アダリムマブBS皮下注20mgシリンジ0.4mL「第一三共」
アダリムマブBS皮下注40mgシリンジ0.8mL「第一三共」
既存治療で効果不十分な下記疾患
既存治療で効果不十分な下記疾患
○X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎
○非感染性の中間部、後部又は汎ぶどう膜炎
○中等症又は重症の活動期にある
クローン病の寛解導入及び維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)
○中等症又は重症の
潰瘍性大腸炎の治療(既存治療で効果不十分な場合に限る)
(参考)
アダリムマブBS皮下注40mgペン0.8mL「第一三共」
既存治療で効果不十分な下記疾患
既存治療で効果不十分な下記疾患
○X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎
○非感染性の中間部、後部又は汎ぶどう膜炎
○中等症又は重症の活動期にある
クローン病の寛解導入及び維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)
○中等症又は重症の
潰瘍性大腸炎の治療(既存治療で効果不十分な場合に限る)
(参考)
アダリムマブBS皮下注20mgシリンジ0.4mL「第一三共」
<多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎>
5.6 過去の治療において、少なくとも1剤の抗リウマチ薬(生物製剤を除く)等による適切な治療を行っても、疾患に起因する明らかな臨床症状が残る場合に投与すること。全身型若年性特発性関節炎については、全身症状に対する有効性及び安全性が確立していないため、全身症状が安定し、多関節炎が主症状の場合に投与すること。[
1.4、
1.5参照]
アダリムマブBS皮下注40mgシリンジ0.8mL「第一三共」
<関節リウマチ>
5.1 本剤の適用は、原則として既存治療で効果不十分な関節リウマチ患者に限定すること。ただし、関節の構造的損傷の進展が早いと予想される患者に対しては、抗リウマチ薬による治療歴がない場合でも使用できるが、最新のガイドライン等を参照した上で、患者の状態を評価し、本剤の使用の必要性を慎重に判断すること。[
1.4、
1.6参照]
<尋常性乾癬、乾癬性関節炎、膿疱性乾癬>
5.2 少なくとも1種類の既存の全身療法(紫外線療法を含む)で十分な効果が得られず、皮疹が体表面積(BSA)の10%以上に及ぶ場合に投与すること。[
1.4、
1.5、
1.7参照]
5.3 難治性の皮疹、関節症状又は膿疱を有する場合に投与すること。
<強直性脊椎炎>
5.4 過去の治療において、既存治療薬(非ステロイド性抗炎症薬等)による適切な治療を行っても、疾患に起因する明らかな臨床症状が残る場合に投与すること。[
1.4、
1.5参照]
<X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎>
5.5 過去の治療において、既存治療薬(非ステロイド性抗炎症薬等)による適切な治療を行っても、疾患に起因する明らかな臨床症状及び炎症の客観的徴候が認められる場合に投与すること。[
1.4、
1.5参照]
<多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎>
5.6 過去の治療において、少なくとも1剤の抗リウマチ薬(生物製剤を除く)等による適切な治療を行っても、疾患に起因する明らかな臨床症状が残る場合に投与すること。全身型若年性特発性関節炎については、全身症状に対する有効性及び安全性が確立していないため、全身症状が安定し、多関節炎が主症状の場合に投与すること。[
1.4、
1.5参照]
<腸管型ベーチェット病>
5.7 過去の治療において、既存治療薬(ステロイド又は免疫調節剤等)による適切な治療を行っても、疾患に起因する明らかな臨床症状が残る場合に投与すること。[
1.4、
1.5参照]
<クローン病>
5.8 過去の治療において、栄養療法、他の薬物療法(5-アミノサリチル酸製剤、ステロイド、アザチオプリン等)等による適切な治療を行っても、疾患に起因する明らかな臨床症状が残る場合に投与すること。なお、寛解維持投与は漫然と行わず経過を観察しながら行うこと。[
1.4、
1.5参照]
<潰瘍性大腸炎>
5.9 過去の治療において、他の薬物療法(ステロイド、アザチオプリン等)等による適切な治療を行っても、疾患に起因する明らかな臨床症状が残る場合に投与すること。ただし、本剤よりも先に他の抗TNF製剤による治療を考慮すること。国内臨床試験において主要評価項目の1つである投与8週時の寛解率ではプラセボ群との差は認められていない。[
1.4、
1.5、
17.1.9参照]
5.10 維持投与は漫然と行わず経過を観察しながら行うこと。
<非感染性の中間部、後部又は汎ぶどう膜炎>
5.11 過去の治療において、既存治療薬(ベーチェット病によるぶどう膜炎ではシクロスポリン等、その他の非感染性ぶどう膜炎では経口ステロイド剤等)による適切な治療を行っても、疾患に起因する明らかな臨床症状が残る場合に投与すること。[
1.4、
1.5、
1.8参照]
アダリムマブBS皮下注40mgペン0.8mL「第一三共」
<関節リウマチ>
5.1 本剤の適用は、原則として既存治療で効果不十分な関節リウマチ患者に限定すること。ただし、関節の構造的損傷の進展が早いと予想される患者に対しては、抗リウマチ薬による治療歴がない場合でも使用できるが、最新のガイドライン等を参照した上で、患者の状態を評価し、本剤の使用の必要性を慎重に判断すること。[
1.4、
1.6参照]
<尋常性乾癬、乾癬性関節炎、膿疱性乾癬>
5.2 少なくとも1種類の既存の全身療法(紫外線療法を含む)で十分な効果が得られず、皮疹が体表面積(BSA)の10%以上に及ぶ場合に投与すること。[
1.4、
1.5、
1.7参照]
5.3 難治性の皮疹、関節症状又は膿疱を有する場合に投与すること。
<強直性脊椎炎>
5.4 過去の治療において、既存治療薬(非ステロイド性抗炎症薬等)による適切な治療を行っても、疾患に起因する明らかな臨床症状が残る場合に投与すること。[
1.4、
1.5参照]
<X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎>
5.5 過去の治療において、既存治療薬(非ステロイド性抗炎症薬等)による適切な治療を行っても、疾患に起因する明らかな臨床症状及び炎症の客観的徴候が認められる場合に投与すること。[
1.4、
1.5参照]
<多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎>
5.6 過去の治療において、少なくとも1剤の抗リウマチ薬(生物製剤を除く)等による適切な治療を行っても、疾患に起因する明らかな臨床症状が残る場合に投与すること。全身型若年性特発性関節炎については、全身症状に対する有効性及び安全性が確立していないため、全身症状が安定し、多関節炎が主症状の場合に投与すること。[
1.4、
1.5参照]
<腸管型ベーチェット病>
5.7 過去の治療において、既存治療薬(ステロイド又は免疫調節剤等)による適切な治療を行っても、疾患に起因する明らかな臨床症状が残る場合に投与すること。[
1.4、
1.5参照]
<クローン病>
5.8 過去の治療において、栄養療法、他の薬物療法(5-アミノサリチル酸製剤、ステロイド、アザチオプリン等)等による適切な治療を行っても、疾患に起因する明らかな臨床症状が残る場合に投与すること。なお、寛解維持投与は漫然と行わず経過を観察しながら行うこと。[
1.4、
1.5参照]
<潰瘍性大腸炎>
5.9 過去の治療において、他の薬物療法(ステロイド、アザチオプリン等)等による適切な治療を行っても、疾患に起因する明らかな臨床症状が残る場合に投与すること。ただし、本剤よりも先に他の抗TNF製剤による治療を考慮すること。国内臨床試験において主要評価項目の1つである投与8週時の寛解率ではプラセボ群との差は認められていない。[
1.4、
1.5、
17.1.9参照]
5.10 維持投与は漫然と行わず経過を観察しながら行うこと。
<非感染性の中間部、後部又は汎ぶどう膜炎>
5.11 過去の治療において、既存治療薬(ベーチェット病によるぶどう膜炎ではシクロスポリン等、その他の非感染性ぶどう膜炎では経口ステロイド剤等)による適切な治療を行っても、疾患に起因する明らかな臨床症状が残る場合に投与すること。[
1.4、
1.5、
1.8参照]
アダリムマブBS皮下注20mgシリンジ0.4mL「第一三共」
<多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎>
通常、アダリムマブ(遺伝子組換え)[アダリムマブ後続2]として、体重15kg以上30kg未満の場合は20mgを、体重30kg以上の場合は40mgを2週に1回、皮下注射する。
アダリムマブBS皮下注40mgシリンジ0.8mL「第一三共」
<関節リウマチ>
通常、成人にはアダリムマブ(遺伝子組換え)[アダリムマブ後続2]として40mgを2週に1回、皮下注射する。なお、効果不十分な場合、1回80mgまで増量できる。
<尋常性乾癬、乾癬性関節炎、膿疱性乾癬>
通常、成人にはアダリムマブ(遺伝子組換え)[アダリムマブ後続2]として初回に80mgを皮下注射し、以後2週に1回、40mgを皮下注射する。なお、効果不十分な場合には1回80mgまで増量できる。
<強直性脊椎炎>
通常、成人にはアダリムマブ(遺伝子組換え)[アダリムマブ後続2]として40mgを2週に1回、皮下注射する。なお、効果不十分な場合、1回80mgまで増量できる。
<X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎>
通常、成人にはアダリムマブ(遺伝子組換え)[アダリムマブ後続2]として40mgを2週に1回、皮下注射する。
<多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎>
通常、アダリムマブ(遺伝子組換え)[アダリムマブ後続2]として、体重15kg以上30kg未満の場合は20mgを、体重30kg以上の場合は40mgを2週に1回、皮下注射する。
<腸管型ベーチェット病>
