17.1.1 国内一般臨床試験
一般臨床試験において、効果判定を5段階評価(著明改善、中等度改善、軽度改善、不変、悪化)した場合の疾患別痙性麻痺における改善度は次表のとおりである。
全般改善度 原因疾患 | 調査例数 | 著明改善 | 中等度改善以上 | 軽度改善以上 |
| 脳血管障害 | 121 | 4(3.3) | 24(19.8) | 82(67.8) |
| 脳性(小児)麻痺 | 134 | 10(7.5) | 34(25.4) | 73(54.5) |
| 痙性脊髄麻痺 | 54 | 2(3.7) | 22(40.7) | 44(81.5) |
| 脊髄血管障害 | 12 | 1(8.3) | 3(25.0) | 9(75.0) |
| 頸部脊椎症 | 34 | 3(8.8) | 8(23.5) | 25(73.5) |
| 後縦靱帯骨化症 | 20 | 0(0) | 4(20.0) | 13(65.0) |
| 多発性硬化症 | 13 | 0(0) | 5(38.5) | 8(61.5) |
| 筋萎縮性側索硬化症 | 7 | 0(0) | 0(0) | 2(28.6) |
| 脊髄小脳変性症 | 4 | 0(0) | 1(25.0) | 1(25.0) |
| 外傷後遺症 | 151 | 10(6.6) | 47(31.1) | 97(64.2) |
| 術後後遺症 | 42 | 4(9.5) | 14(33.3) | 34(81.0) |
| その他の脳性疾患 | 17 | 2(11.8) | 7(41.2) | 10(58.8) |
| その他のミエロパチー | 55 | 0(0) | 10(18.2) | 27(49.1) |
他覚的観察では痙縮及びクローヌスの改善度がやや高く、自覚症状ではこわばり感、つっぱり感及び歩行の改善度がやや高い。
副作用発現率は、成人では580例中223例(38.4%)、小児では140例中30例(21.4%)であった。主な副作用は、成人では眠気54件(9.3%)、脱力感39件(6.7%)、悪心30件(5.2%)等であり、小児では脱力感8件(5.8%)、眠気6件(4.3%)、嘔吐4件(2.9%)等であった。
17.1.2 国内臨床試験(二重盲検試験、脊髄部位に原因をもつ痙性麻痺患者)
脊髄部位に原因をもつ痙性麻痺患者114例(本剤群59例、塩酸トルベリゾン群55例)を対象に本剤1日30〜45mg
注)を4週間経口投与し、二重盲検群間比較試験を実施した。その結果、本剤群の有用度(担当医が試験終了時に5段階で評価したもののうち、有用と判断された割合)は51%あり、本剤の有用性が認められている。
副作用発現率は、59例中26例(44.1%)であった。また、第2、3、4週の主な副作用の発現率はそれぞれ、眠気は10例(17%)、12例(20%)、10例(17%)、脱力感は7例(12%)、9例(15%)、6例(10%)、悪心は5例(9%)、6例(10%)、6例(10%)等であった
4)。
17.1.3 国内臨床試験(二重盲検試験、脳及び脊髄部位に原因をもつ痙性麻痺患者)
脳及び脊髄部位に原因をもつ痙性麻痺患者194例(本剤群97例、塩酸トルベリゾン群97例)を対象に本剤1日5〜40mg
注)を4週間経口投与し、二重盲検群間比較試験を実施した。その結果、最終全般改善度、自覚症状改善度、副作用の出現率、有用度で両剤間に有意差は認められなかったが、神経症状のうちアキレス腱反射及び足クローヌスにおいては、推計学的に優位に優れ(p<0.05)、屈曲痙縮、下肢挙上障害では優れる傾向が認められた(p<0.10)。また、脳及び脊髄痙縮に対する本剤の改善率は、65%及び53%であった。
副作用発現率は、97例中42例(43.3%)であった。また、第1、2、3、4週の主な副作用の発現率はそれぞれ、脱力感は7例(7.2%)、11例(11.3%)、16例(16.5%)、12例(12.4%)、ふらつきは6例(6.2%)、8例(8.2%)、7例(7.2%)、6例(6.2%)、眠気は4例(4.1%)、7例(7.2%)、9例(9.3%)、7例(7.2%)、食欲不振は1例(1.0%)、4例(4.1%)、7例(7.2%)、6例(6.2%)等であった
5)。
注)本剤の承認された用法・用量は「通常成人には初回量として1日バクロフェン5〜15mgを1〜3回に分け食後経口投与し、以後患者の症状を観察しながら標準用量に達するまで2〜3日毎に1日5〜10mgずつ増量する。標準用量は1日30mgであるが、患者の本剤に対する反応には個人差があるため、年齢、症状に応じて適宜増減する。」である。