2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.2 消化管出血、機械的イレウス、消化管穿孔の患者[症状が悪化するおそれがある。]
2.3 プロラクチン分泌性の下垂体腫瘍(プロラクチノーマ)の患者[抗ドパミン作用によりプロラクチン分泌を促す。]
8.2 間脳の内分泌機能調節異常、錐体外路症状等があらわれることがあるので、本剤の投与に際しては、有効性と安全性を十分考慮のうえ使用すること。[
9.7、
11.1.2参照]
8.3 眠気、めまい・ふらつきがあらわれることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械操作に注意させること。
8.4 国内外疫学調査において、致死性不整脈及び心突然死のリスク増加が示唆されている
1)。[
15.1参照]
心室頻拍、心室細動等の重篤な不整脈があらわれることがあるので、以下の点に注意すること。[
9.1.1、
11.1.4参照]
・必要最小限の使用にとどめ、長期にわたり漫然と投与しないこと。
・関連する症状が認められた場合は、速やかに受診するよう患者に指導すること。
・観察を十分に行い、関連する症状が認められた場合は速やかに心機能検査(心電図検査等)を行うこと。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.2 腎機能障害患者
9.3 肝機能障害患者
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)で臨床用量の約65倍の投与量(体表面積換算)で骨格、内臓異常等の催奇形作用が報告されている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。投与する場合は大量投与を避けること。動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。[
16.3.4参照]
9.7 小児等
特に1才以下の乳児には用量に注意し、3才以下の乳幼児には7日以上の連用を避けること。また、脱水状態、発熱時等では特に投与後の患者の状態に注意すること。小児において錐体外路症状、意識障害、痙攣が発現することがある。[
8.1、
11.1.2、
11.1.3参照]
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。一般に高齢者では生理機能が低下している。[
15.1参照]
11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
ショック、アナフィラキシー(発疹、発赤、呼吸困難、顔面浮腫、口唇浮腫等)を起こすことがある。[
8.1参照]
11.1.2 錐体外路症状(0.1%未満)
後屈頸、眼球側方発作、上肢の伸展、振戦、筋硬直等の錐体外路症状があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、投与を中止すること。なお、これらの症状が強い場合には、抗パーキンソン剤を投与するなど適切な処置を行うこと。[
8.2、
9.7参照]
11.1.3 意識障害、痙攣(いずれも頻度不明)[
9.7参照]
11.1.4 重篤な不整脈(頻度不明)
心室頻拍、心室細動等の重篤な不整脈があらわれることがある。異常が認められた場合には、本剤の中止、救命処置、除細動等の適切な処置を行うこと。[
8.4、
9.1.1、
15.1参照]
注)発現頻度は使用成績調査を含む。
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| | 0.1〜5%未満 | 0.1%未満 | 頻度不明 |
| 肝臓 | 肝機能障害(AST,ALT,γ-GTP,ビリルビン,Al-P,LDH上昇等) | | |
| 内分泌 | | | 女性化乳房、プロラクチン上昇、乳汁分泌、乳房膨満感、月経異常 |
| 消化器 | 下痢、腹痛、肛門部不快感、悪心 | 腹部不快感、しぶり腹、腹鳴 | 便秘、腹部圧迫感、口渇、胸やけ、嘔吐、腹部膨満感、腸痙攣 |
| 循環器 | | 心悸亢進 | QT延長 |
| 皮膚 | | 発疹 | じん麻疹、そう痒 |
| その他 | | | 発汗、眠気、動揺感、めまい・ふらつき、口内のあれ |
16.1 血中濃度
健康成人6例に本剤30mg及び60mg(各3例)を直腸内に単回投与したときの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった
4)。
直腸内単回投与したときの血漿中濃度推移(平均値±標準偏差)
直腸内単回投与したときの薬物動態パラメータ
| 用量 | tmax(h) | Cmax(ng/mL) | t1/2(h) | AUC0-24h(ng・h/mL) |
