医療用医薬品 : クリアボーン

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医薬品情報


総称名 クリアボーン
一般名 メタン-1-ヒドロキシ-1,1-ジホスホン酸ジナトリウム
欧文一般名 disodium methane-1-hydroxy-1,1-diphosphonate
薬効分類名 放射性医薬品
骨疾患診断薬
薬効分類番号 4300
KEGG DRUG
D08764 ヒドロキシメチレンジホスホン酸テクネチウム
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
日米の医薬品添付文書はこちらから検索することができます。

添付文書情報2022年3月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
クリアボーンキット CLEARBONE Kit 日本メジフィジックス 4300415X1025 3365円/回分 処方箋医薬品注)

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

4. 効能または効果

骨シンチグラムによる骨疾患の診断

6. 用法及び用量

<骨シンチグラフィ>
通常,成人には555〜740MBqを肘静脈内に注射し,1〜2時間の経過を待って被検部の骨シンチグラムをとる。
投与量は,年齢,体重により適宜増減する。

8. 重要な基本的注意

診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与することとし,投与量は最小限度にとどめること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には,診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
診断上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し,授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック,アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
呼吸困難,血圧低下,発疹等の異常が認められた場合には,適切な処置を行うこと。
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 頻度不明
過敏症発疹,そう痒感,顔面潮紅,発赤
消化器嘔吐,悪心,食思不振
循環器チアノーゼ,血圧低下,徐脈,動悸
精神神経系てんかん様発作,耳閉感,頭痛,めまい,ふらつき
その他発熱,気分不良,冷汗,四肢しびれ

14. 適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
調製中の術者への被曝を軽減するため,調製は注意深く,かつ迅速に行うこと。
14.2 薬剤投与時の注意
骨盤部読影の妨害となる膀胱の描出を避けるため及び膀胱部の被曝を軽減させるため,撮像前後できるだけ排尿させること。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
各種骨疾患患者について試験した結果,本剤投与後の血中クリアランスは投与後30分までは急速な減少を示し,それ以降はややゆっくりと減少した(2時間後:約7%)1)
16.3 分布
本剤は投与後短時間で骨に集積し,他臓器への集積は少なかった1)
16.5 排泄
累積尿中排泄率は投与後2時間まで増加し(2時間で約40%),以後増加はほとんどみられなかった1)

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内臨床試験
本剤及びクリアボーン注(一般名:ヒドロキシメチレンジホスホン酸テクネチウム(99mTc)注射液)の臨床試験において,本剤及びクリアボーン注が有効であると報告された適応症は以下のとおりである。
・転移性骨腫瘍
原発:肺癌,乳癌,前立腺癌,胃癌,子宮癌,膀胱癌,他
疾患名クリアボーンキット
(有効例数/症例数)
クリアボーン注
(有効例数/症例数)
肺癌5/571/71
乳癌18/1864/64
前立腺癌2/236/36
胃癌2/219/19
子宮癌9/914/14
膀胱癌1/110/10
・原発性骨腫瘍
骨肉腫,骨髄腫,他
疾患名クリアボーンキット
(有効例数/症例数)
クリアボーン注
(有効例数/症例数)
骨肉腫 5/5
骨髄腫 7/7
その他の骨疾患
骨折,関節炎,骨髄炎,他
疾患名クリアボーンキット
(有効例数/症例数)
クリアボーン注
(有効例数/症例数)
骨折 22/22
関節炎2/214/14
骨髄炎 13/13
17.3 その他
17.3.1 低カルシウム血症例への適用
海外においては,ホスホネート系製剤(HMDP,MDP)の添付文書に,以下の記載があるものがある。
“この種の化合物はカルシウムのようなカチオンとキレート化合物を形成することが知られている。低カルシウム血症(例えばアルカローシス)の患者,もしくはその素因を有する患者に対しては,特に慎重な注意を要する。”
本品の場合,含有されるHMDP量は極めて少なく(0.381mg/バイアル),全量が投与され,血清カルシウムと1:1キレートを形成し,体内より除去されるとしても,全血清中カルシウム量の0.023%が減少するに過ぎない注)
注:ヒト血清量を48mL/kg(血漿量≒血清量と仮定),血清中カルシウム濃度を9.0mg/dL2),ヒト標準体重を60kgとして計算した。

18. 薬効薬理

18.1 測定法
本剤の有効成分に含まれる放射性核種から放出される放射線(ガンマ線)が核医学検査装置により画像化される。
18.2 集積機序
肘静脈内に投与された本剤の,骨に取り込まれる機序の全容は明らかではないが,骨親和性物質の集積増加がみられる病変部には血流の増加があることが知られている。また,陰イオンとしての性質を有することから,骨のhydroxyapatite結晶にイオン結合することにより,骨ことに骨新生の盛んな部分に多く集まるものと考えられている3)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. メタン-1-ヒドロキシ-1,1-ジホスホン酸ジナトリウム

一般的名称 メタン-1-ヒドロキシ-1,1-ジホスホン酸ジナトリウム
一般的名称(欧名) disodium methane-1-hydroxy-1,1-diphosphonate
分子式 CH4Na2O7P2・H2O
分子量 253.98
核物理学的特性 99mTcとして):
・物理的半減期:6.0067時間
・主γ線エネルギー:141keV(89.1%)
理化学知見その他 調製前の化合物 19.1 ヒドロキシメチレンジホスホン酸テクネチウム(99mTc)

22. 包装

2バイアル(1バイアル×2),
5バイアル(1バイアル×5)

23. 主要文献

  1. 芝辻洋,他, 現代の診療, 23, 701-705, (1981)
  2. 日本生化学会,編, 生化学データブックI, 1542, (1979), (東京化学同人)
  3. 鳥塚莞爾,他編, 臨床核医学, 441-443, (1981), (南江堂,東京)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
日本メジフィジックス株式会社 メディカルインフォメーション担当
〒136-0075 東京都江東区新砂3丁目4番10号
電話:0120-07-6941(フリーダイヤル)
製品情報問い合わせ先
日本メジフィジックス株式会社 メディカルインフォメーション担当
〒136-0075 東京都江東区新砂3丁目4番10号
電話:0120-07-6941(フリーダイヤル)

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
日本メジフィジックス株式会社
東京都江東区新砂3丁目4番10号

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/08/20 版