医療用医薬品 : イミグラン

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医薬品情報


総称名 イミグラン
一般名 スマトリプタン
欧文一般名 Sumatriptan
製剤名 スマトリプタン点鼻液
薬効分類名 5-HT1B/1D受容体作動型片頭痛治療剤
薬効分類番号 2160
ATCコード N02CC01
KEGG DRUG D00451 スマトリプタン
商品一覧 米国の商品 相互作用情報
KEGG DGROUP DG00836 スマトリプタン
商品一覧
JAPIC 添付文書(PDF)

添付文書情報


禁忌 効能・効果及び用法・用量 使用上の注意 薬物動態 臨床成績 薬効薬理 理化学的知見 包装 参考 主要文献

商品情報 詳細

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
イミグラン点鼻液20 IMIGRAN Nasal Spray グラクソ・スミスクライン 2160700Q1027 1017.1円/個 劇薬 , 処方箋医薬品

禁忌

次の患者には投与しないこと

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

心筋梗塞の既往歴のある患者、虚血性心疾患又はその症状・兆候のある患者、異型狭心症(冠動脈攣縮)のある患者[不整脈、狭心症、心筋梗塞を含む重篤な虚血性心疾患様症状があらわれることがある]

脳血管障害や一過性脳虚血性発作の既往のある患者[脳血管障害や一過性脳虚血性発作があらわれることがある]

末梢血管障害を有する患者[症状を悪化させる可能性が考えられる]

コントロールされていない高血圧症の患者[一過性の血圧上昇を引き起こすことがある]

重篤な肝機能障害を有する患者[本剤は主に肝臓で代謝されるので、重篤な肝機能障害患者では血中濃度が上昇するおそれがある]

エルゴタミン、エルゴタミン誘導体含有製剤、あるいは他の5-HT1B/1D受容体作動薬を投与中の患者[「相互作用」の項参照]

モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAO阻害剤)を投与中、あるいは投与中止2週間以内の患者[「相互作用」の項参照]

効能・効果及び用法・用量

効能効果

片頭痛

効能効果に関連する使用上の注意

本剤は国際頭痛学会による片頭痛診断基準(「参考」の項参照)により「前兆のない片頭痛」あるいは「前兆のある片頭痛」と確定診断が行われた場合にのみ投与すること。特に次のような患者は、くも膜下出血等の脳血管障害や他の原因による頭痛の可能性があるので、本剤投与前に問診、診察、検査を十分に行い、頭痛の原因を確認してから投与すること。

今までに片頭痛と診断が確定したことのない患者

片頭痛と診断されたことはあるが、片頭痛に通常見られる症状や経過とは異なった頭痛及び随伴症状のある患者

家族性片麻痺性片頭痛、孤発性片麻痺性片頭痛、脳底型片頭痛あるいは眼筋麻痺性片頭痛の患者には投与しないこと。

用法用量

通常、成人にはスマトリプタンとして1回20mgを片頭痛の頭痛発現時に鼻腔内投与する。
なお、効果が不十分な場合には、追加投与をすることができるが、前回の投与から2時間以上あけること。
ただし、1日の総投与量を40mg以内とする。

用法用量に関連する使用上の注意

本剤は頭痛発現時にのみ使用し、予防的には使用しないこと。

本剤投与により全く効果が認められない場合は、その発作に対して追加投与をしないこと。このような場合は、再検査の上、頭痛の原因を確認すること。

スマトリプタン製剤を組み合わせて使用する場合には少なくとも以下の間隔をあけて投与すること。

点鼻液投与後に注射液あるいは錠剤を追加投与する場合には2時間以上

錠剤投与後に点鼻液を追加投与する場合には2時間以上

注射液投与後に点鼻液を追加投与する場合には1時間以上

使用上の注意

慎重投与

虚血性心疾患の可能性のある患者(例えば、虚血性心疾患を疑わせる重篤な不整脈のある患者、閉経後の女性、40歳以上の男性、冠動脈疾患の危険因子を有する患者)[不整脈、狭心症、心筋梗塞を含む重篤な虚血性心疾患様症状があらわれるおそれがある]

てんかん様発作の既往歴のある患者あるいはてんかん様発作発現を来す危険因子のある患者(脳炎等の脳疾患のある患者、痙攣の閾値を低下させる薬剤を使用している患者等)[てんかん様発作が発現したとの報告がある(「相互作用」の項参照)]

