医療用医薬品 : ケタス

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医薬品情報


総称名 ケタス
一般名 イブジラスト
欧文一般名 Ibudilast
製剤名 イブジラストカプセル
薬効分類名 ホスホジエステラーゼ阻害剤, 脳血管障害・気管支喘息改善剤
薬効分類番号 2190 4490
ATCコード R03DC04
KEGG DRUG D01385 イブジラスト
商品一覧 商品一覧(他薬効を含む)
JAPIC 添付文書(PDF)

添付文書情報 2013年5月 改訂(会社住所の変更) (第10版)


禁忌 効能・効果及び用法・用量 使用上の注意 薬物動態 臨床成績 薬効薬理 理化学的知見 包装 主要文献

商品情報 組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ケタスカプセル10mg KETAS Capsules 10mg 杏林製薬 4490010N1021 20.1円/カプセル

禁忌

次の患者には投与しないこと

頭蓋内出血後、止血が完成していないと考えられる患者[止血の完成を遅らせるおそれがある。]

効能・効果及び用法・用量

効能効果

気管支喘息

脳梗塞後遺症に伴う慢性脳循環障害によるめまいの改善

用法用量

気管支喘息の場合

イブジラストとして通常、成人には1回10mgを1日2回経口投与する。

脳血管障害の場合

イブジラストとして通常、成人には1回10mgを1日3回経口投与する。

なお、症状により適宜増減する。

用法用量に関連する使用上の注意

脳梗塞後遺症の場合

投与期間は、臨床効果及び副作用の程度を考慮しながら慎重に決定するが、投与12週で効果が認められない場合には投与を中止すること。

使用上の注意

慎重投与

脳梗塞急性期の患者[症状が悪化するおそれがある。]

肝機能障害のある患者

高齢者(「高齢者への投与」の項参照)

重要な基本的注意

気管支喘息に使用する場合、本剤は気管支拡張剤、ステロイド剤等と異なり、すでに起こっている発作を速やかに緩解する薬剤ではないので、このことは患者に十分説明しておく必要がある。

長期ステロイド療法を受けている気管支喘息患者で、本剤投与によりステロイド剤の減量をはかる場合は十分な管理下で徐々に行うこと。

副作用

副作用発現状況の概要

気管支喘息及び脳血管障害の両領域において、総症例14,968例中、507例(3.39%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められ、主な副作用は食欲不振87例(0.58%)、嘔気84例(0.56%)、AST(GOT)上昇45例(0.30%)、ALT(GPT)上昇53例(0.35%)、γ-GTP上昇54例(0.36%)であった。(再評価終了時)

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

血小板減少

血小板減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。

肝機能障害、黄疸

AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、γ-GTP、総ビリルビン等の上昇を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

その他の副作用

 0.1〜5%未満0.1%未満
過敏症注) 発疹そう痒感 等
精神神経系めまい、頭痛振戦、不眠、眠気、ぼっとする 等
消化器食欲不振、嘔気、嘔吐、腹痛、消化不良腹部膨満感、下痢、胃潰瘍 等
循環器 心悸亢進、起立性低血圧、ほてり
血液 貧血、白血球減少
肝臓AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、γ-GTPの上昇総ビリルビン等の上昇
その他 倦怠感、耳鳴、顔面浮腫、浮遊感、味覚異常 等
注)発現した場合には投与を中止すること

高齢者への投与

本剤は、主として肝臓で代謝されるが、高齢者では肝機能が低下していることが多いため高い血中濃度が持続するおそれがあるので、注意すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい。[動物実験(ラット)において、新生児の発育遅延等が報告されている1)2)。]

授乳中の婦人には投与しないことが望ましい。[動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている3)。]

小児等への投与

小児等に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。

適用上の注意

調剤時

本剤は徐放性製剤であるため、カプセル内容物を取り出して調剤しないこと。

薬剤交付時

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]

薬物動態

血中濃度4)

健康成人にイブジラスト10mgを単回経口投与した時の血中未変化体濃度及び薬物速度論的パラメータは次のとおりである。

図 血中濃度(健康成人)

薬物速度論的パラメータ

投与量
(mg)
Tmax
(hr)
Cmax
(ng/mL)
t1/2
(hr)
AUC0→30
(ng・hr/mL)
1042512.0334

代謝・排泄5)

健康成人にイブジラスト10mgを単回経口投与した結果、72時間までに投与量の約60%が尿中に排泄された。尿中に未変化体は検出されず、主な代謝物は6,7-ジヒドロジオール体(抱合体)、2β,3β-ジオール体(抱合体)であった。

臨床成績

気管支喘息(20mg/日 投与)

気管支喘息を対象に行った二重盲検比較試験を含む臨床試験について評価した成績の概要は次のとおりである。また、気管支喘息を対象とした二重盲検比較試験において本剤の有用性が認められている。

病型改善率(%)
中等度改善以上軽度改善以上
アトピー型44.3(74/167)78.4(131/167)
混合型39.6(101/255)71.4(182/255)
感染型40.7(24/59)67.8(40/59)
合計41.4(199/481)73.4(353/481)

脳梗塞後遺症(30mg/日 投与)6)

脳梗塞後遺症患者を対象に、4週間の観察期(プラセボ投与)の後、コンプライアンス不良の患者、脳梗塞後遺症に伴う症状が不安定な患者等は試験終了とし、その他の患者についてイブジラスト又はプラセボを8週間投与する二重盲検比較試験を実施した。その結果、本剤のめまい改善度は次のとおりであり、有用性が認められている。

