医療用医薬品 : サノレックス

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医薬品情報


総称名 サノレックス
一般名 マジンドール
欧文一般名 Mazindol
製剤名 マジンドール錠
薬効分類名 食欲抑制剤
薬効分類番号 1190
ATCコード A08AA05
KEGG DRUG D00367 マジンドール
商品一覧 相互作用情報
JAPIC 添付文書(PDF)

添付文書情報


警告 禁忌 効能・効果及び用法・用量 使用上の注意 薬物動態 臨床成績 薬効薬理 理化学的知見 包装 長期投与医薬品に関する情報 主要文献

商品情報 詳細

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
サノレックス錠0.5mg Sanorex Tablets 富士フイルムファーマ 1190008F1020 188.6円/錠 劇薬 , 向精神薬 , 習慣性医薬品 , 処方箋医薬品

警告

本剤の主要な薬理学的特性はアンフェタミン類と類似しており、本剤を投与する際は、依存性について留意すること。また、海外においては食欲抑制剤の多くで数週間以内に薬物耐性がみられるとの報告がある。

本剤の適用にあたっては、使用上の注意に留意し、用法・用量、効能・効能を厳守すること。

禁忌

次の患者には投与しないこと

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

緑内障の患者[眼内圧が上昇するおそれがある。]

重症の心障害のある患者[症状が悪化するおそれがある。]

重症の膵障害のある患者[インスリン分泌抑制作用を有する。]

重症の腎・肝障害のある患者[代謝又は排泄が遅延するおそれがある。]

重症高血圧症の患者[カテコラミンの昇圧作用を増強する。]

脳血管障害のある患者[症状が悪化するおそれがある。]

不安・抑うつ・異常興奮状態の患者及び統合失調症等の精神障害のある患者[症状が悪化するおそれがある。]

薬物・アルコール乱用歴のある患者[このような患者では一般に依存性、乱用が起こりやすいと考えられる。]

MAO阻害剤投与中又は投与中止後2週間以内の患者(「3.相互作用」の項参照)

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「6.妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)

小児(「7.小児等への投与」の項参照)

効能・効果及び用法・用量

効能・効果

あらかじめ適用した食事療法及び運動療法の効果が不十分な高度肥満症(肥満度が+70%以上又はBMIが35以上)における食事療法及び運動療法の補助

効能・効果に関連する使用上の注意

肥満症治療の基本である食事療法及び運動療法をあらかじめ適用し、その効果が不十分な高度肥満症患者にのみ、本剤の使用を考慮すること。

本剤は肥満度が+70%以上又はBMIが35以上の高度肥満症であることを確認した上で適用を考慮すること。

肥満度(%)=(実体重−標準体重)/標準体重×100

BMI(Body Mass Index)=体重(kg)/身長(m)2

内分泌性肥満、遺伝性肥満、視床下部性肥満等の症候性(二次性)肥満患者においては、原疾患の治療を優先させること。

用法・用量

本剤は肥満度が+70%以上又はBMIが35以上の高度肥満症患者に対して、食事療法及び運動療法の補助療法として用いる。
通常、成人には、マジンドールとして0.5mg(1錠)を1日1回昼食前に経口投与する。1日最高投与量はマジンドールとして1.5mg(3錠)までとし、2〜3回に分けて食前に経口投与するが、できる限り最小有効量を用いること。
投与期間はできる限り短期間とし、3ヵ月を限度とする。なお、1ヵ月以内に効果のみられない場合は投与を中止すること。

用法・用量に関連する使用上の注意

食事量、体重の推移、食生活等に留意の上、常に投与継続の可否、投与量について注意すること。

本剤は、睡眠障害を引き起こすことがあるので夕刻の投与は避けること。

使用上の注意

慎重投与

糖尿病の患者[インスリン、経口糖尿病剤の必要量が変化することがある。]

精神病の既往歴のある患者(「禁忌」(8)の項参照)

てんかん又はその既往歴のある患者[本剤の副作用で痙攣が報告されており、発作を誘発するおそれがある。]

