医療用医薬品 : アタラックス |
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総称名 | アタラックス |
一般名 | ヒドロキシジン塩酸塩 |
欧文一般名 | Hydroxyzine Hydrochloride |
製剤名 | ヒドロキシジン塩酸塩注射液 |
薬効分類名 | 抗アレルギー性緩和精神安定剤 |
薬効分類番号 | 1179 |
ATCコード | N05BB01 |
KEGG DRUG |
D00672
ヒドロキシジン塩酸塩
商品一覧 米国の商品 相互作用情報 |
KEGG DGROUP |
DG00912
ヒドロキシジン
商品一覧 |
JAPIC | 添付文書(PDF) |
販売名 | 欧文商標名 | 製造会社 | YJコード | 薬価 | 規制区分 |
---|---|---|---|---|---|
アタラックス−P注射液(25mg/ml) | Atarax-P Parenteral Solution(25mg/ml) | ファイザー | 1179401A1026 | 57円/管 | 処方箋医薬品 |
アタラックス−P注射液(50mg/ml) | Atarax-P Parenteral Solution(50mg/ml) | ファイザー | 1179401A2022 | 59円/管 | 処方箋医薬品 |
次の患者には投与しないこと
静脈内注射
ヒドロキシジン塩酸塩として、通常成人1回25〜50mgを必要に応じ4〜6時間毎に静脈内注射するか又は点滴静注する。ただし、1回の静注量は100mgを超えてはならず、25mg/分以上の速度で注入しないこと。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
筋肉内注射
ヒドロキシジン塩酸塩として、通常成人1回50〜100mgを必要に応じ4〜6時間毎に筋肉内注射する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
慎重投与
てんかん等の痙攣性疾患、又はこれらの既往歴のある患者[痙攣閾値を低下させることがある。]
QT延長のある患者(先天性QT延長症候群等)、QT延長を起こすことが知られている薬剤を投与中の患者、著明な徐脈や低カリウム血症等がある患者[QT延長、心室頻拍(torsades de pointesを含む)を起こすことがある。]
高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
肝機能障害のある患者[肝機能障害のある患者で血中濃度半減期が延長したとの報告がある。]
腎障害のある患者[中等度又は重度の腎障害のある患者で血中濃度半減期が延長したとの報告がある。]
下記の患者[本剤の抗コリン作用により症状が悪化するおそれがある。]
重要な基本的注意
眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械類の操作には従事させないよう注意すること。
末梢の壊死を起こすおそれがあるので、動脈内には絶対投与しないこと。
筋肉内注射時に注射部位をもむことによって、皮内又は皮下に薬液が漏出し、壊死、皮膚潰瘍、疼痛等の注射部位反応を起こすことがあるので、注射後、強くもまず軽くおさえる程度にとどめること。[「重大な副作用」、「適用上の注意」の項参照]
相互作用
相互作用序文
本剤は、in vitro試験において、主としてCYP3A4/CYP3A5及びアルコール脱水素酵素で代謝されることが報告されているため、これらの薬物代謝酵素を阻害する薬剤と併用した場合、本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。
薬物代謝酵素用語
薬物代謝酵素用語
薬物代謝酵素用語
併用注意
バルビツール酸誘導体・麻酔剤・麻薬系鎮痛剤等の中枢神経抑制剤、アルコール、モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤 | 相互に作用を増強するおそれがある3)ので減量するなど慎重に投与すること。 | 両剤ともに中枢神経抑制作用を有するため、併用により作用が増強されるおそれがある。 |
ベタヒスチン、抗コリンエステラーゼ剤(ネオスチグミン臭化物等) | これらの薬剤の作用を減弱させるおそれがある4)。 | 本剤はこれらの薬剤の作用と拮抗することがある。 |
シメチジン | シメチジンとの併用により、本剤の血中濃度が上昇したとの報告がある5)。 | シメチジンは本剤の肝臓での主な代謝酵素であるCYP1A2、CYP2C19、CYP2D6、CYP3A4、CYP3A5を阻害し、本剤の代謝、排泄を遅延させる。 |
不整脈を引き起こすおそれのある薬剤(シベンゾリンコハク酸塩等) | 併用により心室性不整脈等の副作用があらわれたとの報告がある。 | ともに心血管系の副作用を起こすおそれがある。 |
副作用
副作用発現状況の概要
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していないため、発現頻度については再評価時における文献を参考に集計した。総症例4,933例中、主な副作用は眠気(1.46%)、口渇(1.30%)、不安(0.65%)等であった。
重大な副作用及び副作用用語
重大な副作用
ショック、アナフィラキシー(頻度不明注))
ショック、アナフィラキシーを起こすことがあるので、観察を十分に行い、蕁麻疹、胸部不快感、喉頭浮腫、呼吸困難、顔面蒼白、血圧低下等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
QT延長、心室頻拍(torsades de pointesを含む)(頻度不明注))
QT延長、心室頻拍(torsades de pointesを含む)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
肝機能障害、黄疸(頻度不明注))
AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
注射部位の壊死、皮膚潰瘍(頻度不明注))
注射部位の壊死、皮膚潰瘍があらわれ、瘢痕が形成されることがある。重度の場合には壊死組織の切除、皮膚移植が必要になることがあるので、注射部位の疼痛、腫脹、硬結等があらわれた場合には投与を中止する等、適切な処置を行うこと。
急性汎発性発疹性膿疱症(頻度不明注))
