2.1 本剤の成分に対する過敏症の既往歴のある患者
2.2 リルピビリン塩酸塩を投与中の患者[
10.1参照]
<低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制>
5.1 血栓・塞栓の形成抑制のために低用量のアスピリンを継続投与している患者を投与対象とし、投与開始に際しては、胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の既往を確認すること。
<非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制>
5.2 関節リウマチ、変形性関節症等における疼痛管理等のために非ステロイド性抗炎症薬を長期継続投与している患者を投与対象とし、投与開始に際しては、胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の既往を確認すること。
<ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助>
5.3 進行期胃MALTリンパ腫に対するヘリコバクター・ピロリ除菌治療の有効性は確立していない。
5.4 免疫性血小板減少症に対しては、ガイドライン等を参照し、ヘリコバクター・ピロリ除菌治療が適切と判断される症例にのみ除菌治療を行うこと。
5.5 早期胃癌に対する内視鏡的治療後胃以外には、ヘリコバクター・ピロリ除菌治療による胃癌の発症抑制に対する有効性は確立していない。
5.6 ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎に用いる際には、ヘリコバクター・ピロリが陽性であること及び内視鏡検査によりヘリコバクター・ピロリ感染胃炎であることを確認すること。
<胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、Zollinger-Ellison症候群>
通常、成人にはランソプラゾールとして1回30mgを1日1回経口投与する。なお、通常、胃潰瘍、吻合部潰瘍では8週間まで、十二指腸潰瘍では6週間までの投与とする。
<逆流性食道炎>
通常、成人にはランソプラゾールとして1回30mgを1日1回経口投与する。なお、通常8週間までの投与とする。
さらに、再発・再燃を繰り返す逆流性食道炎の維持療法においては、1回15mgを1日1回経口投与するが、効果不十分の場合は、1日1回30mgを経口投与することができる。
<非びらん性胃食道逆流症>
通常、成人にはランソプラゾールとして1回15mgを1日1回経口投与する。なお、通常4週間までの投与とする。
<低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制>
通常、成人にはランソプラゾールとして1回15mgを1日1回経口投与する。
<非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制>
通常、成人にはランソプラゾールとして1回15mgを1日1回経口投与する。
<ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助>
通常、成人にはランソプラゾールとして1回30mg、アモキシシリン水和物として1回750mg(力価)及びクラリスロマイシンとして1回200mg(力価)の3剤を同時に1日2回、7日間経口投与する。
なお、クラリスロマイシンは、必要に応じて適宜増量することができる。ただし、1回400mg(力価)1日2回を上限とする。
プロトンポンプインヒビター、アモキシシリン水和物及びクラリスロマイシンの3剤投与によるヘリコバクター・ピロリの除菌治療が不成功の場合は、これに代わる治療として、通常、成人にはランソプラゾールとして1回30mg、アモキシシリン水和物として1回750mg(力価)及びメトロニダゾールとして1回250mgの3剤を同時に1日2回、7日間経口投与する。
<逆流性食道炎>
7.1 維持療法において、1日1回30mgの投与は、1日1回15mg投与中に再発した例など15mgでは効果が不十分な場合に限る。
<非びらん性胃食道逆流症>
7.2 投与開始2週後を目安として効果を確認し、症状の改善傾向が認められない場合には、酸逆流以外の原因が考えられるため他の適切な治療への変更を考慮すること。[
15.1.5参照]
<胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍>
8.1 長期の使用経験は十分でないので、維持療法には用いないことが望ましい。
<逆流性食道炎>
8.2 維持療法においては、再発・再燃を繰り返す患者に対し投与することとし、本来維持療法の必要のない患者に投与することのないよう留意すること。また、1日1回30mg又は15mgの投与により寛解状態が長期にわたり継続する症例で、減量又は投与中止により再発するおそれがないと判断される場合は1日1回15mgに減量又は中止すること。なお、維持療法中は定期的に内視鏡検査を実施するなど観察を十分に行うことが望ましい。
