医療用医薬品 : マイオビュー

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医薬品情報


総称名 マイオビュー
薬効分類名 放射性医薬品
心臓疾患診断薬
心機能診断薬
薬効分類番号 4300
ATCコード V09GA02
KEGG DRUG
D06050 テトロホスミンテクネチウム
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2023年10月 改訂(第2版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
マイオビュー「注射用」 MYOVIEW Kit 日本メジフィジックス 4300446D1024 30103円/回分 処方箋医薬品注)

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

4. 効能または効果

○心筋シンチグラフィによる心臓疾患の診断
○初回循環時法による心機能の診断

6. 用法及び用量

<心筋シンチグラフィ>
通常,成人にはテトロホスミンテクネチウム(99mTc)注射液185〜740MBqを静脈内に投与し,投与後10分以降に,被検部に検出器を向け,撮像もしくはデータ収集及び処理を行い,心筋シンチグラムを得る。
なお,投与量は,年齢,体重,検査方法により,適宜増減する。
<初回循環時法>
通常,成人にはテトロホスミンテクネチウム(99mTc)注射液370〜740MBqを静脈内に急速に投与し,投与直後よりデータを収集し,心RIアンジオグラムを得る。必要に応じ,収集したデータより,左室駆出分画等を算出する。
なお,投与量は,年齢,体重,検査方法により,適宜増減する。

8. 重要な基本的注意

診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与することとし,投与量は最小限度にとどめること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には,診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
診断上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し,授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 頻度不明
過敏症発疹
消化器嘔吐
循環器血圧低下
その他潮紅,熱感,口内灼熱感,金属味,動悸,口内異常感,嗅覚錯誤

14. 適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 本品は用時調製する。
14.1.2 調製中の術者への被曝を軽減するため,調製は注意深く,かつ迅速に行うこと。
14.1.3 調製方法
調製時の酸素不足により極めてまれに標識不良が起こることが報告されているので,調製は以下のように行うこと。
テクネチウム-99mとして555MBq/mLを超えない濃度の日局過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液を入れた注射筒を準備する。通気針をバイアルゴム栓に刺した後,過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液を必要量加え,そのままプランジャーを引いてバイアル内のガス2mLを抜き取ることにより通気針から無菌空気を導入する。
14.1.4 調製後は6時間以内に使用すること。
14.1.5 調製液を保存する場合は,常温で遮光すること。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
本剤は静注後,速やかに血中から消失した1)2)
16.3 分布
16.3.1 主に心筋,肝臓,肺等に分布した。心筋への取り込みは急速で,投与後5分には投与量の1.2〜1.8%が集積した。一方,そのクリアランスは緩徐であり,投与後3時間でも1.0〜1.3%が保持されていた。肝臓及び肺からの消失は急速で,また肺への取り込みはわずかであった2)
16.3.2 吸収線量
MIRD法により算出したテトロホスミンテクネチウム(99mTc)注射液を静注したときの吸収線量は次のとおりである1)
 吸収線量(mGy/37MBq)
臓器安静時運動負荷時
心臓0.00390.0041
0.00210.0023
肝臓0.00420.0032
胆のう0.04860.0332
膵臓0.00500.0050
0.00460.0046
小腸0.01700.0121
大腸上部0.03040.0201
大腸下部0.02220.0153
腎臓0.01250.0104
膀胱0.01930.0156
精巣0.00310.0034
骨髄0.00400.0041
全身0.00370.0038
16.5 排泄
時間の経過とともに胆道・消化管及び尿路系への取り込みが増加し,投与後48時間までに投与量の約60〜80%が尿及び便中に排泄された1)

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
心筋シンチグラフィにより病変の局在診断や除外診断,あるいは虚血心筋のバイアビリティの評価や治療効果の判定に関する情報が得られたことから,406例中380例(94%)で有効であると評価された3)4)
17.1.1 国内第II相試験
心疾患患者51例に心筋シンチグラフィを実施し,得られた有効率88.2%(45/51)(有効例数/症例数)は以下のとおりである。また,15例において同時に初回循環時法を実施し,心機能の評価も可能であった3)
陳旧性心筋梗塞,急性心筋梗塞,狭心症,その他(心筋症,心筋症+狭心症,無症候性心筋虚血,切迫梗塞)
疾患名有効例数/症例数有効率
心筋梗塞23/2495.8%
狭心症15/1788.2%
その他7/1070.0%
全52例に対し,本剤に起因する異常所見は認められなかった。
17.1.2 国内第III相試験
心疾患患者355例に心筋シンチグラフィを実施し,得られた有効率94.4%(335/355)(有効例数/症例数)は以下のとおりである。また,75例において同時に初回循環時法を実施し,心機能の評価も可能であった4)
陳旧性心筋梗塞,急性心筋梗塞,狭心症,梗塞に狭心症合併,心筋症,その他(心臓弁膜症,心不全,心筋炎,無症候性心筋虚血,洞不全症候群,心室異形成,WPW症候群等)
疾患名有効例数/症例数有効率
心筋梗塞130/13298.5%
狭心症121/12993.8%
梗塞に狭心症合併32/3884.2%
心筋症33/3789.2%
その他19/19100%
全355例に対し,有害事象として熱感と腹部不快感が各1件認められた。

18. 薬効薬理

18.1 測定法
本剤の有効成分に含まれる放射性核種から放出される放射線(ガンマ線)が核医学検査装置により画像化される。
18.2 集積機序
本剤は,静注後血流とともに急速に心筋に集積し,しばらく保持される2)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1.

分子式 C18H40O4P2
分子量 382.46
核物理学的特性 99mTcとして):
・物理的半減期:6.0067時間
・主γ線エネルギー:141keV(89.1%)
理化学知見その他 19.1 テトロホスミンテクネチウム(99mTc) 調製前の化合物:テトロホスミン(tetrofosmin)

22. 包装

2バイアル(1バイアル×2),5バイアル(1バイアル×5)

23. 主要文献

  1. Higley B,et al., J Nucl Med, 34, 30-38, (1993) »PubMed
  2. 久保敦司,他, 核医学, 29, 1165-1176, (1992) »PubMed
  3. 佐々木康人,他, 核医学, 30, 25-40, (1993) »PubMed
  4. 佐々木康人,他, 核医学, 30, 257-271, (1993) »PubMed

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
日本メジフィジックス株式会社 メディカルインフォメーション担当
〒136-0075 東京都江東区新砂3丁目4番10号
電話:0120-07-6941(フリーダイヤル)
製品情報問い合わせ先
日本メジフィジックス株式会社 メディカルインフォメーション担当
〒136-0075 東京都江東区新砂3丁目4番10号
電話:0120-07-6941(フリーダイヤル)

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
日本メジフィジックス株式会社
東京都江東区新砂3丁目4番10号

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/08/20 版