17.1.1 国内第II相試験(前期)
成人気管支喘息患者205例を対象とし、エピナスチン塩酸塩錠10mg又は20mg1日1回及び20mg1日2回を4週間経口投与した臨床試験の結果、各群の効果はほぼ同様であり、エピナスチン塩酸塩錠10mg又は20mg1日1回の有用性が認められた。承認された効能又は効果、用法及び用量における臨床試験成績は次のとおりであった
7)。
投与対象 | 有効例数/効果判定例数 | 有効率 (中等度改善以上) |
気管支喘息 | 20/57 | 35.1% |
エピナスチン塩酸塩錠20mgの副作用発現割合は3.1%(2/65例)で、眠気1.5%(1/65例)、口渇1.5%(1/65例)、鼻閉感1.5%(1/65例)であった注)。
注)1例に複数の副作用がある。
17.1.2 国内第II相試験(後期)
成人気管支喘息患者200例を対象とし、エピナスチン塩酸塩錠10mg又は20mg1日1回を6週間経口投与した二重盲検比較試験を対象とし、エピナスチン塩酸塩錠10mg又は20mg1日1回を経口投与した長期投与試験の結果、エピナスチン塩酸塩錠20mgの有用性が認められた。承認された効能又は効果、用法及び用量における臨床試験成績は次のとおりであった
8)9)。
投与対象 | 有効例数/効果判定例数 | 有効率 (中等度改善以上) |
気管支喘息 | 29/78 | 37.2% |
エピナスチン塩酸塩錠20mgの副作用発現割合は7.2%(7/97例)で、ALT上昇2.1%(2/97例)、Al-P上昇1.0%(1/97例)、眠気1.0%(1/97例)、口のにがみ1.0%(1/97例)、悪夢1.0%(1/97例)、心悸亢進1.0%(1/97例)であった注)。
注)1例に複数の副作用がある。
17.1.3 国内第III相試験
成人気管支喘息患者226例を対象とし、エピナスチン塩酸塩錠20mgを1日1回あるいはケトチフェン1mg1日2回を10週間経口投与した二重盲検比較試験の結果、エピナスチン塩酸塩錠20mgの有用性が認められた。承認された効能又は効果、用法及び用量における試験成績は次のとおりであった
10)。
投与対象 | 有効例数/効果判定例数 | 有効率 (中等度改善以上) |
気管支喘息 | 51/95 | 53.7% |
エピナスチン塩酸塩錠20mgの副作用発現割合は8.7%(10/115例)で、口渇2.6%(3/115例)、動悸1.7%(2/115例)、倦怠感0.9%(1/115例)、めまい0.9%(1/115例)、頭痛0.9%(1/115例)、痰のつまる感じ0.9%(1/115例)、悪心0.9%(1/115例)、腹部膨満感0.9%(1/115例)、便秘0.9%(1/115例)、月経周期の不順0.9%(1/115例)であった注)。
注)1例に複数の副作用がある。
17.1.4 国内第III相試験
成人気管支喘息患者70例を対象とし、エピナスチン塩酸塩錠10mg又は20mg1日1回を12週間以上経口投与した一般臨床試験[1]の結果、エピナスチン塩酸塩錠20mgの有用性が認められた。承認された効能又は効果、用法及び用量における試験成績は次のとおりであった
9)。
投与対象 | 有効例数/効果判定例数 | 有効率 (中等度改善以上) |
気管支喘息 | 21/34 | 61.8% |
エピナスチン塩酸塩錠20mgの副作用発現割合は5.9%(3/51例)で、眠気2.0%(1/51例)、不眠2.0%(1/51例)、薬疹2.0%(1/51例)であった。
17.1.5 国内第III相試験
成人気管支喘息患者20例を対象とし、エピナスチン塩酸塩錠20mg1日1回を12週間以上経口投与した一般臨床試験[2]の結果、エピナスチン塩酸塩錠20mgの有用性が認められた。承認された効能又は効果、用法及び用量における試験成績は次のとおりであった
11)。
投与対象 | 有効例数/効果判定例数 | 有効率 (中等度改善以上) |
気管支喘息 | 12/19 | 63.2% |
本試験において副作用は認められなかった。
17.1.6 国内第II相試験(前期)
通年性アレルギー性鼻炎患者183例を対象とし、エピナスチン塩酸塩錠5mg、10mg、20mg1日1回を2週間経口投与した臨床試験の結果、5mg投与より10mg及び20mg投与の有用性が認められた。承認された効能又は効果、用法及び用量における試験成績は次のとおりであった
12)。
投与対象 | 有効例数/効果判定例数 | 有効率 (中等度改善以上) |
アレルギー性鼻炎 | 42/99 | 42.4% |
