医療用医薬品 : ピメノール

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医薬品情報


総称名 ピメノール
一般名 ピルメノール塩酸塩水和物
欧文一般名 Pirmenol Hydrochloride Hydrate
製剤名 ピルメノール塩酸塩水和物カプセル
薬効分類名 持続性不整脈治療剤
薬効分類番号 2129
KEGG DRUG
D01785 ピルメノール塩酸塩水和物
KEGG DGROUP
DG01653 抗不整脈薬
JAPIC 添付文書(PDF)
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添付文書情報2023年7月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ピメノールカプセル50mg PIMENOL Capsules ファイザー 2129012M1020 45.9円/カプセル 劇薬, 処方箋医薬品注)
ピメノールカプセル100mg PIMENOL Capsules ファイザー 2129012M2027 80.1円/カプセル 劇薬, 処方箋医薬品注)

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
2.1 高度の房室ブロック、高度の洞房ブロックのある患者[刺激伝導抑制作用により、刺激伝導障害をさらに増悪させるおそれがある。][9.1.3参照]
2.2 うっ血性心不全のある患者[陰性変力作用により、症状を悪化させることがある。また、催不整脈作用により、不整脈を誘発又は悪化させることがある。]
2.3 閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。]
2.4 尿貯留傾向のある患者[抗コリン作用により、尿閉を悪化させるおそれがある。]
2.5 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.6 バルデナフィル、モキシフロキサシン、アミオダロン(注射剤)又はトレミフェンクエン酸塩を投与中の患者[10.1参照]

4. 効能または効果

下記の状態で他の抗不整脈薬が使用できないか、または無効の場合
頻脈性不整脈(心室性)

5. 効能または効果に関連する注意

本剤は他の抗不整脈薬が使用できないか、又は無効の場合にのみ適用を考慮すること。

6. 用法及び用量

通常、成人にはピルメノール(遊離塩基)として1回100mgを1日2回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

7. 用法及び用量に関連する注意

本剤は下記のとおり腎機能障害患者では血中濃度が持続するので、内因性クレアチニンクリアランス(Ccr)を指標とした障害の程度に応じ投与量を減じるなど用法・用量を調整すること。[9.29.816.6.1参照]
・軽度〜中等度障害例(30≦Ccr<70mL/min)
半減期及び血中濃度曲線下面積は、腎機能正常例に比し、それぞれ約1.5倍、約2倍に延長・増大する。
・高度障害例(Ccr<30mL/min)
半減期及び血中濃度曲線下面積は、腎機能正常例に比し、それぞれ約1.5倍、約3倍に延長・増大する。

8. 重要な基本的注意

8.1 本剤の投与に際しては、頻回に患者の状態を観察し、心電図、脈拍、血圧、心胸比を定期的に調べること。PQの延長、QRS幅の増大、QTの延長、徐脈、血圧低下等の異常所見が認められた場合には、直ちに減量又は投与を中止すること。[9.1.19.1.89.29.8参照]
8.2 本剤には抗コリン作用があり、その作用に基づくと思われる排尿障害、口渇、霧視等の症状があらわれることがあるので、このような場合には、減量するか投与を中止すること。
8.3 1日用量200mgを超えて投与する場合、副作用発現の可能性が増大するので注意すること。
8.4 失神、めまい、ふらつき、手足のしびれ等があらわれることがあるので、本剤投与中の患者には、自動車の運転など危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。[11.1.1参照]

