2.1 本剤の成分に対し過敏性素因のある患者
2.2 エストロゲン依存性悪性腫瘍(例えば乳癌、子宮内膜癌)、子宮頸癌及びその疑いのある患者[腫瘍の悪化あるいは顕性化を促すことがある。][
8.9-
8.12参照]
2.3 診断の確定していない異常性器出血のある患者[性器癌の疑いがある。出血が性器癌による場合は、癌の悪化あるいは顕性化を促すことがある。][
8.9、
8.11、
8.12参照]
2.4 血栓性静脈炎、肺塞栓症、脳血管障害、冠動脈疾患又はその既往歴のある患者[血液凝固能が亢進され、これらの症状が増悪することがある。][
11.1.1参照]
2.6 前兆(閃輝暗点、星型閃光等)を伴う片頭痛の患者[前兆を伴う片頭痛の患者は前兆を伴わない患者に比べ脳血管障害(脳卒中等)が発生しやすくなるとの報告がある。][
11.1.1参照]
2.7 肺高血圧症又は心房細動を合併する心臓弁膜症の患者、亜急性細菌性心内膜炎の既往歴のある心臓弁膜症の患者[血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告がある。][
9.1.9、
11.1.1参照]
2.8 血管病変を伴う糖尿病患者(糖尿病性腎症、糖尿病網膜症等)[血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告がある。][
11.1.1参照]
2.9 血栓性素因のある患者[血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告がある。][
11.1.1参照]
2.10 抗リン脂質抗体症候群の患者[血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告がある。][
11.1.1参照]
2.11 手術前4週以内、術後2週以内、産後4週以内及び長期間安静状態の患者[血液凝固能が亢進され、心血管系の副作用の危険性が高くなることがある。][
8.6、
11.1.1参照]
2.12 重篤な肝障害のある患者[
9.3.1参照]
2.13 肝腫瘍のある患者[症状が増悪することがある。]
2.14 脂質代謝異常のある患者[血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告がある。また、脂質代謝に影響を及ぼす可能性があるため、症状が増悪することがある。][
11.1.1参照]
2.15 高血圧のある患者(軽度の高血圧の患者を除く)[血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告がある。また、症状が増悪することがある。][
9.1.10、
11.1.1参照]
2.16 妊娠中に黄疸、持続性そう痒症又は妊娠ヘルペスの既往歴のある患者[症状が再発するおそれがある。]
2.18 骨成長が終了していない可能性がある患者[骨端の早期閉鎖を来すおそれがある。]
1日1錠を24〜80日間連続経口投与し、その後4日間休薬する。以後連続投与と休薬を繰り返す。
7.1 毎日一定の時刻に服用すること。
7.2 服用開始日
本剤を初めて服用する場合、月経周期のいずれの日からでも服用を開始することができるが、月経開始日以外の日から服用を開始する場合は、服用開始前に妊娠していないことを確認すること。また、妊娠を避けるため、飲み始めの最初の1週間はホルモン剤以外の避妊法を用いること。
7.3 本剤の投与にあたっては、飲み忘れ等がないよう服用方法等を十分指導すること。
7.4 万一前日の飲み忘れに気付いた場合、直ちに前日の飲み忘れた錠剤を服用し、当日の錠剤も通常の服用時刻に服用する。2日以上服薬を忘れた場合は、気付いた時点で前日分の1錠を服用し、当日の錠剤も通常の服薬時刻に服用し、その後は当初の服薬スケジュールどおり服用を継続すること。
8.1 本剤を避妊目的で使用しないこと。
8.2本剤の服用により、年齢、喫煙、肥満、家族歴等のリスク因子の有無にかかわらず血栓症があらわれることがあるので、次のような症状があらわれた場合は直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
緊急対応を要する血栓症の主な症状
