PUVA療法により皮膚癌が発生したとの報告がある。
2.1 皮膚癌又はその既往歴のある患者[皮膚癌が増悪又は再発するおそれがある。]
2.2 ポルフィリン症、紅斑性狼瘡、色素性乾皮症、多形性日光皮膚炎等の光線過敏症を伴う疾患のある患者[光毒性反応が増強される。]
白斑部位にのみ適量を塗布し、1〜2時間後に日光浴あるいは人工紫外線の照射を行う。
通常、同一白斑部位においては、週1〜3回程度の治療施行が望ましい。限局性の白斑には外用療法が望ましい。
7.1 紫外線を照射する場合、照射源及び個人差に応じて至適量を個々に把握する必要がある。その目安としては、照射した翌日の治療白斑部位が軽度にピンク色に発赤し、持続する程度が適当である。
7.2 特に最初の照射量は、皮膚炎を防止する上からも、最少紅斑量以下から開始することが望ましく、一応の目安として、日光浴の場合は5分より始め、人工紫外線照射の場合は、光源より20〜30cmの距離から1分より始め、以後白斑部位の皮膚症状により漸増・漸減して至適量を把握し、照射すること。
7.3 本剤は360nmをピークとする波長に高い活性を有するので、主として360nm付近の波長を有するBlack-lightの照射が望ましい。
8.1 紫外線照射後そのまま放置しておくと過度の皮膚炎症状を起こすおそれがあるので、エタノール綿又は石鹸等で洗い流すか、入浴してよく洗い流すこと。また、必要に応じて、直接日光に当たらないよう注意させること。
8.2 PUVA療法により皮膚癌が発生したとの報告があるので、治療前には患者によく説明し、PUVA療法施行後は患者の皮膚の状態に注意すること。また、紫外線照射の蓄積により皮膚癌の発生頻度が高まるとの報告があるので、長期にわたり漫然と治療しないこと。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 薬剤性光線過敏症及び光線過敏症の既往歴のある患者
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)において、経口投与で胎児への移行が報告されている
1)。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)において、経口投与で乳汁中への移行が報告されている
1)。
9.7 小児等
9.8 高齢者
治療方法に留意すること。一般に生理機能が低下している。
14.1 薬剤投与時の注意
指先等患部以外の部位に付着した場合は、エタノール綿又は石鹸等で洗い流すこと。
15.1 臨床使用に基づく情報
乾癬のある患者に使用した場合、皮膚癌が発現し易くなるおそれがある。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 ローション製剤の国内臨床試験
国内一般臨床試験の成績は以下のとおりである
注)。
疾患名 | 改善率(%)【改善以上】 |
尋常性白斑 | 68.7(167/243) |
注)0.2〜1%ローションを用いて行われた臨床試験6試験(再評価資料)の合算である。
17.1.2 ローション0.3%製剤の国内臨床試験
ローション0.3%剤形追加時の国内一般臨床試験の成績は以下のとおりである。
疾患名 | 改善率(%)【改善以上】 |
尋常性白斑 | 64.3(45/70) |
副作用発現割合は7.1%(5例/70例)であった。発現した副作用は水疱5.7%(4例/70例)、紅斑、熱感、痂皮各1.4%(1例/70例)であった。