急性汎発性発疹性膿疱症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
注:自発報告のため頻度不明
その他の副作用
1%以上 | 1%未満 | 頻度不明注1) | |
精神・神経系 | 眠気 | 不安、めまい | 倦怠感、不随意運動、振戦、痙攣、頭痛、幻覚、興奮、錯乱、不眠、傾眠 |
消化器 | 口渇 | 嘔気・嘔吐 | 食欲不振注2)、胃部不快感注2)、便秘 |
循環器 | 血圧降下、頻脈 | ||
過敏症注3) | 発疹、紅斑、多形滲出性紅斑、浮腫性紅斑、紅皮症、そう痒、蕁麻疹 | ||
注射部位 | 疼痛 | 腫脹、硬結、静脈炎、しびれ、知覚異常、筋萎縮、筋拘縮 | |
その他 | 霧視、尿閉、発熱 |
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので、減量するなど注意すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。[妊娠初期(約3ヶ月)に本剤を投与された婦人が、口蓋裂等の奇形を有する児を出産したとの報告がある6)。また、妊娠中の投与により、出産後新生児に傾眠、筋緊張低下、離脱症状、錐体外路障害、間代性運動、中枢神経抑制等の精神神経系症状、新生児低酸素症があらわれたとの報告がある6)7)。]
授乳中の婦人には本剤投与中の授乳を避けさせること。[本剤がヒト母乳中に移行するかどうかは知られていないが、授乳中の新生児に中枢神経抑制、緊張低下があらわれたとの報告がある。]
小児等への投与
低出生体重児、新生児に使用する場合には十分注意すること。[外国において、ベンジルアルコールの静脈内大量投与(99〜234mg/kg)により、中毒症状(あえぎ呼吸、アシドーシス、痙攣等)が低出生体重児に発現したとの報告がある。本剤は添加物としてベンジルアルコールを含有している。]
臨床検査結果に及ぼす影響
本剤はアレルゲン反応を抑制するため、アレルゲン皮内反応検査又は気道過敏性試験を実施する少なくとも5日前より本剤の投与を中止することが望ましい。
過量投与
症状
過度の鎮静、また、まれに振戦、痙攣、低血圧、意識レベルの低下、嘔気・嘔吐等があらわれることがある。
処置
一般的な対症療法を行う。ただし、エピネフリンは昇圧作用を逆転させるおそれがあるので投与しないことが望ましい。
適用上の注意
静脈内注射時
投与速度
注射方法等に十分注意し25mg/分未満の注射速度でできるだけ遅くすること。[皮内又は皮下に薬液が漏出し、静脈炎、一過性の溶血等を起こすおそれがある。]
注射方法
本剤を静注する場合は、点滴静注により行うのが望ましい。また本剤を稀釈せず点滴静注の側管より直接注入することは避けること。
筋肉内注射時
筋肉内投与により、注射部位に壊死、皮膚潰瘍、疼痛、硬結、しびれ、知覚異常、筋萎縮・筋拘縮等の筋肉障害があらわれることがある。筋肉内注射にあたっては、組織・神経などへの影響を避けるため下記の点に留意すること。
神経走行部を避けて慎重に投与すること。
注射針刺入時、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合には、直ちに針を抜き、部位を変えて注射すること。
注射後、強くもまず軽くおさえる程度にとどめること。[皮内又は皮下に薬液が漏出し、壊死、皮膚潰瘍、疼痛等の注射部位反応を起こすことがある。]
繰り返し注射する場合には、例えば左右交互に注射するなど、同一注射部位を避けて行うこと。
なお、乳児・小児には連用しないことが望ましい。
アンプルカット時
本剤はワンポイントアンプルであるが、異物混入を避けるため、アンプルカット部分をエタノール綿等で清拭したのちカットすることが望ましい。
中枢抑制作用
ヒドロキシジンは、視床、視床下部、大脳辺縁系などに作用し、中枢抑制作用を示すものと考えられている8)。
ヒドロキシジンは、電気刺激による情動行動に対し優れた静穏効果を示す。電撃闘争ラットにおける馴化作用は、クロルジアゼポキシドとほぼ同等である9)。
ヒドロキシジンは、ラットのアポモルヒネによるそしゃく運動に対して抑制作用を示すが、カタレプシー作用は認められていない10)。
制吐作用
ヒドロキシジンは、アポモルヒネ及びベラトルムアルカロイドによるイヌ嘔吐に対し抑制作用を示す。
アタラックス-P注射液(25mg/ml)
10アンプル
アタラックス-P注射液(50mg/ml)
50アンプル
1. | Zuidema,J., Pharm Weekbl Sci, 7 (4), 134, (1985) »PubMed »DOI |
2. | Moore,M.R.et al., Clin Biochem, 22 (3), 181, (1989) »PubMed »DOI |
3. | Martindale 32nd ed., 397, (1999) Pharmaceutical Press |
4. | Martindale 34th ed., 1492, (2004) Pharmaceutical Press |
5. | Salo,O.P.et al., Acta Derm Venereol, 66 (4), 349, (1986) »PubMed |
6. | Briggs,G.G., Drugs in Pregnancy and Lactation Tenth Edition, 675, (2015) Williams & Wilkins |
7. | Prenner,B.M., Am J Dis Child, 131 (5), 529, (1977) »PubMed »DOI |
8. | 渡辺 繁紀ほか, 日本薬理学雑誌, 70 (1), 19, (1974) »PubMed »DOI |
9. | Morren,H.G.et al., Psychopharmacological Agents Gordon,M.ed., 4, 251, (1964) Academic Press |
10. | Levis,S.et al., Arch Int Pharmacodyn Ther, 109 (1-2), 127, (1957) »PubMed |
改訂履歴 |
2016年5月 改訂 |
文献請求先 |
ファイザー株式会社 |
業態及び業者名等 |
製造販売 |
[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] | 2020/12/16 版 |