通常、成人にはアダリムマブ(遺伝子組換え)[アダリムマブ後続2]として初回に160mgを、初回投与2週間後に80mgを皮下注射する。初回投与4週間後以降は、40mgを2週に1回、皮下注射する。
<クローン病>
通常、成人にはアダリムマブ(遺伝子組換え)[アダリムマブ後続2]として初回に160mgを、初回投与2週間後に80mgを皮下注射する。初回投与4週間後以降は、40mgを2週に1回、皮下注射する。なお、効果が減弱した場合には1回80mgに増量できる。
<潰瘍性大腸炎>
通常、成人にはアダリムマブ(遺伝子組換え)[アダリムマブ後続2]として初回に160mgを、初回投与2週間後に80mgを皮下注射する。初回投与4週間後以降は、40mgを2週に1回、皮下注射する。なお、初回投与4週間後以降は、患者の状態に応じて40mgを毎週1回又は80mgを2週に1回、皮下注射することもできる。
<非感染性の中間部、後部又は汎ぶどう膜炎>
通常、成人にはアダリムマブ(遺伝子組換え)[アダリムマブ後続2]として初回に80mgを、初回投与1週間後に40mgを皮下注射する。初回投与3週間後以降は、40mgを2週に1回、皮下注射する。
アダリムマブBS皮下注40mgペン0.8mL「第一三共」
<関節リウマチ>
通常、成人にはアダリムマブ(遺伝子組換え)[アダリムマブ後続2]として40mgを2週に1回、皮下注射する。なお、効果不十分な場合、1回80mgまで増量できる。
<尋常性乾癬、乾癬性関節炎、膿疱性乾癬>
通常、成人にはアダリムマブ(遺伝子組換え)[アダリムマブ後続2]として初回に80mgを皮下注射し、以後2週に1回、40mgを皮下注射する。なお、効果不十分な場合には1回80mgまで増量できる。
<強直性脊椎炎>
通常、成人にはアダリムマブ(遺伝子組換え)[アダリムマブ後続2]として40mgを2週に1回、皮下注射する。なお、効果不十分な場合、1回80mgまで増量できる。
<X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎>
通常、成人にはアダリムマブ(遺伝子組換え)[アダリムマブ後続2]として40mgを2週に1回、皮下注射する。
<多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎>
通常、アダリムマブ(遺伝子組換え)[アダリムマブ後続2]として、体重15kg以上30kg未満の場合は20mgを、体重30kg以上の場合は40mgを2週に1回、皮下注射する。
<腸管型ベーチェット病>
通常、成人にはアダリムマブ(遺伝子組換え)[アダリムマブ後続2]として初回に160mgを、初回投与2週間後に80mgを皮下注射する。初回投与4週間後以降は、40mgを2週に1回、皮下注射する。
<クローン病>
通常、成人にはアダリムマブ(遺伝子組換え)[アダリムマブ後続2]として初回に160mgを、初回投与2週間後に80mgを皮下注射する。初回投与4週間後以降は、40mgを2週に1回、皮下注射する。なお、効果が減弱した場合には1回80mgに増量できる。
<潰瘍性大腸炎>
通常、成人にはアダリムマブ(遺伝子組換え)[アダリムマブ後続2]として初回に160mgを、初回投与2週間後に80mgを皮下注射する。初回投与4週間後以降は、40mgを2週に1回、皮下注射する。なお、初回投与4週間後以降は、患者の状態に応じて40mgを毎週1回又は80mgを2週に1回、皮下注射することもできる。
<非感染性の中間部、後部又は汎ぶどう膜炎>
通常、成人にはアダリムマブ(遺伝子組換え)[アダリムマブ後続2]として初回に80mgを、初回投与1週間後に40mgを皮下注射する。初回投与3週間後以降は、40mgを2週に1回、皮下注射する。
アダリムマブBS皮下注20mgシリンジ0.4mL「第一三共」
<効能共通>
7.1 メトトレキサート等の抗リウマチ薬と併用する場合は、80mg隔週投与への増量はしないこと。
7.2 本剤と他の生物製剤の併用について、有効性及び安全性が確立していないので併用を避けること。
<多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎>
7.3 本剤とアバタセプト(遺伝子組換え)の併用は行わないこと。海外で実施したプラセボを対照とした臨床試験において、本剤を含む抗TNF製剤とアバタセプト(遺伝子組換え)の併用療法を受けた患者では併用による効果の増強は示されておらず、感染症及び重篤な感染症の発現率が本剤を含む抗TNF製剤のみによる治療を受けた患者での発現率と比べて高かった。
7.8 本剤による治療反応は、通常投与開始から12週以内に得られる。12週以内に治療反応が得られない場合は、現在の治療計画の継続を慎重に再考すること。
アダリムマブBS皮下注40mgシリンジ0.8mL「第一三共」
<効能共通>
7.1 メトトレキサート等の抗リウマチ薬と併用する場合は、80mg隔週投与への増量はしないこと。
7.2 本剤と他の生物製剤の併用について、有効性及び安全性が確立していないので併用を避けること。
<関節リウマチ、多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎>
7.3 本剤とアバタセプト(遺伝子組換え)の併用は行わないこと。海外で実施したプラセボを対照とした臨床試験において、本剤を含む抗TNF製剤とアバタセプト(遺伝子組換え)の併用療法を受けた患者では併用による効果の増強は示されておらず、感染症及び重篤な感染症の発現率が本剤を含む抗TNF製剤のみによる治療を受けた患者での発現率と比べて高かった。
<関節リウマチ>
7.4 本剤による治療反応は、通常投与開始から12週以内に得られる。12週以内に治療反応が得られない場合は、現在の治療計画の継続を慎重に再考すること。また、増量を行っても効果が得られない場合、現在の治療計画の継続を慎重に再考すること。
<強直性脊椎炎>
7.5 本剤による治療反応は、通常投与開始から12週以内に得られる。12週以内に治療反応が得られない場合は、現在の治療計画の継続を慎重に再考すること。また、増量を行っても効果が得られない場合、現在の治療計画の継続を慎重に再考すること。
<X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎>
7.6 本剤による治療反応は、通常投与開始から12週以内に得られる。12週以内に治療反応が得られない場合は、現在の治療計画の継続を慎重に再考すること。
<尋常性乾癬、乾癬性関節炎、膿疱性乾癬>
7.7 本剤による治療反応は、通常投与開始から16週以内に得られる。16週以内に治療反応が得られない場合は、現在の治療計画の継続を慎重に再考すること。また、増量を行っても効果が得られない場合、現在の治療計画の継続を慎重に再考すること。
<多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎>
7.8 本剤による治療反応は、通常投与開始から12週以内に得られる。12週以内に治療反応が得られない場合は、現在の治療計画の継続を慎重に再考すること。
<腸管型ベーチェット病>
7.9 12週以内に臨床症状や内視鏡所見等による治療反応が得られない場合は、本剤の継続投与の必要性を慎重に再考すること。
<クローン病>
7.10 本剤による治療反応は、通常投与開始から4週以内に得られる。4週時点で臨床症状や内視鏡所見等による治療反応が得られない場合は、本剤の継続投与の必要性を検討し、他の治療法への切替えを考慮すること。また、80mgへの増量は、40mgによる治療で効果は認められたものの、維持療法中に効果が減弱した患者に対して行うこと。80mgに増量しても効果が得られない場合、本剤の継続投与の必要性を慎重に再考すること。
<潰瘍性大腸炎>
7.11 本剤による治療反応は、通常投与開始から8週以内に得られる。8週時点で臨床症状や内視鏡所見等による明らかな改善効果が得られない場合は、本剤の投与を中止すること。
アダリムマブBS皮下注40mgペン0.8mL「第一三共」
<効能共通>
7.1 メトトレキサート等の抗リウマチ薬と併用する場合は、80mg隔週投与への増量はしないこと。
7.2 本剤と他の生物製剤の併用について、有効性及び安全性が確立していないので併用を避けること。
<関節リウマチ、多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎>
7.3 本剤とアバタセプト(遺伝子組換え)の併用は行わないこと。海外で実施したプラセボを対照とした臨床試験において、本剤を含む抗TNF製剤とアバタセプト(遺伝子組換え)の併用療法を受けた患者では併用による効果の増強は示されておらず、感染症及び重篤な感染症の発現率が本剤を含む抗TNF製剤のみによる治療を受けた患者での発現率と比べて高かった。
<関節リウマチ>
7.4 本剤による治療反応は、通常投与開始から12週以内に得られる。12週以内に治療反応が得られない場合は、現在の治療計画の継続を慎重に再考すること。また、増量を行っても効果が得られない場合、現在の治療計画の継続を慎重に再考すること。
<強直性脊椎炎>
7.5 本剤による治療反応は、通常投与開始から12週以内に得られる。12週以内に治療反応が得られない場合は、現在の治療計画の継続を慎重に再考すること。また、増量を行っても効果が得られない場合、現在の治療計画の継続を慎重に再考すること。
<X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎>
7.6 本剤による治療反応は、通常投与開始から12週以内に得られる。12週以内に治療反応が得られない場合は、現在の治療計画の継続を慎重に再考すること。
<尋常性乾癬、乾癬性関節炎、膿疱性乾癬>
7.7 本剤による治療反応は、通常投与開始から16週以内に得られる。16週以内に治療反応が得られない場合は、現在の治療計画の継続を慎重に再考すること。また、増量を行っても効果が得られない場合、現在の治療計画の継続を慎重に再考すること。
<多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎>
7.8 本剤による治療反応は、通常投与開始から12週以内に得られる。12週以内に治療反応が得られない場合は、現在の治療計画の継続を慎重に再考すること。
<腸管型ベーチェット病>
