医療用医薬品 : ドキシル |
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| 販売名 | ドキシル注20mg |
| 有効成分 | (1バイアル10mL中) ドキソルビシン塩酸塩20mg |
| 添加剤 | HSPC注1) 95.8mg |
| MPEG-DSPE注2) 31.9mg | |
| コレステロール 31.9mg | |
| 硫酸アンモニウム 6mg | |
| L-ヒスチジン 15.5mg | |
| 精製白糖 940mg | |
| pH調整剤 適量 |
ドキソルビシン塩酸塩をMPEG-DSPE修飾リポソームに封入した静脈内投与製剤である。
| 色・性状 | 赤色の懸濁液 |
| pH | 6.0〜7.0 |
【色】
赤色
【剤形】
懸濁液剤/懸濁剤/注射
販売名和名 : ドキシル注20mg
規格単位 : 20mg10mL1瓶
欧文商標名 : DOXIL Injection
規制区分
規制区分名称 : 劇薬
規制区分
規制区分名称 : 処方箋医薬品注)
規制区分備考 : 注)注意−医師等の処方箋により使用すること
日本標準商品分類番号 : 874235
承認番号 : 21900AMX00001000
販売開始年月 : 2007年2月
貯法及び期限等
貯法 : 2〜8℃
有効期間 : 20ヵ月
3.組成・性状
3.1 組成
| 販売名 | ドキシル注20mg |
| 有効成分 | (1バイアル10mL中) ドキソルビシン塩酸塩20mg |
| 添加剤 | HSPC注1) 95.8mg |
| MPEG-DSPE注2) 31.9mg | |
| コレステロール 31.9mg | |
| 硫酸アンモニウム 6mg | |
| L-ヒスチジン 15.5mg | |
| 精製白糖 940mg | |
| pH調整剤 適量 |
添加剤 : HSPC
添加剤 : MPEG-DSPE
添加剤 : コレステロール
添加剤 : 硫酸アンモニウム
添加剤 : L-ヒスチジン
添加剤 : 精製白糖
添加剤 : pH調整剤
3.2 製剤の性状
ドキソルビシン塩酸塩をMPEG-DSPE修飾リポソームに封入した静脈内投与製剤である。
| 色・性状 | 赤色の懸濁液 |
| pH | 6.0〜7.0 |
【色】
赤色
【剤形】
懸濁液剤/懸濁剤/注射
規格単位毎の効能効果及び用法用量
効能効果対用法用量
4.効能又は効果
○がん化学療法後に増悪した卵巣癌
○エイズ関連カポジ肉腫
6.用法及び用量
<がん化学療法後に増悪した卵巣癌>
通常、成人にはドキソルビシン塩酸塩として1日1回50mg/m2を1mg/分の速度で静脈内投与し、その後4週間休薬する。これを1コースとして投与を繰り返す。
なお、患者の状態により適宜減量する。
<エイズ関連カポジ肉腫>
通常、成人にはドキソルビシン塩酸塩として1日1回20mg/m2を1mg/分の速度で静脈内投与し、その後2〜3週間休薬する。これを1コースとして投与を繰り返す。
なお、患者の状態により適宜減量する。
5.効能又は効果に関連する注意
<がん化学療法後に増悪した卵巣癌>
本剤の投与を行う場合には、白金製剤を含む化学療法施行後の症例を対象とし、白金製剤に対する感受性を考慮して本剤以外の他の治療法を慎重に検討した上で、本剤の投与を開始すること。
7.用法及び用量に関連する注意
<がん化学療法後に増悪した卵巣癌>
7.1 他の抗悪性腫瘍剤と併用する場合、併用する他の抗悪性腫瘍剤は国内外の最新のガイドライン等を参考にした上で選択すること。
7.2 副作用により、本剤を休薬、減量、中止する場合には、以下の基準を考慮すること。なお、減量を行った場合は、有害事象が軽快しても減量前の投与量に戻さないこと。[11.1.2、11.1.4-11.1.6参照]
用量調節基準
7.2.1 手足症候群
| Grade | 用量の変更 |
| 1 (日常の活動を妨げない軽度の紅斑、腫脹又は落屑) | 患者が以前にGrade 3又は4の本事象を経験していない場合は投与を継続する。以前にGrade 3又は4の本事象を経験している場合は、最長2週間投与を延期し、投与再開時には用量を25%減量する。 |
