医療用医薬品 : ウェイリズ

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医薬品情報


総称名 ウェイリズ
一般名 リルザブルチニブ
欧文一般名 Rilzabrutinib
製剤名 リルザブルチニブ製剤
薬効分類名 ブルトン型チロシンキナーゼ阻害剤
薬効分類番号 3999
KEGG DRUG
D11873 リルザブルチニブ
KEGG DGROUP
DG02022 BTK阻害薬
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
医薬品情報の概要は KEGG DRUG ページをご覧ください。

添付文書情報2026年6月 作成(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ウェイリズ錠400mg WAYRILZ Tablets サノフィ 3999072F1026 6168.3円/錠 劇薬, 処方箋医薬品

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.2 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5参照]

4. 効能または効果

持続性及び慢性免疫性血小板減少症

5. 効能または効果に関連する注意

以下の場合で、診療ガイドライン等の最新の情報を参考に、本剤の投与が適切と判断される患者に投与すること。
・他の治療にて十分な効果が得られない場合、又は忍容性に問題があると考えられる場合
・血小板数、臨床症状からみて出血リスクが高いと考えられる場合

6. 用法及び用量

通常、成人にはリルザブルチニブとして1回400mgを1日2回、経口投与する。

7. 用法及び用量に関連する注意

7.1 投与開始後、血小板数が安定するまでは血小板数を週1回を目安に測定し、その後は血小板反応及び臨床症状に応じて定期的に測定すること。
7.2 本剤を12週間投与しても臨床的に重要な出血を回避するのに十分なレベルまで血小板数が増加しない場合、本剤の投与中止を検討すること。[17.1.1参照]
7.3 空腹時の投与は避けることが望ましい。[16.2.2参照]

8. 重要な基本的注意

8.1 本剤は、血液疾患の治療に十分な経験を持つ医師のもとで使用すること。
8.2 重篤な感染症の発現、又はB型肝炎ウイルスの再活性化があらわれることがあるので、本剤投与前に適切な処置を行い、本剤投与中は感染症の発現又は悪化に十分注意すること。[9.1.1、11.1.1参照]
8.3 肝酵素の上昇があらわれることがあり、肝機能障害が起こるおそれがあるので、本剤の投与開始前及び投与中は定期的に肝機能検査(ビリルビン、AST及びALT等)を行うこと。[11.1.2参照]
8.4 間質性肺疾患の発現が報告されているので、息切れ、呼吸困難、咳嗽、発熱等の臨床症状を十分に観察すること。[11.1.3参照]

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 B型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者(HBs抗原陰性、かつHBc抗体又はHBs抗体陽性)
患者の臨床症状と臨床検査値の観察を十分に行い、B型肝炎ウイルスの再活性化の徴候に注意すること。[8.2、11.1.1参照]
9.1.2 先天性QT短縮症候群の患者
治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。QT間隔が短縮するおそれがある。[16.8.1参照]
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重度の腎機能障害のある患者(eGFR<30mL/min/1.73m2未満)
可能な限り投与を避けること。重度の腎機能障害のある患者を対象とした臨床試験は実施してない。[16.6.1参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 中等度以上の肝機能障害のある患者(Child-Pugh分類B又はC)
可能な限り投与を避けること。やむを得ず投与する場合には、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。本剤の曝露量が増加し、副作用が強くあらわれることがある。なお、重度の肝機能障害のある患者を対象とした臨床試験は実施していない。[16.6.2参照]
9.4 生殖能を有する者
妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後1週間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。[9.5参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。ラットでは、臨床曝露量の21.8倍で、着床後の胚損失及び早期吸収胚発生率の増加、胎児体重の減少、催奇形性(心血管系及び腎泌尿器系の奇形)が認められた1)。また、ウサギでは、臨床曝露量の0.68倍で催奇形性(心血管奇形)、5.6倍で着床後の胚損失及び早期吸収胚発生率の増加、催奇形性(腎泌尿器系の奇形)が認められた2)。[2.2、9.4参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒトにおける乳汁中への移行は不明である。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

