医療用医薬品 : ソリリス

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3. 組成・性状


3.1 組成

販売名成分1バイアル(ストッパー付)30mL中の分量
ソリリス点滴静注300mg有効成分エクリズマブ(遺伝子組換え)300mg
添加剤塩化ナトリウム263.1mg
リン酸二水素ナトリウム一水和物13.8mg
リン酸一水素ナトリウム七水和物53.4mg
ポリソルベート806.6mg

本剤は、マウス骨髄腫由来細胞を用いて製造される。製造工程において、培地成分としてウシの血清由来成分(アルブミン)及びウシの胎仔由来成分(血清)を使用している。

3.2 製剤の性状

販売名ソリリス点滴静注300mg
性状無色澄明な液
pHpH6.8〜7.2
浸透圧比(生理食塩液対比)約1(日局生理食塩液により希釈後(5mg/mL))

【色】
無色澄明
【剤形】
/液剤/注射


規格単位毎の明細 (ソリリス点滴静注300mg)

販売名和名 : ソリリス点滴静注300mg

規格単位 : 300mg30mL1瓶

欧文商標名 : SOLIRIS for Intravenous Infusion 300mg

規制区分

規制区分名称 : 生物由来製品

規制区分

規制区分名称 : 劇薬

規制区分

規制区分名称 : 処方箋医薬品注)

規制区分備考 : 注)注意−医師等の処方箋により使用すること

日本標準商品分類番号 : 876399

承認番号 : 22200AMX00316000

販売開始年月 : 2010年6月

貯法及び期限等

貯法 : 凍結を避け、2〜8℃で保存

有効期間 : 30ヵ月

3.組成・性状

3.1 組成

販売名成分1バイアル(ストッパー付)30mL中の分量
ソリリス点滴静注300mg有効成分エクリズマブ(遺伝子組換え)300mg
添加剤塩化ナトリウム263.1mg
リン酸二水素ナトリウム一水和物13.8mg
リン酸一水素ナトリウム七水和物53.4mg
ポリソルベート806.6mg

本剤は、マウス骨髄腫由来細胞を用いて製造される。製造工程において、培地成分としてウシの血清由来成分(アルブミン)及びウシの胎仔由来成分(血清)を使用している。

添加剤 : 塩化ナトリウム

添加剤 : リン酸二水素ナトリウム一水和物

添加剤 : リン酸一水素ナトリウム七水和物

添加剤 : ポリソルベート80

3.2 製剤の性状

販売名ソリリス点滴静注300mg
性状無色澄明な液
pHpH6.8〜7.2
浸透圧比(生理食塩液対比)約1(日局生理食塩液により希釈後(5mg/mL))

【色】
無色澄明
【剤形】
/液剤/注射

規格単位毎の効能効果及び用法用量

効能効果対用法用量

4.効能又は効果

○発作性夜間ヘモグロビン尿症における溶血抑制

○非典型溶血性尿毒症症候群における血栓性微小血管障害の抑制

○全身型重症筋無力症(ステロイド剤又はステロイド剤以外の免疫抑制剤が十分に奏効しない場合に限る)

○視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防

6.用法及び用量

<発作性夜間ヘモグロビン尿症における溶血抑制>

通常、成人には、エクリズマブ(遺伝子組換え)として、1回600mgから投与を開始する。初回投与後、週1回の間隔で初回投与を含め合計4回点滴静注し、その1週間後(初回投与から4週間後)から1回900mgを2週に1回の間隔で点滴静注する。

<非典型溶血性尿毒症症候群における血栓性微小血管障害の抑制及び全身型重症筋無力症(ステロイド剤又はステロイド剤以外の免疫抑制剤が十分に奏効しない場合に限る)>

通常、エクリズマブ(遺伝子組換え)として、下記の用法・用量で点滴静注する。

年齢又は体重導入期維持期
18歳以上1回900mgを週1回で計4回初回投与4週間後から1回1200mgを2週に1回
18歳未満
40kg以上1回900mgを週1回で計4回初回投与4週間後から1回1200mgを2週に1回
30kg以上40kg未満1回600mgを週1回で計2回初回投与2週間後から1回900mgを2週に1回
20kg以上30kg未満1回600mgを週1回で計2回初回投与2週間後から1回600mgを2週に1回
10kg以上20kg未満1回600mgを週1回で計1回初回投与1週間後から1回300mgを2週に1回
5kg以上10kg未満1回300mgを週1回で計1回初回投与1週間後から1回300mgを3週に1回

<視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防>

通常、成人には、エクリズマブ(遺伝子組換え)として、1回900mgから投与を開始する。初回投与後、週1回の間隔で初回投与を含め合計4回点滴静注し、その1週間後(初回投与から4週間後)から1回1200mgを2週に1回の間隔で点滴静注する。