7.9 12週以内に臨床症状や内視鏡所見等による治療反応が得られない場合は、本剤の継続投与の必要性を慎重に再考すること。
<クローン病>
7.10 本剤による治療反応は、通常投与開始から4週以内に得られる。4週時点で臨床症状や内視鏡所見等による治療反応が得られない場合は、本剤の継続投与の必要性を検討し、他の治療法への切替えを考慮すること。また、80mgへの増量は、40mgによる治療で効果は認められたものの、維持療法中に効果が減弱した患者に対して行うこと。80mgに増量しても効果が得られない場合、本剤の継続投与の必要性を慎重に再考すること。
<潰瘍性大腸炎>
7.11 本剤による治療反応は、通常投与開始から8週以内に得られる。8週時点で臨床症状や内視鏡所見等による明らかな改善効果が得られない場合は、本剤の投与を中止すること。
8.1 本剤は、細胞性免疫反応を調節するTNFα(腫瘍壊死因子α)の生理活性を抑制するので、感染症に対する宿主免疫能に影響を及ぼす可能性がある。そのため本剤の投与に際しては、十分な観察を行い、感染症の発現や増悪に注意すること。他の生物製剤との切替えの際も注意すること。また、患者に対しても、発熱、倦怠感等があらわれた場合には、速やかに主治医に相談するよう指導すること。[
1.1、
1.2.1、
2.1、
9.1.1、
11.1.1参照]
8.2 本剤を含む抗TNF製剤の臨床試験で、悪性リンパ腫等の悪性腫瘍の発現頻度が対照群に比し、高かったとの報告がある。また、関節リウマチのような慢性炎症性疾患のある患者に免疫抑制剤を長期間投与した場合、感染症や悪性リンパ腫等のリスクが高まることが報告されている。また、抗TNF製剤を使用した小児や若年成人においても、悪性リンパ腫等の悪性腫瘍が報告されている。本剤との因果関係は明確ではないが、悪性腫瘍等の発現には注意すること。本剤投与に先立って全ての患者(特に、免疫抑制剤の長期間投与経験がある患者又はPUVA療法を行った経験のある乾癬患者)において、非黒色腫皮膚癌の有無を検査し、投与中も監視を継続すること。[
1.1、
15.1.5参照]
8.3 結核の既感染者では症状の顕在化及び悪化のおそれがあるため、本剤の投与に先立って結核に関する十分な問診及び胸部X線検査に加え、インターフェロン-γ遊離試験又はツベルクリン反応検査を行い、適宜胸部CT検査等を行うことにより、結核感染の有無を確認すること。特に、重篤な疾患もしくは易感染状態の患者においては、ツベルクリン反応で偽陰性となる可能性があるので注意すること。また、本剤の適用にあたっては本剤投与のリスクベネフィットを慎重に検討すること。本剤投与前にツベルクリン反応等の検査が陰性の患者においても、投与後活動性結核があらわれることがあるため、本剤投与中は胸部X線検査等の適切な検査を定期的に行うなど結核の発現に十分注意すること。患者に対し、結核の症状が疑われる場合(持続する咳、体重減少、発熱等)は速やかに主治医に連絡するよう説明すること。[
1.1、
1.2.2、
2.2、
9.1.2、
11.1.2参照]
8.4 本剤を含む抗TNF製剤によるB型肝炎ウイルスの再活性化が認められているので、本剤投与に先立って、B型肝炎ウイルス感染の有無を確認すること。[
9.1.3、
11.1.8参照]
8.5 本剤投与において、生ワクチンの接種に起因する感染症を発現したとの報告はないが、感染症発現のリスクを否定できないので、生ワクチン接種は行わないこと。[
9.5.2、
9.7.1参照]
8.6 注射部位において紅斑、発赤、疼痛、腫脹、そう痒、出血等が多数認められているので、本剤を慎重に投与するとともに、発現に注意し、必要に応じて適切な処置を行うこと。
8.7 本剤を含む抗TNF療法において、新たな自己抗体(抗核抗体)の発現が報告されている。[
11.1.3、
15.1.3参照]
8.8 本剤を含む抗TNF療法において、既存の乾癬の悪化もしくは新規発現(膿疱性乾癬を含む)が報告されている。これらの多くは、他の免疫抑制作用を有する薬剤を併用した患者において報告されている。多くの症例は抗TNF製剤の投与中止によって回復したが、他の抗TNF製剤の再投与によって再度発現した例もある。症状が重度の場合及び局所療法により改善しない場合は本剤の中止を考慮すること。
8.9 本剤において、サルコイドーシスの悪化(皮膚、肺又は眼症状)が報告されている。サルコイドーシス患者に本剤を投与する場合には、十分な観察を行い、サルコイドーシスの悪化に注意すること。サルコイドーシス症状が悪化した場合には、適切な処置を行うこと。
8.10 本剤の投与により、本剤に対する抗体が産生されることがある。臨床試験における日本人での産生率は、関節リウマチ44.0%(メトトレキサート併用下では19.3%)、尋常性乾癬11.6%、膿疱性乾癬30.0%、強直性脊椎炎16.0%、若年性特発性関節炎20.0%(メトトレキサート併用下では15.0%)、腸管型ベーチェット病5.0%、クローン病6.1%、潰瘍性大腸炎7.8%及び非感染性ぶどう膜炎12.5%であった。臨床試験において本剤に対する抗体の産生が確認された患者においては、本剤の血中濃度が低下する傾向がみられた。血中濃度が低下した患者では効果減弱のおそれがある。
8.11 本剤の投与開始にあたっては、医療施設において、必ず医師によるか、医師の直接の監督のもとで投与を行うこと。自己投与の適用については、医師がその妥当性を慎重に検討し、十分な教育訓練を実施したのち、本剤投与による危険性と対処法について患者が理解し、患者自ら確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導のもとで実施すること。また、適用後、感染症等本剤による副作用が疑われる場合や、自己投与の継続が困難な状況となる可能性がある場合には、直ちに自己投与を中止させ、医師の管理下で慎重に観察するなど適切な処置を行うこと。シリンジ又はペンの安全な廃棄方法に関する指導を行うと同時に、使用済みのシリンジ又はペンを廃棄する容器を提供すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.2 結核の既感染者(特に結核の既往歴のある患者及び胸部X線上結核治癒所見のある患者)又は結核感染が疑われる患者
(2)結核の診療経験がある医師に相談すること。以下のいずれかの患者には、原則として本剤の開始前に適切な抗結核薬を投与すること。[
1.1、
1.2.2、
2.2、
8.3、
11.1.2参照]
・胸部画像検査で陳旧性結核に合致するか推定される陰影を有する患者
・結核の治療歴(肺外結核を含む)を有する患者
・インターフェロン-γ遊離試験やツベルクリン反応検査等の検査により、既感染が強く疑われる患者
・結核患者との濃厚接触歴を有する患者
9.1.3 B型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者(HBs抗原陰性、かつHBc抗体又はHBs抗体陽性)
肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。本剤を含む抗TNF製剤を投与されたB型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者において、B型肝炎ウイルスの再活性化が認められ、致命的な例も報告されている。なお、これらの報告の多くは、他の免疫抑制作用をもつ薬剤を併用投与した患者に起きている。[
8.4、
11.1.8参照]
9.1.4 脱髄疾患が疑われる徴候を有する患者及び家族歴のある患者
(1)脱髄疾患が疑われる徴候を有する患者については、神経学的評価や画像診断等の検査を行い、慎重に危険性と有益性を評価した上で本剤適用の妥当性を検討し、投与後は十分に観察を行うこと。脱髄疾患発現のおそれがある。[
1.1、
1.3、
2.4、
11.1.4参照]
(2)脱髄疾患の家族歴のある患者は、適宜画像診断等の検査を実施し、十分注意すること。脱髄疾患発現のおそれがある。
9.1.5 重篤な血液疾患(汎血球減少、再生不良性貧血等)の患者又はその既往歴のある患者
9.1.6 間質性肺炎の既往歴のある患者
定期的に問診を行うなど注意すること。間質性肺炎が増悪又は再発することがある。[
11.1.7参照]
9.5 妊婦
9.5.1 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、使用上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.5.2 本剤の投与を受けた患者からの出生児に対して生ワクチンを投与する際には注意すること。本剤は胎盤通過性があるとの報告があるため、感染のリスクが高まるおそれがある。[
8.5参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。アダリムマブはヒト母乳中へ移行することが報告されている。[
16.8.1参照]
9.7 小児等
<効能共通>
9.7.1 本剤投与前に必要なワクチンを接種しておくことが望ましい。[
8.5参照]
<若年性特発性関節炎>
9.7.2 低出生体重児、新生児、乳児又は4歳未満の幼児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
<若年性特発性関節炎以外>
9.7.3 小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
十分な観察を行い、感染症等の副作用の発現に留意すること。重篤な有害事象の発現率の上昇が認められている。また、一般に高齢者では生理機能(免疫機能等)が低下している。
11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 重篤な感染症
敗血症(0.3%)、肺炎(2.6%)等の重篤な感染症(細菌、真菌(ニューモシスティス等)、ウイルス等の日和見感染によるもの)があらわれることがある。なお、感染症により死亡に至った症例が報告されている。投与中に重篤な感染症を発現した場合は、感染症がコントロールできるようになるまでは投与を中止すること。[
1.1、
1.2.1、
2.1、
8.1、
9.1.1参照]
11.1.2 結核(0.3%)
