16.3.1 健常成人男子において本剤111MBqを静注後,血中から半減期2.5分で速やかに消失し,心筋,肝臓及び全身の筋肉など脂肪酸代謝が営まれる主な臓器に集積した。心筋集積率は静注後1.5時間及び3時間でそれぞれ5.4%及び5.1%であり,心筋からの洗い出しは緩徐であった。肝臓での集積率は静注後1.5時間及び3時間でそれぞれ10.0%及び8.7%であり,洗い出しは心筋に比しやや速やかであった
1)。
16.3.2 吸収線量
MIRD法により算出した吸収線量は次のとおりである。
| 吸収線量(mGy/MBq) |
心臓 | 0.057 |
肝臓 | 0.038 |
腎臓 | 0.011 |
脾臓 | 0.010 |
膀胱 | 0.043 |
赤色骨髄 | 0.013 |
卵巣 | 0.011 |
精巣 | 7.6×10−3 |
全身 | 0.010 |
健常成人男子において本剤111MBqを静注した場合,血中での未変化体(123I-BMIPP)は,静注後60分では14.0%まで経時的に減少したが,主な代謝物である4-ヨードフェニル酢酸(123I)(123I-PIPA)は約70%を占めた。
尿中では未変化体は認められなかった。また,主な放射化学的成分は123I-PIPAのグルタミン抱合体及びグルクロン酸抱合体であった。本剤は静注後,各組織に取り込まれて123I-PIPAに代謝された後,肝臓等でグルタミン抱合又はグルクロン酸抱合を受けて,水溶性物質として主に尿中に排泄されると考えられた。
累積尿中排泄率は静注後6時間及び24時間においてそれぞれ約10%及び約22%であった
1)。