医療用医薬品 : エクラー

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医薬品情報


総称名 エクラー
一般名 デプロドンプロピオン酸エステル
欧文一般名 Deprodone Propionate
製剤名 デプロドンプロピオン酸エステルプラスター
薬効分類名 外用副腎皮質ホルモン剤
薬効分類番号 2646
KEGG DRUG
D01434 デプロドンプロピオン酸エステル
KEGG DGROUP
DG01955 副腎皮質ステロイド
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2025年2月 改訂(用法変更)(第2版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
エクラープラスター20μg/cm2 ECLAR Plasters 20μg/cm2 久光製薬 2646729S2035 37.7円/

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
2.1 細菌・真菌・スピロヘータ・ウイルス皮膚感染症及び動物性皮膚疾患(疥癬、けじらみ等)[これらの疾患が増悪するおそれがある。]
2.2 本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者
2.3 鼓膜に穿孔のある湿疹性外耳道炎[穿孔部位の治癒の遅延及び感染のおそれがある。]
2.4 潰瘍(ベーチェット病は除く)、第2度深在性以上の熱傷・凍傷[皮膚の再生が抑制され、治癒が遅延するおそれがある。]
2.5 血清の浸出している病巣及び特に発汗の強い部位[皮膚感染症の誘発、悪化、また発汗による汗疹のおそれがある。]

4. 効能または効果

○湿疹・皮膚炎群(進行性指掌角皮症、ビダール苔癬を含む)
○虫さされ
○痒疹群[じん麻疹様苔癬、ストロフルス、結節性痒疹(固定じん麻疹)を含む]
乾癬
掌蹠膿疱症
○肥厚性瘢痕・ケロイド
○扁平紅色苔癬
慢性円板状エリテマトーデス
○環状肉芽腫

5. 効能または効果に関連する注意

皮膚感染を伴う湿疹・皮膚炎には使用しないことを原則とするが、やむを得ず使用する必要がある場合には、あらかじめ適切な抗菌剤(全身適用)、抗真菌剤による治療を行うか、又はこれらとの併用を考慮すること。

6. 用法及び用量

患部を軽く洗浄し、よく乾燥させた後、本品を膏体面被覆ライナーに付着させたまま適当な大きさに切り取り、ライナーを取り除き、患部に膏体面を当てて貼付する。本品は、貼付後12時間又は24時間毎に貼りかえる。必要な場合、夜間のみ貼付する方法もある。なお、貼りかえるときにも患部の洗浄及び乾燥を行う。

8. 重要な基本的注意

8.1 大量又は長期にわたる広範囲の使用により、副腎皮質ステロイド剤を全身的投与した場合と同様な症状があらわれることがある。[9.59.79.811.1.1参照]
8.2 症状の改善がみられない場合又は症状の悪化をみる場合は使用を中止すること。
8.3 症状改善後は、できるだけ速やかに使用を中止すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性に対しては大量又は長期にわたる広範囲の使用をしないこと。[8.1参照]
9.7 小児等
発育障害をきたすおそれがある。[8.1参照]
9.8 高齢者
大量又は長期にわたる使用に際しては特に注意すること。一般に生理機能が低下している。[8.1参照]

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 緑内障、後のう白内障(頻度不明)
眼瞼皮膚への使用に際しては眼圧亢進、緑内障を起こすことがある。
大量又は長期にわたる広範囲の使用により、後のう白内障、緑内障等の症状があらわれることがある。[8.1参照]
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 5%以上又は頻度不明0.1〜5%未満
皮膚の感染症注1)皮膚の真菌性(カンジダ症、白癬等)・細菌性(伝染性膿痂疹、毛のう炎、せつ等)感染症、ウイルス感染症 
その他の皮膚症状ステロイドざ瘡注2),3)、ステロイド酒さ・口囲皮膚炎(顔面の紅斑、丘疹、毛細血管拡張、痂皮、鱗屑)注3)
そう痒、疼痛、ヒリヒリ感、潮紅、紫斑、水疱、び爛等の皮膚刺激症状や汗疹、過乾燥、亀裂、出血、貼付部位のムレや悪臭、皮疹の悪化
ステロイド皮膚(皮膚萎縮、毛細血管拡張)、魚鱗癬様皮膚変化、紫斑、多毛、色素脱失等注3)
過敏症皮膚の刺激感、発疹等 
下垂体・副腎皮質系機能下垂体・副腎皮質系機能の抑制 