10. 相互作用

相互作用序文
本剤は主にCYP3Aにより代謝される。
薬物代謝酵素用語
CYP3A
10.2 併用注意
強い又は中程度のCYP3A阻害剤
リトナビル
フルコナゾール
エリスロマイシン
ベラパミル等
[16.7.1参照]
本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、これらの薬剤との併用は可能な限り避けること。これらの薬剤を短期間使用する場合は、本剤の中断を考慮すること。これらの薬剤との併用により、本剤の血漿中濃度が上昇する可能性がある。
グレープフルーツ含有食品本剤服用時は飲食を可能な限り避けること。これらの薬剤との併用により、本剤の血漿中濃度が上昇する可能性がある。
強い又は中程度のCYP3A誘導剤
フェニトイン
リファンピシン
カルバマゼピン等
[16.7.2参照]
本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、これらの薬剤との併用は可能な限り避けること。これらの薬剤との併用により、本剤の血漿中濃度が低下する可能性がある。
プロトンポンプ阻害薬
エソメプラゾール
オメプラゾール
ボノプラザンフマル酸塩等
[16.7.3参照]
本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、これらの薬剤との併用は可能な限り避けること。これらの薬剤との併用により、本剤の血漿中濃度が低下する可能性がある。
H2受容体拮抗薬
ファモチジン
ラニチジン
シメチジン等
[16.7.3参照]
H2受容体拮抗薬投与の2時間前に本剤を投与すること。これらの薬剤との併用により、本剤の血漿中濃度が低下する可能性がある。
制酸剤
炭酸カルシウム
水酸化マグネシウム
水酸化アルミニウム等
[16.7.3参照]
制酸剤投与の2時間前に本剤を投与すること。これらの薬剤との併用により、本剤の血漿中濃度が低下する可能性がある。
CYP3Aの基質となる薬剤
ミダゾラム
シンバスタチン
タクロリムス等
[16.7.4参照]
これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。本剤との併用により、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
治療域の狭いP-gpの基質となる薬剤
ジゴキシン
シクロスポリン
タクロリムス等
[16.7.5参照]
これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。In vitro試験において、本剤はP-gpを阻害する可能性が示されている。
OATP1B1/3又はBCRPの基質となる薬剤
ロスバスタチン
プラバスタチン
ピタバスタチン等
[16.7.5参照]
これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。本剤との併用により、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 感染症
COVID-19(17.2%)、上咽頭炎(咽頭炎を含む)(13.6%)、肺炎(1.5%)、尿路感染(7.6%)、腎膿瘍(0.5%)、創傷感染(1.0%)、サイトメガロウイルス血症(0.5%)等があらわれることがある。[8.2、9.1.1参照]
11.1.2 肝機能障害(5.1%)
ALT、AST、ビリルビン等の上昇を伴う肝機能障害があらわれることがある。[8.3参照]
11.1.3 間質性肺疾患(0.5%)
異常が認められた場合には、胸部X線、胸部CT等の検査を実施すること。間質性肺疾患が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。[8.4参照]
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 10%以上10%未満
神経系障害頭痛浮動性めまい
呼吸器、胸郭および縦隔障害 咳嗽、湿性咳嗽
胃腸障害下痢、悪心、腹痛、上腹部痛、腹部不快感、消化器痛嘔吐、消化不良
筋骨格系および結合組織障害関節痛 