下肢の急激な疼痛・腫脹、突然の息切れ、胸痛、激しい頭痛、四肢の脱力・麻痺、構語障害、急性視力障害等
患者に対しても、このような症状があらわれた場合は、直ちに服用を中止し、救急医療機関を受診するよう説明すること。[
11.1.1参照]
8.3 本剤の服用中に、血栓症が疑われる症状があらわれた場合は、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。[
11.1.1参照]
血栓症が疑われる症状
下肢の疼痛・腫脹・しびれ・発赤・熱感、頭痛、嘔気・嘔吐等
8.4 血栓症のリスクが高まる状態(体を動かせない状態、顕著な血圧上昇、脱水等)が認められる場合は、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。[
11.1.1参照]
8.5 患者には、投与開始時及び継続時に以下について説明すること。[
11.1.1参照]
・血栓症は生命に関わる経過をたどることがあること。
・血栓症が疑われる症状があらわれた場合や、血栓症のリスクが高まる状態になった場合は、症状・状態が軽度であっても直ちに服用を中止し医師等に相談すること。
・血栓症を疑って他の医療機関を受診する際は、本剤の使用を医師に告知し、本剤による血栓症を念頭においた診察を受けられるようにすること。
8.6 本剤服用中にやむを得ず手術が必要と判断される場合には、血栓症の予防に十分配慮すること。[
2.11、
11.1.1参照]
8.8 本剤は黄体ホルモンと卵胞ホルモンの配合剤であることから、黄体ホルモン又は卵胞ホルモンを含有する薬剤(経口避妊剤等)を使用している場合は、本剤の投与開始前に中止させること。また、本剤投与中にこれらの薬剤を使用しないよう患者に指導すること。
8.9 本剤の投与にあたっては、患者の病歴調査及び検診が必要である。この検診には、血圧測定、乳房・腹部の検査及び臨床検査が含まれる。また、投与中は6ヵ月毎の検診を行い、1年に1回以上、子宮・卵巣を中心とした骨盤内臓器の検査を行うこと。また、1年に1回、子宮頸部の細胞診の実施を考慮すること。[
2.2、
2.3、
9.1.2参照]
8.11 服用中に不正性器出血が長期間持続する場合は、悪性疾患によるものではないことを確認の上、投与すること。[
2.2、
2.3参照]
8.12 本剤投与により希発月経等の月経異常や不正性器出血がみられる。患者にはあらかじめ十分に説明し、通常の月経に比べて出血量が多く持続日数が長い場合あるいは月経の発来がない場合には、医師へ相談するよう指導すること。出血が続く患者には必要に応じて血液検査等を実施し、異常が認められた場合には鉄剤の投与又は本剤の投与中止など適切な処置を行うこと。[
2.2、
2.3参照]
8.13 服用中に激しい下痢、嘔吐が続いた場合には本剤の吸収不良を来すことがあり、不正性器出血の発現の可能性及び妊娠のリスクが高くなるので注意すること。
8.14 本剤投与中は経過を十分に観察し、期待する効果が得られない場合には漫然と投与を継続せず、他の適切な治療を考慮すること。
8.15 器質的疾患を伴う月経困難症患者に対する本剤の投与にあたっては、器質的疾患の増悪の有無を確認するため、不正性器出血の発現に注意し、定期的に内診及び超音波検査等による診察を行うこと。本剤投与中に腫瘤が増大するなど器質的疾患の増悪が認められる場合や、臨床症状の改善がみられない場合は、他の治療法も勘案した上で投与継続の判断を行うこと。特に、子宮内膜症性卵巣のう胞(卵巣チョコレートのう胞)は、頻度は低いものの自然経過において悪性化を示唆する報告があるので、画像診断や腫瘍マーカー等の検査も行うこと。
8.16 本剤の投与に際しては、問診、基礎体温の測定、免疫学的妊娠診断等により、妊娠していないことを十分に確認すること。[
2.17、
9.5参照]
8.17 本剤の服用方法を遵守していない場合等何らかの理由により妊娠の可能性が疑われる場合は、医師に相談するよう患者に指導し、妊娠の有無について確認すること。[
2.17、
9.5参照]
8.18 妊娠を希望する場合には、本剤の投与を中止後、月経周期が回復するまで避妊させることが望ましい。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 40歳以上の患者(ただし、1日15本以上の喫煙者には投与しないこと)
