医療用医薬品 : テクネ

List   Top

医薬品情報


総称名 テクネ
薬効分類名 放射性医薬品
心疾患診断薬
骨疾患診断薬
薬効分類番号 4300
ATCコード V09BA03
KEGG DRUG
D08765 ピロリン酸ナトリウム・ピロリン酸テクネチウム
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
日米の医薬品添付文書はこちらから検索することができます。

添付文書情報2022年3月 改訂(第2版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
テクネピロリン酸キット Techne Pyrophosphate Kit PDRファーマ 4300408D1029 3168円/回分 処方箋医薬品注)

4. 効能または効果

○心シンチグラムによる心疾患の診断
○骨シンチグラムによる骨疾患の診断

6. 用法及び用量

<心シンチグラフィ>
本品を冷蔵庫から取り出し室温に戻した後、日局「生理食塩液」2〜4mLを加え、よく振り混ぜた後、約半量を被検者に静注し、約30分後に放薬基「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」370〜740MBqを静注し、シンチレーションスキャナ又はシンチレーションカメラを用いて静注直後より速やかにディテクタを体外より胸部に向けて撮影することによりRIアンギオカルジオグラムを得、またRIアンギオカルジオグラフィ終了後に撮影することにより心プールシンチグラムを得る。
<骨シンチグラフィ>
本品を冷蔵庫から取り出し室温に戻した後、放薬基「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」1〜9mLを加えよく振り混ぜた後、室温に5分間放置する。
調製されたピロリン酸テクネチウム(99mTc)注射液185〜555MBqを被検者に静注し、1〜6時間後にシンチレーションスキャナ又はシンチレーションカメラを用いてディテクタを体外より骨診断箇所に向けて走査又は撮影することにより骨シンチグラムを得る。

8. 重要な基本的注意

診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与することとし、投与量は最小限度にとどめること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
診断上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
 頻度不明
過敏症皮膚発赤、そう痒感
循環器血圧低下、動悸、顔面紅潮
呼吸器喘鳴
消化器嘔気、嘔吐
その他発熱

14. 適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 本品の調製は無菌的に行い、また適当な鉛容器で遮蔽して行うこと。
14.1.2 本品の調製の際、バイアル内に空気を入れないこと、またバイアル内を陽圧にしないこと。
14.1.3 調製後は、放射線を安全に遮蔽できる貯蔵設備(貯蔵箱)に保存すること。
14.1.4 本品は調製後6時間以内に投与すること。
14.2 薬剤投与時の注意
<心シンチグラフィ>
14.2.1 99mTc-in vivo赤血球標識法施行時、三方活栓の使用など99mTcO4が被検者へ静注される前にSn-ピロリン酸と接触すると、標識率の低下や腎への集積を認めることがある1)
<骨シンチグラフィ>
14.2.2 99mTc-ピロリン酸は静注後速やかに尿中へ排泄されるため、多量の水分摂取や頻回排尿はシンチグラムに好結果をもたらす2)

16. 薬物動態

16.3 分布
16.3.1 Sn-ピロリン酸は赤血球表面に99mTcとの結合を可能とする準備状態を作り3)、その後99mTcO4を投与すると、30分後には標識率は96%になり5時間経過しても標識率は低下せずかえって上昇する傾向が認められる4)99mTc-ピロリン酸の集積は静注後正常骨部で3時間後に、また病変骨部で4時間前後にピークを示し、病変骨部は正常骨部に比して緩やかに減少する2)。また正常骨部に対する病変骨部の集積比は1.1〜23.1の範囲である2)
16.3.2 吸収線量
MIRD法により計算した吸収線量は次のとおりである。
<心シンチグラフィ>
臓器吸収線量(mGy/37MBq)
全身0.12
0.15
肝臓0.22
脾臓0.09
腎臓1.16
睾丸0.27
卵巣0.16
<骨シンチグラフィ>
臓器吸収線量(mGy/37MBq)
全身0.15
0.12
肝臓0.21
脾臓1.22
腎臓1.40
0.15
睾丸0.59
卵巣0.38
(自社データ)
16.5 排泄
<心シンチグラフィ>
99mTcの尿中への排泄は3時間後までで投与量の10%であり、その大部分は初期に排泄される3)

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
<心シンチグラフィ>
17.1.1 国内臨床試験
各種疾患患者の心シンチグラフィを行い、明瞭なイメージが得られたものを有効例とした場合の有効率(有効例数/症例数)は次のとおりである。
疾患名有効例数/症例数有効率
狭心症87/87100%
心筋梗塞28/28100%
心房中隔欠損症22/22100%
弁膜疾患15/15100%
動脈瘤12/12100%
大動脈炎症候群9/9100%
シャント疾患8/8100%
脚ブロック7/7100%
高血圧症7/7100%
心不全6/6100%
冠不全(疑い)6/6100%
動脈硬化症6/6100%
僧帽弁狭窄5/5100%
心筋症5/5100%
その他(正常例を含む)60/60100%
283/283100%
全283例に対し、副作用は認められなかった。
<骨シンチグラフィ>
17.1.2 国内臨床試験
各種疾患患者に骨シンチグラフィを行い、以下のような有効率(有効例数/症例数)を得た。
疾患名有効例数/症例数有効率
原発性骨腫瘍85/85100%
転移性骨腫瘍176/176100%
その他の骨疾患368/368100%
その他71/71100%
700/700100%
全700 例に対し、副作用は認められなかった。

18. 薬効薬理

18.1 測定法
本剤の有効成分に含まれる放射性核種から放出される放射線(ガンマ線)が核医学検査装置により画像化される。
18.2 集積機序
<心シンチグラフィ>
18.2.1 Sn-ピロリン酸は赤血球表面に99mTcとの結合を可能とする準備状態を作る3)
<骨シンチグラフィ>
18.2.2 99mTc-ピロリン酸の正常骨部に対する病変骨部の集積比は1.1〜23.1の範囲である2)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1.

分子式 Na4P2O7・10H2O
分子量 446.06
核物理学的特性
99mTcとして)
・物理的半減期:6.015時間
・主なγ線エネルギー:141keV(89.1%)
減衰表
経過時間(時間)残存放射能(%)
−3141.3
−2125.9
−1112.2
0100
189.1
279.4
370.8
463.1
556.2
650.1
744.6
839.8
935.4
1031.6
1128.2
1225.1
1322.4
1419.9
1517.8
1615.8
1714.1
1812.6
1911.2
2010.0
218.9
227.9
237.1
246.3
理化学知見その他 19.1 ピロリン酸テクネチウム(99mTc) 調製前の化合物:ピロリン酸ナトリウム・十水塩

22. 包装

2バイアル、10バイアル

23. 主要文献

  1. 楢橋晋一,ほか, 核医学, 23, 505-511, (1986) »PubMed
  2. 仙田宏平,ほか, 臨床放射線, 20, 301-308, (1975) »PubMed
  3. 浅原 朗, 交通医学, 35, 125-135, (1981)
  4. 朝倉浩一,ほか, 核医学, 15, 943-951, (1978) »PubMed

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
PDRファーマ株式会社 製品情報センター
〒104-0031 東京都中央区京橋2-14-1 兼松ビルディング
電話:0120-383-624
製品情報問い合わせ先
PDRファーマ株式会社 製品情報センター
〒104-0031 東京都中央区京橋2-14-1 兼松ビルディング
電話:0120-383-624

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
PDRファーマ株式会社
東京都中央区京橋2-14-1 兼松ビルディング

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/05/21 版