・健康成人男性(8例)に2.5%ドルゾラミド点眼液を1回1滴、1日3回、7日間点眼したときの全血中濃度は、試験第8日目に最高血中ドルゾラミド濃度1,028ng/mLに達し、それ以降の消失は非常に緩やかで消失半減期は約5ヵ月であった。ドルゾラミドは血漿中には認められず、全投与量の18%が全血中に存在したことから、赤血球中炭酸脱水酵素と結合していることが示されたが、赤血球機能には影響を及ぼさなかった
1)2)。代謝物であるN-脱エチル体は試験第21日目から全血中に検出されたが、定量下限(10ng/mL)付近であった
3)。
・開放隅角緑内障及び高眼圧症患者(26例)に2%ドルゾラミド点眼液を8時間毎に両眼に1滴ずつ4週間反復点眼したとき、全血中ドルゾラミド濃度は15日目の朝の投与後3時間で2,142ng/mL、28日目の朝の投与前で2,395ng/mL及び28日目の朝の投与後3時間で2,491ng/mLであり、N-脱エチル体はドルゾラミドより低い濃度であった
4)(外国人データ)。
・有色ウサギにドルゾラミド塩酸塩を点眼したとき、角膜から吸収され、角膜、虹彩・毛様体、硝子体、網膜・脈絡膜及び水晶体に高い分布が示された
5)。また、投与後赤血球中の炭酸脱水酵素との結合が認められた。
・有色及び白色ウサギに2%ドルゾラミドを点眼し、眼組織中濃度を比較した。有色ウサギの虹彩・毛様体中濃度は白色ウサギに比べて顕著に高く、点眼後4時間では4.4倍に達したが、点眼後4時間以降は減少し点眼後24時間の虹彩・毛様体中濃度は4時間の約1/7であった
6)。
・有色ウサギに0.5%ドルゾラミド塩酸塩を両眼に単回あるいは1日2回、11日間反復点眼した。反復投与後1時間の虹彩・毛様体、硝子体及び網膜・脈絡膜中濃度は単回投与の2〜4倍に、水晶体中濃度は15倍に増加した
7)。
・ドルゾラミド濃度0.1μg/mL及び1.0μg/mLでのヒト血漿タンパク結合率はそれぞれ30.1%及び27.8%であった
8)(
in vitro)。
・ヒト赤血球においてドルゾラミドの結合部位は高親和性及び低親和性の2種類の存在が示唆された。ドルゾラミドのヒト炭酸脱水酵素II及び炭酸脱水酵素Iに対する解離定数(Kd値)は、それぞれ0.0006μmol/L及び2.43μmol/Lであった
9)(
in vitro)。
・ドルゾラミドは主としてCYP2C9、2C19及び3A4によって代謝される
10)(
in vitro)。[
10.参照]
・ドルゾラミド(44.8μg/mL)をヒト肝スライスと37℃で4時間インキュベートしたところ、大部分が未変化体のままであり、代謝物としてはN-脱エチル体のみ検出された
11)(
in vitro)。
・健康成人男性(8例)に、2.5%ドルゾラミド点眼液を1回1滴、1日3回、7日間点眼したとき、ドルゾラミドの尿中排泄量は試験第8日目までに全投与量の0.6%であった
1)。また、N-脱エチル体は尿中にほとんど検出されなかった
3)。
・開放隅角緑内障及び高眼圧症患者(26例)に2%ドルゾラミド点眼液を8時間毎に両眼に1滴ずつ4週間反復点眼したとき、投与28日目の朝の投与から投与後8時間までのドルゾラミドの尿中排泄量は140μgであった。また、N-脱エチル体は尿中に排泄されたが未変化体の方が主であった
4)(外国人データ)。