一般に心筋梗塞等の心血管系の障害が発生しやすくなる年代であるため、これを助長するおそれがある。[
2.5、
8.7、
11.1.1参照]
9.1.2 子宮筋腫のある患者
定期的に内診や画像診断等の検査を行うなど慎重に投与すること。症状が増悪することがある。[
8.9参照]
9.1.3 乳癌の既往歴のある患者
9.1.4 乳癌の家族歴又は乳房に結節のある患者
定期的に乳房検診を行うなど慎重に投与すること。エストロゲン投与と乳癌発生についてその関連性を示唆する報告もある。[
8.10参照]
9.1.5 喫煙者(ただし、35歳以上で1日15本以上の喫煙者には投与しないこと)
9.1.6 肥満の患者
血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告がある。[
11.1.1参照]
9.1.7 血栓症の家族歴を持つ患者
血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告がある。[
11.1.1参照]
9.1.8 前兆を伴わない片頭痛の患者
脳血管障害(脳卒中等)が発生しやすくなるとの報告がある。[
11.1.1参照]
9.1.9 心臓弁膜症の患者(ただし、肺高血圧症又は心房細動を合併する心臓弁膜症の患者、亜急性細菌性心内膜炎の既往歴のある心臓弁膜症の患者には投与しないこと)
9.1.10 軽度の高血圧(妊娠中の高血圧の既往も含む)のある患者
血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告がある。また、症状が増悪することがある。[
2.15、
11.1.1参照]
9.1.11 耐糖能の低下している患者(糖尿病患者及び耐糖能異常の患者)
十分コントロールを行いながら投与すること。耐糖能が低下することがある。
9.1.12 ポルフィリン症の患者
9.1.13 遺伝性及び後天性血管性浮腫のある患者
9.1.14 心疾患又はその既往歴のある患者
ナトリウム又は体液の貯留により症状が増悪することがある。
9.1.15 てんかん患者
9.1.16 テタニーのある患者
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 腎疾患又はその既往歴のある患者
ナトリウム又は体液の貯留により症状が増悪することがある。
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重篤な肝障害のある患者
投与しないこと。代謝能が低下しており肝臓への負担が増加するため、症状が増悪することがある。[
2.12参照]
9.3.2 肝障害のある患者(重篤な肝障害のある患者を除く)
代謝能が低下しており肝臓への負担が増加するため、症状が増悪することがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。妊娠が確認された場合には投与を中止すること。[
2.17、
8.16、
8.17参照]
9.6 授乳婦
授乳を避けさせること。母乳の量的質的低下が起こることがある。また、母乳中への移行、児において黄疸、乳房腫大が報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
相互作用序文
本剤の成分であるデソゲストレルは、主に肝代謝酵素CYP2C9、CYP2C19に、その活性代謝物である3-ケトデソゲストレルはCYP3A4により代謝される。また、本剤の成分であるエチニルエストラジオールは、主にCYP3A4により代謝される。
薬物代謝酵素用語
CYP2C9
薬物代謝酵素用語
CYP2C19
薬物代謝酵素用語
CYP3A4
10.2 併用注意
副腎皮質ホルモン プレドニゾロン等 三環系抗うつ剤 イミプラミン等 セレギリン塩酸塩 シクロスポリン テオフィリン オメプラゾール | これらの薬剤の作用が増強するおそれがある。 | 本剤はこれらの薬剤の代謝を抑制すると考えられる。 |
リファンピシン バルビツール酸系製剤 フェノバルビタール等 ヒダントイン系製剤 フェニトインナトリウム等 カルバマゼピン ボセンタン モダフィニル トピラマート | 本剤の効果の減弱化及び不正性器出血の発現率が増大するおそれがある。 | これらの薬剤は薬物代謝酵素を誘導し、本剤の代謝を促進すると考えられる。 |