5.効能又は効果に関連する注意

<効能共通>

5.1 本剤は補体C5の開裂を阻害し、終末補体複合体C5b-9の生成を抑制すると考えられるため、髄膜炎菌をはじめとする莢膜形成細菌による感染症を発症しやすくなる可能性があることから、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、本剤投与の是非を慎重に検討し、適切な対象患者に対し投与を開始すること。また、本剤投与に際しては、緊急な治療を要する場合等を除いて、原則、本剤投与開始の少なくとも2週間前までに髄膜炎菌に対するワクチンを接種すること。特に小児への本剤投与に際しては、肺炎球菌、インフルエンザ菌b型に対するワクチンの接種状況を確認し、未接種の場合にはそれぞれのワクチンの接種を検討すること。[1.1、9.1.1、9.1.2、11.1.1、11.1.2、17.1参照]

<発作性夜間ヘモグロビン尿症における溶血抑制>

5.2 フローサイトメトリー法等により検査を行い、発作性夜間ヘモグロビン尿症と確定診断された患者に投与を開始すること。

5.3 本剤を投与開始する際には、溶血のため赤血球輸血が必要と考えられ、今後も輸血の継続が見込まれる患者を対象とすること。

5.4 本剤による血栓塞栓症の抑制効果、腎機能改善効果及び延命効果は確認されていない。

5.5 本剤の急性溶血発作に対する改善効果は確認されていない。

5.6 本剤投与によりPNH赤血球クローンが増加するため、本剤を中止した場合に重篤な血管内溶血が認められるおそれがあることから、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、本剤投与の是非を慎重に検討し、適切な対象患者に対し投与を開始すること。

<非典型溶血性尿毒症症候群における血栓性微小血管障害の抑制>

5.7 補体制御異常による非典型溶血性尿毒症症候群※)の患者に使用すること。

※)「非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)診療ガイド2023」(日本腎臓学会・日本小児科学会・日本血液学会・日本補体学会・日本移植学会)を参考にすること。

5.8 二次性血栓性微小血管症の患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない(使用経験がない)。

<全身型重症筋無力症(ステロイド剤又はステロイド剤以外の免疫抑制剤が十分に奏効しない場合に限る)>

5.9 本剤は、抗アセチルコリン受容体抗体陽性の患者に投与すること。

<視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防>

5.10 本剤は、抗アクアポリン4抗体陽性の患者に投与すること。

5.11 視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)※)の患者に使用すること。

※)「多発性硬化症・視神経脊髄炎スペクトラム障害診療ガイドライン2023」(日本神経学会)を参考にすること。

7.用法及び用量に関連する注意

<発作性夜間ヘモグロビン尿症における溶血抑制>

7.1 本剤の血中濃度の低下により急性の溶血発作の発現が懸念されるため、投与間隔を遵守すること。

7.2 本剤投与開始2週までに血清中乳酸脱水素酵素(LDH)活性の低下が認められない場合には、本剤の投与継続の要否を検討すること。

<非典型溶血性尿毒症症候群における血栓性微小血管障害の抑制>

7.3 本剤の血中濃度の低下により、血栓性微小血管障害の増悪が懸念されるため、投与間隔を遵守すること。

<全身型重症筋無力症(ステロイド剤又はステロイド剤以外の免疫抑制剤が十分に奏効しない場合に限る)>

7.4 本剤の血中濃度低下により症状悪化が懸念されるため、投与間隔を遵守すること。

7.5 本剤の全身型重症筋無力症患者を対象とした臨床試験では、ほとんどの治療反応例で投与開始後12週までに症状の改善が得られた。全身型重症筋無力症患者で他の免疫抑制剤を併用している患者においては、髄膜炎菌感染症のリスクが高い可能性があることから、リスクベネフィットを考慮し、投与開始後12週までに症状の改善が認められない患者では、本剤の投与中止を検討すること。

<視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防>

7.6 本剤の血中濃度低下により再発のおそれがあるため、投与間隔を遵守すること。

7.7 本剤を一定期間投与後、再発の頻度について検討し、再発の頻度の減少が認められない患者では、本剤の投与中止を検討すること。

<非典型溶血性尿毒症症候群における血栓性微小血管障害の抑制、全身型重症筋無力症(ステロイド剤又はステロイド剤以外の免疫抑制剤が十分に奏効しない場合に限る)及び視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防>

7.8 血液浄化療法(透析を除く)により本剤の一部が除去されること、新鮮凍結血漿内には補体C5が含まれること、免疫グロブリン大量静注療法によりエンドソーム内の胎児性Fc受容体(FcRn)のリサイクリング機能が阻害される可能性があることから、本剤投与中に血液浄化療法、新鮮凍結血漿輸注又は免疫グロブリン大量静注療法を施行する必要がある場合は、下表を参考に本剤の補充投与を考慮すること。なお、下表はシミュレーション結果に基づき設定されたものであることから、補充投与後は患者の状態を慎重に観察すること。[10.2参照]

 直近の本剤投与量本剤の補充用量補充投与の時期
血液浄化療法300mg1回につき300mg施行後60分以内
600mg以上1回につき600mg
新鮮凍結血漿輸注300mg以上1回につき300mg施行60分前
免疫グロブリン大量静注療法600mg以下1回につき300mg施行直後
900mg以上1回につき600mg


[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/10/22 版