医療用医薬品 : ベロテック |
List Top |
総称名 | ベロテック |
一般名 | フェノテロール臭化水素酸塩 |
欧文一般名 | Fenoterol Hydrobromide, Fenoterol |
製剤名 | フェノテロール臭化水素酸塩製剤 |
薬効分類名 | 気管支拡張剤 |
薬効分類番号 | 2252 |
ATCコード | R03AC04 R03CC04 |
KEGG DRUG |
D01428
フェノテロール臭化水素酸塩
商品一覧 相互作用情報 |
JAPIC | 添付文書(PDF) |
販売名 | 欧文商標名 | 製造会社 | YJコード | 薬価 | 規制区分 |
---|---|---|---|---|---|
ベロテックエロゾル100 | Berotec Metered Aerosol 100 | 日本ベーリンガーインゲルハイム | 2252704G2020 | 614.2円/瓶 | 処方箋医薬品 |
本剤の使用は、患者が適正な使用方法について十分に理解しており、過量投与になるおそれのないことが確認されている場合に限ること。
「重要な基本的注意」の項参照
本剤の投与は、他のβ2刺激薬吸入剤が無効な場合に限ること。
小児に対しては、他のβ2刺激薬吸入剤が無効な場合で、入院中など、医師の厳重な管理・監督下で本剤を投与する場合を除き、投与しないこと。
次の患者には投与しないこと
カテコールアミン(エピネフリン、イソプロテレノール等)を投与中の患者
「相互作用」の項参照
本剤に対して過敏症の既往歴のある患者
本剤は喘息発作に対する対症療法剤であるので、本剤の使用は発作発現時に限ること。
通常1回2吸入(フェノテロール臭化水素酸塩として0.2mg)する。成人には2〜5分間たって効果が不十分な場合はさらに1〜2吸入する。
患者に対し、本剤の過度の使用により、不整脈、心停止等の重篤な副作用が発現する危険性があることを理解させ、次の事項及びその他必要と考えられる注意を与えること。
1回2吸入を原則とするが、1回1吸入からはじめ、効果を確認しながら使用すること。なお、吸入後2〜5分を待っても十分な効果がみられない場合には、2吸入を限度として追加吸入できるが、それ以上の追加吸入を行うときは、少なくとも6時間の間隔をおき、1日4回までとすること。
慎重投与
甲状腺機能亢進症の患者[症状を悪化させるおそれがある。]
高血圧症の患者[血圧が上昇することがある。]
心疾患のある患者[動悸、不整脈等があらわれることがある。]
糖尿病の患者[症状を悪化させるおそれがある。]
高齢者「高齢者への投与」の項参照
重要な基本的注意
本剤の投与は、他のβ2刺激薬吸入剤が無効な場合に限ること。
過度に使用を続けた場合、不整脈、場合により心停止を起こすおそれがあり、特に発作発現時の吸入投与の場合には、使用が過度になりやすいので十分に注意すること。
投与にあたっては、過度の使用を防止するために、用法用量を正しく指導し、経過観察を十分に行うこと。用法用量どおり正しく使用しても効果が認められない場合には、気道炎症の増悪が疑われ、本剤の効果が認められないままに過度の使用になる可能性があるので、本剤の投与を中止し、他の適切な治療法に切り替えること。
発作が重篤で吸入投与の効果が不十分な場合には、可及的速やかに医療機関を受診し治療を受けるよう注意を与えること。
相互作用
併用禁忌
エピネフリン製剤 エピネフリン ボスミン注 ノルエピネフリン イソプロテレノール製剤 アスプール液 メジヘラー・イソ | 不整脈、場合によっては心停止を起こすおそれがある。 | エピネフリン、イソプロテレノール等のカテコールアミン併用により、アドレナリン作動性神経刺激の増大が起きる。 そのため不整脈を起こすことが考えられる。 |
併用注意
キサンチン誘導体 テオフィリン アミノフィリン ステロイド剤 ベタメタゾン プレドニゾロン コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム 利尿剤 フロセミド | 血清カリウム値の低下作用を増強することがある。 血清カリウム値のモニターを行う。 | キサンチン誘導体はアドレナリン作動性神経刺激を増大させるため、血清カリウム値の低下を増強することが考えられる。 ステロイド剤及び利尿剤は尿細管でのカリウム排泄促進作用があるため、血清カリウム値の低下が増強することが考えられる。 |