<非びらん性胃食道逆流症>
8.3 問診により胸やけ、呑酸等の酸逆流症状が繰り返しみられること(1週間あたり2日以上)を確認のうえ投与すること。
なお、本剤の投与が胃癌、食道癌等の悪性腫瘍及び他の消化器疾患による症状を隠蔽することがあるので、内視鏡検査等によりこれらの疾患でないことを確認すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.3 肝機能障害患者
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物試験(ラット)において胎児血漿中濃度は母動物の血漿中濃度より高いことが認められている
1)。また、ウサギ(経口30mg/kg/日)で胎児死亡率の増加が認められている
2)。なお、ラットにランソプラゾール(50mg/kg/日)、アモキシシリン水和物(500mg/kg/日)及びクラリスロマイシン(160mg/kg/日)を併用投与した試験で、母動物での毒性の増強とともに胎児の発育抑制の増強が認められている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物試験(ラット)で母乳中へ移行することが報告されている
1)。
9.7 小児等
9.8 高齢者
低用量から投与を開始するなど慎重に投与すること。一般に高齢者では酸分泌能は低下しており、その他生理機能の低下もある。
相互作用序文
本剤は主として肝薬物代謝酵素CYP2C19又はCYP3A4で代謝される。
また、本剤の胃酸分泌抑制作用により、併用薬剤の吸収を促進又は抑制することがある。
薬物代謝酵素用語
CYP2C19
薬物代謝酵素用語
CYP3A4
10.1 併用禁忌
リルピビリン塩酸塩 エジュラント [2.2参照] | リルピビリン塩酸塩の作用を減弱するおそれがある。 | 本剤の胃酸分泌抑制作用によりリルピビリン塩酸塩の吸収が低下し、リルピビリンの血中濃度が低下する可能性がある。 |
10.2 併用注意
| テオフィリン | テオフィリンの血中濃度が低下することがある。 | 本剤が肝薬物代謝酵素を誘導し、テオフィリンの代謝を促進することが考えられている。 |
| タクロリムス水和物 | タクロリムスの血中濃度が上昇することがある。 | 本剤が肝薬物代謝酵素におけるタクロリムスの代謝を競合的に阻害するためと考えられている。 |
ジゴキシン メチルジゴキシン | 左記薬剤の作用を増強する可能性がある。 | 本剤の胃酸分泌抑制作用によりジゴキシンの加水分解が抑制され、ジゴキシンの血中濃度が上昇する可能性がある。 |
イトラコナゾール チロシンキナーゼ阻害剤 ゲフィチニブ ボスチニブ水和物 ニロチニブ塩酸塩水和物 エルロチニブ塩酸塩 アカラブルチニブ セリチニブ ダサチニブ水和物 ダコミチニブ水和物 ラパチニブトシル酸塩水和物 カプマチニブ塩酸塩水和物 | 左記薬剤の作用を減弱する可能性がある。 ボスチニブ水和物との併用は可能な限り避けること。 | 本剤の胃酸分泌抑制作用により左記薬剤の血中濃度が低下する可能性がある。 |
| 酸化マグネシウム | 酸化マグネシウムの緩下作用が減弱するおそれがある。 | 本剤の胃酸分泌抑制作用による胃内pH上昇により酸化マグネシウムの溶解度が低下するためと考えられる。 |
| ベルモスジルメシル酸塩 | ベルモスジルメシル酸塩の血中濃度が低下する可能性がある。 | 本剤の胃酸分泌抑制作用による胃内pH上昇によりベルモスジルメシル酸塩の吸収が抑制されるおそれがある。 |
| メトトレキサート | メトトレキサートの血中濃度が上昇することがある。高用量のメトトレキサートを投与する場合は、一時的に本剤の投与を中止することを考慮すること。 | 機序は不明である。 |
フェニトイン ジアゼパム | 左記薬剤の作用を増強する可能性がある。 | これらの薬剤の代謝、排泄が遅延することが類薬(オメプラゾール)で報告されている。 |
11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
<効能共通>
11.1.1 アナフィラキシー(全身発疹、顔面浮腫、呼吸困難等)(0.1%未満注1))、ショック(0.1%未満注1))
11.1.2 汎血球減少、無顆粒球症、溶血性貧血(0.1%未満注1))、顆粒球減少(0.14%注1))、血小板減少(0.15%注1))、貧血(0.14%注1))
11.1.3 肝機能障害(0.1%未満注1))
黄疸、AST、ALTの上昇等を伴う重篤な肝機能障害があらわれることがある。
11.1.4 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(0.1%未満注1))
11.1.5 間質性肺炎(0.1%未満注1))
発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音の異常(捻髪音)等があらわれた場合には、速やかに胸部X線等の検査を実施し、本剤の投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