高齢者(「5.高齢者への投与」の項参照)

重要な基本的注意

本剤投与中に肺高血圧症があらわれたとの報告があり、また、海外で、食欲抑制剤の長期投与により肺高血圧症の発症の危険性が増加するとの報告があるので、本剤を3ヵ月を超えて投与しないこと。

急激な減量による心血管系の合併症のリスクを避けるため本剤投与中は体重の推移に注意すること。

本剤投与中の患者には、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。

相互作用

併用禁忌

MAO阻害剤高血圧クリーゼを起こすことがあるので、MAO阻害剤投与中又はMAO阻害剤投与中止後2週間は、本剤を投与しないこと。本剤は、交感神経刺激作用を有し、MAO阻害剤の作用を増強すると考えられる。

併用注意

昇圧アミン
アドレナリン
ノルアドレナリン等
昇圧アミンの作用を増強することがあるので、観察を十分に行うこと。本剤は神経終末におけるカテコラミンの再吸収を抑制するため、昇圧アミンの作用を増強する。
グアネチジン系薬剤
グアネチジン
ベタニジン
ラウオルフィア製剤
レセルピン等
クロニジン
メチルドパ
降圧効果を減弱することがある。本剤は、交感神経刺激作用を有するため、グアネチジン系薬剤、ラウオルフィア製剤、クロニジン、メチルドパの交感神経遮断作用に拮抗する。
インスリン
経口糖尿病剤
インスリン、経口糖尿病剤の必要量が変化することがある。インスリン分泌抑制作用が認められること、また肥満の改善により、インスリン、経口糖尿病剤の必要量が変化するため。
アルコール
(飲酒)
めまい、眠気等の副作用が増強されるおそれがある。併用により、中枢神経系の刺激が増強されるため。
ハロゲン系吸入麻酔剤
ハロタン等
不整脈等を引き起こすおそれがある。本剤の交感神経刺激の効果により、ハロゲン系吸入麻酔剤の心筋の感受性を高めるため。
中枢神経刺激剤
アマンタジン等
幻覚、睡眠障害等の副作用が増強されるおそれがあるので、用量に注意すること。いずれも中枢神経刺激作用を有するため。
甲状腺ホルモン本剤の中枢神経刺激作用を増強するおそれがある。甲状腺ホルモンが、カテコラミンのレセプターの感受性を増大すると考えられているため。

副作用

副作用発現状況の概要

総症例8,060例中何らかの副作用が報告されたのは、1,721例(21.4%)であった。主な副作用は口渇感572件(7.1%)、便秘516件(6.4%)、悪心・嘔吐337件(4.2%)、睡眠障害166件(2.1%)、胃部不快感164件(2.0%)等であった。(承認時まで及び再審査終了時までの集計)

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

(頻度不明)

依存性

本剤の主要な薬理学的特性はアンフェタミン類と類似しており、サルでの静脈内薬物自己摂取試験においては摂取頻度の増加がみられ、精神依存の形成が認められている。
イヌでの22ヵ月間経口投与による慢性毒性試験においては幻覚様異常行動がみられている。
この点に関し、ヒトにおける長期投与による依存性・精神症状の発現は明確ではないが、本剤を投与する際は、依存性について留意すること。(アンフェタミンをはじめとする中枢興奮剤は耐性及び精神依存を形成することが知られている。)

肺高血圧症

本剤投与中に肺高血圧症があらわれたとの報告があるので観察を十分に行い、労作性呼吸困難、胸痛、失神等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

その他の副作用

 頻度不明5%以上0.1%〜5%未満0.1%未満
精神神経系神経過敏、激越、抑うつ、精神障害、振戦、幻覚、知覚異常、不安、痙攣口渇感睡眠障害、頭痛、脱力感、めまい、けん怠感、いらいら感、眠気、ふらつき
消化器便秘悪心・嘔吐、胃部不快感、腹部膨満感、腹痛、下痢
循環器頻脈、胸痛、血圧上昇、脳卒中、狭心症、心筋梗塞、不整脈、心不全、心停止、顔面潮紅動悸
過敏症注)そう痒感発疹
肝臓AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇
泌尿器排尿困難頻尿
その他口中苦味感、発汗、性欲減退、脱毛、さむけ咽頭不快感、月経異常
注)このような場合には投与を中止すること。