評価項目薬剤改善(%)検定
めまい改善度イブジラスト50.0(47/94)p<0.001
プラセボ18.7(20/107)

薬効薬理

脳血管障害に対する作用

臨床薬理作用

脳血流量増加作用

脳血管障害患者において、脳血流量を増加させた(PET)7)

内頸動脈平均血流量改善作用

慢性脳循環不全症患者において、総頸動脈の平均血流量を増加させ、循環抵抗を低下させた8)

血小板活性化抑制作用

脳血管障害患者において、血小板の活性化を抑制した9)

血小板凝集抑制作用

脳血管障害患者において、血小板凝集を抑制した9)10)

血管内皮保護作用

脳梗塞患者において、血管内皮細胞接着分子の発現を抑制した11)

基礎薬理作用

ホスホジエステラーゼ阻害作用

RT-PCR法によりクローニングしたヒトの心および脳のホスホジエステラーゼの活性を阻害した12)

血管拡張作用

摘出イヌ脳底動脈においてプロスタサイクリンによる血管弛緩作用を増強した13)
また、脳梗塞モデルラットの脳局所血流量を増加させた。その増加率は正常ラットと比較してより高かった14)

抗炎症作用

マウスのグリア細胞からのTNFα及びNOの産生を抑制した15)
また、慢性脳低灌流モデルラットの視索、内包、脳梁において白質病変の抑制効果が認められた16)

血栓形成阻止作用

脳血栓モデルスナネズミにおいて、血栓形成を抑制し17)、脳血栓モデルラットにおいて、脳血管閉塞による脳波の平坦化を抑制した18)

神経保護作用

ラットの海馬神経においてグルタミン酸塩により生じた神経損傷を抑制した19)
また、一過性脳虚血モデルラットにおいて虚血による神経密度の低下を回復した20)

気管支喘息に対する作用

臨床薬理作用

気道過敏性の改善作用

気管支喘息患者におけるメサコリン吸入試験において、気道過敏性を改善した21)

抗原吸入誘発による気管支反応の抑制作用

気管支喘息患者における抗原吸入誘発試験において、即時型気管支反応22)及び遅発型気管支反応23)を抑制した。

基礎薬理作用

好酸球及び気道平滑筋ホスホジエステラーゼ阻害作用

モルモット好酸球及びウシ気道平滑筋から抽出したホスホジエステラーゼ活性を阻害した24)

気道反応性亢進の抑制作用

モルモットにおいて、PAF投与による気道反応性亢進を抑制した25)

ロイコトリエン・PAF拮抗作用

摘出モルモット気道平滑筋26)27)及びモルモット28)29)、ネコ30)の気道において、ロイコトリエンD4あるいはPAFによる収縮反応を選択的に抑制した。
また、モルモットにおいて、ロイコトリエンD4あるいはPAFによる血管透過性の亢進を抑制した29)

ロイコトリエン遊離抑制作用

健康成人及び気管支喘息患者の末梢白血球からのロイコトリエンC4及びB4の遊離を抑制した31)

実験的喘息抑制作用

モルモット及びラットの実験的喘息モデルにおいて、気道収縮を抑制した32)
また、この作用は、モルモットの内因性ロイコトリエンが強く関与するモデルにおいても、顕著であった28)

気道液分泌及び粘液線毛輸送能の促進作用

ラットにおいて、粘度の低い気道液の分泌を促進させることが示唆された33)。また、カエルの口蓋粘膜において、粘液線毛輸送能を促進した34)

有効成分に関する理化学的知見

一般名イブジラスト
一般名(欧名)Ibudilast
化学名1-[2-(1-Methylethyl)pyrazolo[1,5-a]pyridin-3-yl]-2-methylpropan-1-one
分子式C14H18N2O
分子量230.31
融点54〜58℃
性状本品は白色の結晶性の粉末である。
本品はメタノールに極めて溶けやすく、エタノール(99.5)又は無水酢酸に溶けやすく、水に極めて溶けにくい。
分配係数有機溶媒相水相分配係数1-オクタノール水2.57×103 クロロホルム水2.40×104 (25℃)
KEGG DRUGD01385

包装

ケタスカプセル10mg

PTP包装

100カプセル(10カプセル×10)

500カプセル(10カプセル×50)

1,000カプセル(10カプセル×100)

2,100カプセル(21カプセル×100)

バラ包装

500カプセル

主要文献


1. 今井 繁,他,  基礎と臨床,  20,  101,  (1986)
2. 今井 繁,他,  イブジラストのラットにおける周産期及び授乳期投与試験(社内資料)
3. 高木皓一,他,  応用薬理,  30,  967,  (1985)
4. 前田貞正,他,  基礎と臨床,  23,  2349,  (1989)
5. 内田 広,他,  基礎と臨床,  19,  6220,  (1985)
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10. 内山真一郎,  新薬と臨床,  42 (9),  1868,  (1993)
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作業情報


改訂履歴

2009年7月 改訂
2013年5月 改訂(会社住所の変更) (第10版)

文献請求先

主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。
杏林製薬株式会社
101-8311
東京都千代田区神田駿河台4-6

0120-409341 受付時間 9:00〜17:30(土・日・祝日を除く)

業態及び業者名等

杏林製薬株式会社
東京都千代田区神田駿河台四丁目6番地


[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2020/9/16 版