肝疾患患者460例を対象に有効性が検討され,460例中判定不能とされた1例を除く459例(99.8%)で本剤の有効性が次のとおり認められた。
急性肝炎,慢性肝炎,肝硬変,アルコール性慢性肝炎,脂肪肝,閉塞性黄疸,肝腫瘍,その他の肝疾患
疾患名 | 有効例数/症例数 | 有効率 |
急性肝炎 | 13/13 | 100% |
慢性肝炎注 | 372/373 | 99.7% |
閉塞性黄疸 | 13/13 | 100% |
肝腫瘍 | 35/35 | 100% |
その他の肝疾患 | 26/26 | 100% |
更に,本剤のシンチグラム所見によって,肝の形態のみならず肝機能障害の重症度を視覚的に判定することも可能であった
2)。
本剤の血中消失及び肝集積に基づく肝機能指標の臨床的有効性について,以下のような知見が得られた
2)。
・慢性肝疾患では肝障害の進行に伴って有意な変化を示し,従来の肝機能検査,特に肝予備能を反映するとされているICG検査,CTCスコアと高い相関を示し,新しい肝機能指標として有効であると考えられた。
・急性肝疾患では病態の重症度に応じた値が得られ,血液凝固系の臨床検査値とも有意な相関を示し,急性期の病態を反映した肝機能評価が可能であった。
・高度の黄疸を有する患者でも,血清中のビリルビンに影響されることなく肝機能を評価することが可能であった。
・肝切除術前後では,術前後の肝細胞数の変化を反映すると考えられる肝機能指標が得られた。
全576例に対し,本剤に起因する異常所見は認められなかった。