高齢者への投与

市販後調査で収集した安全性解析対象症例において、高齢者における副作用発現症例率は、65歳未満の症例に比べて高い傾向が認められている。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。[動物実験(ラット)で母獣に毒性のあらわれる大量投与により胎児毒性(体重増加の抑制、出生率の低下等)が報告されている。]

授乳中の婦人には投与することを避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること。[動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。]

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児には投与しないこと。[安全性は確立していない。]

過量投与

徴候、症状

悪心、嘔吐、頭痛、頻脈、不整脈、呼吸困難、排尿障害、興奮、痙攣発作、昏睡

処置法

胃洗浄及び活性炭の投与による本剤の除去。
必要に応じて補助的な対症療法や心血管系及び呼吸系のモニタリングを行う。興奮及び痙攣発作が認められる場合には、短時間作用型バルビツール酸誘導体又はベンゾジアゼピン系薬剤を投与する。

適用上の注意

薬剤交付時

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

薬物動態

健康成人にマジンドール2mgを1回経口投与し、マジンドール未変化体の血漿中濃度及び尿中排泄量を検討した。(本剤の用法及び用量は、1回0.5mgで、1日量1.5mgである。)

血中濃度

最高血漿中濃度は投与2時間後に得られ、その値は約2.81ng/mLであった。また、血漿中半減期は約9時間であった。

健康成人にマジンドール2mgを経口投与後の平均血漿中濃度の推移

(n=12、mean±S.E.)

排泄

尿中排泄は投与後72時間でほぼ終了し、未変化体の総排泄量は投与量の約4.5%であった。

臨床成績

[1][2][3][4][5][6][7][8]

二重盲検比較試験を含む本剤の臨床試験成績の概要は次のとおりである。
高度肥満症患者(BMIが35以上)44例中における本剤の臨床効果判定は、食欲抑制効果及び体重減少効果等を調査して行った。全般改善度は中等度改善以上で43.2%(19/44)、軽度改善以上で75.0%(33/44)であった。
また、プラセボを対照とした二重盲検比較試験の結果、本剤の有用性が確認された。

薬効薬理

本剤は、主として視床下部にある食欲中枢に作用し、摂食行動を抑制する。

摂食行動に対する作用

1回及び1日摂餌量の減少、食事後食事間間隔の延長及び体重減少が認められる(ラット)。[9][10]また、肥満動物モデルである視床下部腹内側核(VMH)破壊ラットにおいて正常ラットに対して影響を及ぼさない用量で摂餌量及び体重減少が認められる。[11][12]

消化吸収に対する作用

唾液(イヌ)及び胃酸分泌(ラット)の抑制が認められる。[13]また、肥満動物モデルであるgoldthioglucose(GTG)投与マウスにおいて増大した小腸の絨毛表面積縮小及び消化酵素(スクラーゼ、エステラーゼ)活性の低下が認められる。[14]

グルコース利用促進

骨格筋等へのグルコースの取り込み促進が認められ、組織におけるグルコース利用の増加が示唆されている(ラット)。[15]

熱産生促進

ラット及び肥満型糖尿病モデルであるYellow KKマウスにおいて褐色脂肪組織(BAT)のミトコンドリア蛋白含量及びBAT熱産生能の指標であるguanosine 5’-diphosphate(GDP)結合能の増加等、BATの活性化が示唆されている。[16][17]

肥満時の代謝変動に対する作用

肥満時に認められる肝及び血中の脂質(コレステロール、中性脂肪、リン脂質、遊離脂肪酸等)、血中インスリン、脂肪組織重量、脂肪細胞容積等の増加を抑制する(VMH破壊ラット[11][12]、GTG投与マウス[14])。