結核(肺外結核(胸膜、リンパ節等)、播種性結核を含む)があらわれることがある。ツベルクリン反応等の検査が陰性の患者において、投与後活動性結核があらわれることもある。また、肺外結核(胸膜、リンパ節等)もあらわれることがあることから、その可能性も十分考慮した観察を行うこと。[
1.1、
1.2.2、
2.2、
8.3、
9.1.2参照]
11.1.4 脱髄疾患(頻度不明)
脱髄疾患(多発性硬化症、視神経炎、横断性脊髄炎、ギラン・バレー症候群等)の新たな発生もしくは悪化があらわれることがある。[
1.1、
1.3、
2.4、
9.1.4参照]
11.1.5 重篤なアレルギー反応(頻度不明)
アナフィラキシー等の重篤なアレルギー反応があらわれることがある。[
2.3参照]
11.1.6 重篤な血液障害(頻度不明)
再生不良性貧血を含む汎血球減少症、血球減少症(血小板減少症、白血球減少症、顆粒球減少症等)があらわれることがある。[
9.1.5参照]
11.1.7 間質性肺炎(0.8%)
肺線維症を含む間質性肺炎があらわれることがあるので、発熱、咳嗽、呼吸困難等の呼吸器症状に十分注意し、異常が認められた場合には、速やかに胸部X線検査、胸部CT検査及び血液ガス検査等を実施し、本剤投与を中止するとともにニューモシスティス肺炎と鑑別診断(β-D-グルカンの測定等)を考慮に入れ適切な処置を行うこと。[
9.1.6参照]
11.1.8 劇症肝炎、肝機能障害、黄疸、肝不全(頻度不明)
劇症肝炎、著しいAST、ALT等の上昇を伴う肝機能障害、黄疸、肝不全があらわれることがある。なお、これらの中にはB型肝炎ウイルスの再活性化によるものが含まれていた。[
8.4、
9.1.3参照]
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 5%以上 | 1〜5%未満 | 1%未満 | 頻度不明 |
精神神経系 | 頭痛 | 不眠症、回転性めまい、浮動性めまい、感覚減退 | 脳出血、脳梗塞、味覚異常、ラクナ梗塞、神経痛、健忘、筋萎縮性側索硬化症、脳虚血、頚髄症、頭蓋内動脈瘤、頭蓋内圧上昇、片頭痛、腓骨神経麻痺、神経根障害、傾眠、くも膜下出血、振戦、三叉神経痛、迷走神経障害、不安障害、譫妄、摂食障害、神経症、良性神経鞘腫、意識消失、脳炎、錯覚、末梢性ニューロパチー、気分変化、体位性めまい、うつ病、感情障害、構音障害 | 気分障害、神経過敏、激越、落ち着きのなさ、神経感覚障害(錯感覚を含む)、睡眠障害 |
血液・リンパ | 自己抗体陽性(抗DNA抗体陽性、抗核抗体陽性)(14.7%) | 貧血、リンパ球数減少、好酸球数増加、白血球百分率数異常(白血球数増加を含む) | リンパ球形態異常、血小板数増加、リンパ節症、リンパ節炎、脾臓出血、脾臓梗塞、リンパ管炎、リウマトイド因子(RF)増加、血中β-D-グルカン増加、リンパ球百分率異常(百分率増加を含む)、単球数異常(百分率増加及び減少を含む)、大小不同赤血球陽性、赤血球連銭形成、赤血球数増加、好中球数増加、血中免疫グロブリンE増加、リンパ球数増加、トロンビン・アンチトロンビンIII複合体増加、血中アミラーゼ増加、血中トリプシン増加 | 特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、APTT延長 |
代謝・栄養 | | 血中トリグリセリド上昇、血中尿酸増加、血中コレステロール上昇、乳酸脱水素酵素(LDH)上昇、体重増加、高血糖、CK上昇、CRP上昇、高脂血症、糖尿病 | 体重減少、血中リン減少、食欲不振、血中アルブミン減少、総蛋白増加、血中カリウム減少、血中カルシウム減少、血中カルシウム増加、血中クロール減少、血中コレステロール減少、血中ナトリウム減少、血中トリグリセリド減少、CK減少、総蛋白減少、脱水、高カリウム血症、痛風、食欲亢進、肥満、低血糖、血中マグネシウム増加、血中リン増加、グリコヘモグロビン増加 | |
感覚器 | | 結膜炎、眼の異常感 | 麦粒腫、難聴、中耳炎、耳鳴、眼瞼浮腫、外耳炎、白内障、耳不快感、耳出血、結膜出血、眼脂、乾性角結膜炎、乱視、眼瞼炎、霰粒腫、複視、角膜炎、角膜症、高眼圧症、光視症、網膜変性、網膜静脈閉塞、高血圧性網膜症、強膜出血、強膜炎、真珠腫、緑内障、耳痛、角膜損傷、耳垢栓塞、角膜びらん、眼出血、硝子体浮遊物、耳感染、聴覚刺激検査異常、流涙増加、霧視、一過性視力低下、網膜出血、眼圧上昇 | 眼の刺激又は炎症、視覚障害、眼球感覚障害、全眼球炎、虹彩炎、耳介腫脹、耳そう痒症 |
循環器 | | 高血圧 | 動悸、期外収縮、低血圧、心房細動、狭心症、心弁膜疾患、不整脈、心房頻脈、心不全、心タンポナーデ、心血管障害、冠動脈疾患、心室拡張、左房拡張、フィブリンDダイマー増加、頻脈、血栓性静脈炎、動脈硬化症、出血、ほてり、不安定血圧、末梢動脈瘤、静脈炎、壊死性血管炎、血管拡張、急性心筋梗塞、心電図異常、レイノー現象 | 心停止、冠動脈不全、心嚢液貯留、血腫、血管閉塞、大動脈狭窄、大動脈瘤 |
呼吸器 | 上気道感染(鼻咽頭炎等)(50.0%)、咳嗽 | インフルエンザ、鼻炎、鼻漏、鼻閉 | 慢性気管支炎、喘息、気管支肺炎、喉頭気管気管支炎、インフルエンザ性肺炎、鼻出血、特発性器質化肺炎、発声障害、呼吸困難、中葉症候群、咽頭紅斑、くしゃみ、気管支狭窄、過換気、胸水、胸膜線維症、胸膜炎、気胸、喘鳴、声帯ポリープ、百日咳、喀血、下気道の炎症、肺塞栓症、扁桃肥大 | 肺水腫、咽頭浮腫 |
消化器 | | 下痢、腹痛、歯周病、便秘、悪心、口内炎、腸炎、齲歯、嘔吐、胃炎、口唇炎、腹部膨満、口腔ヘルペス | イレウス、胃不快感、ウイルス性胃腸炎、痔核、食道炎、歯痛(歯知覚過敏を含む)、胃潰瘍、口腔カンジダ症、口内乾燥、消化不良、歯肉腫脹、腹部不快感、腹部腫瘤、痔瘻、結腸ポリープ、腸憩室、十二指腸潰瘍、十二指腸炎、心窩部不快感、胃ポリープ、消化管アミロイドーシス、胃腸出血、歯肉形成不全、歯肉痛、舌痛、口の感覚鈍麻、過敏性腸症候群、食道潰瘍、腹膜炎、肛門周囲痛、顎下腺腫大、舌苔、歯の脱落、食道静脈瘤、腹部膿瘍、胃腸感染、ヘリコバクター感染、耳下腺炎、歯膿瘍、歯感染、血便、便通不規則、歯不快感、口唇乾燥、耳下腺腫大、舌腫脹、歯の障害、カンピロバクター腸感染、肛門周囲膿瘍、歯髄炎、膵臓の良性新生物、腸管穿孔、肛門性器疣贅、肛門狭窄、横隔膜下膿瘍、瘢痕ヘルニア、鼡径ヘルニア、胃酸過多、膵腫大、急性膵炎、直腸腺腫、胃腸異形成、口唇痛、唾液腺炎 | 憩室炎、口腔内潰瘍形成、直腸出血、大腸炎、小腸炎 |
肝臓 | 肝酵素上昇 | 脂肪肝、血中ビリルビン増加 | 胆石症、アルコール性肝疾患、原発性胆汁性肝硬変、胆嚢ポリープ、肝臓うっ血、肝機能検査値異常、ALP減少、胆嚢炎、胆管炎 | 肝壊死、肝炎、B型肝炎の再燃 |
皮膚 | 発疹、そう痒症、湿疹 | 白癬感染、紅斑、蕁麻疹、毛包炎、皮膚炎(接触性皮膚炎、アレルギー性皮膚炎を含む)、皮膚乳頭腫、帯状疱疹、ざ瘡 | 皮膚真菌感染、爪囲炎、皮下出血、脱毛症、皮膚潰瘍、皮膚乾燥、過角化、皮下組織膿瘍、紫斑、感染性表皮嚢胞、伝染性軟属腫、皮膚細菌感染、手足口病、膿痂疹、膿皮症、挫傷、結核菌皮膚テスト陽性、メラノサイト性母斑、脂漏性角化症、脂肪腫、黄色腫、紅色汗疹、ヘノッホ・シェンライン紫斑病、膿疱性乾癬、多汗症、嵌入爪、乾癬、水疱、褥瘡性潰瘍、皮膚嚢腫、発汗障害、皮膚疼痛、光線過敏性反応、脂漏、皮膚びらん、皮膚剥脱、皮膚硬結、顔面腫脹、乾皮症、黄色爪症候群、せつ、冷汗、面皰、皮膚エリテマトーデス、痂皮、皮膚小結節、肉芽腫、肥厚性瘢痕、多形紅斑、爪の障害、口唇色素沈着、禿瘡 | 血管浮腫、斑状出血、脂肪織炎、血管神経性浮腫、皮膚血管炎、苔癬様皮膚反応 |
筋骨格系 | | 背部痛、関節痛 | 骨折、四肢痛、筋痛、骨粗鬆症、滑液嚢腫、腱断裂、骨密度減少、筋骨格硬直、変形性脊椎炎、関節破壊、筋骨格系胸痛、筋骨格痛、環軸椎不安定、鼡径部腫瘤、椎間板突出、関節腫脹、四肢不快感、腰部脊柱管狭窄、筋痙縮、筋力低下、頚部痛、骨関節炎、肩回旋筋腱板症候群、筋肉減少症、関節炎、関節障害、四肢の結節、脊椎すべり症、臀部痛、椎間板変性症、関節周囲炎、肩痛、椎間板炎、関節捻挫、頚部腫瘤、筋炎、手根管症候群、滑液包炎、ミオパチー、骨壊死 | 横紋筋融解症 |
内分泌系 | | | 甲状腺腫、甲状腺機能亢進症、血中ヒト絨毛性ゴナドトロピン増加、甲状腺機能低下症、副腎腺腫、クッシング様症状 | 甲状腺障害 |
泌尿器・生殖器 | | 血尿、膀胱炎、女性生殖器系感染、蛋白尿、尿沈渣陽性 | 血中尿素増加、尿中白血球エステラーゼ陽性、尿中ブドウ糖陽性、尿中ケトン体陽性、尿中細菌検出、夜間頻尿、不正子宮出血、腎・尿路結石、腎膿瘍、血中クレアチニン増加、子宮平滑筋腫、腎機能障害、頻尿、慢性腎不全、水腎症、腎梗塞、腺筋症、性器出血、月経過多、前立腺炎、陰部そう痒症、腟分泌物、尿pH上昇、陰嚢水瘤、尖圭コンジローマ、淋疾、尿道炎、尿中結晶陽性、排尿困難、尿意切迫、腎血管障害、良性前立腺肥大症、精巣上体炎、腟腫脹、前立腺特異性抗原増加、緊張性膀胱、無月経、不規則月経、閉経期症状 | 膀胱及び尿道症状、腎臓痛、月経周期障害 |
全身症状 | 発熱 | 倦怠感、浮腫、胸痛、季節性アレルギー、単純ヘルペス感染 | 異常感、胸部不快感、ウイルス感染、悪寒、冷感、化膿、口渇、疲労、腫瘤、顔面浮腫、熱感、低体温、治癒不良、異物感、潰瘍、食物アレルギー、抗酸性桿菌感染、クリプトコッカス症、感染、転倒、背部損傷、創腐敗、CT異常、胸部X線異常、免疫学的検査異常、全身性エリテマトーデス、線維腺腫、乳房の良性新生物、乳房痛、乳頭痛、側腹部痛、真菌感染、腋窩痛、細菌感染、疼痛、圧迫感、腫脹、金属アレルギー、大腸菌感染、無力症、成長遅延 | インフルエンザ様疾患、サルコイドーシス |
投与部位 | 注射部位反応注)(紅斑、そう痒感、発疹、出血、腫脹、硬結等)(23.7%) | | | |
14.1 薬剤投与時の注意
14.1.1 注射部位は大腿部、腹部又は上腕部を選び、順番に場所を変更し、短期間に同一部位へ繰り返し注射は行わないこと。新たな注射部位は、前回の注射部位から少なくとも3cm離すこと。
14.1.2 皮膚病変のある部位又は皮膚が敏感な部位、皮膚に異常のある部位(傷、発疹、発赤、硬結等の部位)には注射しないこと。
14.1.3 他の薬剤と混合しないこと。
14.1.4 本剤は1回で全量を使用する製剤であり、再使用しないこと。
15.1 臨床使用に基づく情報
15.1.1 本剤の臨床試験は、国内で299週間まで、海外では13年間までの期間で実施されており、これらの期間を超えた本剤の長期投与時の安全性は確立されていない。
