医療用医薬品 : トラニラスト

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医薬品情報


総称名 トラニラスト
一般名 トラニラスト
欧文一般名 Tranilast
薬効分類名 アレルギー性疾患治療剤
ケロイド・肥厚性瘢痕治療剤
薬効分類番号 4490
KEGG DRUG
D02027 トラニラスト
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2024年12月 改訂(第2版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
トラニラストカプセル100mg「トーワ」 (後発品) TRANILAST CAPSULES 100mg"TOWA" 東和薬品 4490002M1455 8円/カプセル

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
2.1 妊婦(特に約3ヵ月以内)又は妊娠している可能性のある女性[9.5.1参照]
2.2 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

4. 効能または効果

気管支喘息
アレルギー性鼻炎
アトピー性皮膚炎
○ケロイド・肥厚性瘢痕

6. 用法及び用量

通常、成人には1回1カプセル(トラニラストとして100mg)を1日3回経口投与する。
ただし、年齢、症状により適宜増減する。

8. 重要な基本的注意

<効能共通>
8.1 本剤による膀胱炎様症状、肝機能障害が出現する場合には、末梢血中好酸球増多を伴うことが多いので、本剤投与中は定期的に血液検査(特に白血球数・末梢血液像の検査)を行うことが望ましい。好酸球数が増加した場合には、十分な経過観察を行うこと。[11.1.111.1.2参照]
8.2 本剤は、気管支拡張剤、ステロイド剤、抗ヒスタミン剤等と異なり、すでに起こっている発作や症状を速やかに軽減する薬剤ではないので、このことは患者に十分説明しておく必要がある。
8.3 本剤の投与によりステロイド維持量を減量し得た患者で、本剤の投与を中止する場合は、原疾患再発のおそれがあるので、注意すること。
8.4 本剤投与により効果が認められない場合には、漫然と長期にわたり投与しないように注意すること。
<気管支喘息>
8.5 本剤を投与中、大発作をみた場合は、気管支拡張剤あるいはステロイド剤を投与する必要がある。
<アレルギー性鼻炎>
8.6 本剤を季節性のアレルギー性疾患患者に投与する場合は、好発季節を考えて、その直前から投与を開始し、好発季節終了時までつづけることが望ましい。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 長期ステロイド療法を受けている患者
本剤投与によりステロイドの減量をはかる場合は、十分な管理下で徐々に行うこと。
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 腎機能障害又はその既往歴のある患者
腎機能を悪化させるおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 肝機能障害又はその既往歴のある患者
肝機能を悪化させるおそれがある。
9.5 妊婦
9.5.1 妊婦(特に約3ヵ月以内)又は妊娠している可能性のある女性
投与しないこと。マウスに大量投与した実験で、骨格異常例の増加が認められている。[2.1参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている。
9.8 高齢者
副作用があらわれた場合は減量するなど慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。

10. 相互作用

10.2 併用注意
ワルファリンカリウム本剤との併用(又は併用中止)により、ワルファリンカリウムの作用が増強(又は減弱)し、トロンボテスト値が低下(又は上昇)したとの報告がある。
本剤との併用(又は併用の中止)を行う場合には、凝血能の変動に十分注意すること。
ヒト肝ミクロソームを用いたin vitroの試験で、ワルファリンカリウムの代謝を抑制することが確認されていることから、凝血能を変動させる可能性がある。

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 膀胱炎様症状(頻度不明)
頻尿、排尿痛、血尿、残尿感等の膀胱炎様症状があらわれることがある。[8.1参照]
11.1.2 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
黄疸、AST、ALT、Al-P等の著しい上昇を伴う肝機能障害または肝炎があらわれることがある。[8.1参照]
11.1.3 腎機能障害(頻度不明)
BUN、クレアチニンの上昇等を伴う腎機能障害があらわれることがある。
11.1.4 白血球減少(0.14%)、血小板減少(頻度不明)
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 0.1〜5%未満0.1%未満頻度不明
過敏症発疹そう痒、蕁麻疹紅斑、湿疹、落屑
消化器食欲不振、腹痛、下痢、胃部不快感、消化不良、便秘、嘔気、嘔吐  
血液貧血、好酸球増多 溶血性貧血
精神神経系頭痛、眠気、めまい不眠、倦怠感しびれ感
その他 動悸、浮腫、潮紅、口内炎月経異常、発熱、脱毛、緑色尿