11.1.6 尿細管間質性腎炎(頻度不明)
急性腎障害に至ることもあるので、腎機能検査値(BUN、クレアチニン上昇等)に注意すること。
11.1.7 視力障害(頻度不明)
<ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助>
11.1.8 偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎(0.1%未満注1))
ヘリコバクター・ピロリの除菌に用いるアモキシシリン水和物、クラリスロマイシンでは、偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがあるので、腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
注1)発現頻度は承認時までの臨床試験又は製造販売後調査の結果に基づく。
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
<胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、逆流性食道炎、Zollinger-Ellison症候群、非びらん性胃食道逆流症、低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制、非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制>
| | 0.1〜5%未満 | 0.1%未満 | 頻度不明 |
| 過敏症 | 発疹、そう痒 | | 多形紅斑 |
| 皮膚 | | | 亜急性皮膚エリテマトーデス |
| 肝臓 | AST、ALT、Al-P、LDH、γ-GTPの上昇 | | |
| 血液 | 好酸球増多 | | |
| 消化器 | 便秘、下痢、口渇、腹部膨満感、大腸炎(collagenous colitis等注3)を含む) | 悪心、嘔吐、食欲不振、腹痛、カンジダ症、味覚異常、口内炎 | 舌炎 |
| 精神神経系 | 頭痛、眠気 | うつ状態、不眠、めまい、振戦 | |
| その他 | 発熱、総コレステロール、尿酸の上昇 | 女性化乳房、浮腫、倦怠感、舌・口唇のしびれ感、四肢のしびれ感、筋肉痛、脱毛 | かすみ目、脱力感、関節痛、低ナトリウム血症、低マグネシウム血症、低カリウム血症、低カルシウム血症 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
<ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助>
| | 5%以上 | 1〜5%未満 | 1%未満 |
| 消化器 | 軟便(13.7%)、下痢(9.1%) | 味覚異常、腹部膨満感 | 悪心、嘔吐、腹痛、便秘、口内炎、舌炎、口渇、胸やけ、胃食道逆流、食欲不振 |
| 肝臓 | | AST、ALT、Al-P、LDH、γ-GTP、ビリルビンの上昇 | |
| 血液 | | 好中球減少、好酸球増多、白血球増多、貧血 | 血小板減少 |
| 過敏症 | | 発疹 | そう痒 |
| 精神神経系 | | | 頭痛、眠気、めまい、不眠、しびれ感、うつ状態 |
| その他 | | トリグリセライド、尿酸の上昇、総コレステロールの上昇・低下、尿蛋白陽性、尿糖陽性 | 倦怠感 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
<ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助>
なお、外国で行われた試験で認められている副作用(頻度1%以上)は次のとおりである。
| | 5%以上 | 1〜5%未満 |
| 消化器 | 下痢(13.2%)、味覚異常(8.7%) | 悪心、嘔吐、口内炎、腹痛、排便回数増加 |
| 肝臓 | | AST、ALTの上昇 |
| 過敏症 | | 発疹 |
| 精神神経系 | | 頭痛、めまい |
<ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助>
ランソプラゾール等のプロトンポンプインヒビターやアモキシシリン水和物、クラリスロマイシン等の抗生物質及びメトロニダゾールの服用中や投与終了直後では、13C-尿素呼気試験の判定結果が偽陰性になる可能性があるため、13C-尿素呼気試験による除菌判定を行う場合には、これらの薬剤の投与終了後4週以降の時点で実施することが望ましい。
14.1 薬剤交付時の注意
14.1.1 PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
14.1.2 本剤は舌の上にのせて唾液を浸潤させると崩壊するため、水なしで服用可能である。また、水で服用することもできる。
15.1 臨床使用に基づく情報
<効能共通>
15.1.1 本剤の長期投与中に良性の胃ポリープを認めたとの報告がある。