15.1.2 尋常性乾癬、乾癬性関節炎及び膿疱性乾癬患者において、本剤と紫外線療法又は既存の全身療法との併用について、有効性及び安全性は確立されていない。
15.1.3 海外の臨床試験において、抗核抗体(ANA)陽性化が認められた本剤投与患者の割合は、プラセボ群と比較して増加した。これらの患者においてまれに、新たにループス様症候群を示唆する徴候が認められたが、投与中止後に改善した。[
8.7、
11.1.3参照]
15.1.4 本剤はうっ血性心不全患者を対象とした臨床試験を実施していないが、本剤投与下でうっ血性心不全の悪化が報告されている。また、他の抗TNF製剤におけるうっ血性心不全を対象とした臨床試験では、心不全症状の悪化、死亡率の上昇が報告されている。[
2.5参照]
15.1.5 海外における関節リウマチ、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎、クローン病、潰瘍性大腸炎及び尋常性乾癬を対象とした比較対照試験及びオープン試験(曝露期間中央値約0.6年、被験者数23,036例、延べ投与34,000人年以上)において、リンパ腫の発現は、約0.11/100人年であった。この発現率は、一般集団から推測される例数の3倍であった。関節リウマチ患者及び慢性炎症性疾患の患者(特に活動性の高い患者、免疫抑制剤治療の慢性曝露の患者)では、リンパ腫のリスクが高かった。非黒色腫皮膚癌については、約0.7/100人年であった。リンパ腫及び非黒色腫皮膚癌以外の悪性腫瘍としては、乳癌、大腸癌、前立腺癌、肺癌、黒色腫皮膚癌が多く報告されている。これらの発現率と癌種は、一般人口から予想されるものと類似していた
1)2)3)4)5)6)7)8)9)10)。[
1.1、
8.2参照]
15.2 非臨床試験に基づく情報
15.2.1 本剤は、マウス及びラット等げっ歯類に投与すると、中和抗体陽性化と薬理学的活性の消失が認められ、十分な曝露量が得られない。このため、がん原性試験は実施されていない。
16.1 血中濃度
<本剤>
16.1.1 単回投与
日本人健康成人174例に本剤又はヒュミラ皮下注
注)を40mg単回皮下投与し、血清中濃度を測定した。得られた薬物動態(PK)パラメータ(AUCinf及びCmax)の幾何平均値の比の90%信頼区間は、生物学的同等性の基準範囲(0.80〜1.25)内であり、本剤とヒュミラ皮下注の同等性が確認された
11)。
本剤及びヒュミラ皮下注の血清中濃度
本剤及びヒュミラ皮下注の薬物動態パラメータ
| Cmax 幾何平均値 (GeoCV%) | AUCinf 幾何平均値 (GeoCV%) | AUClast 幾何平均値 (GeoCV%) | t1/2 平均値 (SD) |
n | μg/mL | n | μg・hr/mL | n | μg・hr/mL | n | hr |
本剤 | 88 | 4.18(31) | 73 | 2519.0(41) | 85 | 2114.9(72) | 73 | 239.92(158.25) |
ヒュミラ皮下注 | 86 | 4.10(31) | 74 | 2476.7(42) | 82 | 2364.9(46) | 74 | 232.85(159.44) |
<ヒュミラ皮下注>
16.1.2 関節リウマチ
(1)単回投与
関節リウマチ患者にアダリムマブ20mg、40mg及び80mgを単回皮下投与したときの血清中濃度推移及び薬物動態パラメータを次に示す。血清中濃度は用量に比例して増加し、アダリムマブの薬物動態は20mg〜80mgの用量範囲で線形性を示した。また、日本人関節リウマチ患者における血清中濃度推移及び薬物動態パラメータは欧米人関節リウマチ患者と類似していた
12)(日本人データ)。
| 20mg群 | 40mg群 | 80mg群 |
Cmax(μg/mL) | 1.805±0.833 (n=12) | 4.265±2.411 (n=14) | 6.390±1.504 (n=14) |
Tmax(h) | 206±92 (n=12) | 204±82 (n=14) | 210±85 (n=14) |
AUC0-336h(μg・h/mL) | 465.8±217.8 (n=12) | 1039.1±530.7 (n=14) | 1697.2±455.8 (n=14) |
AUC0-672h(μg・h/mL) | 740.0±324.7 (n=12) | 1620.8±814.9 (n=14) | 2864.1±735.4 (n=14) |
t1/2(h) | 339.3±186.6 (n=7) | 298.0±88.9 (n=9) | 265.6±64.0 (n=9) |
CL/F(mL/h) | 18.0±6.2 (n=7) | 22.1±13.9 (n=9) | 24.1±8.7 (n=9) |
健康成人被験者にアダリムマブ40mgを単回皮下投与したときのCmax及びTmaxは、それぞれ4.7±1.6μg/mL及び131±56時間であった
13)。アダリムマブ40mgを単回皮下投与した3試験から得られたアダリムマブの生物学的利用率(平均値)は64%であった
14)(外国人データ)。
(2)反復投与
関節リウマチ患者にアダリムマブ40mgを隔週皮下投与したときの定常状態におけるトラフ濃度は約3μg/mLであった(メトトレキサート非併用時)。20mg、40mg及び80mgの用量で隔週皮下投与したときの定常状態における血清中トラフ濃度は用量にほぼ比例して増加した
15)(日本人データ)。
16.1.3 尋常性乾癬、乾癬性関節炎、膿疱性乾癬
(1)反復投与
乾癬患者にアダリムマブ80mgを初回投与し、2週目以降に40mgを隔週皮下投与したときの定常状態におけるトラフ濃度は約4μg/mLであった
16)(日本人データ)。
16.1.4 強直性脊椎炎
(1)反復投与
強直性脊椎炎患者にアダリムマブ40mgを隔週皮下投与したときの定常状態におけるトラフ濃度は、メトトレキサート併用時で約12μg/mL、メトトレキサート非併用時で約8μg/mLであった
17)(日本人データ)。
16.1.5 若年性特発性関節炎
(1)反復投与
若年性関節リウマチ患者にメトトレキサート併用でアダリムマブ20mg及び40mgを隔週皮下投与したときのトラフ濃度は投与16週時で約7〜10μg/mLであった
18)(日本人データ)。
16.1.6 腸管型ベーチェット病
(1)反復投与
腸管型ベーチェット病患者にアダリムマブ160mgを初回投与し、2週目に80mg、4週目以降に40mgを隔週皮下投与したときの定常状態におけるトラフ濃度は約9μg/mLであった
19)(日本人データ)。
16.1.7 クローン病
(1)反復投与
クローン病患者にアダリムマブ160mgを初回投与し、2週目に80mgを皮下投与したときのトラフ濃度は、4週目において約12μg/mL、4週目以降に40mgを隔週皮下投与したときの定常状態におけるトラフ濃度は約5〜7μg/mLであった
20)。
維持療法中に効果が減弱したクローン病患者(ベースライントラフ濃度:約3μg/mL)にアダリムマブ80mgを隔週皮下投与したときの定常状態におけるトラフ濃度は約7〜9μg/mLであった
21)(日本人データ)。
16.1.8 潰瘍性大腸炎
(1)反復投与
成人日本人潰瘍性大腸炎患者にアダリムマブ160mgを初回投与し、2週目に80mg、4週目以降に40mgを隔週皮下投与したときの定常状態におけるトラフ濃度は約6〜9μg/mLであった
22)(日本人データ)。
成人潰瘍性大腸炎患者にアダリムマブ160mgを初回投与し、2週目に80mg、4週目及び6週目に40mg、8週目以降に40mgを毎週1回皮下投与したときの定常状態におけるトラフ濃度は約14〜17μg/mLであった
23)(日本人及び外国人データ)。
16.1.9 非感染性の中間部、後部又は汎ぶどう膜炎
(1)反復投与
非感染性ぶどう膜炎患者にアダリムマブ80mgを初回投与し、1週目以降に40mgを隔週皮下投与したときの定常状態におけるトラフ濃度は約8μg/mLであった
24)(日本人データ)。
16.3 分布
<ヒュミラ皮下注>
関節リウマチ患者にアダリムマブを隔週静脈内投与したとき、滑液中アダリムマブ濃度は血清中濃度の31〜96%の範囲であった
25)(外国人データ)。
16.4 代謝
<ヒュミラ皮下注>
アダリムマブは、ヒトIgG1骨格を持つ抗体であることから、他の免疫グロブリンと同様に異化されると推察される
25)。
16.5 排泄
<ヒュミラ皮下注>
サルにアダリムマブ214.8mg/kgを反復静脈内投与したとき、尿中にアダリムマブ又はアダリムマブ由来断片は検出されなかった
26)。
16.8 その他
<ヒュミラ皮下注>
16.8.1 乳汁中移行
授乳婦にアダリムマブ40mgを単回皮下投与した時の乳汁中濃度は、投与6日後に最高値(31ng/mL)を示した
27)(外国人データ)。[
9.6参照]
注)ヒュミラ皮下注:米国において承認されたアダリムマブ(遺伝子組換え)製剤
17.1 有効性及び安全性に関する試験
<本剤>
17.1.1 関節リウマチ
(1)海外第III相試験
メトトレキサート(methotrexate:MTX)の投与で十分な効果が得られず、ヒュミラ皮下注
注1)による治療を受けていない、中等症又は重症の関節リウマチを有する成人患者を対象とした無作為化、二重盲検、実薬対照試験を実施した。本試験では、被験者は1:1の比で無作為化され、本剤40mg又はヒュミラ皮下注40mgを2週に1回、投与22週目まで皮下投与した。
投与24週目のACR20(ACRコアセットの20%の改善)の反応率、ACR20のヒュミラ皮下注群に対する本剤群のリスク比及び2つの片側検定による90%信頼区間を次表に示す。90%信頼区間は同等性許容域の範囲(0.738〜1.355)内であった。
| 本剤群 | ヒュミラ皮下注群 | リスク比a (本剤群対ヒュミラ皮下注群) | 90%信頼区間a (本剤群対ヒュミラ皮下注群) |
ACR20反応率 | 74.6%(194/260例) | 72.4%(189/261例) | 1.039 | 0.954〜1.133 |
また、24週目の疾患活動性スコア28-C反応性蛋白(DAS28-CRP)のベースラインからの変化量の平均値、平均値の差及び2つの片側検定による95%信頼区間を次表に示す。95%信頼区間は同等性許容域の範囲(−0.6〜0.6)内であった。