肝機能障害のある患者[本剤は主に肝臓で代謝されるので、重篤な肝機能障害患者では血中濃度が上昇するおそれがある]

腎機能障害のある患者[本剤は腎臓を介して排泄されるので、重篤な腎機能障害患者では血中濃度が上昇するおそれがある]

高齢者[「高齢者への投与」の項参照]

スルホンアミド系薬剤に過敏症の既往歴のある患者[本剤はスルホンアミド基を有するため、交叉過敏症(皮膚の過敏症からアナフィラキシーまで)があらわれる可能性がある]

コントロールされている高血圧症患者[一過性の血圧上昇や末梢血管抵抗の上昇が少数の患者でみられたとの報告がある]

脳血管障害の可能性のある患者[脳血管障害があらわれるおそれがある]

重要な基本的注意

本剤投与後、胸痛、胸部圧迫感等の一過性の症状(強度で咽喉頭部に及ぶ場合がある)があらわれることがある。このような症状が虚血性心疾患によると思われる場合には、以後の投与を中止し、虚血性心疾患の有無を調べるための適切な検査を行うこと。

心血管系の疾患が認められない患者においても、重篤な心疾患が極めてまれに発生することがある。このような場合は以後の投与を中止し、適切な処置を行うこと。

片頭痛あるいは本剤投与により眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械操作に従事させないよう十分注意すること。

相互作用

相互作用序文

本剤は、主としてモノアミンオキシダーゼ(MAO)で代謝される(「薬物動態」の項参照)。

薬物代謝酵素用語

モノアミンオキシダーゼ(MAO)

併用禁忌

エルゴタミン
エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン(クリアミン)
エルゴタミン誘導体含有製剤
ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩(ジヒデルゴット)
エルゴメトリンマレイン酸塩(エルゴメトリンF)
メチルエルゴメトリンマレイン酸塩(メテルギン)
血圧上昇又は血管攣縮が増強されるおそれがある。
本剤投与後にエルゴタミンあるいはエルゴタミン誘導体含有製剤を投与する場合、もしくはその逆の場合は、それぞれ24時間以上の間隔をあけて投与すること。
5-HT1B/1D受容体作動薬との薬理的相加作用により、相互に作用(血管収縮作用)を増強させる。
5-HT1B/1D受容体作動薬
ゾルミトリプタン(ゾーミッグ)
エレトリプタン臭化水素酸塩(レルパックス)
リザトリプタン安息香酸塩(マクサルト)
ナラトリプタン塩酸塩(アマージ)
血圧上昇又は血管攣縮が増強されるおそれがある。
本剤投与後に他の5-HT1B/1D受容体作動型の片頭痛薬を投与する場合、もしくはその逆の場合は、それぞれ24時間以内に投与しないこと。
併用により相互に作用を増強させる。
MAO阻害剤本剤の消失半減期(t1/2)が延長し、血中濃度−時間曲線下面積(AUC)が増加するおそれがあるので、MAO阻害剤を投与中あるいは投与中止2週間以内の患者には本剤を投与しないこと。MAO阻害剤により本剤の代謝が阻害され、本剤の作用が増強される可能性が考えられる。

併用注意

選択的セロトニン再取り込み阻害薬
フルボキサミンマレイン酸塩
パロキセチン塩酸塩水和物
セルトラリン塩酸塩
セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬
ミルナシプラン塩酸塩
デュロキセチン塩酸塩
セロトニン症候群(不安、焦燥、興奮、頻脈、発熱、反射亢進、協調運動障害、下痢等)があらわれることがある。セロトニンの再取り込みを阻害し、セロトニン濃度を上昇させる。よって本剤との併用により、セロトニン作用が増強する可能性が考えられる。
痙攣の閾値を低下させる薬剤てんかん様発作がおこることがある(「慎重投与」の項参照)。痙攣の閾値を低下させる可能性がある。

副作用

副作用発現状況の概要

承認時までの調査症例489例中、105例(21.5%)に臨床検査値異常を含む副作用が報告された。その主なものは、鼻症状(鼻炎、刺激感等)27例(5.5%)、咽喉頭症状(刺激感等)13例(2.7%)、身体各部の痛み10例(2.0%)、苦み10例(2.0%)、熱感8例(1.6%)、悪心・嘔吐8例(1.6%)、潮紅7例(1.4%)、倦怠感7例(1.4%)、眠気7例(1.4%)、めまい5例(1.0%)、AST(GOT)、ALT(GPT)上昇等の肝機能検査値異常5例(1.0%)であった(承認時)。