エピナスチン塩酸塩錠10mg及び20mgの副作用発現割合は1.7%(2/116例)で、全身倦怠感0.9%(1/116例)、発疹0.9%(1/116例)であった。
17.1.7 国内第II相試験(後期)
通年性アレルギー性鼻炎患者194例を対象とし、エピナスチン塩酸塩錠10mg又は20mg1日1回を2週間経口投与した二重盲検試験の結果、10mg以上の投与量で有用性が認められた。承認された効能又は効果、用法及び用量における試験成績は次のとおりであった
13)。
投与対象 | 有効例数/効果判定例数 | 有効率 (中等度改善以上) |
アレルギー性鼻炎 | 63/149 | 42.3% |
エピナスチン塩酸塩錠10mg及び20mgの副作用発現割合は5.4%(10/184例)で、眠気1.6%(3/184例)、頭痛1.1%(2/184例)、呼吸困難、口内乾燥、嘔気、むかつき、胃痛、皮疹、手掌の皮むけ、タンパク尿各0.5%(1/184例)であった注)。
注)1例に複数の副作用がある。
17.1.8 国内第III相試験
通年性アレルギー性鼻炎患者222例を対象とし、エピナスチン塩酸塩錠10mg1日1回又はアゼラスチン1mg1日2回を2週間経口投与した二重盲検比較試験の結果、エピナスチン塩酸塩錠10mg投与の有用性が認められた。承認された効能又は効果、用法及び用量における試験成績は次のとおりであった
14)。
投与対象 | 有効例数/効果判定例数 | 有効率 (中等度改善以上) |
アレルギー性鼻炎 | 47/94 | 50.0% |
エピナスチン塩酸塩錠10mgの副作用発現割合は7.8%(8/102例)で、眠気3.9%(4/102例)、頭痛、口渇、胃部不快感、下痢、じん麻疹各1.0%(1/102例)であった注)。
注)1例に複数の副作用がある。
17.1.9 国内第III相試験
通年性アレルギー性鼻炎患者38例を対象とし、エピナスチン塩酸塩錠10mg又は20mg1日1回を8週間以上経口投与した一般臨床試験[1]の結果、エピナスチン塩酸塩錠10mg及び20mg投与の有用性が認められた。承認された効能又は効果、用法及び用量における試験成績は次のとおりであった
15)。
投与対象 | 有効例数/効果判定例数 | 有効率 (中等度改善以上) |
アレルギー性鼻炎 | 26/38 | 68.4% |
エピナスチン塩酸塩錠10mg及び20mgの副作用発現割合は2.6%(1/38例)で、発疹2.6%(1/38例)であった。
17.1.10 国内第III相試験
通年性アレルギー性鼻炎患者31例を対象とし、エピナスチン塩酸塩錠10mg1日1回を4週間以上経口投与した一般臨床試験[2]の結果、エピナスチン塩酸塩錠10mg投与の有用性が認められた。承認された効能又は効果、用法及び用量における試験成績は次のとおりであった
16)。
投与対象 | 有効例数/効果判定例数 | 有効率 (中等度改善以上) |
アレルギー性鼻炎 | 17/29 | 58.6% |
エピナスチン塩酸塩錠10mgの副作用発現割合は3.2%(1/31例)で、眠気3.2%(1/31例)であった。
17.1.11 国内第II相試験(前期)
慢性じん麻疹患者259例を対象とし、エピナスチン塩酸塩錠5mg、10mg、20mg1日1回及び20mg1日2回を7日間経口投与した結果、10mg又は20mg1日1回投与群でほぼ一定の高い有用性が認められた。承認された効能又は効果、用法及び用量における試験成績は次のとおりであった
17)。
投与対象 | 有効例数/効果判定例数 | 有効率 (中等度改善以上) |
そう痒性皮膚疾患 | 48/61 | 78.7% |
エピナスチン塩酸塩錠20mgの副作用発現割合は11.1%(7/63例)で、眠気6.3%(4/63例)、倦怠感3.2%(2/63例)、めまい、口渇、嘔気各1.6%(1/63例)であった。
17.1.12 国内第II相試験(後期)
慢性じん麻疹患者177例を対象とし、エピナスチン塩酸塩錠10mg又は20mg1日1回を2週間経口投与した二重盲検試験の結果、エピナスチン塩酸塩錠20mgの有用性が認められた。承認された効能又は効果、用法及び用量における試験成績は次のとおりであった
18)。
投与対象 | 有効例数/効果判定例数 | 有効率 (中等度改善以上) |
そう痒性皮膚疾患 | 71/86 | 82.6% |
エピナスチン塩酸塩錠20mgの副作用発現割合は16.7%(15/90例)で、眠気8.9%(8/90例)、倦怠感3.3%(3/90例)、口渇2.2%(2/90例)、悪心2.2%(2/90例)、ふらつき感、頭痛、目の奥の痛み、胃部不快感、食欲不振、気持ちが悪い、下痢各1.1%(1/90例)であった注)。