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 基礎心疾患(心筋梗塞、弁膜症、心筋症等)のある患者
少量から開始するなど投与量に十分注意するとともに、頻回に心電図検査を実施すること。開始後1〜2週間は入院させること。陰性変力作用により、心不全をきたすことがある。また、催不整脈作用により、不整脈を誘発又は悪化させることがあり、開始後1〜2週間は心室頻拍、心室細動が発現するおそれが高い。[8.1参照]
9.1.2 高度の心拡大のある患者
陰性変力作用により、心不全をきたすおそれがある。また、催不整脈作用により、不整脈を誘発又は悪化させることがある。
9.1.3 刺激伝導障害(房室ブロック、洞房ブロック、脚ブロック等)のある患者(高度の房室ブロック、高度の洞房ブロックのある患者を除く)
刺激伝導抑制作用により、刺激伝導障害をさらに増悪させるおそれがある。[2.1参照]
9.1.4 著明な洞性徐脈のある患者
刺激伝導抑制作用により、洞房ブロックに移行させるおそれがある。
9.1.5 血清カリウム低下のある患者
QT延長等の心電図異常が生じるおそれがある。
9.1.6 治療中の糖尿病の患者10.211.1.2参照]
9.1.7 開放隅角緑内障の患者
抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。
9.1.8 他の抗不整脈薬を併用している患者
少量から開始するなど投与量に十分注意するとともに、頻回に心電図検査を実施すること。併用時の有効性、安全性が確立していない。[8.1参照]
9.2 腎機能障害患者
少量から開始するなど用法・用量を調整するとともに、頻回に心電図検査を実施すること。本剤は主に腎臓より排泄される薬剤であり、腎機能の低下している患者では、半減期が延長又は血中濃度が予想以上に上昇する可能性がある[7.、8.19.816.6.1参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重篤な肝機能障害患者
本剤は肝臓で代謝されるため、肝機能障害のある患者において薬物動態を変化させるおそれがある。[9.8参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
授乳中の女性には、治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ラットで母乳中に移行することが報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
入院させて投与を開始することが望ましい。低用量(例えば、1回50mg)から投与を開始し、投与量に十分注意するとともに、頻回に心電図検査を実施すること。高齢者では肝・腎機能が低下していることが多く、また、体重が少ない傾向があるなど、副作用が発現しやすい。[7.、8.19.29.3.116.6.1参照]

10. 相互作用

10.1 併用禁忌
バルデナフィル
レビトラ
モキシフロキサシン
アベロックス
アミオダロン(注射剤)
アンカロン注
トレミフェンクエン酸塩
フェアストン
2.6参照]
心室性頻拍(Torsade de pointesを含む)、QT延長を起こすおそれがある。併用によりQT延長作用が相加的に増強すると考えられる。
10.2 併用注意
糖尿病用剤
インスリン
スルホニル尿素系薬剤等
9.1.611.1.2参照]
低血糖があらわれるおそれがある。本剤で低血糖があらわれることがあり、併用により血糖の低下が増強される。
ジゴキシンジゴキシンの血中濃度が上昇することがあるので、用量を調節するなど注意すること。機序は不明である。
リファンピシン本剤の血中濃度が低下することがあるので、用量を調節するなど注意すること。リファンピシンにより代謝酵素が賦活され、本剤の血中濃度が低下すると考えられる。
QT延長を起こすことが知られている薬剤
スパルフロキサシン等
QT延長作用が増強するおそれがある。併用によりQT延長作用が相加的に増強すると考えられる。

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 心不全(0.6%)、心室頻拍(Torsade de pointesを含む)(0.6%)、心室細動(頻度不明)、房室ブロック(頻度不明)、洞停止(頻度不明)、失神(頻度不明)[8.4参照]
11.1.2 低血糖(頻度不明)
低血糖症状があらわれた場合には、投与を中止し、ブドウ糖を投与するなど適切な処置を行うこと。[9.1.610.2参照]
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 1〜2%未満1%未満頻度不明
循環器 動悸、胸部不快感QT延長、徐脈、心室性期外収縮、脚ブロック
血液 リンパ球増多、好中球減少好酸球増多、血小板減少
肝臓AST・ALT・ALP・γ-GTP・LDH・ビリルビン上昇等の肝機能障害  
腎臓 クレアチニンの上昇BUNの上昇
消化器 胃部不快感、悪心、胸やけ、腹痛便秘、口渇、下痢、食欲不振、嘔吐、腹部膨満感、口内炎
泌尿器 排尿困難尿閉、排尿障害、尿量減少
視覚器  霧視、複視
精神神経系頭痛、不眠めまい、手足のしびれ頭重感、ふらつき、眠気
過敏症 発疹、蕁麻疹 
その他 全身倦怠感口中苦味、疲労感、気分不快感、血糖値の上昇、ほてり