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

15. その他の注意

15.2 非臨床試験に基づく情報
15.2.1 ラットを用いた単回投与毒性試験において、髄膜、血管周囲腔及び脳神経網への可逆的な好中球浸潤(極小〜軽度)が臨床曝露量の20.8倍である雌500mg/kg投与群で認められた3)。
15.2.2 ラットを用いた2年間のがん原性試験において、甲状腺腺腫及び甲状腺癌が臨床曝露量の2.4倍である雄100mg/kg/day投与群で認められた4)。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与及び反復投与
<健康被験者>
日本人健康被験者に本剤400mgを1日2回反復経口投与したときのリルザブルチニブの薬物動態パラメータ及び血漿中濃度推移は以下のとおりであった5)。
投与回数例数Cmax(ng/mL)AUClast(ng・h/mL)Tmaxa)(hr)t1/2b)(hr)
1回目11229(213)545(513)2.0(1-4)−
9回目11320(224)849(612)1.5(0.5-3)8.4(1.5)
日本人健康被験者に本剤を反復投与したときのリルザブルチニブの血漿中濃度推移(平均値±標準偏差)
<持続性及び慢性免疫性血小板減少症>
国際共同第3相試験(EFC17093試験)で免疫性血小板減少症患者に本剤400mgを1日2回反復経口投与したときの、リルザブルチニブの血漿中濃度は以下のとおりであった6)。
 投与1週
投与後a)
投与13週
投与前
投与25週
投与前
投与25週
投与後a)
例数1296399101
血漿中濃度(ng/mL)178.95(163.47)27.05(71.26)26.31(59.48)254.10(237.11)
16.1.2 母集団薬物動態解析
健康被験者(255例)及び免疫性血小板減少症患者(290例)から得られた血漿中リルザブルチニブ濃度データ(7076点)を用いて母集団薬物動態解析を行った結果、リルザブルチニブの薬物動態は1次吸収を伴う2コンパートメントモデルにより記述され、主な共変量として、クリアランスに対して性別、中枢コンパートメント分布容積に対して性別及び体重が選択された。最終モデルを用いたシミュレーションの結果、男性では、女性と比較してリルザブルチニブのCmaxが約0.79倍、AUCが約0.76倍であった。体重はリルザブルチニブのPKに顕著な影響を及ぼさなかった7)。[16.6.1参照]
16.2 吸収
16.2.1 絶対的バイオアベイラビリティ
健康被験者(8例)に本剤400mgを投与したときの絶対的バイオアベイラビリティは4.73%であった8)(外国人データ)。
16.2.2 食事の影響
健康被験者(24例)に高脂肪食とともに本剤400mgを単回経口投与したとき、空腹時投与と比較して、リルザブルチニブのAUCは約0.8倍、Cmaxは約0.7倍であり、Tmaxは1.5時間遅延した。胃腸障害の発現割合は、空腹時投与(58.3%)と比較して食後投与(16.7%)で低かった9)(外国人データ)。[7.3参照]
16.3 分布
リルザブルチニブの血漿タンパク結合率は97.5%であった10)(in vitro)。健康被験者(8例)にリルザブルチニブの14C-標識体100μgを単回静脈内投与したとき、最終相における分布容積は149Lであった(外国人データ)。健康被験者(10例)にリルザブルチニブの14C-標識体300mgを単回経口投与したとき、血漿中に対する血中の総放射能曝露量の比は0.786であった8)(外国人データ)。
16.4 代謝
リルザブルチニブは主にCYP3Aで代謝され(寄与率>89%)、一部はCYP2D6で代謝されること(寄与率<16%)が示された11)(in vitro)。
16.5 排泄
健康被験者(10例)にリルザブルチニブの14C-標識体300mgを単回経口投与したところ、放射能は主に糞便中(約86%)に排泄され、尿中(約5%)及び胆汁中(約6%)には少量排泄された。リルザブルチニブの約0.03%は尿中に未変化体で排出された8)(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
リルザブルチニブの腎排泄はわずかである。母集団薬物動態解析の結果、軽度及び中等度の腎機能(クレアチニンクリアランス:46〜419mL/min)は、リルザブルチニブの薬物動態に対する共変量として選択されなかった7)。[9.2.1、16.1.2参照]
16.6.2 肝機能障害患者
肝機能が正常な被験者並びに軽度(Child-Pugh分類A)又は中等度(Child-Pugh分類B)の肝機能障害患者(各7〜8例)に本剤400mgを単回経口投与したとき、肝機能が正常な被験者と比較して、軽度の肝機能障害患者ではリルザブルチニブの曝露量が約1.5倍に増加し、中等度の肝機能障害患者ではリルザブルチニブの曝露量が約4.5倍に増加した12)(外国人データ)。[9.3.1参照]
16.7 薬物相互作用
16.7.1 リトナビル
健康被験者(39例)に本剤400mgを強いCYP3A阻害剤であるリトナビルと併用投与したとき、本剤単独投与に対するリトナビル併用投与時のリルザブルチニブのCmaxは約5倍、AUCは約8倍であった13)(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.2 リファンピシン
健康被験者(16例)に本剤400mgを強いCYP3A誘導剤であるリファンピシンと併用投与したとき、本剤単独投与に対するリファンピシン併用投与時のリルザブルチニブのCmax及びAUCはいずれも約0.2倍であった14)(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.3 制酸剤
リルザブルチニブの溶解度はpHの上昇に伴い低下する。健康被験者(12例)に本剤300mgをプロトンポンプ阻害薬であるエソメプラゾールと併用投与したとき、本剤単独投与に対するエソメプラゾール併用投与時のリルザブルチニブのCmaxは約0.45倍、AUCは約0.49倍であった15)。健康被験者(14例)に本剤400mgをヒスタミンH2受容体拮抗薬であるファモチジンと併用投与したとき、本剤単独投与に対するファモチジン併用投与時のリルザブルチニブのCmaxは約0.72倍、AUCは約0.65倍であったが、リルザブルチニブをファモチジン投与の少なくとも2時間前に投与した場合は、リルザブルチニブの曝露量に顕著な変化は認められなかった16)(外国人データ)。その他の制酸剤(炭酸カルシウム等)がリルザブルチニブの薬物動態に及ぼす影響は確認されていないが、ファモチジンと同様の影響が想定される。[10.2参照]
16.7.4 ミダゾラム
健康被験者(14例)に本剤400mgをCYP3Aの基質であるミダゾラムと併用投与したとき、ミダゾラム単独投与に対する本剤併用投与時のミダゾラムの曝露量が1.7倍であった。リルザブルチニブ投与の2時間後にミダゾラムを投与した場合、ミダゾラムの曝露量は約2.2倍であった17)。[10.2参照]
16.7.5 トランスポーター阻害作用
リルザブルチニブはP-糖タンパク質、乳癌耐性タンパク(BCRP)及び有機アニオントランスポーター(OATP)1Bを阻害する可能性が示された18)(in vitro)。[10.2参照]
16.8 その他
16.8.1 QT間隔に対する影響
健康被験者(39例)を対象に、プラセボ、本剤400mg、又はリトナビル(100mgを1日2回)併用投与下で本剤400mgを単回投与した後、モキシフロキサシン400mgを単回投与したときのQTcF間隔を測定した。本剤単独及び本剤とリトナビル併用投与時におけるプラセボで補正したQTcFのベースラインからの変化量(ΔΔQTcF)の平均値は、それぞれ最大で−7.3及び−10.2msであった19)(外国人データ)。[9.1.2参照]