12. 臨床検査結果に及ぼす影響

本剤は、アレルゲン皮内反応を抑制し、アレルゲンの確認に支障を来すので、アレルゲン皮内反応検査は本剤の投与前に実施すること。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 健康成人にトラニラストカプセル100mgを1回経口投与すると消化管から速やかに吸収され、血中濃度は2時間で最高に達した。血中濃度の半減期は約5時間であった。1)
100mg単回投与時の速度論的パラメーター
薬物Tmax(hr)Cmax(μg/mL)AUC(μg・hr/mL)T1/2(hr)
トラニラスト212.6114.45.3
16.1.2 生物学的同等性試験
トラニラストカプセル100mg「トーワ」とリザベンカプセル100mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1カプセル(トラニラストとして100mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された。2)
 判定パラメータ参考パラメータ
AUC0-24(μg・hr/mL)Cmax(μg/mL)Tmax(hr)T1/2(hr)
トラニラストカプセル100mg「トーワ」154.4±35.122.05±4.091.75±0.965.95±0.73
リザベンカプセル100mg147.8±30.121.03±3.912.11±0.946.02±0.51
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.4 代謝
トラニラストの主代謝経路は、未変化体の抱合化及び4位の脱メチル化とそれに続く硫酸抱合であった。
トラニラストの酸化的代謝反応はCYP2C9、CYP2C18、CYP2C8、CYP1A2、CYP3A4、CYP2D6で確認され、主としてCYP2C9が代謝に関与する。1)
16.5 排泄
トラニラスト尿中排泄率が37.7%で、うち大部分が24時間以内に排泄された。1)