テトラサイクリン系抗生物質 テトラサイクリン等 ペニシリン系抗生物質 アンピシリン等 | 本剤の効果の減弱化及び不正性器出血の発現率が増大するおそれがある。 | これらの薬剤は腸内細菌叢を変化させ、本剤の腸肝循環による再吸収を抑制すると考えられる。 |
| テルビナフィン塩酸塩 | 黄体ホルモン・卵胞ホルモン配合剤との併用で、月経異常があらわれたとの報告がある。 | 機序不明 |
Gn-RH誘導体 ブセレリン酢酸塩等 | これらの薬剤の作用を減弱するおそれがある。 | これらの薬剤は性ホルモンの分泌を低下することにより薬効を示すため、性ホルモンである本剤の投与によってこれらの薬剤の効果を減弱する可能性が考えられる。 |
血糖降下剤 インスリン製剤 スルフォニル尿素系製剤 スルフォンアミド系製剤 ビグアナイド系製剤等 | 血糖降下剤の作用が減弱することがある。血糖値その他患者の状態を十分観察し、血糖降下剤の用量を調節するなど注意する。 | 本剤は耐糖能を低下させ、血糖降下剤の作用を減弱させると考えられる。 |
| ラモトリギン | 経口避妊剤との併用でラモトリギンの血中濃度が減少したとの報告があるので、ラモトリギン維持用量投与中に本剤を投与開始又は中止する場合は、ラモトリギンの用量調節を考慮すること。 | 肝におけるラモトリギンのグルクロン酸抱合が促進される。 |
モルヒネ サリチル酸 | これらの薬剤の血中濃度が低下するおそれがある。 | 本剤はこれらの薬剤のグルクロン酸抱合を促進すると考えられる。 |
HIV感染症治療薬 HIVプロテアーゼ阻害剤 リトナビル ダルナビル ホスアンプレナビル(リトナビル併用時) ロピナビル・リトナビル配合剤 非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤 ネビラピン | 本剤の作用が減弱するおそれがある。 | エチニルエストラジオールのAUCが減少する。 |
HIV感染症治療薬 エファビレンツ | 本剤の作用が減弱するおそれがある。 | デソゲストレルの活性代謝物であるエトノゲストレルの血中濃度が低下する。 |
HIV感染症治療薬 エトラビリン | 本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。 | エトラビリンは本剤の代謝酵素(CYP2C9)を阻害すると考えられる。 |
HCV感染症治療薬 アスナプレビル | 本剤の作用が減弱するおそれがある。 | エチニルエストラジオールのAUCが減少する。 |
HCV感染症治療薬 グレカプレビル水和物・ピブレンタスビル | ALT上昇のリスクが増加するおそれがある。 | 機序不明 |
フルコナゾール イトラコナゾール | 本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。 | 本剤の代謝酵素(CYP3A4)を阻害すると考えられる。 |
| ボリコナゾール | 本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。ボリコナゾールの血中濃度が上昇するおそれがある。 | ボリコナゾールは本剤の代謝酵素(CYP3A4)を阻害すると考えられる。 本剤がボリコナゾールの代謝酵素(CYP2C19)を阻害すると考えられる。 |
| アセトアミノフェン | 本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。アセトアミノフェンの血中濃度が低下するおそれがある。 | アセトアミノフェンはエチニルエストラジオールの硫酸抱合を阻害すると考えられる。本剤が肝におけるアセトアミノフェンのグルクロン酸抱合を促進すると考えられる。 |
| セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort,セント・ジョーンズ・ワート)含有食品 | 本剤の効果の減弱化及び不正性器出血の発現率が増大するおそれがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること。 | この食品は薬物代謝酵素を誘導し、本剤の代謝を促進すると考えられる。 |