15.1.2 本剤の投与が胃癌による症状を隠蔽することがあるので、悪性でないことを確認のうえ投与すること。
15.1.3 海外における複数の観察研究で、プロトンポンプインヒビターによる治療において骨粗鬆症に伴う股関節骨折、手関節骨折、脊椎骨折のリスク増加が報告されている。特に、高用量及び長期間(1年以上)の治療を受けた患者で、骨折のリスクが増加した。
15.1.4 海外における主に入院患者を対象とした複数の観察研究で、プロトンポンプインヒビターを投与した患者においてクロストリジウム・ディフィシルによる胃腸感染のリスク増加が報告されている。
<非びらん性胃食道逆流症>
15.1.5 食道内酸逆流の高リスクである中高齢者、肥満者、裂孔ヘルニア所見ありのいずれにも該当しない場合には本剤の治療効果が得られにくいことが臨床試験により示されている。[
7.2参照]
<低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制>
15.1.6 低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発リスクは、ヘリコバクター・ピロリ感染陽性及び加齢により高まる可能性のあることが臨床試験により示唆されている。
15.2 非臨床試験に基づく情報
15.2.1 ラットに52週間強制経口投与した試験で、50mg/kg/日群(臨床用量の約100倍)において1例に良性の精巣間細胞腫が認められている
3)。さらに、24ヵ月間強制経口投与した試験で、15mg/kg/日以上の群において良性の精巣間細胞腫の発生増加が、また、5mg/kg/日以上の群において胃のカルチノイド腫瘍が認められており、加えて、雌ラットの15mg/kg/日以上及び雄ラットの50mg/kg/日以上の群において網膜萎縮の発生頻度の増加が認められている。
精巣間細胞腫及び網膜萎縮については、マウスのがん原性試験、イヌ、サルの毒性試験では認められず、ラットに特有な変化と考えられる。
15.2.2 ラットにランソプラゾール(15mg/kg/日以上)、アモキシシリン水和物(2,000mg/kg/日)を4週間併用経口投与した試験、及びイヌにランソプラゾール(100mg/kg/日)、アモキシシリン水和物(500mg/kg/日)、クラリスロマイシン(25mg/kg/日)を4週間併用経口投与した試験で、アモキシシリン水和物を単独あるいは併用投与した動物に結晶尿が認められているが、結晶はアモキシシリン水和物が排尿後に析出したものであり、体内で析出したものではないことが確認されている。
16.1 血中濃度
16.1.1 反復投与
健康成人(6例)に1回30mg又は15mg(いずれもカプセル剤)を1日1回7日間朝絶食下に反復経口投与した時の血清中濃度の推移、尿中排泄率から体内蓄積性はないものと考えられる
4)。
16.1.2 ランソプラゾール、アモキシシリン水和物及びクラリスロマイシン併用時の薬物動態
健康成人(6例)にランソプラゾールとして1回30mg(カプセル剤)、アモキシシリン水和物として1回1,000mg(力価)及びクラリスロマイシンとして1回400mg(力価)の3剤を同時に経口投与した時
注)、ランソプラゾールの未変化体の薬物動態学的パラメータは下表のとおりである。
| | 絶食下 |
| Tmax(hr) | 1.7±0.5 |
| Cmax(ng/mL) | 1,104±481 |
| T1/2(hr) | 1.9±1.9 |
| AUC(ng・hr/mL) | 5,218±6,284 |
なお、3剤併用時の3剤各々の血清中濃度は単独投与時の血清中濃度とほぼ同様の推移を示した。
また、健康成人(7例)に3剤を同様の用量で同時に1日2回7日間反復経口投与した時の薬物動態から、蓄積性はないと考えられる
5)。
注)ヘリコバクター・ピロリ感染に対する承認用法・用量と異なる。[6.参照]
16.1.3 生物学的同等性試験
ランソプラゾールOD錠15mg「DK」とタケプロンOD錠15を、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(ランソプラゾールとして15mg)健康成人男子に絶食後、水あり及び水なし単回経口投与して血清中ランソプラゾール濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)〜log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された
6)。
(1)水で服用
| | n | 判定パラメータ | 参考パラメータ |
| AUC0-24(ng・hr/mL) | Cmax(ng/mL) | Tmax(hr) | T1/2(hr) |
| ランソプラゾールOD錠15mg「DK」 | 20 | 1302.6±452.1 | 490.9±138.7 | 1.8±1.1 | 1.3±0.3 |
| タケプロンOD錠15 | 20 | 1272.1±418.6 | 529.8±140.6 | 1.7±0.7 | 1.3±0.3 |
(2)水なしで服用