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
健常成人男子20人の腰背部に、デプロドンプロピオン酸エステルテープ剤4枚(デプロドンプロピオン酸エステルとして6mg)を12時間貼付し、デプロドンプロピオン酸エステルの血中濃度を経時的に測定したところ、投与約12時間後まで上昇し(Cmax=111.3pg/mL)、以後緩やかに消失した。また、このときのAUC0→∞は1688.5pg・h/mLであった1)

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内臨床試験
デプロドンプロピオン酸エステルテープ剤における一般臨床試験として386例、比較臨床試験として312例の総計698例について臨床試験を実施し、デプロドンプロピオン酸エステルテープ剤の有効性が認められている2)3)
疾患名有効率(%)(かなり軽快以上/評価例数)
湿疹・皮膚炎群90.7(166/183例)
虫さされ90.2(37/41例)
痒疹群79.6(113/142例)
乾癬94.0(126/134例)
掌蹠膿疱症92.9(39/42例)
肥厚性瘢痕・ケロイド51.9(28/54例)
扁平紅色苔癬88.9(32/36例)
慢性円板状エリテマトーデス81.4(35/43例)
環状肉芽腫91.3(21/23例)
85.5(597/698例)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
副腎皮質ホルモンは標的細胞と接触すると、細胞膜を通過して細胞質の中に入り込む。細胞質の中には副腎皮質ホルモンに特異的な受容体蛋白が存在し、この蛋白と結合してホルモン・受容体複合体が形成される。この複合体がさらに活性化されて核膜を通過して核の中に入り、DNAと結合し、次いでRNAポリメラーゼがこのDNAに結合すると遺伝子情報がmRNAに転写され、特異的なmRNAが形成される。さらに特異的なmRNAは核の外に出て細胞質で特有な蛋白が合成され、この蛋白が抗炎症作用を発現する4)5)
18.2 抗炎症作用
ラットのカラゲニン誘発浮腫及びアジュバント関節炎に対して、抗炎症反応を示した6)
18.3 血管収縮作用
本剤及び対照薬としてエクラーテープ(デプロドンプロピオン酸エステルテープ剤)を直径約1.5cmの円形に切り、健常成人男子20人の背部に貼付し、血管収縮反応による皮膚蒼白化の程度を測定した。薬剤は4時間後に除去した。その結果、本剤とエクラーテープとの間に統計学的差はなく、生物学的に同等であると判断された7)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. デプロドンプロピオン酸エステル

一般的名称 デプロドンプロピオン酸エステル
一般的名称(欧名) Deprodone Propionate
化学名 (+)-11β,17-dihydroxy-1,4-pregnadiene-3,20-dione 17-propionate
分子式 C24H32O5
分子量 400.51
融点 225〜230℃
物理化学的性状 本品は白色〜帯黄白色の結晶性の粉末で、においはないか、又はわずかに特異なにおいがある。本品はクロロホルムに極めて溶けやすく、1,4-ジオキサンに溶けやすく、メタノール又はエタノール(95)にやや溶けやすく、ジエチルエーテルに溶けにくく、水にほとんど溶けない。
KEGG DRUG D01434

22. 包装

(7.5cm×10cm)×50

23. 主要文献

  1. 久光製薬社内資料 Deprodone propionateテープ(DP-TN)の血中濃度
  2. 石橋康正 ほか, 臨床医薬, 5 (9), 1947-66, (1989)
  3. 石橋康正 ほか, 臨床医薬, 5 (10), 2177-85, (1989)
  4. 牧野荘平, 治療, 67 (10), 1935-40, (1985)
  5. 鹿取信, Therapeutic Research., 5 (6), 955-61, (1986)
  6. 久光製薬社内資料 薬理作用に関する資料
  7. 久光製薬社内資料 健常人を対象としたDeprodone propionateプラスターの皮膚血管収縮試験

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
久光製薬株式会社 お客様相談室 受付時間/9:00-17:50(土日・祝日・会社休日を除く)
〒135-6008 東京都江東区豊洲三丁目3番3号
電話:0120-381332
FAX:03-5293-1723
製品情報問い合わせ先
久光製薬株式会社 お客様相談室 受付時間/9:00-17:50(土日・祝日・会社休日を除く)
〒135-6008 東京都江東区豊洲三丁目3番3号
電話:0120-381332
FAX:03-5293-1723

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
久光製薬株式会社
〒841-0017 鳥栖市田代大官町408番地

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/10/22 版