注)1例に複数の副作用がある。
17.1.13 国内第III相試験
慢性じん麻疹患者249例を対象とし、エピナスチン塩酸塩錠20mg1日1回又はケトチフェン1mg1日2回を2週間経口投与した二重盲検比較試験の結果、エピナスチン塩酸塩錠の有用性が認められた。承認された効能又は効果、用法及び用量における試験成績は次のとおりであった
19)。
投与対象 | 有効例数/効果判定例数 | 有効率 (中等度改善以上) |
そう痒性皮膚疾患 | 95/119 | 79.8% |
エピナスチン塩酸塩錠20mgの副作用発現割合は13.7%(17/124例)で、眠気7.3%(9/124例)、口渇2.4%(3/124例)、倦怠感、めまい、頭重感、頭痛、胃部不快感、食欲不振、気分不良、腹痛各0.8%(1/124例)であった。
17.1.14 国内第III相試験
じん麻疹、湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症、痒疹、そう痒を伴う尋常性乾癬の患者64例を対象とし、エピナスチン塩酸塩錠20mg1日1回を2〜14週間経口投与した一般臨床試験[1]の結果、エピナスチン塩酸塩錠20mgの有用性が認められた。承認された効能又は効果、用法及び用量における試験成績は次のとおりであった
20)。
投与対象 | 有効例数/効果判定例数 | 有効率 (中等度改善以上) |
そう痒性皮膚疾患 | 56/64 | 87.5% |
エピナスチン塩酸塩錠20mgの副作用発現割合は6.3%(4/64例)で、眠気3.1%(2/64例)、倦怠感1.6%(1/64例)、胃部不快感1.6%(1/64例)であった。
17.1.15 国内第III相試験
湿疹・皮膚炎、痒疹、皮膚そう痒症の患者232例を対象とし、エピナスチン塩酸塩錠20mg1日1回を2週間経口投与した一般臨床試験[2]の結果、エピナスチン塩酸塩錠20mgの有用性が認められた。承認された効能又は効果、用法及び用量における試験成績は次のとおりであった
21)。
投与対象 | 有効例数/効果判定例数 | 有効率 (中等度改善以上) |
そう痒性皮膚疾患 | 162/230 | 70.4% |
エピナスチン塩酸塩錠20mgの副作用発現割合は3.0%(7/232例)で、眠気1.7%(4/232例)、不眠、頭痛、胃重感、口渇、口内乾燥感、腹痛各0.4%(1/232例)であった注)。
注)1例に複数の副作用がある。
17.1.16 国内第III相試験
湿疹・皮膚炎、痒疹、皮膚そう痒症、じん麻疹、そう痒を伴う尋常性乾癬の患者207例を対象とし、エピナスチン塩酸塩錠20mg1日1回を2〜4週間経口投与した一般臨床試験[3]の結果、エピナスチン塩酸塩錠20mgの有用性が認められた。承認された効能又は効果、用法及び用量における試験成績は次のとおりであった
22)。
投与対象 | 有効例数/効果判定例数 | 有効率 (中等度改善以上) |
そう痒性皮膚疾患 | 135/184 | 73.4% |
エピナスチン塩酸塩錠20mgの副作用発現割合は3.9%(8/207例)で、眠気1.4%(3/207例)、頭痛、悪心、胃部不快感、食欲不振、物の味がなくなる、そう痒性紅斑各0.5%(1/207例)であった。
17.1.17 国内第III相試験
湿疹・皮膚炎、痒疹、皮膚そう痒症、じん麻疹、そう痒を伴う尋常性乾癬の患者45例を対象とし、エピナスチン塩酸塩錠20mg1日1回(症状に応じて10mg/日〜40mg/日の範囲で増減可)を2〜12週間経口投与した一般臨床試験[4]の結果、エピナスチン塩酸塩錠20mgの有用性が認められた。承認された効能又は効果、用法及び用量における試験成績は次のとおりであった
23)。
投与対象 | 有効例数/効果判定例数 | 有効率 (中等度改善以上) |
そう痒性皮膚疾患 | 26/45 | 57.8% |
エピナスチン塩酸塩錠20mgの副作用発現割合は4.4%(2/45例)で、頭がボーッとした感じ2.2%(1/45例)、気分が悪い2.2%(1/45例)であった。
17.1.18 国内第III相試験
そう痒を伴う尋常性乾癬の患者35例を対象とし、エピナスチン塩酸塩錠20mg1日1回を2〜4週間経口投与した一般臨床試験[5]の結果、エピナスチン塩酸塩錠20mgの有用性が認められた。承認された効能又は効果、用法及び用量における試験成績は次のとおりであった
24)。
投与対象 | 有効例数/効果判定例数 | 有効率 (中等度改善以上) |
そう痒性皮膚疾患 | 17/33 | 51.5% |
本試験において副作用は認められなかった。