医療用医薬品 : ラメルテオン |
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総称名 | ラメルテオン |
一般名 | ラメルテオン |
欧文一般名 | Ramelteon |
製剤名 | ラメルテオン錠 |
薬効分類名 | メラトニン受容体アゴニスト |
薬効分類番号 | 1190 |
ATCコード | N05CH02 |
KEGG DRUG |
D02689
ラメルテオン
商品一覧 米国の商品 相互作用情報 |
KEGG DGROUP |
DG03202
睡眠薬
商品一覧 |
JAPIC | 添付文書(PDF) |
販売名 | 欧文商標名 | 製造会社 | YJコード | 薬価 | 規制区分 |
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ラメルテオン錠8mg「杏林」 (後発品) | RAMELTEON Tablets | キョーリンリメディオ | 1190016F1059 | 27.9円/錠 | 処方箋医薬品 |
次の患者には投与しないこと
本剤の成分に対する過敏症の既往歴のある患者
高度な肝機能障害のある患者[本剤は主に肝臓で代謝されるため、本剤の血中濃度が上昇し、作用が強くあらわれるおそれがある。]
フルボキサミンマレイン酸塩を投与中の患者(「相互作用」の項参照)
不眠症における入眠困難の改善
ベンゾジアゼピン系薬剤等他の不眠症治療薬による前治療歴がある患者における本剤の有効性、並びに精神疾患(統合失調症、うつ病等)の既往又は合併のある患者における本剤の有効性及び安全性は確立していないので、これらの患者に本剤を投与する際には治療上の有益性と危険性を考慮し、必要性を十分に勘案した上で慎重に行うこと。
通常、成人にはラメルテオンとして1回8mgを就寝前に経口投与する。
本剤の投与開始2週間後を目処に入眠困難に対する有効性及び安全性を評価し、有用性が認められない場合には、投与中止を考慮し、漫然と投与しないこと。(「重要な基本的注意」の項参照)
本剤は、就寝の直前に服用させること。また、服用して就寝した後、睡眠途中において一時的に起床して仕事等をする可能性があるときには服用させないこと。
本剤は食事と同時又は食直後の服用は避けること。[食後投与では、空腹時投与に比べ本剤の血中濃度が低下することがある。]
慎重投与
軽度から中等度の肝機能障害のある患者[本剤は主に肝臓で代謝されるため、本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。(【禁忌】の項参照)]
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
高度の睡眠時無呼吸症候群患者[これらの患者に対する使用経験がなく、安全性は確立していない。]
脳に器質的障害のある患者[これらの患者に対する使用経験がなく、安全性は確立していない。]
重要な基本的注意
本剤の影響が翌朝以後に及び、眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、自動車の運転など危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。
本剤の投与にあたっては、患者に対して生活習慣の改善を指導するとともに、投与開始2週間後を目処に入眠困難に対する有効性及び安全性を評価し、有用性が認められない場合には、投与中止を考慮し、漫然と投与しないこと。またその後も定期的に本剤の有効性及び安全性を評価した上で投与継続の要否を検討すること。(<用法・用量に関連する使用上の注意>の項参照)
本剤の投与により、プロラクチン上昇があらわれることがあるので、月経異常、乳汁漏出又は性欲減退等が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
相互作用
相互作用序文
CYP1A2が本剤の代謝に関与する主な代謝酵素であり、CYP2Cサブファミリー及びCYP3A4もわずかに関与している。
薬物代謝酵素用語
薬物代謝酵素用語
薬物代謝酵素用語
併用禁忌
フルボキサミンマレイン酸塩(ルボックス、デプロメール) | 本剤の最高血中濃度、AUCが顕著に上昇するとの報告があり、併用により本剤の作用が強くあらわれるおそれがある。 | 本剤の主な肝薬物代謝酵素であるCYP1A2を強く阻害する。また、CYP2C9、CYP2C19及びCYP3A4に対する阻害作用の影響も考えられる。 |
併用注意
CYP1A2阻害剤 キノロン系抗菌薬等 | 本剤の作用が強くあらわれる可能性がある。 | フルボキサミンマレイン酸塩との併用で顕著な本剤の血中濃度上昇が報告されており、その他のCYP1A2阻害剤との併用においても、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。 |
CYP2C9阻害剤 フルコナゾール(アゾール系抗真菌薬)等 | 本剤の作用が強くあらわれる可能性がある。 フルコナゾールとの併用により本剤の最高血中濃度、AUCが上昇したとの報告がある。 | これらの薬剤の肝薬物代謝酵素阻害作用により、本剤の代謝を阻害し、血中濃度を上昇させる可能性がある。 |
CYP3A4阻害剤 マクロライド系抗菌薬等 ケトコナゾール(アゾール系抗真菌薬)等 | 本剤の作用が強くあらわれる可能性がある。 ケトコナゾール(経口:国内未発売)との併用により本剤の最高血中濃度、AUCが上昇したとの報告がある。 | これらの薬剤の肝薬物代謝酵素阻害作用により、本剤の代謝を阻害し、血中濃度を上昇させる可能性がある。 |
CYP誘導剤 リファンピシン(結核治療薬)等 | 本剤の作用が減弱する可能性がある。 リファンピシンとの併用により本剤の最高血中濃度、AUCが低下したとの報告がある。 | CYP3A4等の肝薬物代謝酵素を誘導することにより、本剤の代謝を促進し、血中濃度を減少させる可能性がある。 |
アルコール (飲酒) | 注意力・集中力・反射運動能力等の低下が増強することがある。 | アルコールが中枢神経抑制作用を示すため、本剤との相加作用が考えられる。 |