13. 過量投与

13.1 症状
本剤の過量投与により、QT延長、心室細動、心室頻拍(Torsade de pointesを含む)、徐脈、失神、痙れん、血圧低下等を引き起こすおそれがある。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
(1)心室性期外収縮患者
心室性期外収縮患者6例に100mgを1回経口投与した場合、血漿中未変化体濃度は以下のとおりであった1)
投与量(mg)Tmax(h)Cmax(μg/mL)t1/2β(h)AUC(μg・h/mL)
1002.83±0.280.78±0.1411.63±1.4311.23±3.45
(2)健康成人
健康成人各5例に50mg又は100mgを1回経口投与した場合、血漿中未変化体濃度は以下のとおりであった2)
投与量(mg)Tmax(h)Cmax(μg/mL)t1/2β(h)AUC(μg・h/mL)
501.3±0.10.35±0.057.4±0.72.99±0.57
1001.3±0.20.86±0.109.1±0.57.35±0.94
16.1.2 反復投与
健康成人に1回100mgを1日2回7日間反復経口投与(食後30分)した場合、血漿中未変化体濃度は3日目で定常状態に達し、7日目の最高血漿中濃度は初回投与時の約1.6倍であった2)
16.2 吸収
16.2.1 吸収率
心室性期外収縮患者に経口投与した場合、吸収率は約83%であった3)(外国人データ)。
16.2.2 食事の影響
健康成人に100mgを1回投与した場合、吸収に及ぼす食事の影響はほとんど認められなかった2)
16.3 分布
16.3.1 血漿蛋白結合率
心室性期外収縮患者に100mgを1回投与した場合、限外ろ過法による血漿蛋白結合率は約80%であった1)
16.4 代謝
ラット、イヌにおける主な代謝物はピペリジン環脱水素体であった。
16.5 排泄
16.5.1 排泄経路
主として尿中に排泄される。
16.5.2 排泄率
健康成人に50mg又は100mgを1回経口投与した場合、投与後48時間の尿中には、投与量の17〜25%が未変化体として排泄された2)
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
クレアチニンクリアランス(Ccr)が50≦Ccr<70mL/minの軽度腎機能障害患者3例、30≦Ccr<50mL/minの中等度腎機能障害患者4例、Ccr<30mL/minの高度腎機能障害患者4例(腎機能障害患者はいずれも老年者)に100mgを1回経口投与した場合の薬物動態は以下のとおりであった4)。[7.、9.29.8参照]
患者群Tmax(h)Cmax(μg/mL)t1/2β(h)AUC(μg・h/mL)
軽度障害例1.74±0.311.13±0.0813.70±2.7115.07±1.18
中等度障害例1.70±0.631.07±0.1513.12±1.6013.63±3.35
高度障害例3.21±1.351.55±0.4013.34±1.3324.70±3.99