| 2 (正常な身体活動を妨げるが、不可能にはしない程度の紅斑、落屑又は腫脹。直径が2cm未満の小さな水疱又は潰瘍) | Grade 0〜1に軽快するまで最長2週間投与を延期する。2週間たっても軽快しない場合は、用量を25%減量の上、投与を再開する。2週間以内に軽快し、以前にGrade 3又は4の本事象を経験していない場合は、投与を再開する。以前にGrade 3又は4の本事象を経験している場合は、用量を25%減量の上、投与を再開する。 |
| 3 (歩行又は正常な日常活動を妨げる程度の水疱、潰瘍又は腫脹。普段の衣服を着ることができない。) | Grade 0に回復するまで最長2週間投与を延期する。2週間たってもGrade 0〜2に軽快しない場合は、本剤の投与を中止する。2週間以内に軽快した場合は、用量を25%減量の上、投与を再開する。 |
| 4 (感染性合併症の原因となるびまん性又は局所性の進行、あるいは寝たきり状態又は入院) | Grade 0に回復するまで最長2週間投与を延期する。2週間たってもGrade 0〜2に軽快しない場合は、本剤の投与を中止する。2週間以内に軽快した場合は、用量を25%減量の上、投与を再開する。 |
7.2.2 口内炎
| Grade | 用量の変更 |
| 1 (痛みのない潰瘍、紅斑又は軽度の痛み) | 患者が以前にGrade 3又は4の本事象を経験していない場合は投与を継続する。以前にGrade 3又は4の本事象を経験している場合は、最長2週間投与を延期し、投与再開時には用量を25%減量する。 |
| 2 (痛みのある紅斑、浮腫又は潰瘍。食事はできる。) | Grade 0〜1に軽快するまで最長2週間投与を延期する。2週間たっても軽快しない場合は、用量を25%減量の上、投与を再開する。2週間以内に軽快し、以前にGrade 3又は4の本事象を経験していない場合は、投与を再開する。以前にGrade 3又は4の本事象を経験している場合は、用量を25%減量の上、投与を再開する。 |
| 3 (痛みのある紅斑、浮腫又は潰瘍。食事ができない。) | Grade 0に回復するまで最長2週間投与を延期する。2週間たってもGrade 0〜2に軽快しない場合は、本剤の投与を中止する。2週間以内に軽快した場合は、用量を25%減量の上、投与を再開する。 |
| 4 (経静脈又は経管栄養を必要とする。) | Grade 0に回復するまで最長2週間投与を延期する。2週間たってもGrade 0〜2に軽快しない場合は、本剤の投与を中止する。2週間以内に軽快した場合は、用量を25%減量の上、投与を再開する。 |
7.2.3 骨髄抑制
| Grade | 好中球(/μL) | 血小板(/μL) | 用量の変更 |
| 1 | 1,500以上 2,000未満 | 75,000以上 150,000未満 | 投与を継続する。 |
| 2 | 1,000以上 1,500未満 | 50,000以上 75,000未満 | 好中球1,500/μL以上、血小板75,000/μL以上になるまで投与を延期する。 |
| 3 | 500以上 1,000未満 | 25,000以上 50,000未満 | 好中球1,500/μL以上、血小板75,000/μL以上になるまで投与を延期する。 |
| 4 | 500未満 | 25,000未満 | 好中球1,500/μL以上、血小板75,000/μL以上になるまで投与を延期する。持続性の好中球数減少(好中球500/μL未満が7日以上継続するか、本剤投与後22日目までに軽快しない場合)又は血小板25,000/μL未満が認められた場合には、投与再開時、サイトカイン(G-CSF等)を併用するか、あるいは用量を25%減量する。 |
7.2.4 肝機能障害
| 血清ビリルビン値 | 用量の変更 |
| 1.2〜3.0mg/dL | 用量を25%減量の上、投与を再開する。 |
| 3.0mg/dLを超える | 本剤との因果関係が否定できない場合、本剤の投与を中止する。本剤との因果関係が否定される場合、用量を50%減量の上、投与を再開する。 |
7.2.5 その他の副作用
重度の副作用(Grade 3以上)が発現した場合、Grade 0〜2に軽快するまで最大2週間延期し、用量を25%減量する。
<エイズ関連カポジ肉腫>
7.3 本剤と他の抗悪性腫瘍剤を併用した場合の有効性及び安全性は確立していない。
7.4 副作用により、本剤を休薬、減量、中止する場合には、以下の基準を考慮すること。なお、減量を行った場合は、有害事象が軽快しても減量前の投与量に戻さないこと。[11.1.2、11.1.4-11.1.6参照]
