医薬品情報
| 総称名 |
球形吸着炭 |
| 製剤名 |
球形吸着炭細粒 |
| 薬効分類名 |
慢性腎不全用剤 |
| 薬効分類番号 |
3929 |
| KEGG DRUG |
|
| JAPIC |
添付文書(PDF)
|
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添付文書情報2023年9月 改訂(第1版)
| 販売名 |
欧文商標名 |
製造会社 |
YJコード |
薬価 |
規制区分 |
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球形吸着炭細粒分包2g「日医工」
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Spherical Adsorptive Carbon Fine Granules |
日医工 |
3929003C1075 |
74.9円/g |
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2. 禁忌
消化管に通過障害を有する患者[排泄に支障をきたすおそれがある。]
4. 効能または効果
下記の疾患における尿毒症症状の改善及び透析導入の遅延
5. 効能または効果に関連する注意
5.1 進行性の慢性腎不全と診断された保存療法期の患者を対象とすること。
本剤適用の前には血清クレアチニンの上昇により進行性の慢性腎不全であることを確認した上で、適用を考慮すること。
5.2 透析導入の遅延に関しては、本剤適用前の血清クレアチニン(S-Cr)の上昇の割合が中等度以上(1ヵ月当りの1/S-Crの変化が0.01dL/mg以上)であることを確認した上で、本剤の適用を考慮すること。これに相当する血清クレアチニン値の変化の目安は次表の通りである。
| 1ヵ月前の血清クレアチニン値→現在の血清クレアチニン値 |
| 2.9mg/dL→3.0mg/dL |
| 4.8mg/dL→5.0mg/dL |
| 6.5mg/dL→7.0mg/dL |
6. 用法及び用量
通常、成人に1日6gを3回に分割し、経口投与する。
7. 用法及び用量に関連する注意
本剤服用中においては、血清クレアチニン及び尿毒症症状の変化等の経過を適宜観察し、投与開始6ヵ月を目標に投与継続の適否を検討する。改善が見られない場合には、中止又は他の療法を考慮する等の適切な処置を行うこと。
8. 重要な基本的注意
8.1 本剤服用中において改善が望めない状態に至った時は、透析療法導入等の適切な処置を行うこと。
8.2 他剤を併用する場合、本剤は吸着剤であることを考慮し、本剤との同時服用は避けること。[
10.2参照]
8.3 ビタミンやホルモン等の生体内における恒常性については、これまでに特記すべき異常は認められていないが、本剤は吸着剤であることを考慮して、特に長期投与の際には、全身状態等に注意すること。
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 消化管潰瘍、食道静脈瘤を有する患者
固体のまま消化管を通過するので、患部を刺激するおそれがある。
9.1.2 便秘を起こしやすい患者
便秘を増悪するおそれがあり、また基礎疾患に肝障害を有する患者では血中アンモニア値の上昇があらわれることがある。
9.5 妊婦
妊娠又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
9.8 高齢者
一般に生理機能が低下しており、副作用があらわれやすい。
10. 相互作用
11. 副作用
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、症状があらわれた場合には減量又は休薬する等の適切な処置を行うこと
1)。
| | 1〜2%未満 | 1%未満 |
| 皮膚 | | そう痒感 皮疹 |
| 消化器 | 便秘 食欲不振 悪心・嘔吐 | 腹部膨満感 胃重感 腹痛 下痢 |
16. 薬物動態
16.2 吸収
14C-標識球形吸着炭をマウスに連日10日間の反復経口投与したとき、生体内への吸収、蓄積性は認められなかった
2)。
16.5 排泄
14C-標識球形吸着炭をマウスに単回経口投与したとき、24時間後にほぼ全量が糞中に排泄された
2)。
17. 臨床成績
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第III相試験(一般臨床試験)