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第III相試験
心室期外収縮患者161例を対象に、ピルメノール群としてピルメノールカプセル100mg1日2回、ピルメノールに対応するプラセボ1日1回及びジソピラミドに対応するプラセボ1日3回、又はジソピラミド群としてピルメノールに対応するプラセボ1日3回及びジソピラミドカプセル100mg1日3回を治療期として14日間投与した。治療期終了時の不整脈改善度、自覚症状改善度及び全般改善度が「中等度改善」以上の割合は以下のとおりであり、いずれも両群間に有意差は認められなかった5)
評価方法「中等度改善」以上の割合
ピルメノール群ジソピラミド群
不整脈改善度56.5%(39/69例)53.8%(35/65例)
自覚症状改善度59.5%(25/42例)53.1%(17/32例)
全般改善度58.0%(40/69例)56.9%(37/65例)
ピルメノール群で認められた副作用発現頻度は8.9%(7/79例)であり、症状としてめまい1.3%(1/79例)、不眠1.3%(1/79例)、嘔心1.3%(1/79例)、胸やけ1.3%(1/79例)、上腹部痛1.3%(1/79例)、おくび1.3%(1/79例)、肝機能障害1.3%(1/79例)、動悸の出現1.3%(1/79例)、不整脈の感じ1.3%(1/79例)、前胸部の締めつけられる感じ1.3%(1/79例)、全身倦怠感1.3%(1/79例)及び発疹が1.3%(1/79例)、臨床検査値異常としてAST上昇2.5%(2/79例)、ALT上昇2.5%(2/79例)、LDH上昇1.3%(1/79例)、γ-GTP上昇1.3%(1/79例)及び総ビリルビン上昇1.3%(1/79例)であった。
17.1.2 国内一般臨床試験
心室期外収縮患者28例に、ピルメノールカプセル100mg1日2回を治療期として14日間投与した。治療期終了時の不整脈改善度、自覚症状改善度及び全般改善度が「中等度改善」以上の割合は、以下のとおりであった6)
評価方法「中等度改善」以上の割合
不整脈改善度70.8%(17/24例)
自覚症状改善度93.3%(14/15例)
全般改善度70.8%(17/24例)
副作用発現頻度は11.1%(3/27例)であり、症状として皮疹3.7%(1/27例)、臨床検査値異常としてALT上昇3.7%(1/27例)、γ-GTP上昇3.7%(1/27例)及び血清クレアチニン上昇3.7%(1/27例)であった。
17.1.3 国内一般臨床試験
心室期外収縮患者25例に、ピルメノールカプセル100mg1日2回、効果不十分で忍容性が良好な場合には150mg注)1日2回を治療期として14日間投与した。治療期終了時の不整脈改善度、自覚症状改善度及び全般改善度が「中等度改善」以上の割合は、以下のとおりであった7)
注)承認用量は100mg1日2回
評価方法「中等度改善」以上の割合
100mg1日2回150mg1日2回
不整脈改善度63.6%(14/22例)0%(0/3例)
自覚症状改善度66.7%(8/12例)0%(0/2例)
全般改善度63.6%(14/22例)0%(0/3例)
副作用発現頻度は100mg1日2回投与群で20.8%(5/24例)及び150mg1日2回投与群で0%(0/3例)であった。100mg1日2回投与群で発現した副作用は、不眠8.3%(2/24例)、頭痛4.2%(1/24例)、手のしびれ4.2%(1/24例)、胃部不快感4.2%(1/24例)、心室頻拍悪化4.2%(1/24例)及び蕁麻疹4.2%(1/24例)であった。
17.1.4 国内一般臨床試験
心室期外収縮患者38例に、ピルメノールカプセル100mg1日2回、効果不十分で忍容性が良好な場合には150mg注)1日2回を治療期として14日間投与した。治療期終了時の不整脈改善度、自覚症状改善度及び全般改善度が「中等度改善」以上の割合は、以下のとおりであった8)
注)承認用量は100mg1日2回
評価方法「中等度改善」以上の割合
100mg1日2回150mg1日2回
不整脈改善度76.9%(20/26例)73.3%(11/15例)
自覚症状改善度73.3%(11/15例)50.0%(5/10例)
全般改善度76.9%(20/26例)73.3%(11/15例)
副作用発現頻度は100mg1日2回投与群で13.5%(5/37例)及び150mg1日2回投与群で10.5%(2/19例)であり、100mg1日2回投与群で発現した副作用は、症状として頭痛2.7%(1/37例)、胸部不快感2.7%(1/37例)、心窩部不快感2.7%(1/37例)、排尿困難2.7%(1/37例)及び口唇しびれ感2.7%(1/37例)、並びに臨床検査値異常として好中球減少2.7%(1/37例)、リンパ球増加2.7%(1/37例)及び単球増加2.7%(1/37例)であり、150mg1日2回投与群で発現した副作用は、症状として排尿困難5.3%(1/19例)及び心電図異常として3連発以上の増加が5.3%(1/19例)であった。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
本剤は心筋細胞の活動電位の最大立ち上がり速度(Vmax)を抑制し、また活動電位持続時間(APD)を延長させる。
18.2 実験的不整脈に対する作用
18.2.1 イヌの冠動脈二段結紮により惹起した心室性不整脈を経口及び静脈内投与で抑制する9)10)
18.2.2 イヌのアドレナリン及びウワバインにより惹起した心室性不整脈を抑制する10)11)
18.2.3 実験的心筋梗塞イヌの電気刺激により誘発した心室性頻拍を抑制する12)
18.3 電気生理学的作用
18.3.1 ウサギの心房筋、プルキンエ線維又は心室筋において、静止膜電位にほとんど影響を与えることなく、活動電位最大立ち上がり速度(Vmax)を用量依存的に抑制し、活動電位持続時間(APD)を延長する13)
18.3.2 モルモット心室筋のVmaxを頻度依存的に抑制し、この頻度依存性ブロックの発現及び回復速度は遅い14)
18.3.3 ウサギのプルキンエ線維の有効不応期を延長する13)
18.3.4 イヌの心室内伝導(HV)時間及び心室有効不応期を延長する12)15)
18.3.5 イヌのプルキンエ線維において、正常自動能及び異常自動能を抑制する16)。また、モルモット乳頭筋及び単一心室筋細胞において、遅延後脱分極に基づく異常自動能を抑制する13)
18.3.6 不整脈患者に200mgを1回経口投与した場合、洞周期及び洞房伝導(SA)時間を短縮させ、HV時間、右房及び右室の不応期を延長する。また、逆行性副伝導路を抑制し、室房伝導不応期を延長する17)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. ピルメノール塩酸塩水和物