| 本剤群 | ヒュミラ皮下注群 |
DAS28-CRP変化量の平均値(SD) | −2.32(1.237) | −2.32(1.209) |
平均値の差a 平均値の差の95%信頼区間a | −0.01 −0.22〜0.20 | − |
ACR20のリスク比の90%信頼区間及びDAS28-CRPの平均値の差の95%信頼区間がいずれも同等性許容域の範囲内であったことから、両剤の臨床的同等性が示された。
試験期間(26週間)中、本剤群264例中50例(18.9%)に副作用が認められ、その主なものは、副鼻腔炎4例(1.5%)、鼻咽頭炎、尿路感染、気管支炎、注射部位紅斑、及び注射部位反応等で、それぞれ3例(1.1%)であった
28)。
17.1.2 尋常性乾癬
(1)海外第III相試験
中等症又は重症の尋常性乾癬を有する成人患者を対象とした無作為化、二重盲検、実薬対照試験を実施した。被験者を本剤投与又はヒュミラ皮下注
注2)投与のいずれかに1:1の比で割り付けた。投与1週目の1日目に本剤又はヒュミラ皮下注の初回負荷用量80mgを、投与2週目に40mgを皮下投与後、40mgを2週に1回皮下投与した
注3)。16週目以降も投与継続可能な被験者は再無作為化され、本剤群では本剤投与を継続し、ヒュミラ皮下注群ではヒュミラ皮下注の継続投与又は本剤へ切り替えて投与された。
投与16週目のPsoriasis Area and Severity Index(PASI)スコアのベースラインからの減少率の平均値、減少率の群間差及び2つの片側検定による95%信頼区間を下表に示す。95%信頼区間が同等性許容域の範囲(−15〜15)内であった
29)。
| 本剤群 | ヒュミラ皮下注群 |
PASIスコアの減少率の平均値(SD) | 80.91(24.237)% | 83.06(25.195)% |
群間差a 群間差の95%信頼区間a | −2.18% −7.39〜3.02% | − |
16週目以降も本剤を継続投与した群(最長52週間)では、152例中51例(33.6%)に副作用が認められた。その主なものは、鼻咽頭炎12例(7.9%)、上気道感染7例(4.6%)、乾癬、関節痛、筋肉痛及びアラニンアミノトランスフェラーゼ増加でそれぞれ3例(2.0%)であった。
ヒュミラ皮下注群のうち、16週目以降、本剤に切り替えた群では、77例中31例(40.3%)に副作用が認められた。その主なものは、鼻咽頭炎8例(10.4%)、上気道感染5例(6.5%)、口腔ヘルペス、乾癬及び注射部位反応等でそれぞれ2例(2.6%)であった
30)。
<ヒュミラ皮下注>
17.1.3 関節リウマチ
(1)国内第II/III相試験
1剤以上のDMARDsに効果不十分な関節リウマチ患者352例を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験における24週後のACR20%改善基準(ACR20)は、本剤投与群がプラセボ投与群に比べて有意に優れていた
15)。
表1:24週後のACR20達成患者の割合
| プラセボ | 40mg隔週 | 80mg隔週 |
ACR20 | 13.8%(12/87例) | 44.0%§(40/91例) | 50.6%§(44/87例) |
安全性評価対象265例における主な有害事象は、注射部位紅斑、DNA抗体陽性各54例(20.4%)、鼻咽頭炎42例(15.8%)、抗核抗体陽性33例(12.5%)、注射部位そう痒感19例(7.2%)等であった
31)。
(2)国内第III相試験(関節破壊の進展防止)
過去にメトトレキサート(以下、「MTX」)又はレフルノミドの使用経験がなく、罹病期間が2年以内の関節リウマチ患者334例を対象とし、基礎治療薬としてMTXを用いたプラセボ対照二重盲検比較試験における26週後のX線スコアmodified Total Sharp Score(以下、「mTSS」)で評価した結果、ベースラインからの変化量は本剤投与群がプラセボ投与群に比べて有意に少なく、関節破壊の進展防止効果が確認された
32)。
表2:mTSS変化量
| プラセボ+MTX | 40mg隔週+MTX |
ベースライン(平均値) | 13.76 | 14.22 |
26週時の変化量(平均値) | 2.38±3.195 | 1.48±6.065§ |
また、26週後のACR20は、本剤投与群がプラセボ投与群に比べて有意に優れていた。
表3:26週後のACR20達成患者の割合
| プラセボ+MTX | 40mg隔週+MTX |
ACR20 | 56.4%(92/163例) | 75.4%§(129/171例) |
安全性評価対象171例における主な有害事象は、鼻咽頭炎26例(15.2%)、肝機能異常14例(8.2%)、ALT増加13例(7.6%)、AST増加11例(6.4%)、注射部位反応、発疹各10例(5.8%)等であった
33)。
(3)海外第III相試験
1剤以上のDMARDsに効果不十分な関節リウマチ患者544例を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験における26週後のACR20は、本剤投与群がプラセボ投与群に比べて有意に優れていた。
表4:26週後のACR20達成患者の割合
| プラセボ | 40mg隔週 | 40mg毎週 |
ACR20 | 19.1%(21/110例) | 46.0%§(52/113例) | 53.4%§(55/103例) |
安全性評価対象434例における主な有害事象は、頭痛87例(20.0%)、鼻炎75例(17.3%)、発疹68例(15.7%)、注射部位反応46例(10.6%)、そう痒症41例(9.4%)等であった
34)。
(4)海外第III相試験(関節破壊の進展防止、過去にMTXの使用経験がない患者)
過去にMTXの使用経験がなく、罹病期間が3年未満の関節リウマチ患者799例を対象とした、二重盲検比較試験における52週後のX線スコア(mTSS)で評価した結果を下表に示す。ベースラインからの変化量はMTXと本剤の併用群が、MTX単独投与群に比べて有意に少なく(p<0.001)、関節破壊の進展防止効果が確認された
1)。
表5:mTSS変化量(MTX使用経験のない患者)
| プラセボ+MTX | 40mg隔週+MTX | 40mg隔週 |
ベースライン(平均値) | 21.8 | 18.1 | 18.8 |
52週時の変化量(平均値) | 5.7±12.7 | 1.3±6.5§ | 3.0±11.2 |
本剤単独投与群274例における主な有害事象は、鼻咽頭炎61例(22.3%)、頭痛56例(20.4%)、悪心46例(16.8%)、関節炎増悪41例(15.0%)、上気道感染23例(8.4%)等であった。MTX併用群268例における主な有害事象は、鼻咽頭炎82例(30.6%)、頭痛53例(19.8%)、上気道感染50例(18.7%)、悪心45例(16.8%)、関節炎増悪21例(7.8%)等であった
35)。
(5)海外第III相試験(関節破壊の進展防止、MTX効果不十分の患者)
MTX効果不十分の関節リウマチ患者619例を対象とした、MTX併用下のプラセボ対照二重盲検試験における52週後のX線スコア(mTSS)で評価した結果を下表に示す。ベースラインからの変化量はMTXと本剤の併用群が、MTX単独投与群に比べて有意に少なく(p<0.001)、関節破壊の進展防止効果が確認された。
表6:mTSS変化量(MTXで効果不十分な患者)
| プラセボ+MTX | 40mg隔週+MTX |
ベースライン(平均値) | 66.4 | 72.1 |
52週時の変化量(平均値) | 2.7±6.8 | 0.1±4.8§ |
本剤投与群419例における主な有害事象は、上気道感染82例(19.6%)、注射部位疼痛74例(17.7%)、鼻炎71例(16.9%)、副鼻腔炎64例(15.3%)、頭痛55例(13.1%)、悪心45例(10.7%)、下痢43例(10.3%)、発疹42例(10.0%)、尿路感染38例(9.1%)等であった
2)。
17.1.4 尋常性乾癬、乾癬性関節炎、膿疱性乾癬
(1)国内第II/III相試験(尋常性乾癬)
中等症又は重症の尋常性乾癬患者(慢性局面型皮疹が体表面積(BSA)の10%以上、かつPASI(Psoriasis Area and Severity Index)スコアが12以上)169例を対象とした24週間投与二重盲検試験におけるPASI反応率(16週)結果を下表に示す。本剤投与群のPASI75反応率はプラセボ投与群に比べて有意に優れていた
36)。
表7:16週後のPASI75反応率
| プラセボ | 40mg | 40mg+La | 80mg |
PASI75 | 4.3%(2/46例) | 57.9%§(22/38例) | 62.8%§(27/43例) | 81.0%§(34/42例) |
安全性評価対象123例における主な有害事象は、鼻咽頭炎45例(36.6%)、血中トリグリセリド増加24例(19.5%)、血中CK増加17例(13.8%)、注射部位紅斑、血中尿酸増加各16例(13.0%)等であった
37)。
(2)国内第III相試験(膿疱性乾癬)
既存治療(エトレチナート、シクロスポリン等)で効果不十分な膿疱性乾癬(汎発型)患者10例を対象とした非盲検試験における投与16週後に臨床的改善(ベースラインからの皮膚症状スコアが改善又は寛解)を達成した被験者の割合は70.0%(7/10例)であった。
主な有害事象は、鼻咽頭炎、そう痒症各3例(30.0%)等であった
38)。
(3)海外第III相試験(乾癬性関節炎)(参考)
中等症又は重症の活動性乾癬性関節炎患者(腫脹関節数が3関節以上、疼痛関節数が3関節以上かつ非ステロイド系炎症薬療法で効果が不十分な場合)313例を対象とした24週間投与プラセボ対照二重盲検試験における12週後のACR20を下表に示す(患者の約50%はMTXを併用)。本剤投与群のACR20はプラセボ群に比べて有意に優れていた。
表8:12週後のACR20達成患者の割合
| プラセボ | 40mg隔週 |
ACR20 | 14.2%(23/162例) | 57.6%§(87/151例) |
また、24週の関節破壊進展を手及び足のX線スコア(mTSS)で評価した結果、本剤投与群のベースラインからの変化量はプラセボ群に比べて有意に少なかった。
表9:24週後のmTSS変化量
| プラセボ | 40mg隔週 |