用量調節基準
7.4.1 手足症候群
| Grade | 用量の変更 |
| 1 (日常の活動を妨げない軽度の紅斑、腫脹又は落屑) | 患者が以前にGrade 3又は4の本事象を経験していない場合は投与を継続する。以前にGrade 3又は4の本事象を経験している場合は、最長2週間投与を延期し、投与再開時には用量を25%減量する。 |
| 2 (正常な身体活動を妨げるが、不可能にはしない程度の紅斑、落屑又は腫脹。直径が2cm未満の小さな水疱又は潰瘍) | Grade 0〜1に軽快するまで最長2週間投与を延期する。2週間たっても軽快しない場合は、本剤の投与を中止する。2週間以内に軽快し、以前にGrade 3又は4の本事象を経験していない場合は、投与を再開する。以前にGrade 3又は4の本事象を経験している場合は、用量を25%減量の上、投与を再開する。 |
| 3 (歩行又は正常な日常活動を妨げる程度の水疱、潰瘍又は腫脹。普段の衣服を着ることができない。) | Grade 0〜1に軽快するまで最長2週間投与を延期する。2週間たっても軽快しない場合は、本剤の投与を中止する。2週間以内に軽快した場合は、用量を25%減量の上、投与を再開する。 |
| 4 (感染性合併症の原因となるびまん性又は局所性の進行、あるいは寝たきり状態又は入院) | Grade 0〜1に軽快するまで最長2週間投与を延期する。2週間たっても軽快しない場合は、本剤の投与を中止する。2週間以内に軽快した場合は、用量を25%減量の上、投与を再開する。 |
7.4.2 口内炎
| Grade | 用量の変更 |
| 1 (痛みのない潰瘍、紅斑又は軽度の痛み) | 患者が以前にGrade 3又は4の本事象を経験していない場合は投与を継続する。以前にGrade 3又は4の本事象を経験している場合は、最長2週間投与を延期し、投与再開時には用量を25%減量する。 |
| 2 (痛みのある紅斑、浮腫又は潰瘍。食事はできる。) | Grade 0〜1に軽快するまで最長2週間投与を延期する。2週間たっても軽快しない場合は、本剤の投与を中止する。2週間以内に軽快し、以前にGrade 3又は4の本事象を経験していない場合は、投与を再開する。以前にGrade 3又は4の本事象を経験している場合は、用量を25%減量の上、投与を再開する。 |
| 3 (痛みのある紅斑、浮腫又は潰瘍。食事ができない。) | Grade 0〜1に軽快するまで最長2週間投与を延期する。2週間たっても軽快しない場合は、本剤の投与を中止する。2週間以内に軽快した場合は、用量を25%減量の上、投与を再開する。 |
| 4 (経静脈又は経管栄養を必要とする。) | Grade 0〜1に軽快するまで最長2週間投与を延期する。2週間たっても軽快しない場合は、本剤の投与を中止する。2週間以内に軽快した場合は、用量を25%減量の上、投与を再開する。 |
7.4.3 骨髄抑制
| Grade | 好中球(/μL) | 血小板(/μL) | 用量の変更 |
| 1 | 1,500以上 2,000未満 | 75,000以上 150,000未満 | 投与を継続する。 |
| 2 | 1,000以上 1,500未満 | 50,000以上 75,000未満 | 好中球1,500/μL以上、血小板75,000/μL以上になるまで投与を延期する。 |
| 3 | 500以上 1,000未満 | 25,000以上 50,000未満 | 好中球1,500/μL以上、血小板75,000/μL以上になるまで投与を延期する。 |
| 4 | 500未満 | 25,000未満 | 好中球1,500/μL以上、血小板75,000/μL以上になるまで投与を延期する。投与再開時には、サイトカイン(G-CSF等)を併用するか、あるいは用量を25%減量する。 |
7.4.4 肝機能障害
肝機能障害のある患者に対する本剤の治療経験は限られている。従来のドキソルビシン塩酸塩製剤での経験に基づき、血清ビリルビン値が次のように上昇した場合は、本剤を減量することが望ましい。
・血清ビリルビン値が1.2〜3.0mg/dLの場合は、通常量の1/2
・血清ビリルビン値が3.0mg/dLを超える場合は、通常量の1/4
| [ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] | 2025/10/22 版 |