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
<気管支喘息>
17.1.1 国内二重盲検比較試験
15歳以上50歳以下の気管支喘息患者221例を対象に、トラニラスト300mg/日(1回100mgを1日3回)4週間投与による有用性を、クロモグリク酸ナトリウム(吸入剤)80mg/日及びプラセボを比較対照として二重盲検法により検討した。最終全般改善度を、著明改善、中等度改善、軽度改善、不変、軽度悪化、中等度悪化、著明悪化の7段階区分にて評価した結果、軽度改善以上の改善率はトラニラスト群64.8%、クロモグリク酸ナトリウム群60.0%、プラセボ群32.0%であり、プラセボ群と比較してトラニラスト群が有意に高かった。副作用発現割合はトラニラスト群4.3%(3/69例)、クロモグリク酸ナトリウム群12.0%(9/75例)及びプラセボ群9.5%(7/74例)であった。トラニラスト群における主な副作用は、咳嗽2.9%(2/69例)であった。3)
<アレルギー性鼻炎>
17.1.2 国内二重盲検比較試験
通年性鼻アレルギー患者289例を対象に、トラニラスト1回100mgを1日3回、4週間経口投与による有用性を、クロモグリク酸ナトリウム(吸入剤)80mg/日及びプラセボを比較対照として二重盲検法により検討した。最終全般改善度を、著明改善、中等度改善、軽度改善、不変、軽度悪化、中等度悪化、著明悪化の7段階区分にて評価した結果、軽度改善以上の改善率はトラニラスト群75.9%、クロモグリク酸ナトリウム群75.8%、プラセボ群47.7%であり、プラセボ群と比較してトラニラスト群が有意に高かった。副作用発現割合はトラニラスト群8.2%(8/97例)、クロモグリク酸ナトリウム群8.2%(8/98例)、プラセボ群8.5%(8/94例)であった。トラニラスト群における主な副作用は、鼻内散布による鼻粘膜刺激感3.1%(3/97例)であり、他の全身症状としてトラニラストと関係が疑われたのは嘔気1.0%(1/97例)及び胃部不快感1.0%(1/97例)であった。4)
<ケロイド・肥厚性瘢痕>
17.1.3 国内第III相二重盲検試験(治療的効果検討)
体重20kg以上のケロイド・肥厚性瘢痕患者252例を対象に、トラニラスト10%細粒剤50mg/kg/日(トラニラストとして5mg/kg)注)、12週間投与による有用性を、ヘパリン類似物質軟膏40g/週を対照薬として二重盲検比較試験により検討した。全般改善度判定を、著明改善、中等度改善、軽度改善、不変、悪化の5段階区分にて評価した結果、中等度改善以上の改善率はトラニラスト群56.2%、ヘパリン類似物質軟膏群26.7%であり、トラニラスト群が有意に高かった。副作用発現割合はトラニラスト群8.7%(11/127例)、トラニラストプラセボ群7.8%(10/129例)、ヘパリン類似物質軟膏群2.4%(3/125例)、プラセボ軟膏群3.1%(4/128例)であった。トラニラスト群における主な副作用は、膀胱炎様症状2.4%(3/127例)、胃痛1.6%(2/127例)であった。5)
17.1.4 国内第III相二重盲検試験(予防的効果検討)
16歳以上かつ近似した2箇所の形成手術が必要な瘢痕ケロイド及び肥厚性瘢痕患者61例を対象に、トラニラスト1回100mgを1日3回、16週間経口投与による有用性を、プラセボを比較対照としてクロスオーバー法による二重盲検試験にて検討した。有効性総合判定を、著効、有効、やや有効、無効、悪化の5段階区分にて評価した結果、有効以上の有効率はトラニラスト群58.6%、プラセボ群38.5%であり、トラニラスト群が有意に優れる傾向を示した。副作用発現割合はトラニラスト群9.7%(3/31例)、プラセボ群10.3%(3/29例)でみられた。トラニラスト群で認められた副作用は、胃部不快感6.5%(2/31例)、発疹3.2%(1/31例)であった。6)
注)本剤の承認されている用法及び用量は、「通常、成人には1回1カプセル(トラニラストとして100mg)を1日3回経口投与する。ただし、年齢、症状により適宜増減する。」である。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
トラニラストは肥満細胞、各種炎症細胞からのヒスタミン、ロイコトリエンをはじめとする多くのケミカルメディエーターの遊離を抑制することによりI型アレルギー反応を抑制する。また、サイカイン(TGF-β1)、活性酸素の産生あるいは遊離抑制作用をも有し、ケロイド及び肥厚性瘢痕由来線維芽細胞のコラーゲン合成を抑制する。7)8)9)10)11)
18.2 薬理作用
臨床薬理試験において、健康成人におけるPrausnitz-Kustner反応を抑制し、ダニ抗原に過敏な成人気管支喘息患者の白血球からの抗原誘発ヒスタミン遊離、アレルゲン吸入誘発反応、アレルギー性鼻炎患者の鼻汁中metachromatic cellからの抗原誘発脱顆粒、鼻誘発反応を経口投与によって抑制することが認められている。
動物実験では、トラニラストはラット、モルモットのIgE様抗体による同種受身皮膚アナフィラキシー、ラットの抗原誘発実験的喘息、ラットの実験的鼻アレルギー反応に対し、経口投与で著明な抑制作用を示し、ラットの逆皮膚アナフィラキシー、ウサギのアルサス反応に対しても抑制作用を示す。
トラニラストはヒスタミン等に対する直接拮抗作用はなく、肥満細胞などからのケミカルメディエーターの遊離を抑制する(ラット分離腹腔細胞・腸間膜肥満細胞、モルモット、サルの肺切片等を用いたin vitro試験)ことにより、抗アレルギー作用を示す。
トラニラストは各種炎症細胞からのケミカルメディエーター、サイトカイン(TGF-β1)、活性酸素の産生あるいは遊離を抑制し、ケロイド及び肥厚性瘢痕由来線維芽細胞のコラーゲン合成を抑制する(in vitro)。さらに、ヌードマウスに移植したヒトケロイド組織の重量減少作用を示す。7)8)9)10)11)12)13)14)15)16)17)18)19)20)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. トラニラスト

