本剤投与が必要とされた全国35施設46例における臨床成績は以下のとおりであった
9)。効果は、ステロイドに対する効果、抗腫瘍効果、有用性の3つに分けて評価した。
46例中31例(約67%)でステロイド減少効果が認められた。腫瘍の大きさが測定された副腎癌18例中7例(38.9%)で抗腫瘍効果が認められた。
46例中36例(78.3%)で副作用が認められた。主な副作用
注1)注2)は、食欲不振28/47例(59.6%)、嘔気26/47例(55.3%)、総コレステロール上昇19/39例(48.7%)、γ-GTP上昇6/27例(22.2%)、嗜眠8/47例(17.0%)、発疹8/47例(17.0%)、ALP上昇7/42例(16.7%)、AST上昇7/45例(15.6%)、ALT上昇7/45例(15.6%)、嘔吐7/47例(14.9%)、下痢7/47例(14.9%)、LAP上昇3/25例(12.0%)であった。
各担当医師による「++、+、−」の3段階の判定では、下表のとおり47例中31例(約66%)で有用性が認められた。
疾患名\ | 症例数 | 有用性 |
++ | + | − | 不明 |
クッシング症候群 | クッシング病 | 16 | 8 | 5 | 0 | 3 |
副腎腺腫 | 5 | 1 | 1 | 0 | 3 |
副腎癌 | 16 | 2 | 4 | 3 | 7 |
その他注3) | 3 | 2 | 1 | 0 | 0 |
その他の副腎癌 | 6注1) | 2 | 5 | 0 | 0 |
合計 | 46 | 15 | 16 | 3 | 13 |
注1)1例については、2期間、2施設において研究されたので、2つのデータとして扱った。
注2)自覚的副作用については47例、臨床検査上の副作用については検査症例数に基づき発現頻度を算出した。
注3)結節性副腎異形成(疑)2例、異所性ACTH産生腫瘍1例。