医療用医薬品 : ヘパリン類似物質

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医薬品情報


総称名 ヘパリン類似物質
一般名 ヘパリン類似物質
欧文一般名 Heparinoid
製剤名 ヘパリン類似物質ゲル
薬効分類名 抗炎症血行促進剤
薬効分類番号 2649
KEGG DRUG
D04799 ヘパリン類似物質
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2025年6月 改訂(第2版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ヘパリン類似物質ゲル0.3%「ケンエー」 (後発品) Heparinoid Gel 0.3%「KENEI」 健栄製薬 2649950M1216 5.1円/g

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
2.1 出血性血液疾患(血友病、血小板減少症、紫斑病等)の患者[血液凝固抑制作用を有し、出血を助長するおそれがある]
2.2 僅少な出血でも重大な結果を来すことが予想される患者[血液凝固抑制作用を有し、出血を助長するおそれがある]

4. 効能または効果

外傷(打撲、捻挫、挫傷)後の腫脹・血腫・腱鞘炎・筋肉痛・関節炎、血栓性静脈炎、血行障害に基づく疼痛と炎症性疾患(注射後の硬結並びに疼痛)、凍瘡、肥厚性瘢痕・ケロイドの治療と予防、進行性指掌角皮症、筋性斜頸(乳児期)

6. 用法及び用量

通常、症状により適量を、1日1〜数回塗擦又はガーゼ等にのばして貼付する。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。
 頻度不明
過敏症皮膚刺激感、そう痒、発赤、発疹等

14. 適用上の注意

14.1 薬剤使用時の注意
14.1.1 潰瘍、びらん面への直接塗擦を避けること。
14.1.2 眼には使用しないこと。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内二重盲検比較試験
スポーツ外傷患者を対象にヘパリン類似物質ゲル又はプラセボを1日2回2週間患部に塗布又は塗擦した二重盲検比較試験1)における有効率(有効以上)は、ヘパリン類似物質ゲル群70.3%(26/37例)、プラセボ群42.1%(16/38例)であり、ヘパリン類似物質ゲル群はプラセボ群と比較して有意に優れていた。
副作用は認められなかった。
17.1.2 国内臨床試験
スポーツ外傷患者を対象にヘパリン類似物質ゲルを1日2〜3回2週間患部に塗擦した臨床試験2)における有効率(有効以上)は、76.8%(63/82例)であった。
副作用は認められなかった。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
作用機序は明確ではない。
18.2 抗炎症作用
紫外線紅斑抑制作用を有する3)(モルモット)。
18.3 紫斑消退促進作用
人工的局所紫斑の消退を促進する4)(ヒト)。
18.4 血液凝固抑制作用
血液凝固時間を延長し、血液凝固抑制作用を示す(ヒト5)6)、イヌ5)、ウサギ6)7))。
18.5 生物学的同等性試験
以下のように、I.血液凝固抑制作用及びII.抗炎症作用(コットンペレット法)を指標とした薬効薬理試験を実施し、生物学的同等性を検討した結果、ヘパリン類似物質ゲル0.3%「ケンエー」とヒルドイドゲル0.3%は生物学的に同等であると判断された8)
I.血液凝固抑制作用
ウサギを対象にヘパリン類似物質ゲル0.3%「ケンエー」及びヒルドイドゲル0.3%について、それぞれヘパリン類似物質として6mgを塗布し、血液凝固時間を指標とした生物学的同等性試験を実施した。
その結果、薬剤塗布後の平均凝固時間の推移は両剤とも同様なパターンを示し、塗布後2時間目から凝固時間の有意な延長が認められ、6時間後に最高値に達し、24時間後にほぼ塗布前のレベルに復した。また、各採血時点の凝固時間は、両剤間に有意差は認められなかった。
II.抗炎症作用(肉芽形成抑制作用)
ラットを対象にヘパリン類似物質ゲル0.3%「ケンエー」及びヒルドイドゲル0.3%について、それぞれヘパリン類似物質として0.15mgを1日1回(24時間間隔)で6日間塗布し、抗炎症作用を指標として、コットンペレット法により生物学的同等性試験を実施した。
その結果、両剤の肉芽形成抑制作用はコントロールに比し11〜12%と軽度なものであったが、両剤ともコントロールに対し有意な抑制作用を示し、その有意水準は同様なものであった。また、肉芽形成は両剤間に有意差は認められなかった。

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. ヘパリン類似物質

一般的名称 ヘパリン類似物質
一般的名称(欧名) Heparinoid
物理化学的性状 帯黄白色の無晶性の粉末で、においはなく、味はわずかに苦い。
水に溶けやすく、メタノール、エタノール(95)、アセトン又は1-ブタノールにほとんど溶けない。
KEGG DRUG D04799

22. 包装

50g(チューブ)×40

23. 主要文献

  1. 高沢晴夫,他, 基礎と臨床, 15 (4), 1996-2002, (1981)
  2. 大畠のぼる,他, 基礎と臨床, 15 (4), 1987-1995, (1981)
  3. Raake W., Arzneim.-Forsch./Drug Res., 34 (4), 449-451, (1984) »PubMed
  4. 須貝哲郎, 皮膚, 27 (5), 982-987, (1985) »DOI
  5. 中安国裕, 東京慈恵会医科大学雑誌, 76 (2), 494-518, (1961)
  6. 石川浩一,他, 外科, 17 (12), 849-854, (1955)
  7. Giarola P.A.,et al., Arzneim.-Forsch./Drug Res., 20 (2), 234-236, (1970) »PubMed
  8. 健栄製薬株式会社 社内資料:ヘパリン類似物質ゲル0.3%「ケンエー」の生物学的同等性について

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
健栄製薬株式会社 学術情報部
〒541-0044 大阪市中央区伏見町2丁目5番8号
電話:06-6231-5822
FAX:06-6204-0750
製品情報問い合わせ先
健栄製薬株式会社 学術情報部
〒541-0044 大阪市中央区伏見町2丁目5番8号
電話:06-6231-5822
FAX:06-6204-0750

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
健栄製薬株式会社
大阪市中央区伏見町2丁目5番8号

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/09/17 版