| | n | 判定パラメータ | 参考パラメータ |
| AUC0-24(ng・hr/mL) | Cmax(ng/mL) | Tmax(hr) | T1/2(hr) |
| ランソプラゾールOD錠15mg「DK」 | 20 | 1339.6±579.3 | 453.8±132.7 | 2.1±0.9 | 1.3±0.4 |
| タケプロンOD錠15 | 20 | 1294.7±529.0 | 460.4±193.5 | 2.1±1.2 | 1.4±0.4 |
血清中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.5 排泄
健康成人(6例)に1回30mg(カプセル剤)を絶食下又は食後に、また、1回15mg(カプセル剤)を絶食下に経口投与した場合、尿中には代謝物として排泄され、ランソプラゾールの未変化体は検出されなかった。投与後24時間までの尿中排泄率は13.1〜23.0%であった
4)。
16.7 薬物相互作用
ランソプラゾールと水酸化アルミニウムゲル・水酸化マグネシウムを同時に服用すると、ランソプラゾールの血漿中濃度が低下することが外国で報告されている
7)。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
<胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、逆流性食道炎、Zollinger-Ellison症候群>
17.1.1 国内第II/III相試験(一般臨床試験及び二重盲検試験)
成人患者を対象に、1日1回30mgを一般臨床試験では主として2〜8週間、二重盲検比較対照試験では8週間(胃潰瘍)及び6週間(十二指腸潰瘍)経口投与した臨床試験において、最終内視鏡判定が行われたランソプラゾール投与群1,109例の疾患別治癒率は下表のとおりである
8)9)10)11)12)13)14)15)16)17)18)19)20)21)22)23)24)25)26)27)28)。
| 疾患名 | 例数 | 治癒例数(治癒率) |
| 胃潰瘍 | 575 | 505(87.8) |
| 十二指腸潰瘍 | 445 | 418(93.9) |
| 吻合部潰瘍 | 19 | 17(89.5) |
| 逆流性食道炎 | 67 | 61(91.0) |
| Zollinger-Ellison症候群 | 3 | 3(100) |
| 計 | 1,109 | 1,004(90.5) |
なお、胃潰瘍及び十二指腸潰瘍患者を対象とした二重盲検比較対照試験の結果、ランソプラゾールの有用性が認められている。
また、1日1回30mgを8週間経口投与することにより治癒と判定された逆流性食道炎の患者を対象に、さらに維持療法として1日1回15mgを24週間経口投与した二重盲検比較対照試験の結果、ランソプラゾールの有用性が確認されている
29)30)。
<非びらん性胃食道逆流症>
17.1.2 国内第III相試験(二重盲検試験)
成人患者を対象に、1日1回15mgを経口投与した二重盲検比較対照試験の結果、投与開始後4週間での胸やけの無症状日数の割合(中央値)はランソプラゾール投与群で67.9%(69例)、プラセボ群で42.9%(72例)である。
副作用発現頻度はランソプラゾール投与群で8.6%(6/70)であった
31)。
<低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制>注1)
17.1.3 国内第III相試験(二重盲検試験)及び長期継続投与試験
低用量アスピリン(1日81〜324mg)の長期投与を必要とし、かつ胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の既往歴を有する成人患者を対象としたランソプラゾール投与群(1日1回15mg経口投与)と対照群との二重盲検比較対照試験の結果、中間解析時におけるKaplan-Meier法により推定した治療開始361日時点の胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の累積発症率は、ランソプラゾール投与群9.5%(95%信頼区間:0.00〜23.96)、対照群57.7%(95%信頼区間:29.33〜85.98)であり、対照群に対するハザード比は0.0793(95%信頼区間:0.0239〜0.2631)(logrank検定:p<0.00001)であった。また、最終解析時におけるKaplan-Meier法により推定した治療開始361日時点の胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の累積発症率は、ランソプラゾール投与群3.7%(95%信頼区間:0.69〜6.65)、対照群31.7%(95%信頼区間:23.86〜39.57)であり、対照群に対するハザード比は0.0989(95%信頼区間:0.0425〜0.2300)(logrank検定:p<0.0001)であった。
