医療用医薬品 : ケサンラ

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3. 組成・性状


3.1 組成

販売名ケサンラ点滴静注液350mg
容量(1バイアル)20mL
有効成分1バイアル中ドナネマブ(遺伝子組換え)350mg
添加剤無水クエン酸 6.4mg
クエン酸ナトリウム水和物 49.0mg
ポリソルベート80 4.0mg
精製白糖 1600mg

本剤はチャイニーズハムスター卵巣細胞を用いて製造される。

3.2 製剤の性状

販売名ケサンラ点滴静注液350mg
性状・剤形無色〜微黄色〜微褐色の澄明又はわずかに乳白光を呈する液(注射剤)
pH5.5〜6.5
浸透圧比
(生理食塩液に対する比)
約1

【色】
無色〜微黄色〜微かっ色の澄明又は微乳白光
【剤形】
/液剤/注射


規格単位毎の明細 (ケサンラ点滴静注液350mg)

販売名和名 : ケサンラ点滴静注液350mg

規格単位 : 350mg20mL1瓶

欧文商標名 : kisunla Intravenous Infusion

規制区分

規制区分名称 : 生物由来製品

規制区分

規制区分名称 : 劇薬

規制区分

規制区分名称 : 処方箋医薬品注1)

規制区分備考 : 注1)注意−医師等の処方箋により使用すること

日本標準商品分類番号 : 87119

承認番号 : 30600AMX00243

販売開始年月 : 2024年11月

貯法及び期限等

貯法 : 2〜8℃で冷蔵保存

有効期間 : 24ヵ月

規格単位毎の明細その他

最適使用推進ガイドライン対象品目

3.組成・性状

3.1 組成

販売名ケサンラ点滴静注液350mg
容量(1バイアル)20mL
有効成分1バイアル中ドナネマブ(遺伝子組換え)350mg
添加剤無水クエン酸 6.4mg
クエン酸ナトリウム水和物 49.0mg
ポリソルベート80 4.0mg
精製白糖 1600mg

本剤はチャイニーズハムスター卵巣細胞を用いて製造される。

添加剤 : 無水クエン酸

添加剤 : クエン酸ナトリウム水和物

添加剤 : ポリソルベート80

添加剤 : 精製白糖

3.2 製剤の性状

販売名ケサンラ点滴静注液350mg
性状・剤形無色〜微黄色〜微褐色の澄明又はわずかに乳白光を呈する液(注射剤)
pH5.5〜6.5
浸透圧比
(生理食塩液に対する比)
約1

【色】
無色〜微黄色〜微かっ色の澄明又は微乳白光
【剤形】
/液剤/注射

規格単位毎の効能効果及び用法用量

効能効果対用法用量

4.効能又は効果

アルツハイマー病による軽度認知障害及び軽度の認知症の進行抑制

6.用法及び用量

通常、成人にはドナネマブ(遺伝子組換え)として1回700mgを4週間隔で3回、その後は1回1400mgを4週間隔で、少なくとも30分かけて点滴静注する。

5.効能又は効果に関連する注意

5.1 本剤は、疾患の進行を完全に停止、又は疾患を治癒させるものではない。

5.2 承認を受けた診断方法、例えばアミロイドPET、脳脊髄液(CSF)検査、又は同等の診断法によりアミロイドβ病理を示唆する所見が確認され、アルツハイマー病と診断された患者のみに本剤を使用すること。

5.3 無症候でアミロイドβ病理を示唆する所見のみが確認できた者、及び中等度以降のアルツハイマー病による認知症患者に本剤を投与開始しないこと。

5.4 「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、国際共同第III相試験で用いられた診断基準、組み入れられた患者の臨床症状スコアの範囲、試験結果等を十分に理解した上で本剤投与の適否を判断すること。[17.1.1参照]

5.5 Flortaucipir(18F)を用いたPET検査の結果から軽度以上のタウ蓄積が認められると判断できない患者に対する有効性及び安全性は確立していない。本剤の投与に先立ち、アミロイドβ病理に関する検査結果、アルツハイマー病の病期、flortaucipir(18F)を用いたPET検査を実施した場合はその結果等を考慮した上で、本剤投与の可否を判断すること。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 安全性上の理由等で本剤1400mgに増量できない場合は、漫然と投与を継続しないこと。

7.2 本剤投与中にアミロイドβプラークの除去が確認された場合は、その時点で本剤の投与を完了すること。アミロイドβプラークの除去が確認されない場合であっても、本剤の投与は原則として最長18ヵ月で完了すること。18ヵ月を超えて投与する場合は、18ヵ月時点までの副作用の発現状況、臨床症状の推移やアミロイドβプラークの変化等を考慮し、慎重に判断すること。[7.4参照]

7.3 アミロイドβプラークの除去は、アミロイドPET検査又は同等の診断法により評価し、検査を実施する場合の時期は本剤投与開始後12ヵ月を目安とすること。

7.4 本剤投与中は6ヵ月毎を目安に認知機能検査、患者及び家族・介護者から自他覚症状の聴取等による臨床症状の評価を行い、臨床症状の経過、認知症の重症度等から本剤の有効性が期待できないと考えられる場合は本剤の投与を中止すること。なお、本剤投与中に認知症の重症度が中等度以降に進行した患者に投与を継続したときの有効性は確立していない。[7.2、17.1.1参照]

