本剤は細胞外液の補給・補正、エネルギー補給効果を示す。本剤に含まれる乳酸ナトリウムは、体内で代謝されてHCO3−となり、アシドーシスを補正する。
輸液療法においては細胞外液量の確保が最も重要で、まず最初にその是正が考慮されるべきだといわれる。すなわち組織代謝の維持又は生体機能のhomeostasis維持のためには、いわゆる機能的細胞外液量を正常に保っておく必要があると考えられている
1)。
例えば、出血性ショック時や外科的侵襲をうけた場合には失血分以上の細胞外液喪失を起こしていることが実験的、臨床的に示されており
2)、このような場合には循環血液量のみならず、減少している組織間液の回復を同時に考慮する必要がある。
本剤は陰イオンとしてCl
−の他にLactate
−を含み、生理食塩液やリンゲル液よりさらに細胞外液に近い組成を持つ電解質補液でHartmann,A.F.et al.
3)により考案されたためHartmann solutionとも呼ばれる。
乳酸ナトリウムは生体内で代謝され、等モルの炭酸水素ナトリウムとなってbuffer actionを発揮する
4)。本剤は血漿中HCO
3−とほぼ等濃度のLactate
−を含むため酸塩基平衡を正常に維持することができる。
また、本剤にはエネルギー補給の目的でD-ソルビトールが含まれている。D-ソルビトールは糖尿病時においても代謝が妨げられず、肝疾患時にも良好に利用されるといわれている
5)。