さらに、上記試験後非盲検下でランソプラゾールを継続して、あるいは、対照群をランソプラゾールに切り替えて、1日1回15mgを24週間経口投与した長期継続投与試験において、胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の発症は認められなかった
32)33)。
副作用発現頻度はランソプラゾール投与群で16.2%(55/339)であり、主な副作用は、便秘4.1%(14/339)、下痢3.2%(11/339)であった
32)。
注1)非ステロイド性抗炎症薬長期投与時の試験成績は含まれていない。
<非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制>
17.1.4 国内第III相試験(二重盲検試験)及び長期継続投与試験
関節リウマチ、変形性関節症等の疼痛管理のために、非ステロイド性抗炎症薬の長期投与を必要とし、かつ胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の既往歴を有する成人患者を対象としたランソプラゾール投与群(1日1回15mg経口投与)と対照群との二重盲検比較対照試験の結果、Kaplan-Meier法により推定した治療開始361日時点の胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の累積発症率は、ランソプラゾール投与群12.7%(95%信頼区間:5.85〜19.59)、対照群36.9%(95%信頼区間:27.51〜46.35)であり、対照群に対するハザード比は0.2510(95%信頼区間:0.1400〜0.4499)(logrank検定:p<0.0001)であった。
副作用発現頻度はランソプラゾール投与群で15.3%(28/183)であり、主な副作用は下痢4.4%(8/183)、高ガストリン血症2.7%(5/183)であった
34)。
<胃潰瘍又は十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター・ピロリ感染>
17.1.5 国内第III相試験(二重盲検試験)
ヘリコバクター・ピロリ陽性の胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の成人患者を対象とした除菌の臨床試験(ランソプラゾール、アモキシシリン水和物及びクラリスロマイシンの3剤投与)における除菌
注2)率は下表のとおりである。
胃潰瘍における除菌率(7日間経口投与)
| 各薬剤の1回投与量 | 投与回数 | 除菌率 |
ランソプラゾール 30mg アモキシシリン水和物 750mg(力価) クラリスロマイシン 200mg(力価) | 2回/日 | 87.5%(84/96例) |
ランソプラゾール 30mg アモキシシリン水和物 750mg(力価) クラリスロマイシン 400mg(力価) | 2回/日 | 89.2%(83/93例) |
十二指腸潰瘍における除菌率(7日間経口投与)
| 各薬剤の1回投与量 | 投与回数 | 除菌率 |
ランソプラゾール 30mg アモキシシリン水和物 750mg(力価) クラリスロマイシン 200mg(力価) | 2回/日 | 91.1%(82/90例) |
ランソプラゾール 30mg アモキシシリン水和物 750mg(力価) クラリスロマイシン 400mg(力価) | 2回/日 | 83.7%(82/98例) |
除菌率は基本解析対象集団を対象とした。
副作用発現頻度は50.5%(217/430)であり、主な副作用は軟便13.7%(59/430)、下痢8.8%(38/430)であった
35)。
なお、米国及び英国で行われたヘリコバクター・ピロリ陽性の十二指腸潰瘍等に対する除菌の臨床試験
注3)においても、同程度の除菌率が認められている
36)37)。
注2)培養法及び組織診断法の結果がいずれも陰性。
注3)各薬剤の投与量、投与期間は下記のとおりであり、国内の承認用法・用量と異なる。[6.参照]
米国
ランソプラゾールとして1回30mg、アモキシシリン水和物として1回1,000mg(力価)及びクラリスロマイシンとして1回500mg(力価)の3剤を1日2回、10日間又は14日間経口投与
英国
ランソプラゾールとして1回30mg、アモキシシリン水和物として1回1,000mg(力価)及びクラリスロマイシンとして1回250mg(力価)の3剤を1日2回、7日間経口投与
17.3 その他
17.3.1 血清ガストリンに及ぼす影響
1日1回30mgを、胃潰瘍患者には8週間経口投与した場合、血清ガストリン値の有意な上昇が認められるが、投与終了4週後に回復する
26)。
17.3.2 内分泌機能に及ぼす影響
胃潰瘍及び十二指腸潰瘍患者に1日1回30mgを8週間経口投与した場合、プロラクチン、コルチゾール、GH、TSH、T
3、T
4、LH、FSH、DHEA-S、テストステロン、エストラジオールに殆ど影響を及ぼさない
27)。
17.3.3 胃粘膜の内分泌細胞密度に及ぼす影響
胃潰瘍及び十二指腸潰瘍患者に1日1回30mgを8週間経口投与した場合、胃粘膜の内分泌細胞密度に影響を及ぼさない
28)。