一般的名称 ピルメノール塩酸塩水和物
一般的名称(欧名) Pirmenol Hydrochloride Hydrate
化学名 (±)-4-(cis-2,6-dimethylpiperidino)-1-phenyl-1-(2-pyridyl)butanol monohydrochloride monohydrate
分子式 C22H30N2O・HCl・H2O
分子量 392.97
融点 約172℃(分解)
物理化学的性状 白色〜淡黄白色の結晶性の粉末で、においはなく、味は苦い。メタノール又は氷酢酸に極めて溶けやすく、エタノールに溶けやすく、水又はクロロホルムにやや溶けやすく、無水酢酸にやや溶けにくく、エーテルにほとんど溶けない。
分配係数
(1-オクタノール/水系溶媒、室温)
pH3.05.07.0
分配比0.000.031.25
KEGG DRUG D01785

22. 包装

<ピメノールカプセル50mg>
100カプセル[10カプセル(PTP)×10]
<ピメノールカプセル100mg>
100カプセル[10カプセル(PTP)×10]

23. 主要文献

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  2. 新 博次ほか, 臨床薬理, 23 (2), 475-493, (1992) »DOI
  3. Hammill S.C.et al., Clin Pharmacol Ther., 32 (6), 686-691, (1982)
  4. 坂井 誠ほか, 心臓ペーシング, 8 (5), 578-585, (1992)
  5. 加藤 和三ほか, 臨床医薬, 8 (5), 1127-1148, (1992)
  6. 松浦 秀夫ほか, 臨床医薬, 7 (11), 2471-2484, (1991)
  7. 諸江 一男ほか, 臨床医薬, 8 (1), 123-139, (1992)
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  9. Mertz T.E.et al., J Cardiovasc Pharmacol., 2, 527-541, (1980)
  10. Hashimoto K.et al., Jpn J Pharmacol., 48 (2), 273-282, (1988) »DOI
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  17. 井野 威ほか, 臨床薬理, 22 (4), 745-756, (1991) »DOI

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
ファイザー株式会社 製品情報センター
〒151-8589 東京都渋谷区代々木3-22-7
電話:学術情報ダイヤル 0120-664-467
FAX:03-3379-3053
製品情報問い合わせ先
ファイザー株式会社 製品情報センター
〒151-8589 東京都渋谷区代々木3-22-7
電話:学術情報ダイヤル 0120-664-467
FAX:03-3379-3053

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
ファイザー株式会社
東京都渋谷区代々木3-22-7

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/01/22 版