消化管より血液中に無機のヨウ素イオンの形で吸収され、甲状腺に取り込まれて甲状腺ホルモンに合成され、この甲状腺ホルモンが血中に分泌され作用を発揮すると考えられている。
6)10)
ヨウ素レシチンはラットおよび健康成人男子において血液中に吸収され、無機ヨードとして作用する。
6)そして甲状腺にとりこまれて、ヨード不足による甲状腺腫
7)、患児の甲状腺機能低下症
8)9)に奏効する。
18.3.1 ヨウ素レシチンは家兎網膜の組織呼吸を促進し、網膜の新陳代謝を亢進する。
10)11) 18.3.2 ヨウ素レシチンは成熟白色家兎のERG律動様小波に対し促進的に働き、その効果はヨウ素18μg/kg/dayの投与群で最も著明であり、3ヶ月の長期連用で増強される。
12) 18.3.3 家兎に於ける実験的アレルギー性ブドウ膜炎、実験的電撃性ブドウ膜炎の両者共消炎効果、ERG所見の改善が著明であった。
13)
18.4.1 モルモット、ラット、マウスに於いて摘出気管に於けるアドレナリン弛緩反応増強、摘出回腸でのアセチルコリン反応抑制、能動型、受動型アナフィラキシーの抑制、血清cAMP、cGMPの上昇、カラゲニン炎症の抑制がみられた。
14)又小児気管支喘息患児の臨床試験に於いて治療効果が認められた。血清IgE値の低下、血清cAMP、cGMP、cAMP/cGMPの上昇、トリメトキノール反応性上昇による交感神経β受容体感受性の上昇が認められた。
14)15) 18.4.2 ダニ抗原で感作された気管支喘息患児および卵白アルブミンで感作されたアトピー性皮膚炎児に於いて抗原特異的なIL-2反応性誘導を抑制する作用がみられた。
15) 18.4.3 リンパ球に於けるダニ抗原誘導IL-4の分泌、PHAまたはPMA+CaI誘導のIL-4生成を用量依存的に抑制し、ダニ抗原刺激によって引き起こされるIFN-γの生成量低下を用量依存的に反転させ、Th1/Th2バランスをTh1側に偏らせた。
16)17)18) 18.4.4 乳幼児気管支喘息に対して、IgE産生抑制効果があった。
19) 18.4.5 ヨウレチン内服8週間後の患児リンパ球のIFN-γ産生能は治療前よりも亢進しており、重症度の軽快化が認められた。
20)