医療用医薬品 : カルナクリン

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医薬品情報


総称名 カルナクリン
一般名 カリジノゲナーゼ
欧文一般名 Kallidinogenase
製剤名 カリジノゲナーゼ製剤
薬効分類名 循環障害改善剤
薬効分類番号 2491
ATCコード C04AF01
KEGG DRUG
D03330 カリジノゲナーゼ
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2022年6月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
カルナクリン錠25 CARNACULIN Tablets 三和化学研究所 2491001F5056 9.6円/錠
カルナクリン錠50 CARNACULIN Tablets 三和化学研究所 2491001F6060 12.8円/錠
カルナクリンカプセル25 CARNACULIN Capsules 三和化学研究所 2491001M3044 9.6円/カプセル

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
脳出血直後等の新鮮出血時の患者[血管拡張作用により出血を助長するおそれがある。]

4. 効能または効果

○下記疾患における末梢循環障害の改善
○下記症状の改善
更年期障害、網脈絡膜の循環障害

6. 用法及び用量

<カルナクリン錠25>
通常成人1回1〜2錠、1日3回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
再評価結果の用法・用量は次のとおりである。
カリジノゲナーゼとして、通常成人1日30〜150単位を1日3回に分割経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
<カルナクリン錠50>
通常成人1回1錠、1日3回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
再評価結果の用法・用量は次のとおりである。
カリジノゲナーゼとして、通常成人1日30〜150単位を1日3回に分割経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
<カルナクリンカプセル25>
通常成人1回1〜2カプセル、1日3回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
再評価結果の用法・用量は次のとおりである。
カリジノゲナーゼとして、通常成人1日30〜150単位を1日3回に分割経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦
治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

10. 相互作用

10.2 併用注意
アンジオテンシン変換酵素阻害剤過度の血圧低下が引き起こされる可能性がある。本剤のキニン産生作用とアンジオテンシン変換酵素阻害剤のキニン分解抑制作用により、血中キニン濃度が増大し、血管平滑筋弛緩が増強される可能性がある。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 0.1〜5%未満0.1%未満頻度不明
過敏症発疹そう痒感、じん麻疹 
循環器 心悸亢進 
消化器胃部不快感、嘔気、嘔吐、食欲不振、上腹部痛、下痢、便秘  
肝臓  AST上昇、ALT上昇、肝機能障害
その他ほてり頭痛、頭重、眠気、倦怠感 

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内一般臨床試験(高血圧症)
本態性高血圧症等の患者53例を対象に、カルナクリン150単位/日又はプラセボを8週間投与して、二重盲検クロスオーバー試験を行った。開始時と投与終了時について、最高血圧及び最低血圧の変化量により分類した判定基準に基づき効果を判定した結果、それぞれの有効率は最高血圧が68.0%(36/53例)、最低血圧が54.8%(29/53例)であり、本剤の有用性が認められた1)
17.1.2 国内一般臨床試験(更年期障害)
更年期障害の患者41例を対象に、カルナクリン150単位/日又はプラセボを3週間投与して、二重盲検試験を行った。投与前後の更年期指数減少率が50%以上かつ更年期指数が19以下、または更年期指数減少率が80%以上を改善として判定した結果、改善が50.0%(10/20例)であり、本剤の有用性が認められた2)
17.1.3 国内一般臨床試験(メニエール症候群)
メニエール症候群の患者36例を対象に、カルナクリン150単位/日又はプラセボを4週間投与して、二重盲検クロスオーバー試験を行った。自覚症状の総合判定、めまいの総合判定、さらに他覚症状の総合判定において本剤の有用性が認められた3)
17.1.4 国内一般臨床試験(ビュルガー病)
ビュルガー病等の患者54例を対象に、カルナクリン150単位/日又はプラセボを8週間投与して、二重盲検試験を行った。自覚症状や他覚症状の変化をもとに総合的に判定した結果、本剤の有用性が認められた4)
17.1.5 国内一般臨床試験(網脈絡膜の循環障害)
網脈絡膜の循環障害の患者25例を対象に、カルナクリン150単位/日を6カ月間投与して、臨床試験を行った。症状出現眼に対してやや有効以上改善眼を有効例とした改善率は網膜出血が100%(16/16例)、白斑が100%(8/8例)、網膜浮腫が93.8%(15/16例)であり、本剤の有用性が認められた5)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
血漿中のα2-グロブリン分画に属するキニノーゲンを酵素的に分解することでブラジキニンを遊離させる。ブラジキニンは、血管内皮細胞のβ2受容体を刺激して一酸化窒素(NO)やプロスタグランジン類の産生を亢進させることで強力な血管拡張作用を現す。また、微小循環速度の亢進作用を介して血流量を増加させ、組織の循環障害を改善する6)
18.2 血管拡張作用
末梢血管の血管平滑筋に作用して、血管拡張作用を示した7)(ウサギ)。
18.3 血圧降下作用
18.3.1 カリジノゲナーゼの血圧降下作用は、用量依存性が認められた8)(ウサギ)。
18.3.2 腎動脈を狭窄し実験的に腎性高血圧モデルを作製し、カリジノゲナーゼを筋注すると、血中のキニノーゲンの消費とそれに伴う血圧の降下が認められた8)(ウサギ)。
18.4 末梢循環障害改善作用
18.4.1 実験的に末梢循環障害を惹起させ、その循環障害の指標としてアルドラーゼ活性を測定したところ、対照群に比べ著しくアルドラーゼ活性を抑制した7)(ウサギ)。
18.4.2 大腿動脈結紮による血行障害では、対照群に比べ副血行路の新生が認められた9)(イヌ)。