11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 血栓症(四肢、肺、心、脳、網膜等)(1.0%)
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| | 5%以上 | 0.1〜5%未満 | 頻度不明 |
| 免疫系 | | | 過敏症 |
| 代謝及び栄養 | | 食欲減退 | 体液貯留、ナトリウムや体液の貯留による浮腫及び体重増加 |
| 精神 | | 気分の落ち込み、抑うつ気分、気分変化 | リビドー減退、リビドー亢進 |
| 神経系 | | 頭痛、傾眠、浮動性めまい、前兆を伴わない片頭痛 | 片頭痛 |
| 眼 | | | 視力障害、網膜血流障害による視力障害 |
| 心臓 | | 高血圧 | 期外収縮、動悸 |
| 呼吸器 | | | 咽頭痛、咳嗽 |
| 胃腸 | 悪心 | 腹部不快感、軟便、腹部膨満 | 腹痛、嘔吐、下痢、便秘、消化不良 |
| 肝胆道系 | | 肝機能異常、胆石症 | 黄疸 |
| 皮膚及び皮下組織 | | | 発疹、蕁麻疹、紅斑、結節性紅斑、多形紅斑、ざ瘡、湿疹、そう痒症、色素沈着注)、脱毛症、血管性浮腫 |
| 筋骨格系 | | 筋骨格硬直、四肢痛 | 背部痛 |
| 生殖系及び乳房 | 月経中間期出血(50.7%) | 子宮出血、重度月経出血、異常子宮出血、骨盤痛、乳房不快感、乳房痛、乳房腫脹、乳房圧痛 | 腟分泌物、性交疼痛、乳房腫大、乳房分泌 |
| 一般・全身 | | 末梢性浮腫、倦怠感、浮腫 | 口渇、顔面浮腫、胸痛、易刺激性 |
| 臨床検査 | | 体重増加、肝酵素上昇、AST増加、ALT増加 | 体重減少、血圧上昇、白血球数減少、血中アルドステロン増加 |
含有するエチニルエストラジオールの作用による血清蛋白(コルチコイド結合性グロブリン、サイロキシン結合性グロブリン等)の増加により、総コルチゾール、総T3、総T4の上昇がみられることがある。また、これらの遊離型は変化しないとされている。これら検査値の判定に際しては注意すること。
14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
15.1 臨床使用に基づく情報
15.1.1 外国での疫学調査の結果、静脈血栓症のリスクは、経口避妊剤を服用している女性は服用していない女性に比し、3.25〜4.0倍高くなるとの報告がある。また、静脈血栓症のリスクは経口避妊剤服用開始の最初の1年間において最も高くなるとの報告がある。さらに、外国での大規模市販後調査の結果、初めて経口避妊剤の服用を開始した時だけでなく、4週間以上の中断後に服用を再開した時又は4週間以上の中断後に別の経口避妊剤へ切り替えた時にも静脈血栓症のリスクが上昇し、そのリスクは服用開始後3ヵ月間が特に高いとの報告がある。また、1995年〜1996年にデソゲストレルを含む経口避妊剤はレボノルゲストレル等の経口避妊剤に比較して、静脈血栓症の相対危険率を増加させることを示唆する報告(レボノルゲストレル等の経口避妊剤による静脈血栓症の患者が1年間で1万人当たり1人であるのに対してデソゲストレルを含む経口避妊剤では2人になる)がある。ちなみに、妊娠による静脈血栓の発症は1年間で1万人当たり6人といわれている。
15.1.2 外国での疫学調査の結果、経口避妊剤を服用している女性は、一度も服用したことのない女性と比較して、乳癌になる可能性が1.24倍高くなるとの報告がある。また、経口避妊剤服用中止後のリスクについて、中止後1-4年で1.16倍、5-9年で1.07倍、10年以上で1.01倍高いとの報告がある。
15.1.3 子宮頸癌の最も重要なリスク因子は、持続的なヒトパピローマウイルス(HPV)感染であることが知られている。疫学調査の結果から、本剤の長期服用により子宮頸癌のリスクが増加する可能性が報告されている。しかしながら、この知見が子宮頸癌検診の増加、性行動の違い(バリア避妊法の使用を含む)等の交絡因子によるものか、あるいは本剤との因果関係によるものかについては、現時点では明確ではない。