使用成績調査2240例中、123例(5.5%)に臨床検査値異常を含む副作用が報告された。その主なものは、鼻症状(鼻炎、刺激感等)26例(1.2%)、苦み19例(0.8%)であった(再審査終了時)。

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

アナフィラキシーショック、アナフィラキシー(頻度不明注1))がまれにあらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと。

不整脈、狭心症あるいは心筋梗塞を含む虚血性心疾患様症状(頻度不明注1))をおこすことがまれにあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し適切な処置を行うこと。

てんかん様発作(頻度不明注1))をおこすことがまれにあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し適切な処置を行うこと。

発現頻度は承認時までの臨床試験及び使用成績調査の結果をあわせて算出した。

注1)自発報告又は海外のみで認められている副作用については頻度不明とした。

その他の副作用

 1%以上1%未満頻度不明注1)
過敏症注2) 蕁麻疹、発疹等の皮膚症状 
呼吸器刺激感(痛み、異和感等)・灼熱感鼻炎(鼻汁、鼻閉、くしゃみ等)、鼻出血、呼吸困難 
循環器 動悸、頻脈、低血圧一過性の血圧上昇、徐脈、レイノー現象
消化器 悪心、嘔吐虚血性大腸炎
 視野狭窄、暗点ちらつき、複視、眼振、一過性の視力低下
精神神経系 眠気、めまい、感覚障害(錯感覚、しびれなどの感覚鈍麻等)、振戦ジストニア
肝臓 肝機能障害 
その他苦み痛み注3)、熱感注3)、倦怠感、冷感注3)、圧迫感注3)、脱力感、潮紅、重感注3)、ひっ迫感注3)  
発現頻度は承認時までの臨床試験及び使用成績調査の結果をあわせて算出した。注1)自発報告又は海外のみで認められている副作用については頻度不明とした。注2)このような場合には投与を中止すること。注3)これらの症状は通常一過性であるが、ときに激しい場合があり、胸部、咽喉頭部を含む身体各部でおこる可能性がある(「重要な基本的注意」の項参照)。また、痛みは頭痛、筋肉痛、関節痛、背部痛、頚部痛等を含む。

高齢者への投与

本剤は主として肝臓で代謝され、腎臓で排泄されるが、高齢者では肝機能あるいは腎機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続するおそれがあるので慎重に投与すること(「慎重投与」の項参照)。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない]。

授乳中の婦人には本剤投与後12時間は授乳を避けさせること[皮下投与後にヒト母乳中へ移行することが認められている[1]]。

小児等への投与

小児等に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。

過量投与

本剤の消失半減期は約2時間であり、過量投与時には、少なくとも10時間、あるいは症状・徴候が持続する限り患者をモニターすること。本剤に特異的な解毒薬はないので、重症中毒の場合、気道の確保・維持、適度の酸素負荷・換気、循環器系のモニタリング、対症療法を含む集中治療が望ましい。なお、血液透析・腹膜透析の効果は不明である。

適用上の注意

投与方法

鼻腔内噴霧用にのみ使用すること。

薬剤交付時

患者には本剤に添付の使用説明書を渡し、使用方法を指導すること。

鼻汁、鼻閉のある患者では本剤を投与する前に鼻をかむよう指導すること。
なお、鼻症状のある患者における本剤の安全性は確立していない(使用経験が少ない)。

薬物動態

血中濃度

健康成人

健康成人男性に20mgを単回鼻腔内投与した時の血漿中スマトリプタン濃度は下記のとおりである。本剤は鼻腔内投与後速やかに吸収され、投与10分後に鼻腔粘膜より吸収されたと考えられる最初のピークを認め、1.5時間後には主に嚥下により消化管より吸収されたと考えられる第2のピークを認めた。消失半減期は約2時間であった(日本人のデータ)。
なお、健康成人男性に20mgを単回鼻腔内投与した時の薬物動態パラメータは、日本人の成績と大きな差を認めなかった。また、健康成人女性に20mgを単回鼻腔内投与した時の薬物動態パラメータは、健康成人男性の成績と大きな差を認めなかった(外国人のデータ)。