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国際共同第3相検証試験(EFC17093試験)
過去に免疫グロブリン(IVIg/抗DIg)療法又は副腎皮質ステロイドのいずれかの治療により、血小板数50,000/μL以上を達成したものの治療効果が持続せず、他の免疫性血小板減少症(ITP)の標準治療に対して不耐又は効果不十分である12歳以上の持続性及び慢性ITP患者を対象に、多施設共同、ランダム化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間試験を実施した。本試験では、12歳以上18歳未満については診断後6ヵ月超、18歳以上については診断後3ヵ月超の、投与前までの2時点の血小板数の平均値が30,000/μL未満かつ1時点で35,000/μLを超えないITP患者が対象とされた。ITPに対する前治療は、副腎皮質ステロイド、トロンボポエチン受容体作動薬、免疫グロブリン(IVIg/抗Dig)、リツキシマブ等であった。また、試験期間中、必要な場合は、副腎皮質ステロイド又はトロンボポエチン受容体作動薬との使用は可能とされた。用法・用量は、本剤400mg又はプラセボを1日2回投与することとされた。有効性及び安全性の評価は12歳以上18歳未満と18歳以上とで別々に実施することとされた。以下では18歳以上の持続性及び慢性ITP患者202例(日本人9例を含む)の二重盲検期の結果を示す。
主要評価項目である持続的な血小板反応(救済療法を実施せず、24週間の二重盲検期の最後の12週間に週1回で予定された少なくとも8回の欠測のない血小板数測定のうち3分の2以上で50,000/μL以上。ただし、最後の6週間に週1回で予定された少なくとも2回の欠測のない血小板数測定で50,000/μL以上であること。)の達成割合は下表のとおりであり、プラセボ群と比較して本剤群で有意に高かった。
評価項目 本剤400mg
(133例)
プラセボ
(69例)
持続的な血小板反応の達成割合割合%(例数)23.3(31)0(0)
プラセボ群との差a(95%信頼区間)23.1(15.95,30.31)
p値b<0.0001
副作用は、本剤群で51.1%(68/133例)に認められた。主な副作用は、下痢(30例[22.6%])、悪心(23例[17.3%])及び頭痛(10例[7.5%])であった6)。[7.2参照]

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
本剤は、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)に可逆的に共有結合してBTK活性を阻害することにより、B細胞による自己抗体産生及びFcγ受容体を介した貪食を阻害し、血小板減少を抑制すると考えられている。
18.2 B細胞に対する効果
本剤は、ヒトB細胞において、抗IgM抗体によるB細胞活性化及び増殖を抑制した20)。
18.3 単球に対する効果
本剤は、ヒト単球において、IgGを介したFcγ受容体活性化を抑制した21)。
18.4 ITPモデルにおける効果
本剤は、マウスにおいて、抗CD41抗体介在性血小板減少を用量依存的に抑制した22)。