副作用
副作用発現状況の概要
調査症例4,729例(承認時258例、再審査終了時4,471例)中副作用が報告されたのは53例(1.12%)であった。主な副作用は動悸33件(0.70%)、振戦19件(0.40%)、頭痛3件(0.06%)、嘔気3件(0.06%)であった。また、臨床検査値においては特に一定の傾向を示す変動は認められていない。
重大な副作用及び副作用用語
重大な副作用
β2刺激剤により重篤な血清カリウム値の低下が報告されている。また、β2刺激剤による血清カリウム値の低下作用は、キサンチン誘導体、ステロイド剤及び利尿剤の併用により増強することがあるので、重症喘息患者では特に注意すること。更に、低酸素血症は血清カリウム値の低下が心リズムに及ぼす作用を増強することがある。このような場合には、血清カリウム値をモニターすることが望ましい。
その他の副作用
5%以上又は頻度不明 | 0.1〜5%未満 | 0.1%未満 | |
循環器 | 動悸 | 頻脈 | |
精神神経系 | 振戦 | 頭痛 | |
消化器 | 嘔気 | ||
呼吸器 | 咽喉刺激感、咳嗽 | ||
過敏症注) | 発疹、そう痒症、蕁麻疹 | ||
その他 | 倦怠感 |
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[動物実験でラットに胎児骨格異常の出現頻度の増加が報告されている。]
授乳中の婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[授乳中の投与に関する安全性は確立していない。動物実験(ウサギ)で母乳中へ移行することが報告されている。]
小児等への投与
小児に対する安全性は確立していないので、他のβ2刺激薬吸入剤が無効な場合で、入院中など、医師の厳重な管理・監督下で本剤を投与する場合を除き、投与しないこと。
臨床検査結果に及ぼす影響
本剤はアレルゲンによる皮膚反応に抑制的に作用する場合があるので、注意すること。
適用上の注意
(使用法)
本剤の効果を十分にあらわすためには正しい使い方をすることが大切である。初めてエロゾルを使用する場合には、鏡の前で試みるのが望ましい。
次の順序で使用する。
キャップをはずす。
なお、初めて使用する場合及び前回使用から3日間(72時間)使用していない場合には、2回噴霧し、正しく噴霧されるか確かめる。ただし、このとき顔に向け噴霧しないこと。
息をはき出す。
容器を右図のように持ち、吸入口を歯で軽くくわえる。このとき、容器の底は上を向く。
できるだけ深く息を吸い込みながら、容器の底を1回垂直に強く押す。数秒間息をとめ、その後、口からアダプターをはずしゆっくり息をはき出す。
2吸入する場合は[2]〜[4]の手順を繰り返す。
使用後はキャップをつける。
吸入終了後はうがいをする。
本剤の効果を十分に発揮するため、痰がからんでいるようなときは、使用前にできるだけ出しておくこと。
この装置は指でおさえ圧を加えることにより何回も使用でき、一定量が噴霧された後、自動的にもとの状態にもどるようになっている。なお、容器の底を上にして圧を加えないと薬剤が噴霧されないので、この点注意すること。容器1ボンベ(10mL)で約200回吸入できるが、内容物が外から見えないので、時々容器を振って中に液があるか否かを確かめておく必要がある。
吸収・代謝・排泄
気管支喘息を対象とした二重盲検比較試験の結果、本剤の有用性が認められた。これら二重盲検比較試験を含む臨床試験が国内10施設、総計258例について実施された。承認された効能・効果において、効果判定のなされた240例での有効率(有効以上)は72.9%であった。
フェノテロールの薬効薬理作用の主体は、β2アドレナリン受容体刺激による気管支平滑筋弛緩作用(気管支拡張作用)である。
気管支拡張作用
