医療用医薬品 : ホスホマイシンカルシウム

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医薬品情報


総称名 ホスホマイシンカルシウム
一般名 ホスホマイシンカルシウム水和物
欧文一般名 Fosfomycin Calcium Hydrate
薬効分類名 ホスホマイシン系抗生物質製剤
薬効分類番号 6135
ATCコード J01XX01 S02AA17
KEGG DRUG
D02187 ホスホマイシンカルシウム水和物
KEGG DGROUP
DG00633 ホスホマイシン
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2023年8月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ホスホマイシンカルシウムドライシロップ40%「日医工」 Fosfomycin Calcium Dry Syrup 日医工 6135001R2170 81.7円/g 処方箋医薬品注)

4. 効能または効果

<適応菌種>
<適応症>
深在性皮膚感染症、膀胱炎、腎盂腎炎、感染性腸炎、涙嚢炎、麦粒腫、瞼板腺炎、中耳炎、副鼻腔炎

5. 効能または効果に関連する注意

<感染性腸炎、中耳炎、副鼻腔炎>
「抗微生物薬適正使用の手引き」1)を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること。

6. 用法及び用量

通常、小児はホスホマイシンとして1日量40〜120mg(力価)/kgを3〜4回に分け経口投与する。
なお、年齢、症状に応じて適宜増減する。

7. 用法及び用量に関連する注意

7.1 体重あたりの1日投与量は以下のとおりである。
体重(kg)1日投与量[mg(力価)]投与法(以下の1日量を3〜4回に分けて投与)
5200〜6000.5〜1.5g
10400〜1,2001〜3g
15600〜1,8001.5〜4.5g

8. 重要な基本的注意

本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.3 肝機能障害患者
肝障害が悪化するおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないことが望ましい。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。本剤は、主として腎臓から排泄されるが、高齢者では、一般に腎機能が低下している。[16.5参照]

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎(0.1%未満)
腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 0.1〜5%未満0.1%未満頻度不明
肝臓 AST、ALT、Al-P、LDHの上昇等の肝機能異常 
消化器下痢・軟便食欲不振、嘔気、嘔吐、腹痛 
腎臓 浮腫、BUN上昇 
皮膚発疹蕁麻疹、そう痒感 
血液 好酸球増多、血小板減少 
神経系 頭痛、耳鳴、眩暈 
菌交代症 口内炎 
その他 ほてり、発赤、発熱、心悸亢進、倦怠感菌交代により非感受性のクレブシエラ・オキシトカがあらわれることがある。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
小児(n=5)にクロスオーバー法でホスホマイシンカルシウムドライシロップ200mg(力価)/g製剤又は400mg(力価)/g製剤を40mg(力価)/kg1回経口投与したときの血中濃度及び薬物動態パラメータは、表1に示すとおりであった2)
表1 血中濃度及び薬物動態パラメータの製剤間比較(40mg(力価)/kg投与)
製剤血中濃度(μg/mL)Tmax(時間)Cmax(μg/mL)
1時間3時間6時間
200mg(力価)/g3.395.342.5535.34
400mg(力価)/g2.956.402.0636.40
16.1.2 生物学的同等性試験
ホスホマイシンカルシウムドライシロップ40%「日医工」とホスミシンドライシロップ400を、クロスオーバー法によりそれぞれ1g(ホスホマイシンカルシウムとして400mg(力価))健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された3)
表2 薬物動態パラメータ
 判定パラメータ参考パラメータ
AUC0-10(μg・hr/mL)Cmax(μg/mL)Tmax(hr)t1/2(hr)
ホスホマイシンカルシウムドライシロップ40%「日医工」29.64±5.716.45±1.171.83±0.583.03±0.74
ホスミシンドライシロップ40029.78±5.036.43±1.252.00±0.433.55±2.29
図 血漿中薬物濃度推移
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.3 分布
16.3.1 蛋白結合
平衡透析法により測定したヒト血清蛋白との結合率は2.16%であった4)
16.5 排泄
小児(n=5)にクロスオーバー法でホスホマイシンカルシウムドライシロップ200mg(力価)/g製剤又は400mg(力価)/g製剤を40mg(力価)/kg1回経口投与したときの投与後6時間までの尿中排泄率は、表3に示すとおりであった2)。[9.8参照]
表3 尿中排泄率の製剤間比較(40mg(力価)/kg投与)
製剤尿中排泄率(0〜6時間)
200mg(力価)/g9.60%
400mg(力価)/g9.53%

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
ホスホマイシンは、UDP-GlcNAcエノールピルビン酸エーテル生成を触媒するUDP-GlcNAcエノールピルビルトランスフェラーゼを不可逆的に失活させ、細胞壁ペプチドグリカン生合成の初期反応を阻害することにより抗菌活性を示す5)
18.2 in vitro抗菌作用
ホスホマイシンは、グラム陽性菌、グラム陰性菌に対して殺菌的に作用した6)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. ホスホマイシンカルシウム水和物

一般的名称 ホスホマイシンカルシウム水和物
一般的名称(欧名) Fosfomycin Calcium Hydrate
略号 FOM
化学名 Monocalcium(2R,3S)-3-methyloxiran-2-ylphosphonate monohydrate
分子式 C3H5CaO4P・H2O
分子量 194.14
物理化学的性状 白色の結晶性の粉末である。
水に溶けにくく、メタノール又はエタノール(99.5)にほとんど溶けない。
KEGG DRUG D02187

22. 包装

100g[プラスチックボトル;バラ:乾燥剤入り]

23. 主要文献

  1. 厚生労働省健康局結核感染症課編:抗微生物薬適正使用の手引き
  2. 佐藤肇 他, Jpn.J.Antibiot., 29 (4), 351-357, (1976) »PubMed
  3. 社内資料:生物学的同等性試験
  4. 柴田右一 他, Jpn.J.Antibiot., 34 (1), 16-20, (1981) »PubMed
  5. 泉孝英 他, ホスホマイシン−新たなる展開−(臨床医薬研究協会), 28-33, (1995)
  6. 宮内慶之輔 他, Jpn.J.Antibiot., 28 (3), 320-330, (1975) »PubMed

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
日医工株式会社 お客様サポートセンター
〒930-8583 富山市総曲輪1丁目6番21
電話:0120-517-215
FAX:076-442-8948
製品情報問い合わせ先
日医工株式会社 お客様サポートセンター
〒930-8583 富山市総曲輪1丁目6番21
電話:0120-517-215
FAX:076-442-8948

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
日医工株式会社
富山市総曲輪1丁目6番21

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/05/21 版