ベースライン(平均値) | 19.0 | 22.6 |
24週時の変化量(平均値) | 1.6±7.50 | 1.0±8.62§ |
安全性評価対象151例における主な有害事象は、上気道感染19例(12.6%)、鼻咽頭炎15例(9.9%)、注射部位反応10例(6.6%)、頭痛9例(6.0%)、高血圧8例(5.3%)等であった
39)。
17.1.5 強直性脊椎炎
(1)国内第III相試験
1剤以上のNSAIDsで効果不十分又は忍容性のない活動性強直性脊椎炎患者41例を対象とした非盲検試験における投与12週後の改善率[ASAS(Assessment of Spondylo Arthritis international Society)20]は、40mg隔週投与で73.2%(30/41例)を示した。
主な有害事象は、感染症19例(46.3%)、肝機能障害11例(26.8%)、注射部位反応6例(14.6%)等であった
40)。
(2)海外第III相試験
活動性強直性脊椎炎患者(NSAIDsで効果不十分な患者)315例を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験における12週後の改善率(ASAS20)を下表に示す。本剤投与群はプラセボ投与群に比べてASAS20に達した割合が有意に優れていた。
表10:12週後のASAS20反応率
| プラセボ | 40mg隔週 |
ASAS20 | 20.6%(22/107例) | 58.2%§(121/208例) |
安全性評価対象208例における主な有害事象は、鼻咽頭炎26例(12.5%)、頭痛20例(9.6%)等であった
3)。
17.1.6 若年性特発性関節炎
(1)国内第III相試験
既存治療で疾患活動性のコントロールが困難な多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎患者25例を対象とした非盲検試験における投与16週後改善率(ACR Pedi 30反応率)はMTX併用例90.0%(18/20例)、非併用例100%(5/5例)、全体では92.0%(23/25例)を示した
41)。
主な有害事象は、鼻咽頭炎7例(28.0%)、発疹、発熱各4例(16.0%)等であった
42)。
(2)海外第III相試験
既存治療で疾患活動性のコントロールが困難な多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎患者171例を対象とした非盲検導入期における投与16週後改善率(ACR Pedi 30反応率)はMTX併用群94.1%(80/85例)、非併用群74.4%(64/86例)、全体では84.2%(144/171例)を示した。
また、非盲検導入期(16週)でACR Pedi 30反応に達した患者を対象とした二重盲検期において、投与48週時までの疾患再燃率を下表に示す。
本剤投与群はプラセボ投与群に比べて疾患再燃率は有意に低かった
43)。
表11:48週までの疾患再燃率
| プラセボ | 本剤 | プラセボ+MTX | 本剤+MTX |
疾患再燃率 | 71.4%(20/28例) | 43.3%§(13/30例) | 64.9%(24/37例) | 36.8%§(14/38例) |
16週後(安全性評価対象171例)の主な有害事象は、注射部位疼痛32例(18.7%)、注射部位反応27例(15.8%)、注射部位灼熱感17例(9.9%)、頭痛16例(9.4%)、上気道感染15例(8.8%)等であった。48週後(安全性評価対象68例)の主な有害事象は、注射部位疼痛、ウイルス感染各12例(17.6%)、上気道感染11例(16.2%)、注射部位反応10例(14.7%)、挫傷9例(13.2%)等であった
44)。
17.1.7 腸管型ベーチェット病
(1)国内第III相試験
既存治療(ステロイド又は免疫調節剤)で効果不十分な腸管型ベーチェット病患者20例を対象
注4)とした非盲検非対照試験における24週後の著明改善率(消化器症状の総合評価及び内視鏡所見改善度がいずれも1以下(著明改善、完全寛解)となった被験者の割合)は、45.0%(9/20例)を示した
45)。
主な有害事象は、鼻咽頭炎9例(45.0%)、下痢、ベーチェット症候群(原疾患の悪化)、挫傷、咳嗽各3例(15.0%)であった
46)。
17.1.8 クローン病
(1)国内第II/III相試験
・導入療法
他の治療法(ステロイド、アザチオプリン、経腸栄養療法等)で効果不十分な中等症又は重症の活動期にあるクローン病患者(CDAI値:220〜450)90例を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験における4週後の寛解率(CDAI値150未満)は、本剤投与群がプラセボ投与群に比べ高かった
47)。
表12:4週後の寛解率
| プラセボ | 160mg(初回)/80mg(2週後) |
寛解率 | 13.0%(3/23例) | 33.3%(11/33例) |
安全性評価対象67例における主な有害事象(4週後)は、注射部位反応、上気道感染各4例(6.0%)等であった
48)。
・維持療法
導入療法の試験で、4週後にCR-70(CDAI値70以上減少)を示したクローン病患者82例を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験における、投与52週後の寛解率を下表に示す。52週後の寛解率は、本剤投与群がプラセボ投与群に比べ高かった
47)。
表13:52週後の寛解率
| プラセボ | 40mg隔週 |
寛解率 | 9.1%(2/22例) | 38.1%(8/21例) |
安全性評価対象25例における主な有害事象(52週後)は、鼻咽頭炎14例(56.0%)、鼻漏4例(16.0%)、クローン病、齲歯各3例(12.0%)等であった
49)。
(2)国内第III相試験
増量投与
維持療法中に効果が減弱したクローン病患者28例を対象とした非盲検試験において、本剤増量投与によるCR-50(CDAI値が50以上減少)は8週後で75%(21/28例)であった。
主な有害事象は、鼻咽頭炎13例(46.4%)、クローン病、発疹各4例(14.3%)等であった
21)。
(3)海外試験
・導入療法(海外第II/III相試験)
他の治療法(ステロイド、アザチオプリン等)で効果不十分な中等症又は重症の活動期にあるクローン病患者(CDAI値:220〜450、抗TNF製剤未治療)299例を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験における4週後の寛解率(CDAI値150未満)を下表に示す。4週後の寛解率は、本剤投与群がプラセボ投与群に比べて有意に優れていた
9)。
表14:4週後の寛解率
| プラセボ | 160mg(初回)/80mg(2週後) |
寛解率 | 12.2%(9/74例) | 35.5%§(27/76例) |
安全性評価対象225例における主な有害事象は、注射部位灼熱感30例(13.3%)、悪心17例(7.6%)、注射部位反応、頭痛各14例(6.2%)、注射部位疼痛13例(5.8%)等であった
50)。
・導入療法(海外第III相試験)
インフリキシマブで効果が消失した又は不耐な中等症又は重症の活動期にあるクローン病患者(CDAI値:220〜450、インフリキシマブ不応例を除く)325例を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験における4週後の寛解率を下表に示す。
4週後の寛解率は、本剤投与群がプラセボ投与群に比べて有意に優れていた
51)。
表15:4週後の寛解率
| プラセボ | 160mg(初回)/80mg(2週後) |
寛解率 | 7.2%(12/166例) | 21.4%§(34/159例) |
安全性評価対象159例における主な有害事象は、腹痛、関節痛各9例(5.7%)、頭痛、注射部位刺激感各8例(5.0%)等であった
52)。
・維持療法(海外第III相試験)
他の治療法(ステロイド、アザチオプリン等)で効果不十分な中等症又は重症の活動期にあるクローン病患者(CDAI値:220〜450)854例に導入療法(初回80mg、2週後40mg)を行い、4週後にCR-70を示した患者を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験において26週及び56週後の寛解率は、本剤40mg隔週投与群がプラセボ投与群に比べて有意に優れていた
4)。
表16:26週後及び56週後の寛解率
| | プラセボ | 40mg隔週 |
寛解率 | 26週 | 17.1%(29/170例) | 39.5%§(68/172例) |
56週 | 11.8%(20/170例) | 36.0%§(62/172例) |
導入療法期間(854例)における主な有害事象は、頭痛51例(6.0%)、悪心45例(5.3%)等であった。二重盲検期間(40mg隔週群260例)における主な有害事象はクローン病51例(19.6%)、鼻咽頭炎29例(11.2%)、関節痛27例(10.4%)等であった
53)。
17.1.9 潰瘍性大腸炎
(1)国内第II/III相試験
他の治療法(ステロイド、アザチオプリン等)で効果不十分な中等症又は重症の潰瘍性大腸炎患者(Mayoスコア6〜12、内視鏡検査サブスコア2〜3、抗TNF製剤未治療)273例を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験における寛解率(主要評価項目)は、8週後では本剤投与群とプラセボ投与群との差は認められなかったが、52週後では、本剤投与群がプラセボ投与群に比べ高かった。また、8週後における改善率
注5)(副次評価項目)は、プラセボ群35%(34/96例)、160mg(初回)/80mg(2週後)群で50%(45/90例)であり、本剤投与群がプラセボ投与群に比べ高かった
22)54)。[
5.9参照]
表17:8週後及び52週後の寛解率
| | プラセボ | 160mg(初回)/80mg(2週後) |
寛解率a(主要評価項目) | 8週 | 11.5%(11/96例) | 10.0%(9/90例) |
52週b | 7.3%(7/96例) | 20.0%(18/90例) |
安全性評価対象177例における主な有害事象(52週後)は、感染症76例(42.9%)、注射部位反応18例(10.2%)等であった