副作用
副作用発現状況の概要
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
重大な副作用及び副作用用語
重大な副作用
(頻度不明)
アナフィラキシー(蕁麻疹、血管浮腫等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
その他の副作用
頻度不明 | |
精神神経系 | めまい、頭痛、眠気、悪夢 |
皮膚 | 発疹 |
消化器 | 便秘、悪心 |
内分泌 | プロラクチン上昇 |
その他 | 倦怠感、自殺企図 |
高齢者への投与
高齢者においては血中濃度が上昇するおそれがあるため、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。[ラットによる生殖試験(150mg/kg/日以上)において、胎児の横隔膜ヘルニア、骨格変異等の催奇形性がみられている。]
授乳中の婦人に投与することを避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること。[ラットでは乳汁中への移行が報告されている。]
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
過量投与
徴候・症状
薬物依存の既往がある健康成人を対象として、ラメルテオン製剤を160mgまで単回投与した外国臨床試験において、眠気、倦怠感、めまい、腹痛、頭痛等の症状が認められている。
処置
呼吸、脈拍、血圧を十分監視するとともに、全身症状があらわれた場合には、一般的な処置や対症療法を行うこと。また、必要に応じ、胃洗浄、輸液など適切な処置を行うこと。なお、血液透析は本剤の除去に有用ではないと考えられる。
適用上の注意
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
その他の注意
他社が実施したマウスに2年間強制経口投与した試験で、雄マウスの100mg/kg/日以上及び雌マウスの300mg/kg/日以上の群において肝腫瘍の発現増加がみられた。また、ラットに2年間強制経口投与した試験では、雄ラットにおいて250mg/kg/日以上の群で肝腫瘍及び良性の精巣間細胞腫の発現増加がみられ、雌ラットでは60mg/kg/日以上の群において肝腫瘍の発現増加がみられた。
生物学的同等性試験1)
ラメルテオン錠8mg「杏林」と標準製剤をクロスオーバー法によりそれぞれ1錠(ラメルテオンとして8mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中主代謝物M-II濃度及び血漿中ラメルテオン(未変化体)濃度を測定した。生物学的同等性評価パラメータである血漿中M-IIのCmax及びAUC0-12の薬剤間差の90%信頼区間は、生物学的同等性の判定基準log(0.80)〜log(1.25)を満たした。また、副次評価対象物である血漿中ラメルテオンのCmax及びAUC0-12の薬剤間差の90%信頼区間は、log(0.80)〜log(1.25)の範囲内であった。
以上より、ラメルテオン錠8mg「杏林」と標準製剤は生物学的に同等であると判断した。
主代謝物M-IIの薬物動態パラメータ
評価パラメータ | 参考パラメータ | |||
AUC0-12(ng・hr/mL) | Cmax(ng/mL) | Tmax(hr) | t1/2(hr) | |
ラメルテオン錠8mg「杏林」 | 209.6±64.0 | 90.4825±25.5743 | 0.71±0.22 | 2.18±0.37 |
標準製剤(錠剤、8mg) | 207.7±61.3 | 85.5236±23.6876 | 0.82±0.35 | 2.19±0.37 |
血漿中主代謝物M-II濃度推移
ラメルテオンの薬物動態パラメータ
評価パラメータ | 参考パラメータ | |||
AUC0-12(ng・hr/mL) | Cmax(ng/mL) | Tmax(hr) | t1/2(hr) | |
ラメルテオン錠8mg「杏林」 | 4.000±3.396 | 4.4492±3.6741 | 0.56±0.20 | 1.19±0.25 |
標準製剤(錠剤、8mg) | 5.061±9.176 | 4.0564±4.3335 | 0.67±0.26 | 1.18±0.27 |
血漿中ラメルテオン濃度推移
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
メラトニンMT1/MT2受容体特異的アゴニストであるラメルテオンは、MT1受容体へはメラトニンの約6倍、MT2受容体へは約3倍の親和性で結合する。視交叉上核の神経発火を抑制し(MT1)、位相前進効果を現して(MT2)、睡眠・覚せいサイクルを正常化して生理的な睡眠をもたらす不眠治療薬である。ラメルテオンは、GABAA受容体作用薬である睡眠薬にみられる筋弛緩作用、前向性健忘、反跳性不眠や依存性などの副作用はない。2)
安定性試験3)
最終包装製品を用いた加速試験(40℃、相対湿度75%、6ヵ月)の結果、ラメルテオン錠8mg「杏林」は通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された。
PTP
100錠
バラ
300錠
1. | キョーリンリメディオ株式会社社内資料:ラメルテオン錠8mg「杏林」の生物学的同等性試験に関する資料 |
2. | 田中千賀子 他編, NEW薬理学 改訂第7版, 330, (2017) 南江堂 |
3. | キョーリンリメディオ株式会社社内資料:ラメルテオン錠8mg「杏林」の安定性試験に関する資料 |
改訂履歴 |
2022年8月 作成 (第1版) |
文献請求先 |
主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい。 |
業態及び業者名等 |
販売元 製造販売元 |
[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] | 2023/03/22 版 |