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. カリジノゲナーゼ

一般的名称 カリジノゲナーゼ
一般的名称(欧名) Kallidinogenase
物理化学的性状 本品は白色〜淡褐色の粉末で、においはないか、又は僅かに特異なにおいがある。
本品は水に溶けやすく、エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
本品の水溶液(1→300)のpHは5.5〜7.5である。
KEGG DRUG D03330

22. 包装

<カルナクリン錠25>
100錠(PTP10錠×10、乾燥剤入り)、1,000錠(PTP10錠×100、乾燥剤入り)、1,000錠(バラ、乾燥剤入り)
<カルナクリン錠50>
100錠(PTP10錠×10、乾燥剤入り)、1,000錠(PTP10錠×100、乾燥剤入り)、84錠(PTP21錠×4、乾燥剤入り)、
1,050錠(PTP21錠×50、乾燥剤入り)、2,100錠(PTP21錠×100、乾燥剤入り)、1,000錠(バラ、乾燥剤入り)
<カルナクリンカプセル25>
100カプセル(PTP10カプセル×10、乾燥剤入り)、1,000カプセル(PTP10カプセル×100、乾燥剤入り)、1,000カプセル(バラ、乾燥剤入り)

23. 主要文献

  1. 高橋龍之助 他, 基礎と臨床, 9 (1), 83-104, (1975)
  2. 大池哲郎 他, ホルモンと臨床, 23 (9), 937-947, (1975) »PubMed
  3. 猪 初男 他, 耳鼻臨床, 67 (4), 391-406, (1974) »DOI
  4. 神谷喜作 他, 基礎と臨床, 9 (1), 177-191, (1975)
  5. 片山寿夫 他, 眼科臨床医報, 81 (11), 72-74, (1987)
  6. 第十八改正日本薬局方解説書, C-1367-1374, (2021), (廣川書店)
  7. 浅野 修 他, 応用薬理, 10 (1), 101-116, (1975)
  8. 岩田忠彦 他, 薬学雑誌, 99 (1), 45-50, (1979) »DOI
  9. 平岡 治 他, 基礎と臨床, 9 (1), 52-63, (1975)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
株式会社三和化学研究所 コンタクトセンター
〒461-8631 名古屋市東区東外堀町35番地
電話:0120-19-8130
FAX:052-950-1305
製品情報問い合わせ先
株式会社三和化学研究所 コンタクトセンター
〒461-8631 名古屋市東区東外堀町35番地
電話:0120-19-8130
FAX:052-950-1305

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
株式会社三和化学研究所
〒461-8631 名古屋市東区東外堀町35番地

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/05/21 版