54)。
(2)海外第III相試験
・導入療法
抗TNF製剤未治療で、他の治療法(ステロイド、アザチオプリン等)で効果不十分な中等症又は重症の潰瘍性大腸炎患者(Mayoスコア6〜12、内視鏡検査サブスコア2〜3)を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験(576例)における寛解率は、本剤投与群がプラセボ投与群に比べて有意に優れていた
55)56)。
表18:8週後の寛解率
| プラセボ | 160/80mg |
寛解率a(8週) | 9.2%(12/130例) | 18.5%§(24/130例) |
160/80mg導入群223例における主な有害事象は、潰瘍性大腸炎13例(5.8%)、疲労9例(4.0%)、頭痛7例(3.1%)、鼻咽頭炎6例(2.7%)であった
56)。
・導入療法及び維持療法
抗TNF製剤の使用経験の有無にかかわらず、他の治療法(ステロイド、アザチオプリン等)で効果不十分な中等症又は重症の潰瘍性大腸炎患者518例(Mayoスコア6〜12、内視鏡検査サブスコア2〜3)を対象
注6)としたプラセボ対照二重盲検比較試験における寛解率は、本剤投与群がプラセボ投与群に比べて有意に優れていた
57)58)。
表19:8週後及び52週後の寛解率
| プラセボ | 160/80mg |
寛解率a(8週) | 9.3%(23/246例) | 16.5%§(41/248例) |
寛解率a(52週) | 8.5%(21/246例) | 17.3%§(43/248例) |
二重盲検期間における安全性評価対象257例における主な有害事象は、潰瘍性大腸炎58例(22.6%)、鼻咽頭炎45例(17.5%)、頭痛22例(8.6%)、腹痛、関節痛各20例(7.8%)等であった
58)。
(3)第III相試験(維持期高用量)
抗TNF製剤の使用経験の有無にかかわらず、他の治療法(ステロイド、アザチオプリン等)で効果不十分な中等症又は重症(Mayoスコア6〜12、内視鏡検査サブスコア2〜3)の潰瘍性大腸炎患者
注7)を対象に二重盲検試験が実施された。海外で実施された主試験(852例)及び国内で実施されたサブ試験(100例)における52週後の寛解率
注8)を下表に示す。投与8週以降に本剤40mgを週1回投与したときの52週後の寛解率は、40mgを隔週投与したときと比較して、主試験の外国人集団では統計学的に有意な差が認められなかったが、サブ試験の日本人集団と主試験の外国人集団の統合集団では有意に優れていた
59)。
表20:52週後の寛解率
| 40mg隔週 | 40mg週1回 |
外国人集団 | 29.0%(42/145例) | 39.5%(60/152例) |
統合集団 | 30.1%(49/163例) | 41.1%§(72/175例) |
導入期(8週まで)952例における主な有害事象は、頭痛71例(7.5%)、潰瘍性大腸炎63例(6.6%)であった
59)。維持期(8週以降52週まで)846例における主な有害事象は、潰瘍性大腸炎170例(20.1%)、上咽頭炎104例(12.3%)、関節痛54例(6.4%)、上気道感染50例(5.9%)、頭痛47例(5.6%)であった
60)。
17.1.10 非感染性の中間部、後部又は汎ぶどう膜炎
(1)第III相試験(日本人を含む国際共同試験)
・活動性ぶどう膜炎
経口ステロイド治療中(プレドニゾロン換算10〜60mg/日)に再燃した活動性ぶどう膜炎患者233例(うち日本人16例)を対象として、経口ステロイドの負荷投与により疾患活動性を抑えた後に、経口ステロイド用量を漸減したときの再燃までの期間を評価したプラセボ対照二重盲検比較試験の結果を次に示す。
投与6週以降の累積再燃例数/治療例数(全体集団、ITT集団)
期間(月) | 0 | 2 | 4 | 6 | 8 | 10 | 12 | 14 | 16 | 18 | 20 |
プラセボ | 0/115 | 38/72 | 69/37 | 82/20 | 86/15 | 88/12 | 89/9 | 89/8 | 89/6 | 90/5 | 90/0 |
本剤 | 0/118 | 19/87 | 45/57 | 56/42 | 62/35 | 65/29 | 68/20 | 68/17 | 68/15 | 68/12 | 68/0 |
表21:投与6週以降の再燃aまでの期間(ITT集団)
| | 本剤 | プラセボ |
全体集団(233例) | 再燃までの期間の中央値(月) | 4.8 | 3.0 |
ハザード比[95%信頼区間]b | 0.56[0.40〜0.76] | / |
p値b | <0.001 | / |
日本人部分集団(16例) | 再燃までの期間の中央値(月) | 2.4 | 2.8 |
ハザード比[95%信頼区間]c | 1.20[0.41〜3.54] | / |
日本人併合の安全性評価対象119例における主な有害事象は、鼻咽頭炎21例(17.6%)、頭痛13例(10.9%)、疲労、ぶどう膜炎各12例(10.1%)等であった
61)。
・非活動性ぶどう膜炎
過去に経口ステロイド減量により再燃した経験のある、一定用量の経口ステロイド治療(プレドニゾロン換算10〜35mg/日)により症状が安定している非活動性ぶどう膜炎患者258例(うち日本人32例)を対象として、試験開始時の経口ステロイドの用量を漸減したときの再燃までの期間を評価したプラセボ対照二重盲検比較試験の結果を次に示す。
投与2週以降の累積再燃例数/治療例数(全体集団、ITT集団)
期間(月) | 0 | 2 | 4 | 6 | 8 | 10 | 12 | 14 | 16 | 18 | 20 |
プラセボ | 0/127 | 23/97 | 49/67 | 60/51 | 63/42 | 68/33 | 72/26 | 75/21 | 75/19 | 75/17 | 75/0 |
本剤 | 0/131 | 8/118 | 32/89 | 41/74 | 46/65 | 51/54 | 56/44 | 57/39 | 57/35 | 57/31 | 57/0 |
表22:投与2週以降の再燃aまでの期間(ITT集団)
| | 本剤 | プラセボ |
全体集団(258例) | 再燃までの期間の中央値(月) | 推定不能 | 5.6 |
ハザード比[95%信頼区間]b | 0.52[0.37〜0.74] | / |
p値b | <0.001 | / |
日本人部分集団(32例) | 再燃までの期間の中央値(月) | 2.9 | 2.1 |
ハザード比[95%信頼区間]c | 0.45[0.20〜1.03] | / |
日本人併合の安全性評価対象131例における主な有害事象は、関節痛28例(21.4%)、鼻咽頭炎23例(17.6%)、頭痛17例(13.0%)、疲労14例(10.7%)等であった
62)。
注1)ヒュミラ皮下注:米国において承認されたアダリムマブ(遺伝子組換え)製剤
注2)ヒュミラ皮下注:欧州において承認されたアダリムマブ(遺伝子組換え)製剤
注3)本剤の尋常性乾癬、乾癬性関節炎、膿疱性乾癬で承認された用法及び用量は、「初回に80mgを皮下注射し、以後2週に1回、40mgを皮下注射する。なお、効果不十分な場合には1回80mgまで増量できる。」である。
注4)厚生労働省ベーチェット病に関する調査研究班の診断基準による完全型、不全型又は疑いと診断され、回盲部に直径1cm以上の典型的潰瘍が認められた患者が対象とされた。
注5)Mayoスコアがベースラインから3かつ30%以上の減少、かつ、直腸出血サブスコアが1以下又はベースラインから1以上減少。
注6)抗TNF製剤で効果が消失した(二次無効)又は不耐な患者も含まれた。ただし、過去に抗TNF製剤に反応しなかった(一次無効)患者は除外された。
注7)抗TNF製剤で以前に治療効果が認められ、効果消失又は不耐容となった患者も含まれた。ただし、過去に抗TNF製剤に反応しなかった(一次無効)患者は除外された。
注8)投与8週時にMayoスコアによる改善(Mayoスコアがベースラインから3ポイント以上かつ30%以上減少、更に直腸出血サブスコアが1以下あるいは1以上の減少)した患者のうち、52週時にMayoスコアが2以下、かつ、いずれのサブスコアも1以下。
18.1 作用機序
アダリムマブはTNFに特異的に結合し、細胞表面のp55及びp75TNF受容体とTNFの相互作用を阻害することでTNFの生物活性を中和する。
18.2 In vitro試験
<本剤>
18.2.1 本剤は
in vitro試験において、TNFαに特異的に結合し、次の作用を示した
63)。
・可溶性TNFα(sTNFα)に対する結合活性、及び膜貫通型TNFα(mbTNFα)に対する結合活性は、ヒュミラ皮下注と同等であった。
・ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)でのsTNFα誘導性インターロイキン8(IL-8)産生阻害作用はヒュミラ皮下注と同等であった。
・マウスL929細胞でのsTNFα誘導性細胞死阻害作用はヒュミラ皮下注と同等であった。
・ヒトIgGのFc領域を有することから、抗体依存性細胞傷害(ADCC)及び補体依存性細胞傷害(CDC)によりmbTNFαを発現する細胞を傷害し、そのADCC活性及びCDC活性はヒュミラ皮下注と同等であった。
18.3 抗TNF作用
<ヒュミラ皮下注>
18.3.1 アダリムマブはTNFαに選択的に結合し、次の作用を示した
64)(
in vitro)。
・ヒトTNFαに対して高い親和性を示した。
・TNFα受容体(TNF RI及びTNF RII)に対するTNFαの結合を阻害した(IC50値:1.26〜1.47×10−9mol/L)。
・マウス線維芽細胞に対するヒトTNFα誘発細胞傷害において細胞死を中和した(IC50値:1.4〜3.5×10−11mol/L)
18.3.2 アダリムマブはヒトTNFαトランスジェニックマウスモデルにおける関節炎の発症を抑制した
65)(
in vivo)。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
<アダリムマブBS皮下注20mgシリンジ0.4mL「第一三共」>
<アダリムマブBS皮下注40mgシリンジ0.8mL「第一三共」>
<アダリムマブBS皮下注40mgペン0.8mL「第一三共」>