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. リルザブルチニブ

一般的名称 リルザブルチニブ
一般的名称(欧名) Rilzabrutinib
化学名 (2EZ)-2-({(3R)-3-[4-Amino-3-(2-fluoro-4-phenoxyphenyl)-1H-pyrazolo[3,4-d]pyrimidin-1-yl]piperidin-1-yl}carbonyl)-4-methyl-4-[4-(oxetan-3-yl)piperazin-1-yl]pent-2-enenitrile
分子式 C36H40FN9O3
分子量 665.76
物理化学的性状 白色〜灰白色の固体である。エタノール(99.5)、メタノール、ジクロロメタン及びアセトンに溶けやすく、水にほとんど溶けない。
KEGG DRUG D11873

21. 承認条件

医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。

22. 包装

28錠[14錠(PTP)×2]

23. 主要文献

  1. 社内資料:ラットにおける経口(強制経口)投与による胚・胎児発生に関する試験(2026年6月19日承認、CTD2.6.6.6)
  2. 社内資料:ウサギにおける経口(強制経口)投与による胚・胎児発生に関する試験(2026年6月19日承認、CTD2.6.6.6)
  3. 社内資料:ラットを用いた単回投与毒性試験(2026年6月19日承認、CTD2.6.6.2)
  4. 社内資料:ラットを用いた2年間がん原性生試験(2026年6月19日承認、CTD2.6.6.5)
  5. 社内資料:日本人及び白人の健康成人を対象とした第1相臨床試験(2026年6月19日承認、CTD2.7.6.2)
  6. 社内資料:国際共同第3相検証試験(EFC17093試験)(2026年6月19日承認、CTD2.7.6.2)
  7. 社内資料:母集団薬物動態解析(2026年6月19日承認、CTD2.7.2.2)
  8. 社内資料:マスバランス試験(2026年6月19日承認、CTD2.7.6.2)
  9. 社内資料:食事の影響試験(2026年6月19日承認、CTD2.7.6.2)
  10. 社内資料:タンパク結合試験(2026年6月19日承認、CTD2.7.2.2)
  11. 社内資料:in vitro代謝試験(2026年6月19日承認、CTD2.7.2.2)
  12. 社内資料:肝機能障害がリルザブルチニブのPKに及ぼす影響を評価する試験(2026年6月19日承認、CTD2.7.6.2)
  13. 社内資料:リトナビルとの併用試験(2026年6月19日承認、CTD2.7.6.2)
  14. 社内資料:リファンピシンとの併用試験(2026年6月19日承認、CTD2.7.6.2)
  15. 社内資料:エソメプラゾールとの併用試験(2026年6月19日承認、CTD2.7.6.2)
  16. 社内資料:ファモチジンとの併用試験(2026年6月19日承認、CTD2.7.6.2)
  17. 社内資料:ミダゾラムとの併用試験(2026年6月19日承認、CTD2.7.6.2)
  18. 社内資料:in vitroトランスポーター試験(2026年6月19日承認、CTD2.7.2.2)
  19. 社内資料:Through QT試験(2026年6月19日承認、CTD2.7.6.2)
  20. 社内資料:抗IgM抗体誘導ヒトB細胞阻害試験(2026年6月19日承認、CTD2.6.2.2)
  21. 社内資料:単球Fc受容体活性化阻害試験(2026年6月19日承認、CTD2.6.2.2)
  22. 社内資料:マウスITPモデルを用いた薬理作用評価試験(2026年6月19日承認、CTD2.6.2.2)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
サノフィ株式会社 くすり相談室
〒163-1488 東京都新宿区西新宿三丁目20番2号
電話:フリーダイヤル 0120-109-905
URL:https://www.sanofimedicalinformation.com
製品情報問い合わせ先
サノフィ株式会社 くすり相談室
〒163-1488 東京都新宿区西新宿三丁目20番2号
電話:フリーダイヤル 0120-109-905
URL:https://www.sanofimedicalinformation.com

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
サノフィ株式会社
〒163-1488 東京都新宿区西新宿三丁目20番2号

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2026/10/21 版