| 30mg | 2 | 23.4 | 約7 | 225.5 |
| 60mg | 2 | 43.3 | 約7 | 396.7 |
16.2 吸収
16.2.1 バイオアベイラビリティ
外国人健康成人3例にドンペリドン60mgを絶食下単回直腸内投与したときのバイオアベイラビリティは12.4%であった
5)。
16.3 分布
16.3.1 体組織への分布
ラットに
14C-ドンペリドン2.5mg/kgを経口及び静脈内投与したとき、いずれも腸管組織、肝臓、膵臓等に高濃度に分布したが、脳への分布は極めて低かった。また、蓄積性も認められなかった
6)。
16.3.2 血液−脳関門通過性
ラットに
14C-ドンペリドン2.5mg/kgを経口投与したとき、脳内放射能濃度は投与後0.25〜1時間で最高となり、その後定常状態に達した時点では血漿中放射能濃度の約1/5であった
6)。
16.3.3 血液−胎盤関門通過性
妊娠ラットに
14C-ドンペリドン2.5mg/kgを静脈内又は経口投与したとき、胎盤内放射能濃度は投与1時間後に最高となり、母体血漿中放射能濃度に比べ静脈内投与では2.7倍、経口投与では2倍であった
6)。
16.3.4 母乳中への移行性
授乳ラットに
14C-ドンペリドン2.5mg/kgを静脈内又は経口投与したとき、乳汁中放射能濃度は静脈内投与後30分、経口投与後1〜2時間で最高に達した
6)。[
9.6参照]
16.3.5 血漿蛋白結合率
ヒト血漿蛋白結合率は以下のとおりであった
5)(
in vitro、外国人データ)。
| 添加濃度(ng/mL) | 10 | 100 |
| 血漿蛋白結合率(%) | 91.8 | 93.0 |
16.4 代謝
16.4.1 in vitro試験において、本剤の代謝には、肝チトクロームP450(CYP3A4)が約50%関与することが示された
7)。[
10.参照]
16.4.2 健康成人3例に本剤60mgを直腸内に単回投与したとき、N-脱アルキル体及び水酸化体が代謝物として同定された
4)。
16.5 排泄
健康成人6例に本剤30mg又は60mg(各3例)を直腸内に単回投与したとき、投与後24時間までに尿中に投与量の0.3〜1%が未変化体として排泄され、そのうち約1/3は投与後4時間までに排泄された。また、60mgを直腸内に単回投与したとき、投与後8時間までに未変化体及び代謝物として投与量の3.8%が尿中へ排泄された
4)。
16.7 薬物相互作用
16.7.1 イトラコナゾール
外国人健康成人15例に本剤(経口剤、20mg
注)、単回投与)とイトラコナゾール(200mg/日、5日間反復投与)を併用投与したとき、本剤のCmax及びAUC
0-∞はそれぞれ2.7倍及び3.2倍増加した
8)。[
10.2参照]
16.7.2 エリスロマイシン
外国人健康成人32例に本剤(経口剤、10mg/回、1日4回
注)、5日間反復投与)とエリスロマイシン(500mg/日、1日3回、5日間反復投与)を併用投与したとき、本剤のCmax及びAUC(AUCτ及びAUC
12h,ss)はそれぞれ約142%及び約167%増加した。
同試験において、QT延長が認められ、その最大値(95%信頼区間)は本剤単独投与では7.52ms(0.602-14.435)、エリスロマイシン単独投与では9.19ms(1.678-16.706)、併用投与では14.26ms(8.014-20.505)であった。[
10.2参照]
注)本剤(経口剤)の成人における承認された用法・用量は1回10mg、1日3回である。
18.1 作用機序
上部消化管並びにCTZ(化学受容器引き金帯)に作用し、抗ドパミン作用により薬効を発現する。
18.2 消化管運動に及ぼす作用
18.2.1 胃運動促進作用
収縮頻度やトーヌスに影響を及ぼさず、胃の律動的な収縮力を長時間(約2時間)増大した(イヌ)
14)。
18.2.2 胃・十二指腸協調運動促進作用
胃の自動運動を増大させると同時に、胃前庭部−十二指腸協調運動を著明に促進した(モルモット摘出胃)
15)。
18.2.3 胃排出能の正常化作用
各種上部消化管疾患患者を対象とした試験で、胃排出能遅延例(胃潰瘍症例を含む)に対しては促進的に、逆に亢進例に対しては抑制的に作用し、障害されている胃排出能を正常化した
16)17)。
18.2.4 下部食道括約部圧(LESP)の上昇作用
本剤のLESP上昇作用はガストリンやコリン作動性薬剤に比べて長時間持続した(イヌ、ヒト)
18)19)。
18.3 選択的な制吐作用
第4脳室底に位置するCTZの刺激を介して誘発される各種薬物(アポモルヒネ、レボドパ、モルヒネ等)による嘔吐を低用量で抑制した(イヌ)。なお、条件回避反応等の中枢神経系に対する作用のED
50と制吐作用のED
50との間には極めて大きな分離が認められ、選択的な制吐作用を示した
20)21)22)。