図1 健康成人男性における単回投与時の血漿中濃度(平均値±標準偏差)

投与量Tmax(hr)t1/2(hr)Cmax(ng/mL)AUC0-∞(ng・hr/mL)
20mg1.30±0.731.87±0.5312.2±2.954.2±13.3
(平均値±標準偏差)

健康成人男性に20mgを1日1回5日間反復鼻腔内投与したとき、蓄積性は認められなかった(日本人のデータ)。

肝機能障害患者(外国人のデータ)

中等度の肝機能障害患者にスマトリプタン錠50mgを経口投与した場合、健康成人と比較してCmax及びAUC0-∞は約1.8倍に上昇した。

経口投与時の薬物動態との比較(外国人のデータ)[2]

健康成人男性に点鼻液20mg及び錠剤25mgを単回投与した時の投与後2時間までの血清中濃度推移は下記のとおりである。本剤では、経口投与と比較して、鼻腔粘膜からの吸収と思われる速やかな血中濃度の上昇を認めた。

図2 健康成人における点鼻液及び錠剤単回投与時の血清中濃度(平均値±標準偏差)

皮下及び経口投与時の薬物動態

健康成人男性に注射液3mg及び錠剤50mgを単回投与した時の薬物動態パラメータは下記の通りである。

製剤投与量Tmax(hr)t1/2(hr)Cmax(ng/mL)AUC0-∞(ng・hr/mL)
注射液3mg0.21±0.051.46±0.3044.0±17.546.3±12.2
錠剤50mg1.8±0.92.2±0.332.6±8.4117.8±23.7
(平均値±標準偏差)

代謝・排泄

ヒト肝ミクロソームを用いたin vitro代謝試験において、モノアミンオキシダーゼAの阻害剤による強い代謝阻害作用が認められ、本剤は主にモノアミンオキシダーゼAにより代謝されると考えられる[3]

健康成人男性に20mgを単回鼻腔内投与した時の投与後24時間までの未変化体及びインドール酢酸体の尿中排泄率は、それぞれ約3%及び約50%であった。

相互作用(外国人のデータ)

モノアミンオキシダーゼA阻害薬(モクロベミド)を予め単回あるいは反復経口投与することにより、本剤のAUCは増加(経口投与:約4.4倍、皮下投与:約1.8倍)し、消失半減期が延長(経口及び皮下投与:約1.4倍)した[4]

β遮断薬(プロプラノロール)、Ca拮抗薬(フルナリジン)あるいはアルコールとの併用投与において、本剤の薬物動態に変化は認められなかった[5][6]

その他の薬物速度論的パラメータ

血漿蛋白結合率

約34%(in vitro)

皮下投与に対する相対的生物学的利用率

約16%[2]

臨床成績

国内第III相臨床試験

国内で片頭痛を対象としたプラセボ対照二重盲検比較検証試験を実施した結果、主要評価項目である投与120分後の頭痛改善率は以下のとおりであり、スマトリプタン点鼻液20mg群はプラセボ群に比し有意に高い改善率を示した。
なお、頭痛改善率は頭痛の程度が「重度」又は「中等度」から、「軽度」又は「なし」に改善した症例の割合とした。

投与群頭痛改善率(投与120分後)χ2検定
プラセボ群36%(37例/102例)p=0.0001
20mg群63%(68例/108例)

海外第III相臨床試験

海外で片頭痛を対象としたプラセボ対照二重盲検比較検証試験を実施した結果、主要評価項目である投与120分後の頭痛改善率は以下のとおりであり、スマトリプタン点鼻液20mg群はプラセボ群に比し有意に高い改善率を示した。
また、スマトリプタン点鼻液20mg群の頭痛改善率の推移は経時的に上昇し、投与15分後以降すべての評価時間(投与120分後まで)においてプラセボ群に比し有意に高い改善率を示した。

投与群頭痛改善率(投与120分後)Mantel-Haenszel
χ2検定
プラセボ群25%(34例/138例)p<0.001
20mg群55%(153例/277例)

海外第II相臨床試験[参考]