摘出気管支平滑筋標本(モルモット2))において、イソプロテレノール、サルブタモールよりも強い弛緩作用を示す。成人気管支喘息患者に吸入投与した場合、イソプロテレノールよりも強い気管支拡張作用を示すことが認められている。3)
生体位(イヌ4))において、イソプロテレノール、サルブタモールに比べ、作用持続時間は長い。成人気管支喘息患者に吸入投与した場合、吸入直後より効果が発現し3)、作用は8時間以上持続することが認められている。5)
β2アドレナリン受容体への選択性
摘出標本(モルモット2)4))および生体位(モルモット4))において、気管(気管支)拡張作用(β2アドレナリン受容体刺激作用)は、心拍動数増加作用(β1アドレナリン受容体刺激作用)に比べ強く、β2アドレナリン受容体に対する選択性は高い。
その他の作用
抗アレルギー作用
抗原-抗体反応による感作ヒト肺組織からSRS-Aの遊離6)、および気管支喘息患児白血球からのヒスタミン遊離を抑制することが認められている。7)なお、気管支喘息患児に経口投与した場合、ハウスダストによる皮膚反応が抑制されることが認められている。8)
実験的喘息防御作用
成人気管支喘息患者におけるヒスタミン、アセチルコリン、セロトニン誘発喘息9)および成人気管支喘息患者のアレルゲン10)誘発喘息に対し、吸入投与した場合、緩解作用を示すことが認められている。
また、気管支喘息患児の運動負荷喘息に対しても、吸入投与した場合、緩解作用を示すことが認められている。11)
気道線毛運動亢進作用
まれにゴミがつまり噴射しない場合があるので、その場合は、よく消毒した針で右図のごとくステム孔を掃除すること。また、アダプターの噴射孔にゴミがつまり噴射しない場合には、アダプターを水でよく洗い、乾燥してから用いること。
(ステム孔)
使用後火中に投じないこと。
地方自治体により定められたボンベの廃棄処理法にしたがうこと。
ベロテックエロゾル100
1ボンベ(10mL)×5
1. | Seyberth H W et al, Verh Dtsch Ges Inn Med, 79, 888, (1973) »PubMed |
2. | 柳川孝生ほか, 応用薬理, 20, 415, (1980) |
3. | 滝島 任ほか, 臨牀と研究, 53, 197, (1976) |
4. | Giles R E et al, J Pharmacol Exp Ther, 186, 472, (1973) »PubMed |
5. | Riedel-Dibbern E et al, Int J Clin Pharmacol Suppl, 4, 129, (1972) |
6. | Hughes J M et al, Eur J Pharmacol, 95, 239, (1983) »PubMed »DOI |
7. | 富田有祐ほか, 臨床薬理, 12, 49, (1981) »DOI |
8. | 西間三馨ほか, 小児科臨床, 37, 1911, (1984) |
9. | Benjamin C, Medical Proceedings Mediese Bydraes, 18, 35, (1972) |
10. | Woitowitz H J et al, Respiration, 29, 549, (1972) »PubMed »DOI |
11. | 永倉俊和ほか, アレルギー, 30, 335, (1981) »DOI |
12. | Iravani J et al, Int J Clin Pharmacol Beiheft, 4, 20, (1972) |
13. | Felix R et al, Prax Pneumol, 32, 777, (1978) »PubMed |
改訂履歴 |
2012年12月 改訂 |
文献請求先 |
日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社 |
業態及び業者名等 |
製造販売元(輸入発売元) |
[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] | 2021/1/20 版 |