7.5 本剤投与により、アミロイド関連画像異常(ARIA)としてARIA-浮腫/滲出液貯留(ARIA-E)もしくはARIA-脳微小出血・脳表ヘモジデリン沈着症(ARIA-H)、又は脳出血があらわれることがある。[1.2、2.2、2.3、8.2、8.2.2-8.2.4、11.1.2参照]

(1)ARIA-E

MRI画像上重度又は症候性のARIA-Eが認められた場合には、本剤の投与を中断又は中止すること。MRI画像上中等度かつ無症候性のARIA-Eが認められた場合には、本剤の投与を中断すること。MRI画像上軽度かつ無症候性のARIA-Eが認められた場合には、慎重に臨床評価した上で、本剤の投与継続の可否を検討し、投与継続する場合、特に注意深く経過観察すること。
本剤を中断し、ARIAの症状の消失及びMRI検査でのARIA-Eの消失を確認した場合には、投与の再開を検討することができる。

(2)ARIA-H及び脳出血

MRI画像上重度又は症候性のARIA-Hが認められた場合には、本剤の投与を中断又は中止すること。MRI画像上中等度かつ無症候性のARIA-Hが認められた場合には、本剤の投与を中断すること。MRI画像上軽度かつ無症候性のARIA-Hが認められた場合には、慎重に臨床評価した上で、本剤の投与継続の可否を検討し、投与継続する場合、特に注意深く経過観察すること。
本剤を中断し、ARIAの症状の消失及びMRI検査でのARIA-Hの安定化を確認した場合には、投与の再開を検討することができる。
1cmを超える脳出血が認められた場合には、本剤の投与を中止すること。

【参考】

<ARIAの重症度分類:MRI画像による分類>

ARIA-E

重症度MRI所見
軽度脳溝、皮質、又は皮質下白質の1ヵ所に限局した、5cm未満のFluid Attenuated Inversion Recovery(FLAIR)高信号
中等度最大径が5〜10cmのFLAIR高信号が1ヵ所にみられる、又は10cm未満の高信号が複数部位にみられる。
重度10cmを超えるFLAIR高信号で、脳回腫脹及び脳溝消失を伴う。1ヵ所又は複数ヵ所に独立した病変を認める。

ARIA-H

重症度MRI所見
脳微小出血脳表ヘモジデリン沈着症
軽度新規が1〜4個1ヵ所
中等度新規が5〜9個2ヵ所
重度新規が10個以上3ヵ所以上

<ARIA及び脳出血発現時の対応>

ARIA-E

画像上の重症度臨床症状の有無
無症候性症候性
軽度投与継続可能注1)症状及び画像所見消失まで投与中断注3)又は中止
中等度画像所見消失まで投与中断注2)
重度画像所見消失まで投与中断注2)又は中止
注1)慎重に臨床評価した上で、本剤の投与継続の可否を検討し、投与継続する場合、特に注意深く経過観察すること。注2)MRI検査でのARIA-Eの消失を確認した場合には、投与の再開を検討することができる。注3)ARIAの症状の消失及びMRI検査でのARIA-Eの消失を確認した場合には、投与の再開を検討することができる。

ARIA-H及び脳出血

画像上の重症度臨床症状の有無
無症候性症候性
軽度投与継続可能注4)症状消失及び画像所見安定化まで投与中断注6)又は中止
中等度画像所見安定化まで投与中断注5)
重度画像所見安定化まで投与中断注5)又は中止
1cmを超える脳出血投与中止
注4)慎重に臨床評価した上で、本剤の投与継続の可否を検討し、投与継続する場合、特に注意深く経過観察すること。注5)MRI検査でのARIA-Hの安定化を確認した場合には、投与の再開を検討することができる。注6)ARIAの症状の消失及びMRI検査でのARIA-Hの安定化を確認した場合には、投与の再開を検討することができる。

<ARIA及び脳出血発現後のMRIモニタリング>

ARIA-E

画像上の重症度MRIモニタリング
軽度無症候性で投与を継続する場合、ARIA重症化の有無を確認するため、発現から約1〜2ヵ月後にMRI検査の実施を考慮する。
無症候性で投与を中断する場合、又は症候性の場合は、中等度、重度のMRIモニタリングに準ずる。
中等度発現から約2〜4ヵ月後にMRI検査を実施する。画像上ARIA-Eの消失が確認されない場合は、追加のMRI検査を実施する。
重度

ARIA-H及び脳出血

画像上の重症度MRIモニタリング
軽度症候性の場合、発現から約2〜4ヵ月後にMRI検査を実施する。画像上ARIA-Hの安定化が確認されない場合は、追加のMRI検査を実施する。
中等度発現から約2〜4ヵ月後にMRI検査を実施する。画像上ARIA-Hの安定化が確認されない場合は、追加のMRI検査を実施する。
重度
1cmを超える脳出血臨床評価に基づき適宜MRI検査を実施する。


[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/07/23 版