること。
<アレルギー性結膜炎>
・本剤に含まれているベンザルコニウム塩化物はソフトコンタクトレンズに吸着されることがあるので、ソフトコンタクトレンズを装用している場合には、点眼前にレンズを外し、点眼後少なくとも5〜10分間の間隔をあけて再装用すること。
<効能共通>
・薬液汚染防止のため、点眼のとき、容器の先端が直接目に触れないように注意すること。
・患眼を開瞼して結膜嚢内に点眼し、1〜5分間閉瞼して涙嚢部を圧迫させた後、開瞼すること。
・点眼のとき、液が眼瞼皮膚等についた場合には、すぐにふき取ること。
・他の点眼剤を併用する場合には、少なくとも5分以上間隔をあけてから点眼すること。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報
本剤の保存剤であるベンザルコニウム塩化物による過敏症が知られている。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内臨床試験
春季カタル及びアレルギー性結膜炎患者135名を対象に、1週間の対照観察期間の後に2%クロモグリク酸ナトリウム点眼液又はプラセボ点眼液を両眼に1回1〜2滴、1日4回、4週間点眼する二重盲検比較試験を実施した。試験薬投与2週後及び4週後に対照観察期間と比較した結果、2%クロモグリク酸ナトリウム点眼液群の全般改善度(改善以上)は、2週後40.6%(26/64例)、4週後55.5%(30/54例)であり、プラセボ点眼液群の2週後14.9%(10/67例)、4週後32.8%(22/67例)に比べ有意な改善が認められた(p<0.01;U検定)。疾患別全般改善度(投与4週後)は下表のとおりであり、2%クロモグリク酸ナトリウム点眼液群はプラセボ点眼液に比べ有意な改善が認められた。
2%クロモグリク酸ナトリウム点眼液の副作用は69例中3例(4.3%)に認められ、しみる2.9%(2例)、痛み1.4%(1例)であった1)
診断名試験薬改善以上/判定例数全般改善度(%)(改善以上)U検定
春季カタル2%クロモグリク酸ナトリウム点眼液9/1947.4p<0.05
プラセボ点眼液3/2015.0
アレルギー性結膜炎2%クロモグリク酸ナトリウム点眼液21/3560.0p<0.01
プラセボ点眼液19/4740.4

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
抗原抗体反応に伴って起こるマスト細胞からの化学伝達物質(ヒスタミン等)の遊離を抑制する2)3)。また、ヒト末梢静脈血由来の炎症性細胞(好酸球、好中球、単球)の活性化に対して抑制作用をもつ4)
18.2 抗原眼誘発反応に対する防御効果
アレルギー性結膜炎患者における抗原眼誘発反応に対して防御効果を示した5)
18.3 結膜組織内ヒスタミン濃度の低下作用
アレルギー性結膜炎における結膜組織内ヒスタミン濃度の低下作用を示した6)
18.4 生物学的同等性試験
18.4.1 アレルギー性結膜炎に対する作用
クロモグリク酸Na点眼液2%「VTRS」とインタール点眼液2%をラット実験的アレルギー性結膜炎モデルの結膜下に投与し、眼瞼結膜内への漏出色素量に対する抑制効果を指標として試験したところ、両剤ともコントロール群と比較して有意に抑制し、両剤間に有意な差は認められず、両剤の生物学的同等性が推測された7)
18.4.2 眼誘発反応に対する作用
クロモグリク酸Na点眼液2%「VTRS」とインタール点眼液2%をアレルギー性結膜炎誘発ウサギの結膜に投与し、発赤並びに浮腫の抑制効果を指標として試験したところ、両剤ともコントロール群と比較して有意に抑制し、いずれの時点においても両剤間に有意な差は認められず、両剤の生物学的同等性が推測された7)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. クロモグリク酸ナトリウム

一般的名称 クロモグリク酸ナトリウム
一般的名称(欧名) Sodium Cromoglicate
化学名 Disodium 5,5'-(2-hydroxypropane-1,3-diyl)bis(oxy)bis(4-oxo-4H-chromene-2-carboxylate)
分子式 C23H14Na2O11
分子量 512.33
物理化学的性状 白色の結晶性の粉末で、においはなく、味は初めはないが、後に僅かに苦い。
水に溶けやすく、プロピレングリコールにやや溶けにくく、エタノール(95)に極めて溶けにくく、2-プロパノール又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
吸湿性である。
光により徐々に黄色を帯びる。
KEGG DRUG D00526

20. 取扱い上の注意

開栓後1ヵ月経過した場合は、残液を使用しないこと。

22. 包装

5mL×10本

23. 主要文献

  1. 内田幸男ほか, 眼科臨床医報, 75 (6), 725-746, (1981)
  2. Cox JSG, Disodium Cromoglycate in Allergic Airways Disease.:Pepys J,Frankland AW,editors., 13-25, (1970), (London:Butterworths.)
  3. 第十八改正 日本薬局方解説書, C-1796-1800, (2021), (廣川書店)
  4. Kay AB,et al., J Allergy Clin Immunol., 80 (1), 1-8, (1987) »PubMed
  5. 三国郁夫, 臨床眼科, 34 (11), 1551-1557, (1980)
  6. Hennawi MM, The Mast Cell.:Pepys J,Edwards AM,editors., 486-492, (1979), (London:Pitman Medical.)
  7. 社内資料:生物学的同等性試験(クロモグリク酸Na点眼液2%「VTRS」)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
ヴィアトリス製薬合同会社 メディカルインフォメーション部
〒106-0041 東京都港区麻布台一丁目3番1号
電話:フリーダイヤル 0120-419-043
製品情報問い合わせ先
ヴィアトリス製薬合同会社 メディカルインフォメーション部
〒106-0041 東京都港区麻布台一丁目3番1号
電話:フリーダイヤル 0120-419-043

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
ヴィアトリス・ヘルスケア合同会社
東京都港区麻布台一丁目3番1号
26.2 販売元
ヴィアトリス製薬合同会社
東京都港区麻布台一丁目3番1号

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/05/21 版