海外で片頭痛を対象としたプラセボ対照二重盲検比較用量反応試験を実施した結果、主要評価項目である投与120分後の頭痛改善率は、スマトリプタン点鼻液2.5mg群37%(45例/121例)、5mg群49%(59例/121例)、10mg群46%(51例/112例)、20mg群64%(76例/118例)であった。5mg群、10mg群、20mg群はプラセボ群25%(16例/63例)に比し有意に高い改善率を示し、20mg群では5mg群及び10mg群に比しても有意に高い改善率を示した。また、スマトリプタン点鼻液20mg群の頭痛改善率は経時的に上昇し、投与15分後以降すべての評価時間(投与120分後まで)においてプラセボ群に比し有意に高い改善率を示した。

12ヵ月間における片頭痛発現時投与試験(海外データ)[参考]

海外で片頭痛を対象とした12ヵ月間における片頭痛発現時投与試験(スマトリプタン点鼻液20mg、オープン試験)を実施した結果、前半6ヵ月及び後半6ヵ月の頭痛改善率の平均値はそれぞれ78%(評価例数:116例)、75%(評価例数:113例)と同様の改善率を示し、スマトリプタン点鼻液20mg/回を長期にわたる複数回の発作に投与しても有効性は低下しなかった。
なお、本試験での頭痛改善率は当該期間中に症例ごとの頭痛改善(投与後120分)をみた発作の割合とした。

薬効薬理

5-HT1受容体に対する作用[7][8]

本薬は、レセプターバインディング試験において5-HT1B、5-HT1D受容体に対して選択的に高い親和性を示したが、5-HT2、5-HT3受容体やアドレナリン、ドパミン、ムスカリン及びベンゾジアゼピン受容体に対してはほとんど親和性を示さなかった。また、5-HT1受容体を有する摘出イヌ伏在静脈に対して濃度依存的な収縮作用を示し、その収縮は、5-HT1受容体拮抗薬メチオテピンで抑制されたが、5-HT2、5-HT3受容体や他の受容体の拮抗薬によってはほとんど影響されなかった。

各種摘出血管に対する作用[9][10][11][12][13][14]

イヌ及びヒトの摘出脳底動脈、ヒト摘出中硬膜動脈、ヒト側頭動脈、ヒト大脳動脈及びヒト摘出硬膜内の動脈を濃度依存的(1pM〜100μM)に収縮させた。これらの収縮は、5-HT1B/1D受容体の選択的拮抗薬であるGR55562やこれより選択性の劣る5-HT1受容体拮抗薬メチオテピンで抑制された。一方、イヌ冠動脈や大腿動脈に対してはほとんど作用を示さなかった。ヒト摘出冠動脈に対しては、TXA2類似薬であるU-46619(0.1μM)による収縮に対して最大約10%程の弱い収縮作用を示した。

麻酔動物の血管床に対する作用[15]

麻酔イヌへの鼻腔内投与(0.03〜1mg/kg)により、血圧、心拍数にほとんど影響することなく、用量依存的な頚動脈血管抵抗の上昇が認められた。静脈内投与(0.1〜1000μg/kg)によっても同様な頚動脈血管抵抗の上昇が認められたが、大動脈、冠動脈、腎動脈、上腸間膜動脈等に対しては、ほとんど作用を示さないか、示してもわずかであった。また、頚動脈血管抵抗上昇作用は、5-HT1受容体拮抗薬で抑制された。同様の結果が、ネコでも得られている。

脳循環に対する作用[16]

片頭痛発作時の成人患者に3mg又は6mgを皮下投与すると、臨床症状の改善と相関して、内頚動脈と中大脳動脈の血流速度が用量依存的に増加することが報告されている(外国人のデータ)。

作用機序[9][10][11][12][15][16][17]

スマトリプタンは5-HT1受容体、特に5-HT1B、5-HT1D受容体に作用して、頭痛発作時に過度に拡張した頭蓋内外の血管を収縮させることにより片頭痛を改善すると考えられる。
また、三叉神経に作用して、神経末端からのCGRP(calcitonin gene-related peptide)など起炎性ペプチドの放出を抑制することも、片頭痛の緩解に寄与していると考えられる。

有効成分に関する理化学的知見

一般名スマトリプタン
一般名(欧名)Sumatriptan
化学名3-[2-(Dimethylamino)ethyl]-N-methylindole-5-methanesulfonamide
分子式C14H21N3O2S
分子量295.40
融点約174℃
性状白色〜微黄色の粉末である。ジメチルスルホキシドに溶けやすく、メタノール又はエタノール(99.5)にやや溶けにくく、アセトニトリルに溶けにくく、水に極めて溶けにくい。
分配係数(logP):−0.73(1-オクタノール/水)
KEGG DRUGD00451