15.1.4 外国で、経口避妊剤を2年以上服用した場合、良性肝腫瘍が10万人当たり3.4人発生するとの報告がある。また、腫瘍の破裂により腹腔内出血を起こす可能性がある。一方、悪性肝腫瘍(肝癌)の発生率は極めて低く、100万人当たり1人に満たない。
15.1.5 外国で、経口避妊剤の服用により全身性エリテマトーデス(SLE)の悪化、アナフィラキシー(様症状)、溶血性尿毒症症候群(HUS)があらわれたとの報告がある。
15.1.6 外国で、経口避妊剤の服用による角膜厚の変化等によりコンタクトレンズがうまく調整されないため、視力・視野の変化、装用時の不快感等がみられたとの報告がある。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第III相試験(OG8276A-301)(jRCT2031230276)
月経困難症患者(本剤群:17〜50歳、平均32.4歳、プラセボ群:19〜46歳、平均31.9歳)を対象とした無作為化プラセボ対照比較試験が実施された
3)。本試験は、二重盲検期(84日間
注1))、非盲検本剤継続投与期(85日以降最長365日、プラセボ群は本剤へ切替え)で構成され、主要評価項目である月経困難症スコア合計値
注2)の投与前
注3)から二重盲検期完了時点までの変化量(最小二乗平均値±標準誤差、二重盲検期の平均)は、本剤群では−2.50±0.113(158例、投与前:4.54±0.910(159例))、プラセボ群では−0.84±0.187(52例、投与前:4.43±0.913(52例))であった。両群間の差(本剤群−プラセボ群)の最小二乗平均値は−1.67(両側95%信頼区間:−2.08〜−1.26)であり、本剤のプラセボに対する優越性が検証された[p<0.001、月経困難症スコアのベースラインからの変化量を目的変数、投与群、月経困難症診断カテゴリー(原発性、続発性)、評価時点、投与群と評価時点の交互作用を説明変数、ベースラインの月経困難症スコアを共変量とするMMRM。反復測定されたスコアの共分散は無構造として検定された]。
注1)患者の選択に応じて、28日(24日間の服用期間/4日間の休薬期間)から最大84日(80日間の服用期間/4日間の休薬期間)を1サイクルとして投与した
注2)月経困難症スコア合計(月経困難症の程度+鎮痛薬の使用)
| | 程度 | 内容 | 月経困難症スコア |
| 月経困難症の程度 | なし | なし | 0 |
| 軽度 | 仕事(学業・家事)に若干の支障あり | 1 |
| 中等度 | 横になって休息したくなるほど仕事(学業・家事)への支障を来す | 2 |
| 重度 | 1日以上寝込み、仕事(学業・家事)ができない | 3 |
| 鎮痛薬の使用 | なし | なし | 0 |
| 軽度 | 過去28日間に、月経痛のために鎮痛薬を1日使用した | 1 |
| 中等度 | 過去28日間に、月経痛のために鎮痛薬を2日使用した | 2 |
| 重度 | 過去28日間に、月経痛のために鎮痛薬を3日以上使用した | 3 |
注3)無作為化の直前2回の月経周期における月経困難症スコアの平均値
二重盲検期(84日)終了時、本剤群の副作用は159例中84例(52.8%)で認められた。主な副作用は、月経中間期出血63例(39.6%)、悪心14例(8.8%)であった。その後の本剤継続投与期終了時(12ヵ月)、本剤群(プラセボからの切替え症例を含む)の副作用は、209例中132例(63.2%)で認められた。主な副作用は、月経中間期出血106例(50.7%)、悪心15例(7.2%)であった。
報告された血栓症2例中1例は、血栓症の発現数日前にCOVID-19感染症と診断され、非ステロイド性抗炎症薬による治療を受けた患者であった。
18.1 作用機序
本剤は、排卵抑制作用及び子宮内膜増殖抑制作用により、月経困難症に対して有効性を示すと考えられる。
18.2 排卵抑制作用
日本人の閉経前健康成人女性(5例)に本剤を1日1回21日間反復経口投与したとき、黄体ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、エストラジオール及びプロゲステロンの分泌抑制が認められた
1)。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。