作用機序

マジンドールは摂食調節中枢であるVMH及び視床下部外側野(LHA)への直接作用[18][19]及び神経終末におけるモノアミン(ノルアドレナリン、ドパミン、セロトニン)の再吸収抑制[20][21][22]を介した機序により、摂取エネルギー抑制(摂食抑制、消化吸収抑制)[9][10][11][12][13][14]及び消費エネルギー促進(グルコース利用、熱産生促進)[15][16][17]をもたらし、更に肥満時にみられる代謝変動を改善[11][12][14]することにより肥満症を是正するものと考えられる。

有効成分に関する理化学的知見

一般名マジンドール
一般名(欧名)Mazindol
化学名(±)-5-(p-Chlorophenyl)-2,5-dihydro-3H-imidazo[2,1-a]isoindol-5-ol
分子式C16H13ClN2O
分子量284.74
融点177〜184℃(分解)
性状白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはないか、又はわずかに特異なにおいがある。酢酸(100)に溶けやすく、メタノール、エタノール(95)、クロロホルム又はN,N-ジメチルホルムアミドに溶けにくく、アセトン又はジエチルエーテルに極めて溶けにくく、水又はへキサンにはほとんど溶けない。
KEGG DRUGD00367

包装

サノレックス錠0.5mg

100錠(PTP)

長期投与医薬品に関する情報

本剤は厚生労働省告示第97号(平成20年3月19日付)に基づき、投薬期間は1回14日間分を限度とされています。

主要文献


1. 熊原雄一ほか,  臨床評価,  13 (2),  419,  (1985)
2. 熊原雄一ほか,  臨床評価,  13 (2),  461,  (1985)
3. 鬼原 彰,  医学と薬学,  13 (3),  607,  (1985)
4. 阿部祐五ほか,  臨牀と研究,  62 (8),  2709,  (1985)
5. 井上修二,  医学と薬学,  13 (4),  837,  (1985)
6. 谷口 中ほか,  医学と薬学,  13 (5),  1209,  (1985)
7. 藤岡滋典ほか,  基礎と臨床,  19 (9),  4767,  (1985)
8. 生山祥一郎ほか,  Prog.Med.,  5 (4),  1242,  (1985)
9. 永井克也ほか,  日薬理誌,  83 (2),  133,  (1984) »PubMed
10. 藤本一眞ほか,  日薬理誌,  83 (5),  425,  (1984) »PubMed
11. 井上修二ほか,  日薬理誌,  83 (5),  441,  (1984) »PubMed
12. 宇佐美勝ほか,  日薬理誌,  85 (4),  297,  (1985) »PubMed
13. 白石武昌,  日薬理誌,  83 (2),  159,  (1984) »PubMed
14. 大南宏治ほか,  日薬理誌,  83 (2),  123,  (1984) »PubMed
15. Nagai,K.et al.,  Eur.J.Pharmacol.,  260 (1),  29,  (1994) »PubMed
16. Wyllie,M.G.et al.,  Int.J.Obes.,  8 (Suppl.1),  85,  (1984) »PubMed
17. 吉田俊秀ほか,  第15回日本肥満学会,  79  1994年7月21,22日(大阪)
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20. Engstrom,R.G,et al.,  Arch.Int.Pharmacodyn.,  214 (2),  308,  (1975) »PubMed
21. Heikkila,R.E.,  Life Sci.,  28 (17),  1867,  (1981) »PubMed
22. Shimizu,N.et al.,  Physiol.Behav.,  49 (1),  131,  (1991) »PubMed

作業情報


改訂履歴

2013年4月 改訂
2014年12月 第12版 改訂(製造販売元変更に伴う改訂)

文献請求先

主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい。
富士フイルムファーマ株式会社
東京都港区西麻布二丁目26番30号
0120-121210

業態及び業者名等

製造販売元
富士フイルムファーマ株式会社
東京都港区西麻布二丁目26番30号


[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2019/2/20 版