包装

イミグラン点鼻液20

0.1mL×6

参考

国際頭痛学会による片頭痛の分類注)

1.1 前兆のない片頭痛

1.2 前兆のある片頭痛

1.2.1 典型的前兆に片頭痛を伴うもの

1.2.2 典型的前兆に非片頭痛様の頭痛を伴うもの

1.2.3 典型的前兆のみで頭痛を伴わないもの

1.2.4 家族性片麻痺性片頭痛

1.2.5 孤発性片麻痺性片頭痛

1.2.6 脳底型片頭痛

1.3 小児周期性症候群(片頭痛に移行することが多いもの)

1.3.1 周期性嘔吐症

1.3.2 腹部片頭痛

1.3.3 小児良性発作性めまい

1.4 網膜片頭痛

1.5 片頭痛の合併症

1.5.1 慢性片頭痛

1.5.2 片頭痛発作重積

1.5.3 遷延性前兆で脳梗塞を伴わないもの

1.5.4 片頭痛性脳梗塞

1.5.5 片頭痛により誘発される痙攣

1.6 片頭痛の疑い

1.6.1 前兆のない片頭痛の疑い

1.6.2 前兆のある片頭痛の疑い

1.6.5 慢性片頭痛の疑い

国際頭痛学会による片頭痛診断基準注)

1.1 前兆のない片頭痛

A. B〜Dを満たす頭痛発作が5回以上ある

B. 頭痛の持続時間は4〜72時間(未治療もしくは治療が無効の場合)

C. 頭痛は以下の特徴の少なくとも2項目を満たす

片側性

拍動性

中等度〜重度の頭痛

日常的な動作(歩行や階段昇降などの)により頭痛が増悪する、あるいは頭痛のために日常的な動作を避ける

D. 頭痛発作中に少なくとも以下の1項目を満たす

悪心または嘔吐(あるいはその両方)

光過敏および音過敏

E. その他の疾患によらない

1.2 前兆のある片頭痛

A. Bを満たす頭痛が2回以上ある

B. 片頭痛の前兆がサブフォーム1.2.1〜1.2.6のいずれかの診断基準項目BおよびCを満たす

1.2.1 典型的前兆に片頭痛を伴うもの

A. B〜Dを満たす頭痛発作が2回以上ある

B. 少なくとも以下の1項目を満たす前兆があるが、運動麻痺(脱力)は伴わない

陽性徴候(例えばきらきらした光・点・線)および・または陰性徴候(視覚消失)を含む完全可逆性の視覚症状

陽性徴候(チクチク感)および・または陰性徴候(感覚鈍麻)を含む完全可逆性の感覚症状

完全可逆性の失語性言語障害

C. 少なくとも以下の2項目を満たす

同名性の視覚症状または片側性の感覚症状(あるいはその両方)

少なくとも1つの前兆は5分以上かけて徐々に進展するかおよび・または異なる複数の前兆が引き続き5分以上かけて進展する

それぞれの前兆の持続時間は5分以上60分以内

D. 1.1「前兆のない片頭痛」の診断基準B〜Dを満たす頭痛が、前兆の出現中もしくは前兆後60分以内に生じる

E. その他の疾患によらない

1.2.2 典型的前兆に非片頭痛様の頭痛を伴うもの

下記を除き1.2.1と同じ

D. 1.1「前兆のない片頭痛」のB〜Dを満たさない頭痛が、前兆の出現中もしくは前兆後60分以内に生じる

C. その他の疾患によらない

1.2.3〜1.2.6の診断基準については省略した

注)国際頭痛分類 第2版(ICHD-II):日本頭痛学会(新国際分類普及委員会)・厚生労働科学研究(慢性頭痛の診療ガイドラインに関する研究班)共訳より抜粋

主要文献


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17. Goadsby PJ,et al.,  Ann Neurol,  33,  48-56,  (1993) »PubMed

作業情報


改訂履歴

2016年9月 第7版 改訂
2017年12月 第8版 改訂

文献請求先

グラクソ・スミスクライン株式会社
東京都港区赤坂1-8-1
0120-561-007(9:00〜17:45/土日祝日及び当社休業日を除く)

業態及び業者名等

グラクソ・スミスクライン株式会社
東京都港区赤坂1-8-1


[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2019/1/23 版