医療用医薬品 : セファドール

List   Top

医薬品情報


総称名 セファドール
一般名 ジフェニドール塩酸塩
欧文一般名 Difenidol Hydrochloride
製剤名 ジフェニドール塩酸塩錠
薬効分類名 抗めまい剤
薬効分類番号 1339
KEGG DRUG
D01318 ジフェニドール塩酸塩
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
日米の医薬品添付文書はこちらから検索することができます。

添付文書情報2021年4月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
セファドール錠25mg Cephadol Tablets 日本新薬 1339002F1438 6.5円/錠

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
2.1 重篤な腎機能障害のある患者[9.2.1参照]
2.2 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者[9.1.2参照]

4. 効能または効果

内耳障害にもとづくめまい

6. 用法及び用量

通常成人1回1〜2錠、1日3回経口投与する。年齢、症状により適宜増減する。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 緑内障の患者
抗コリン作用により眼圧を上昇させるおそれがある。
9.1.2 薬疹、蕁麻疹等の既往歴のある患者(本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者を除く)2.2参照]
9.1.3 前立腺肥大等尿路に閉塞性疾患のある患者
抗コリン作用により排尿困難を悪化させることがある。
9.1.4 胃腸管に閉塞のある患者
抗コリン作用により症状を悪化させることがある。
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重篤な腎機能障害のある患者
投与しないこと。本剤の排泄が低下し、蓄積が起こり副作用の発現のおそれがある。[2.1参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下していることが多い。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 0.1〜5%未満0.1%未満頻度不明
精神神経系浮動感・不安定感、頭痛・頭重感幻覚錯乱
皮膚発疹・蕁麻疹  
調節障害散瞳 
肝臓 肝機能異常(AST、ALT、Al-Pの上昇等) 
消化器口渇、食欲不振、胃・腹部不快感、胸やけ、悪心・嘔吐、胃痛  
その他傾眠、動悸、顔面熱感、口内違和感排尿困難 

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報
制吐作用を有するため、他の薬物(ジギタリス等)の過量投与に基づく中毒、腸閉塞、脳腫瘍等による嘔吐症状を不顕性化することがある。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
低胃酸の健康成人10例に本剤1錠(ジフェニドール塩酸塩25mg)を絶食時に経口投与した場合、血漿中ジフェニドール濃度は投与後約1.6時間で最高値に達し、その後約6.5時間の半減期で消失した1)
低胃酸の健康成人に本剤1錠を絶食時に経口投与した後の血漿中ジフェニドール濃度(平均値±標準偏差、n=10)
薬物動態パラメータ
Dose(mg/body)Tmax(hr)Cmax(ng/mL)t1/2(hr)AUC0-24hr(ng・hr/mL)
251.60±0.3959.1±22.86.51±2.92321±139

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内臨床試験
総症例657例について実施された一般臨床試験で、本剤は内耳障害に基づくめまいに対して有用性が認められている。また、二重盲検比較試験においても、めまいに対する本剤の有用性が認められている2)3)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
本剤は、前庭系機能障害側の椎骨動脈の血管攣縮を緩解し、その血流を増加させることによって椎骨動脈血流の左右差を是正し、左右前庭系の興奮性の不均衡に由来するめまいを改善すると考えられる。また、めまいの原因となる末梢前庭からの異常なインパルスを前庭神経核及び視床下部のレベルで遮断し、平衡系のアンバランスを是正すると考えられる。
18.2 椎骨動脈の循環改善作用
ジフェニドール塩酸塩は、アンジオテンシンIIにより攣縮した椎骨動脈を緩解し、その血流量を増加させる(イヌ)4)。また、血管攣縮による一側椎骨動脈血流障害を有するめまい患者での臨床薬理実験でも、患側の異常緊張を緩解し、その血流量を増加させ、健側と患側の血流のアンバランスを是正することが認められている5)
18.3 前庭神経路の調整作用
前庭神経刺激による前庭神経外側核の誘発電位を測定するとき、ジフェニドール塩酸塩0.5mg/kg(i.v.)は末梢前庭神経からの異常なインパルスを遮断する(ネコ)6)7)。更に1mg/kg(i.v.)は、前庭神経核刺激による視床下部の誘発電位をも抑制する(ラット)8)。しかもこれらの用量では脳波、心電図等に影響を及ぼさない。
18.4 眼振抑制作用
テトラサイクリン注入による迷路障害ウサギの自発水平性眼振9)及び振子様回転刺激によるウサギの眼振を抑制する10)。更に外傷性頭位眩暈症の患者で、本剤の投与により眼振出現の潜伏時間の延長と出現程度の減弱がみられる11)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. ジフェニドール塩酸塩

一般的名称 ジフェニドール塩酸塩
一般的名称(欧名) Difenidol Hydrochloride
化学名 1,1-Diphenyl-4-piperidin-1-ylbutan-1-ol monohydrochloride
分子式 C21H27NO・HCl
分子量 345.91
融点 約217℃(分解)
物理化学的性状 本品は白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはない。
本品はメタノールに溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けやすく、水又は酢酸(100)にやや溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
KEGG DRUG D01318

22. 包装

100錠[10錠(PTP)×10]、500錠[10錠(PTP)×50]、1000錠[10錠(PTP)×100]、500錠[バラ、瓶]

23. 主要文献

  1. 社内資料:CEP-F錠25mgを経口投与した後の血漿中濃度の測定及び解析
  2. 二木 隆ほか, 耳鼻咽喉科臨床, 65 (1), 85-105, (1972) »DOI
  3. 松永 亨ほか, 耳鼻咽喉科臨床, 65 (1), 63-83, (1972) »DOI
  4. 疋田英昭ほか, 現代の臨床, 5 (12), 471-82, (1971)
  5. 稲岡 長ほか, 耳鼻咽喉科臨床, 64 (11), 1353-60, (1971) »DOI
  6. 松岡 出, 耳鼻咽喉科臨床, 65 (2), 179-87, (1972) »DOI
  7. Matsuoka I,et al., Japan J Pharmacol., 22, 817-25, (1972) »DOI
  8. 松永 亨ほか, 耳鼻咽喉科臨床, 66 (8), 883-8, (1973) »DOI
  9. 津田靖博ほか, 新薬と臨牀, 22 (1), 157-60, (1973)
  10. 松永 亨, 耳鼻咽喉科臨床, 64 (10), 1095-105, (1971) »DOI
  11. 社内資料:セファドールの急性効果について

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
日本新薬株式会社 製品情報担当
〒601-8550 京都市南区吉祥院西ノ庄門口町14
電話:フリーダイヤル 0120-321-372
075-321-9064
FAX:075-321-9061
製品情報問い合わせ先
日本新薬株式会社 製品情報担当
〒601-8550 京都市南区吉祥院西ノ庄門口町14
電話:フリーダイヤル 0120-321-372
075-321-9064
FAX:075-321-9061

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
日本新薬株式会社
京都市南区吉祥院西ノ庄門口町14

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/05/21 版