保存療法期の慢性腎不全患者566例を対象として、球形吸着炭の投与を1日3〜6g(分3)より開始し、主治医の判断により増減して実施された。その結果、透析導入時期は球形吸着炭投与で非投与群に比し延長されることが認められた
3)。
17.1.2 国内第III相試験(二重盲検比較試験)
プラセボを対照薬として、進行性の慢性腎不全患者244例(球形吸着炭群124例、プラセボ群120例)を対象とし、1日6g(分3)、24週間の投与で実施された。その結果、球形吸着炭群では血清クレアチニンの逆数〜時間プロットの傾斜(S-Cr逆数傾斜)が試験後に有意に緩やかになり、また尿毒症症状は投与2週後より球形吸着炭群がプラセボ群に比し優れた改善を示した。球形吸着炭群の全般改善度は改善以上45%(55/122)、やや改善以上71%(87/122)であり、プラセボ群の22%(26/119)、33%(39/119)に比べ有意に優れていた
4)。
S-Cr逆数傾斜の試験開始前後の比較
| | 症例数 | 前 | 後 | W検定 |
| A群 | 119 | −329±245 | −222±378 | p<0.001 |
| P群 | 118 | −293±184 | −274±279 | N.S. |
18. 薬効薬理
18.1 作用機序
球形吸着炭は、内服により慢性腎不全における尿毒症毒素を消化管内で吸着し、便とともに排泄されることにより、尿毒症症状の改善や透析導入を遅らせる効果をもたらす
5)。
18.2 慢性腎不全に対する作用
18.2.1 腎不全モデルラットに投与したとき、腎不全病態悪化抑制(摂餌量・体重の維持、血清クレアチニン・尿素窒素の上昇抑制、糸球体濾過機能の低下抑制、腎組織病変の悪化抑制)が得られ、生存日数が延長する
6)7)8)。
18.2.2 保存期慢性腎不全患者に投与したとき、血清クレアチニンの上昇が抑制され、尿毒症症状が改善され、透析導入までの期間が延長される
3)4)。
18.3 生物学的同等性試験
ラットにおいて球形吸着炭細粒分包2g「日医工」とクレメジン細粒分包2gを、インドールとともに十二指腸内投与して比較検討した結果、球形吸着炭細粒分包2g「日医工」及びクレメジン細粒分包2gはいずれも血漿中インドキシル硫酸濃度の上昇抑制作用を示し、生物学的に同等であると判断された
9)。
18.4 吸着特性
18.4.1 イオン性有機化合物
球形吸着炭細粒分包2g「日医工」は、慢性腎不全時に血中濃度が上昇するイオン性有機化合物に対して、高い吸着除去率を示した
10)。
18.4.2 消化酵素
球形吸着炭細粒分包2g「日医工」は、消化酵素に対して低い吸着量を示した
10)。
19. 有効成分に関する理化学的知見
19.1.
| 化学名 |
炭素 |
| 物理化学的性状 |
黒色球形の粒子で、においはない。 水又はエタノール(95)にほとんど溶けない。 |
20. 取扱い上の注意
室温で保存すること。30℃を超えると分包が膨張することがある。
22. 包装
23. 主要文献
-
秋澤忠男 他,
腎と透析, 45 (3), 373-388, (1998)
-
菅野三喜男 他,
基礎と臨床, 21 (5), 2411-2417, (1987)
-
越川昭三 他,
腎と透析, 23 (2), 373-381, (1987)
-
小出桂三 他,
臨床評価, 15 (3), 527-564, (1987)
-
小出桂三 他,
日本臨牀, 43 (特別号), 422-440, (1985)
-
越川昭三 他,
腎と透析, 21 (1), 199-206, (1986)
-
Kanai F.,et al.,
Japanese Journal of Nephrology., 28 (9), 1249-1259, (1986)
»PubMed
-
酒井糾 他,
日本腎臓学会誌, 31 (4), 359-365, (1989)
»DOI
-
社内資料:生物学的同等性試験
-
社内資料:薬効薬理試験
24. 文献請求先及び問い合わせ先
文献請求先
日医工株式会社
お客様サポートセンター
〒930-8583
富山市総曲輪1丁目6番21
電話:0120-517-215
FAX:076-442-8948
製品情報問い合わせ先
日医工株式会社
お客様サポートセンター
〒930-8583
富山市総曲輪1丁目6番21
電話:0120-517-215
FAX:076-442-8948
26. 製造販売業者等