一般的名称 トラニラスト
一般的名称(欧名) Tranilast
化学名 2-{[(2E)-3-(3,4-Dimethoxyphenyl)prop-2-enoyl]amino}benzoic acid
分子式 C18H17NO5
分子量 327.33
融点 207〜210℃
物理化学的性状 淡黄色の結晶又は結晶性の粉末である。N,N-ジメチルホルムアミドに溶けやすく、アセトニトリル、メタノール又はエタノール(99.5)に溶けにくく、水にほとんど溶けない。光によって徐々に淡い黄褐色となる。結晶多形が認められる。
KEGG DRUG D02027

20. 取扱い上の注意

アルミピロー開封後は遮光して保存すること。

22. 包装

100カプセル[10カプセル×10:PTP]
1000カプセル[10カプセル×100:PTP]

23. 主要文献

  1. 第十八改正日本薬局方解説書, C-3583-3587, (2021)
  2. 社内資料:生物学的同等性試験
  3. 八倉隆保ほか, 診療と新薬, 19 (3), 529-572, (1982)
  4. 奥田稔ほか, 耳鼻咽喉科展望, 26 (補3), 211-250, (1983)
  5. 難波雄哉ほか, 西日本皮膚科, 54 (3), 554-571, (1992) »DOI
  6. 藤野豊美ほか, 臨牀と研究, 69 (3), 903-913, (1992)
  7. 坂野和英ほか, アレルギー, 26 (4), 385-391, (1977) »DOI
  8. Ujiie A.et al., Jpn J.Pharmacol., 34 (1), 9-14, (1984) »DOI
  9. 小松英忠ほか, 日薬理誌, 82 (1), 47-55, (1983) »PubMed
  10. 須澤東夫ほか, 応用薬理, 43 (5), 409-414, (1992)
  11. 菊池伸次ほか, 基礎と臨床, 26 (11), 4377-4383, (1992)
  12. 油井泰雄ほか, アレルギー, 28 (4), 370-379, (1979) »DOI
  13. 大黒道夫ほか, 小児科臨床, 31 (8), 710-713, (1978)
  14. 西澤芳男, 臨床成人病, 13 (12), 2499-2507, (1983)
  15. Koda A.et al., J.Allergy.Clin.Immunol., 57 (5), 396-407, (1976)
  16. Azuma H.et al., Br.J.Pharmacol., 58 (4), 483-488, (1976)
  17. 江田昭英ほか, 日薬理誌, 74 (6), 699-709, (1978) »PubMed
  18. 小島正三ほか, 信州医学雑誌, 31 (2), 123-127, (1983)
  19. 市川潔ほか, 応用薬理, 43 (5), 401-407, (1992)
  20. 須澤東夫ほか, 日薬理誌, 99 (4), 231-239, (1992) »PubMed

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
東和薬品株式会社 学術部DIセンター
〒570-0081 大阪府守口市日吉町2丁目5番15号
電話:0120-108-932
FAX:06-7177-7379
製品情報問い合わせ先
東和薬品株式会社 学術部DIセンター
〒570-0081 大阪府守口市日吉町2丁目5番15号
電話:0120-108-932
FAX:06-7177-7379

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
東和薬品株式会社
大阪府門真市新橋町2番11号

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/12/17 版